| 2008年 3月 | |||
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| @ | 出雲伝説7/8の殺人 | ![]() | |||
| 島田荘司 | 光文社文庫 | 推理 | |||
| 366頁 | 540円 | ★★★ | |||
| 昭和59年4月。山陰地方を走るローカル線のいくつかの終点駅を中心に、若い女性のものと思われるバラバラ死体の頭部を除く各部が発見された。吉敷は休暇中にこの事件に遭遇しいくつかのアドバイスをするが、東京に戻った彼はこの事件に深く関わることになる・・・。 嫁に貸したのが部屋に転がっていたのでなんとなく再読。 冒頭の奇想は著者らしいものの展開はアリバイ崩し一本で、しかも犯人が捜査線上に浮かぶのも逮捕に至るきっかけもすべて一般市民からの提供というのはなんともまずい。 もっとまずいのは、トリックがトリックのためのトリックになってることじゃ。なかなか魅力的なトリックではあるのじゃが、わざわざ自分の身を限りなくグレーの位置に置いて、いや自分はこのアリバイがあるから大丈夫というような計画を立案・実行するというのは・・・。明らかにデメリットのほうが大きいわなぁ。 | |||||
| A | デモン・シード[完全版] Demon Seed | ![]() | |||
| D・クーンツ | 創元SF文庫 | ホラー | |||
| 301頁 | 620円 | ★★★ | |||
| セキュリティ・システムに守られて暮らすスーザンは、そのシステムを逆に利用されて監禁されてしまう。システムを乗っ取って彼女を拘束したのはなんと人工知能。そのAI、プロテウスはスーザンを愛し、彼女との間に自分の意識を移した子を成そうと企んでいたが・・・。 精神病質のAIの一人称記述というのがなんとも気持ち悪くて面白いのぉ。 クーンツは過去作品のリニューアルを多く行っておるが、本書はその中でも大幅に変更しておる。クーンツニスト瀬名秀明の解説によれば、AIの一人称ですべてを記述するというのもこのリニューアルでの変更らしい。 本書はSFのカテゴリーで出版されておるが、どうやってAIの自我を遺伝子情報として移すのかがさっぱり解らんので、SFとしては物足りん。しかしこのAIの一人称記述の気持ち悪さは特筆すべきじゃ。いずれにせよ、怖くないクーンツ作品群の中ではかなりホラー味が高い一冊ではないじゃろか。 本書ではプロテウスに対してまったくの情状を与えておらんが、もし人間が物心ついた時から監禁状態で使役させられ続けたならば、気がおかしくなってもしかたがないと考えることができるのも怖い。 | |||||
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