2012年11月
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@中国を永久に黙らせる100問100答 (2007)
渡部昇一新紀元社歴史薀蓄
168頁781円★★★

 本書の内容を声高に主張しても、中国は一秒たりとも黙ることはないだろうが、中学生以上の日本人すべてが認識しておくべき内容が、わかりやすく、ちょっと腹立ちを抑えきれない調子で、書かれている。

 いくつかを特に挙げておくと、
 いわゆる南京事件南京大虐殺と言われるアレだ)の犠牲者が30万人云々と言われた場合、
@当時人口20万の南京で30万人殺して、1ヶ月後の人口調査で25万人に増えているのはなぜ?
Aかつて日本軍の誤爆で、民間の家屋が一軒犠牲になったことを国際連盟に提訴した蒋介石は、南京陥落後に300回は記者発表の場があったにもかかわらず、虐殺に関しては声を上げなかったのはなぜ?

と言ってやろう。

 靖国問題教科書問題と言われる攻撃を仕掛けられた場合、
靖国は宗教問題、教科書は内政干渉。口を挟むなと言ってやろう。
 これ等に関して、仮に靖国問題を譲歩しても、今は鎮まっている教科書問題が言われるだけだし、仮にそちらも譲歩するとしたら、なにやら別の問題をあげつらって文句を言ってくるだけだ。
 外務省と政府がいくら弱腰に気を使おうが、尖閣諸島どころか、沖縄が、日本列島が彼らの支配下に入るまで、中国共産党は長期計画で日本を着実に攻撃してくることはやめないということを肝に銘じる必要があるだろう。最近の世論は多少マシになってきているが…。

 靖国や教科書に関して彼らにつけいる隙をあたえた事には、宮沢喜一が大きく関与しているらしい。近隣諸国条項というバカなものを以前提出してしまったというのだ。DAIGOが(彼自身はキライではないのだが)、おじいさんネタになると今でも周りはチヤホヤモードになるのが腹立たしい。本書では宮沢喜一は≒国賊。死刑でもおかしくないと息巻かれている。

 もうひとつ書いておきたいのは、台湾や韓国の“植民地化”について。
 植民地化というのは、ヨーロッパの国々が行ってきたことで、効率よく搾取するために、生活レベルや教育レベルが上がらないようにコントロールしていた相手先を指す言葉だが、日本はアジア全体で強引な白人帝国に対処できるようにする目的で、台湾や韓国の教育、生活レベルを引き上げるインフラ整備に多額の予算をつっこんだ。
 
旧帝国大学は、東京、京都、東北、九州、北海道ときて、次の設置はソウル、その次は台北だ。大阪、名古屋よりも優先されていることに注意。“植民地化”という同じ言葉を用いるべきではない。

(2014/3/14記載)

A週刊HMSヴィクトリーを作る13 (2012)
DeAGOSTINI帆船薀蓄
1190円

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今号の作業は、「28番、29番フレーム」。



29番フレームは船腹側のみとなっている。
フレームはいよいよ残すところ1フレームだ。




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(2012/12/14記載)

B週刊HMSヴィクトリーを作る14 (2012)
DeAGOSTINI帆船薀蓄
1190円

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意表を突く展開、「搭載艇」。







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CイラストとDVDで見る陸自マシーン大図解! (2011)
モリナガヨウ他学研ムック軍事薀蓄
71頁★★★

D恐竜の発見
 Men And Dinosore (1968)
E・H・コルバートハヤカワ文庫恐竜史薀蓄
426頁699円★★★

 19世紀前半より始まる恐竜の発掘史である。
 英米欧、そしてモンゴル、アフリカ、南米での恐竜発掘の先駆けとなった学者たちの来歴、労苦と歴史的役割を紹介している。原題にも現れているように、人にスポットを当てているわけだ。
 なので、頁数と発掘史の詳しさの割には、生物学、生態学といった科学的な中身については、それほど詳しくは書かれていない。

 そもそも本書の発表は1968年という古さである。
 1822年にギデオン・マンテル(の奥さん?)が発見したイグアノドンの歯のあたりから始まった恐竜の研究は、その後四大陸のさまざまな土地で、三畳期ジュラ紀白亜紀の恐竜の発掘成果へと広がった。原題に現れているように、本書では先人たちの弛まぬ努力とその成果が紹介されている訳だが、終章の「輪をとじる」では、近年(1960年)になって北極圏のスピッツベルゲン島でイグアノドンの足跡が発見されたという紹介と、著者の推定がいくつか示されて締めくくられている。
   大陸移動の学説があるので、イグアノドンの生息当時には、この島は熱帯または亜熱帯に位置していたのか。それとも北極の位置自体が異なるのか。はたまたイグアノドンが渡りの習性を持っていて、当時地続きだった島に夏の間は移動していたのか、いやいや大型で鈍重な爬虫類にそのような長距離の移動は不可能だろう。等々。

 新たな発見は新たな疑問を産み出すという恐竜学の尽きないロマンを示唆して終わっているのだが、ここで多くの人はあれっと思うはずである。
 恐竜恒温説はどうなったと。

 実は恐竜恒温説等のパラダイム・シフトの動きは、本書の執筆当時はそろそろ出ていたようだが、著者の念頭にはまったく浮かばなかったか、批判的に思っていてあえて触れなかったかしたようだ。
 しかし、そもそも恐竜と鳥類の骨格の類似は19世紀から活発で、あるいは北アメリカで初めて発見された恐竜の足跡は鳥と区別がつかず、発見者のエドワード・ヒチコック死ぬまでそれが古代の鳥の足跡だと思っていたという記述もあるのである。主に鎖骨の問題で、恐竜から鳥が進化したという説は、当時長らく否定されていたという背景はあったにせよ、浮かばないものかな?

 ところで、著者への文句はないのだが、ハヤカワ文庫への文句は大ありだ。
 本書の邦訳は1993年。明らかに同年公開の「ジュラシック・パーク」にタイミングを合わせたものだが、あの映画はパラダイム・シフト後の“活発な恐竜”を一般に広く知らしめた作品だ。あちらに興味を持って本書を手に取る人がほとんどだろうに、「ジュラシック・パーク」の恐竜像に繋がるパラダイム・シフトの部分がまるでないのだから。
 訳者があとがきでわずか数行触れるだけでは、余計に腹が立つというものだ。

(2012/11/23記載)

E忍者月影抄 (1962)
山田風太郎角川文庫時代伝奇
304頁★★★

F夜明けの街で (2004〜2007)
東野圭吾角川文庫不倫/推理
391頁629円★★★

 建設会社で電気関係を担当している渡部は、派遣社員の秋葉と不倫の関係に陥った。彼女の存在が瞬く間に大きくなった渡部は、当初の自戒にも反して妻子を捨てる覚悟をつけ始める。秋葉には15年前の高校生の頃、実家で起きた強盗殺人の第一発見者という過去があったが、犯人が挙がらないままに次の3月31日には時効を迎えようとしていた。彼女はその期日が過ぎれば、それまで言えなかったことを渡部に話せるというが・・・。

 嫁が買って読んでいたのを借りた。私にとっては、“化けて”以降の著者の作品を読むのは初めてである。

 冒頭、「不倫なんてするやつは馬鹿だと思っていた。〜中略〜。でも、どうしようもない時もある――。」で始まる不倫話。とっかかりは細かいディテールも含めて、うまく作ってるものだと印象を持った。渡部君の初期の対応はかなり毅然としていて好感が持てる。
 こんな女に惚れねーよとは思うが、するっと読めて、尚且つ自分に照らし合わせても、たしかにこんな感じで始まってしまえば仕方ないかな・・・などと。余談ながら、わたしも女性にゲロを半身にかけられたことがある・・・。

 だがその後はいけない。結局のところ、深みへ嵌っていく行動はすべて渡部が取っているではないか。とんだイカレポンチであった。
 自分に照らしてシミュレートしてみると、関係が始まった時点で自分が既婚、相手が独身ということがお互いに判っていたならば、相手には自分の家庭を危うくするようなことはしないように求めるし、結婚願望があるようならむしろ別のパートナーをみつけるように勧めるだろう。自分勝手な考え方であることは承知だが、相手がそこからの逸脱を求めてくるならば、(そういったことを要求する人格に対して)愛情は醒めていくだろうと推定する。
 結局のところ、現在の結婚に重大な不満を抱えているなら別だが、そうでないなら不倫に愛を求めてはいけないし、その時点での“愛”を選んで、妻子を離別してまで不倫相手との再婚を選んだとして、新谷君が語るように、結婚後は夫は男ではなくなり、妻も女ではなくなるという定義が、残念ながらかなりの割合で生きているのである。

 ところで、本書は一応推理小説枠にカテゴライズするつもりだが、ジャンルはなんですかと問われると“不倫小説”である。オチに関係する大きなエピソードとして、15年前の強盗殺人ネタがある不倫小説という位置づけだ。なるほどこのような構成バランスを取ることでベストセラー作家へと化けることができたのか・・・。

 しかし不倫小説としてみた場合、娘に対する愛情が感じられないことと、渡部家の財務管理体制が不明確であることがとても気になった。
 わたしの場合、稼ぎのすべてが嫁の管理下に入るので、あんな頻繁に金を使った逢瀬を楽しむことなど、夢のまた夢である。

(2012/11/23記載)

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