再読。このサイトを始めて以来の、感想ダブリだ。
ちょうど大河ドラマも演ってる――とんと見てないが――ことだし、つい再読してしまった。癖があるとは言え、やはり面白い。今でも大河ドラマ「義経」を見続けている奇特な人たちには、ぜひ本書でこの時代の状況を俯瞰的に見て、源平合戦から初代幕府政権へ繋がる流れを楽しんで欲しい。
義経というとんでもない野郎が――本人の性格はわからないが――、いかに時代をかき回したかが解るだけでも面白いのではないだろうか。
たしかに、あれよあれよの間に義経が平家を滅ぼさなかったら、東の源氏と西の平家という二極構造、いや、平家が潰れなければ奥州藤原氏の勢力もしっかり残っただろうから、ある程度の期間はまさに日本三国志時代が続いのではないだろうか。
履歴をあらためて見てみれば、源頼朝という男が、いかに稀代の幸運児だったことも判って面白い【注1】が、後白河上皇がようやく退場して征夷大将軍となった頼朝も、いやにあっさりと(見方によれば怪しく)退場し、さらに頼家、実朝と、輪をかけて怪しくこの世を去る。そういった臭みたっぷりの中、関東武士政権は執権北条氏を中心として、つつがなく継続するという、日本の歴史ならではの不可思議さがとても興味深い。
おそらく本シリーズの魅力は、いかに日本の歴史が、そして日本人の感性が、世界の常識から見て不可思議かということに気付かせてくれることだろう。こういった面白さは、絶対に教科書では教えてくれない。
(2015/12/3改訂) |