| 2003年 4月 | |||
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| @ | 銀座幽霊 | ![]() | |||
| 大阪圭吉 | 創元推理文庫 | 推理 | |||
| 309頁 | 660円 | ★★★ | |||
戦前にこんなトリックメインの推理小説作家がいたとはまったく知らなかった。 | |||||
| A | サム・ホーソーンの事件簿1 Diagnosis:Impossible The Problems of Dr.Sam Hawthorne | ![]() | |||
| E・D・ホック | 創元推理文庫 | 推理 | |||
| 439頁 | 860円 | ★★★ | |||
これまた「有栖川有栖の密室大図鑑」で読む気になった、トリックメインの短編集。実は「銀座幽霊」と一話毎に交互に読んでいたりする。同じジャンルでありながら、表紙のあまりの雰囲気違いの所為で、そんな気になったわけだ。 | |||||
| C | 神と悪魔の遺産 上下 始末屋ジャック・シリーズ Legacies (1998) | ![]() ![]() | |||
| F・P・ウィルスン | 扶桑社ミステリー | 冒険 | |||
| 323頁/332頁 | 724円/724円 | ★★★★ | |||
ジャックは恋人ジーアの仲介で、小児エイズセンターの医師アリシアからの依頼を引き受ける。センターの職員たちが入院中の子供たちのために集めたクリスマス・プレゼントが盗難されるという事件だったが、これをジャックは巧く処理する。その手際に感心したアリシアは、別に自分の遺産相続に対する始末を彼に依頼するが・・・。 | |||||
| D | 惑星タラスト救出せよ! キャプテン・フューチャー12 Planet in Peril (1942) | ![]() ![]() | |||
| E・ハミルトン | ハヤカワ文庫 | SF | |||
| 279頁 | 340円 | ― | |||
彗星王事件でアルルスが残した機器を研究していた科学者チコ・スリンは、20億光年もの彼方の別の宇宙から異星人を呼び寄せることに成功した。未知なる科学技術に身を委ねて、太陽系へと渡ってきた異星人――タラスト人と名乗る兄妹――は、グラッグやオットーではなく、なぜかカーティスを見て驚きの表情を隠せない。タラスト人たちの宇宙は死滅にむかっており、その中で彼らは<冷たきものたち>の手で滅ぼされる寸前というところまで追い詰められているという。その彼らの伝説の中に、タラストに危機が迫った時、昔宇宙が若かった頃彼らを率いて宇宙を駆け巡った英雄カフールが再来するという話があるという。そして、そのカフールの髪はカーティスと同じように燃えるような赤毛だったというのだ。かくしてカーティス・ニュートン=キャプテン・フューチャーは<伝説の英雄カフール>になりすまし、フューチャーメンとともに20億光年彼方へ危機のタラスト人を救いに向かうが・・・。 内部に含まれる物質の量は少なくなっていく。 結果的に、空間を歪ませる重力は弱くなるわけだ。 そのために、カーブを持った空間は膨張をつづけていく。 そしてついに臨界点に達すると、もはや空間の連続性が保てなくなってしまう。 この点で宇宙は泡のように破裂して、ずっと小さな球体となる。 怪しげな理屈だが、発表当時としては斬新なインパクトを与えただろう。「太陽系七つの秘宝」の極小宇宙から考えると、なかなかマトモな宇宙観だといえる。 ――いや、昔読んだころは極小宇宙にもすごく夢を感じたのだが・・・。 キャプテン・フューチャーのストーリーは、他愛もないと言えばそれはそうだが、エンディングにじわりとくる箇所が結構あるのである。本書でも一件落着したところで、伝説の英雄カフールの銅像に向かって、「あんたのカオはつぶさなかったぜ」とカーティスがつぶやくところなんか最高にいい。 ここをより良く味わうためにも、ぜひとも“仕掛け”には素直に騙されてほしいところだ。 他にも“喪心の刑”という魅力的な設定もでてくるし【注3】、なかなか楽しめるエンターテインメント小説なのだが、われわれの宇宙より何倍も大きな宇宙が舞台だというのに、あいかわらず距離感に乏しい宇宙で、ドンパチやっているのは残念。 しかし<冷たきものたち>は撃退したものの、あいかわらずエントロピーの増大が進む宇宙のタラスト人たちに向かって、「宇宙の再生までガンバレ」っていうのも、なんとも脳天気ですばらしい。 タラスト人の今後の宇宙カレンダーを作ってみたい…。 【注3】わたしは“離魂の刑”と覚えていたが、TVアニメ版ではそうだったのかな? (2014/5/17改訂) | |||||
| E | ロシアは今日も荒れ模様 (1998) | ![]() | |||
| 米原万里 | 講談社文庫 | 民族薀蓄 | |||
| 270頁 | 495円 | ★★★ | |||
「魔女の1ダース」に続くロシアものエッセイ第二弾。今回は著者が通訳として随行した、エリツィンやゴルバチョフたち要人の素顔についても語っているので、近代国際政治裏面史の一面もある。 という成句で笑った後に、“女”を“現実”や“社会”に置き換えてもこの句は成り立つところが怖ろしい。ロシアでは、社会の潤滑油が極端に欠乏して壊れるまで、油を補充してメンテすることを怠り、結局機械自体を置き換えようとする革命やクーデターにまで発展してしまうのではないかと著者は考察しており、最早笑い飛ばすことはできなくなる。 ウォトカがこれほど密接に社会に関係しているというのは、司馬遼太郎のエッセイや「坂の上の雲」でも取り上げられていなかったような…。 それにしても、ウォトカって一般名詞として定着しているのだろうか。 わたしとしては、ウォッカのほうが馴染みがあるのだが。 【注3】プーチンはもう10年以上も権力を握っているということですな。 (2014/5/17改訂) | |||||
| F | 徳川御三卿 上下 (1995) | ![]() ![]() | |||
| 南原幹雄 | 角川文庫 | 時代 | |||
| 327頁/351頁 | 533円/533円 | ★★ | |||
八代将軍吉宗の残した遺産御三卿と御三家との確執。自らの存在基盤の喪失を恐れた尾張、水戸は、京で勢力を伸ばしつつある尊王論者竹内式部と結び、影で幕府に敵対する。御三卿一橋宗尹は平松小五郎を名乗って市井に出、情報を探索する。 | |||||
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