パソコン批評vol.28への批評です。 created 2000年5月7日
久しぶりの「パソコン批評の批評」。これまでの号に批評すべきことがなかったのではなくて、批評する時間がなかっただけ。
■P4 FrontColumn1
だいたいこの業界に長くわだかまっている(好きでいるわけぢゃない)我々のようのあ情報産業下層労働者の言語野において、「インターネット」というモノは「できる/できない」というニュアンスで語られる種類の名詞ではない気がするのであるよ。
いつもの藤本節だが、いつもながら、自分のことを卑下して書くインテリ見たいな嫌みが鼻につく。「ワシはプログラマだから、ユーザーよりえらいのね」って感じだ。前置きはいわずもがな。しかも、結論が、全然普通の”「インターネット」というモノは「できる/できない」というニュアンスで語られる種類の名詞ではない”なんだからね。
もちろん、このコラムで取りあえげられている”「インターネットができないと某一流企業への就職はムリ」”ということへの失笑には同感ではある。しかし、このことは、すでに「パソコンできる?」ということで、何年も前に結論が付いていることだ。藤本氏だって、昔書いていたはずだ
いまさら、”業界に長くわだかまっている(好きでいるわけぢゃない)我々のようのあ情報産業下層労働者の言語野において”という前書きで書くべきことではないと思っただけだ。
ちなみに、私は藤本氏がMacJapanやMacLifeにコラムを連載しているときからのファンと言っても良いくらいの人間なので、ひっかかっただけかもしれません。
■FrontColumn4 自分は何者?そしてどこへ行きたいの?
この人はSOHOを自認しているが、自らが書いている「電脳内職」とどうちがうのかが全く私には分からない。
コラムに結論を求めることが無意味なのかもしれないが、この文章の結論は一体何なのかさっぱり分からない。小さな「いいたいこと」はそれなりに、なるほどと思えることを書いてあるが、全体としてなにを言いたいのかがわからない。
「SOHOとは孤独だ」というのは、切実な言葉だろう。特に、時間にタイトな請負仕事をしているような場合には切実だろう。夜中の二時にトラブッても誰も頼ることができないのだ。こういうのは、会社で仕事している人とは別の次元の心細さだろう。そういう経験があるなら、それだけで一本書けば良いのにと思う。
ただ、この人の文章は、編集部とクレジットされたものよりはるかにましだ。
■第一特集。
このようなことが特集になること自体が、パソコン批評が一般ユーザーから離れて、パソコンオタクの雑誌になってしまっていることがわかる。
そのプロセッサがユーザーにもたらしてくれるモノやコトとコストと実際にもたらしてくれるコトについて引いた立場から批評すべきであって、ペンティアムとAMDのベンチマークなんて必要がないと思う。そんなものは、他紙でいくらでも読めるのだから。
一般的なユーザーはパソコンをしょっちゅう買い換えるものではない。だから、チップセットやマザーボードのアップグレード耐性なんて意味がない。だいたい、CPUに不満があったからといってCPUだけ換えたって効果的でないことは分かり切っているだろう。
ユーザーにとって必要なのは、自分の用途を満足するためのパソコンであって、XXXMhzで動作する最新のCPUとマザーボードではないだろう。必要のない3D機能だってそうだ。メールとwwwしかやらないユーザーに3Dnow!なんて必要ない。当然、3Dアクセラレータチップと4MBものメモリを積んだグラフィックカードも不要だ。会社で使うなら音すらいらないことが多い(私の会社では大半のパソコンは音が出ないようにしてある)。
現在、パソコンのハードウェアはユーザーの大多数の用途を満足させるに十分なパワーをもっていると言っても良いだろう。
6GBのHDを使い切っているユーザーなんてどれくらいいるんだろうか。ムービーを編集するユーザーがどれくらいいるんだろうか。パソコンの基本的な機能や用途は未だに十分理解されていない。FEP(IMP or IM)の辞書登録をしている人がどれくらいいるんだろうか。変換効率を上げるための変換の仕方を知っている人が、基本的なショートカットキーを知っている人が。。。。
パソコン批評の編集部やライターにとっては、新型CPUやチップセットは大事件かもしれないが、そこしか見えないとオタクの泥沼に入ってしまう。
■P34千年紀電脳コラム「バグのたわごと」・PART2
勝負の分はやはり、相変わらずのペースで発展するパソコンにある。iModeやPDAで全て事足りると思った人たちに、ぜひパソコンを経験して欲しい。「これってやっぱりパソコンでやるものだったのね」と思われる筈。ノートで事足りると思った人にはデスクトップを。デスクトップで事足りると思った人にはワークステーションを経験して欲しい。つまり環境のステップアップである。
最後にはメインフレームにでもする気なのか?大は小を兼ねるの発想だが、ワークステーションでは使えないようなアプリケーションもあるだろうし、パソコンからPDAや携帯への流れもあるはずだけど、その辺は全く問題ないのだろうか?
私も、”iModeやPDAで全て事足りる”とは思っていないが、iModeやPDAでなければできないこともあると思う。用途が違うモノをステップアップの対象にすることはおかしい。補完するべきなのだ。これでは、自家用車でいい人に「こっちならいっぱい荷物が載るから」とワンボックスやトラックを勧めるようなものだ。
また、「環境のステップアップ」を謳いながら、後のほうでは「アクセシビリティ」として、サイバーナウトとかPalmを賞賛している。これって、PDAじゃないの?
更に重い仕事を効率的にこなそうとすれば、複数のコンピュータがLANでつながっていなくては話にならなくなる。
って、書いているんだけど、ホントに仕事でパソコンやLANを使っているとは思えない。どんな仕事が”重い仕事”なんだろう。単体のパソコンでできないような仕事をLANで繋いだからって、分散コンピューティングOSでも入れない限り、負荷の分散なんてできないでしょう。そんな重い分散処理の必要なほどの科学技術計算をパソコンベースでやる人がいるんだろうか。
会社で扱う重い仕事はLANの彼方にある、汎用機やRDBサーバーでやるだけで、性格が違うのであって、重い軽いではない。そんなもの、ダミー端末としての使い方であって、コンピューティングとは違うモノだ。もし仮に、データ量の少ない企業で、パソコンで経理処理などをしている場合でも、データ量が増えたからとLAN環境にしても意味がないだろう。ソフト自体を変えない限り無意味だ。くりかえしになるが、パソコンのあり方というレベルの話ではなく、システム全体の問題だ。
同時に、こういうレベルのシステムが構築されてくると、端末に機能が不要になってくるのだ。データーもアプリケーションもサーバーにおいて必要最小限をネット経由で入手できるようになったら、ローカルのパソコンの必要性が相対的に下がってくるのだ。実際、今会社ではイントラネット化が進んでいる。極端な話、ローカルのパソコンにはシステムとブラウザーだけで事足りる可能性がある(今のようにMSのワープロや表計算を使う必要がある限りは難しいが)。そうなると、ブラウザー機能のある端末であれば、会社ではパソコン出先ではPDAや携帯電話でもよくなるのだ。そいう文脈でのパソコン不要論だろう。だれも、iModeとPDAで完結しようなんて言ってないだろう。
■P36第2特集企業がいだく成功への妄想e-commerce
という特集だが、取り上げられているのは、株のオンライントレードだけだ。株のオンライントレードはe-commerceではあるが一部だろう。また、wwwベースの小売にしても一部にすぎないだろう。wwwサイトでの企業活動全てを包括的に述べる概念がe-commerceなのではないのだろうか。
■P77デジタルカメラは何を基準に選ぶべきか?300万画素ならどれが「買い」か?
これは、基本的には私が書いてきたことと同じことを述べている。画素数にこだわるあまり、ハンドリングに不便な巨大データになってしまうメガピクセル機へ盲信を戒めるのは正解。
■P94 インフォキャリーに見る機能特化型携帯端末
執筆者として編集部となっているが、文章がひどい。まるで、ガキの投稿文だ。これは、P32で指摘されている「見も知らない人々と交流するのに、友達言葉なのは序の口。文字交流する気があるとは思えない文が少なくない。…」に該当するのではないだろうか。
■P124 読者のページ
読者の投稿はともかく、コメントが、上の指摘そのままの文章だ。オタク野郎の雑談のようで、気持ちが悪い。
P130のSTUFFで編集部の構成が大きく変わってしまったのが原因だろうか。編集部の構成が全く変わってしまっている。編集長も編集部も全員が入れ代わっている。以前に比べてはるかに多数の編集部になっているのに、記事の文章を構成できる人間は皆無のようだ。
これが今後のパソコン批評の方向性ならもう買うのも投稿するのも辞めようかな。