その後への影響 (小林よしのり、筒井康隆、)
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          ■ 小林よしのりについて
             朝倉泉は、当時小林よしのりが「少年ジャンプ」で連載していた「東大 一直線」を愛読していた。このことは報道され、小林よしのりも知ってい た。 朝倉泉は、この「東大一直線」から少なからず影響を受けたものと思わ れるが、逆に小林よしのりも、朝倉泉事件から一方ならぬ衝撃を受けたも のと考えられる。  というのも、「ゴーマニズム宣言」"第129章 筒井康隆と計略を巡らす" (「週刊SPA!」1994年11月頃掲載)に、まったく唐突に朝倉泉のこと が描かれているからである。  朝倉泉が描かれた回のゴーマニズム宣言のあらすじは以下のとおり。
        
        「角川書店発行の教科書に転載された
         筒井康隆氏の小説「無人警察」に、
        「てんかんに対する差別を助長する表
         現がある」として、日本てんかん協会
         が94年の夏以来、抗議していた問題
         で、筒井氏と同協会は、次の改訂でこ
         の作品を教科書から削除することで合
         意し、94年11月7日の記者会見で
         発表された。
        
          この結果に、同協会は、要望が認め
         られたと判断、さらに今後、過去の作
         品に対して表現の削除や訂正を求めな
         いことを言明した。
          合意に達した理由について、筒井氏
         は、差別表現があったとは思わないが、
         いじめを懸念した、としている。
        
          両者の見解に対し、マスコミは極め
         て否定的で、問題の本質は何ら解決さ
         れておらず、言葉の自主規制問題は解
         消されていないといった論調が目立っ
         た。」
        「ゴーマニズム宣言 第7巻」(扶桑社)
         131頁「解説」より
        
        この中に、突然以下のコマが現れる。
        
        
        ゴーマニズム宣言に登場する朝倉泉
        
        「 ふと わしはこの時
          あることを思い出した
          1979年 世田谷で
          一人の高校生が
          自分の祖母を殺し
          飛び降り自殺をした
         
          エリート主義だった
          その受験生は
          筒井康隆に影響を受け
          わしの「東大一直線」のファン
          だったそうだ
        
          一人の少年に
          影響を及ぼし
          破局に
          追いやった
          2人の作家が
          今こうして
          自分たちの
          わがままを
          いかに貫くか
          計略をめぐらしている
        
          彼はこれ見て
          そーとー
          喜んでいること
          だろう・・・  」
        ゴーマニズム宣言に登場する朝倉泉
         この章の全文を読んでいただければ容易にわかるが、(登場した回の
        ゴーマニズム宣言 129章全文はここ。1 2 3 4 5 6 7 8)
        直前の「秘 秘 秘」のため文脈が通じにくい点があるものの、朝倉泉は
        この話の流れにはまったく関係ない。
         小林よしのりは、筒井康隆と二人で話していることのみをキッカケとし
        て、なんら脈絡なく、瞬時に15年以上も昔に起こったあの事件を思い浮か
        べているのである。
         そして、それが朝倉泉に好意的なものであることは、
        「彼(朝倉泉)は これ見てそーと喜んでいることだろう・・・」
        と描いてあることからも読み取れる。
        
         なおこのとき筒井康隆は、小林よしのりと喋っていても、朝倉泉のこと
        など思いもしなかっただろうと思われる。
        
      ■ 筒井康隆について
         遺書中に書かれてある「ある小説家」とは、筒井康隆である。朝倉泉は 筒井康隆の本をほとんど読んでおり、相当のシンパシーを覚えていたもの と考えられる。朝倉泉の遺書および友人の話からすれば、筒井康隆は、朝 泉から、何通か手紙を送られているようにも思われる。  筒井康隆が、朝倉泉に対してどう思ったかは、以下の通り。大人の反応 である。
      index  年表