2014年10月
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@戦後SFマンガ史 (1980)
米沢嘉博ちくま文庫マンガ薀蓄
403頁900円★★★★

 文庫化されたのは比較的最近だが、驚いたことに元本は1980年。もはや30年以上前の作品であった。
 当然ながら出版年以降の情報は欠如しており物足りないのだが、戦後のマンガ史については、これまで藤子不二雄A「まんが道」か朝ドラの「ゲゲゲの女房」での、当事者とはいえ個人目線からの体験記しか知らなかったので、俯瞰した位置から総評した本書は貴重だ。

 日本のマンガは手塚治虫の巨大な影響を避けて通れないが、その彼が高いSF志向を持っていた故に、日本のマンガ史=SFマンガ史と言い換えてもほぼ間違いないくらいなものだ。
 さて、本書は1947年以降一年毎に章立てされているのだが、各章冒頭にはその年に発表された作品が、SFマンガは言うに及ばず、封切られた映画、翻訳された小説、放送されたTV作品のその範囲における一覧が挙げられている。【注1】
 そして日本の場合は、手塚治虫を代表とするマンガが、戦前の軍事空想冒険小説?と戦後50年代、60年代のSF小説の橋渡しとなった経緯があるので、本書は日本SF史の重要な一部であるとも言える。とても貴重な所以だ。
 一年毎に詳述されているので、自分が生まれる以前は少々読みづらかったりもするが、貴重であることはまちがいない。

 個人的には、「がきデカ」しか知らなかった山上たつひこに、SFマンガの書き手として言及されるような側面があったことも、小さくない衝撃だった。

【注1】この場合の作品は、もちろんSF作品ということだが、SFの定義はごく緩く、ヒーローもの、怪獣ものといった特撮作品なども挙げられている。

(2015/1/29記)

A邪魅の雫 (2006/2009)
京極夏彦講談社文庫探偵
1311頁1400円★★★★

 榎木津礼二郎といえば、その破天荒な性格はともかく、外見、家系ともに縁談には申し分のない男だが、なぜか毎回相手先から断られており、最近ではついに相手側に人死にまで出てきたという。親族からの調査依頼に対して、薔薇十字探偵社の探偵助手益田は、榎木津に内緒で捜査を始める。これが江戸川大磯平塚と連なる殺人事件の一環に繋がっていくことに…。

 前作があんなんだったので、今回は激しく不安感をもって臨んだ。期待感の高さから在庫期間が長くなるのは、わたしの悪い癖だが、文庫版が出てすぐに買った筈の本書を読むのに5年もかかったのは、今度もツマランかったらどーしよーという懸念感からきていたほうが大きい。

 まあわたしの抱いていた懸念は杞憂に終わり、そこそこ面白くてホッとしたが、逆に言えば、「塗仏の宴」以前の作品と較べて、“そこそこ”と接頭をつけたくなってしまう印象も否めない。
 本作の殺人事件は<ネタばれ反転>「不連続殺人事件」よろしく、一見連続殺人事件にみえているが、真相はどうなのという興味で繋がれている。
 犯行に使用された毒物の特殊性ゆえに、警視庁は連続殺人だと断定しているが、この毒薬、いわゆる推理小説の古典的ルールからすればまさに邪道である。しかしこの毒薬を触媒のように使って話を膨らませているのが面白いところで、このセンからの流れで、731石井部隊まで語られたり、捜査に公安が介入してきたりと、巧く興味を引っ張っている。

 しかし宗教や思想の色眼鏡を外させる京極堂の蘊蓄と、いわゆる事件の謎解きが混然となっているところに、このシリーズの面白さが詰まっていることを考えると、本作はやはり小粒感は否めない。

 そう言えば、タイトルになっている邪魅を京極堂が解説する蘊蓄はなかったような…。

(2015/1/29記)

Bこれでいいのか三重県
 秘境で生まれた三重のミステリー 日本の特別地域特別編集55 (2014)
昼間たかし編マイクロマガジン地理薀蓄
137頁1300円★★★★

 本屋でみかけたこんな本を、また発作的に買ってしまった。
 よくある“ケンミンショー”的な興味の延長上にある本だが、地域毎の文化の違いを紹介しているだけでなく、近年の政治状況も含めてマイナス面にもかなり踏み込んで紹介しているのが特長だ。

 わたしが居住しているのが何県なのかがモロバレだが、三重県が地理的にも歴史的にもなかなか興味深い立ち位置にあることが確認できたような気がする。

 マイナス面の記述についても、ツッコミながらも抑制は入いっており、ちょうどよい塩梅で好感が持てる。

(2015/1/29記)

C快読100万語! ペーパーバックへの道 (2002)
酒井邦秀ちくま学芸文庫英語薀蓄
137頁1000円★★★★

 実は本書を買って読み始めたのは2006年だった。(その当時の影響の残骸をこちらで確認できます…。)
 その時は、対費用効果があまりに悪いことに失望して、Graded Readersの絵本をわずか三冊読んだだけというしょぼすぎる実績で終了。本書は最初の数十頁を読んだキリで放置していたのだが、長らく忘却していた本書を今回たまたま発掘したので、仕切り直しで最初から読み始めてみると、今回はなぜだかぐいぐい一気読みし、ついでに英語多読を再開させてしまった次第。

 その理由に関しては、8年前に比べて仕事上届く英文メールの数がヤマと増えている(ほとんどはc.c.だが)事もあるが、最大の理由は私的なもの。
 こちらで書いたように7巻以降が25年以上も未訳で、今後も邦訳される可能性が絶無な反地球シリーズ(Gorian Saga)の原書ペーパーバック24冊を、後先考えずに大量にポチってしまったことが大きい。
 本書を読んで、もしかしたらこいつらを読破することも可能かもしれないと夢想できた事は、大いに魅力的だった…。

 という訳で、英語の勉強ということである程度の資本投入を嫁に認めてもらい【注2】、図書館で英語絵本を借りることも視野に入れて、再度百万語多読への挑戦をするつもりだ。なるべく家計を圧迫しないように、積極的に図書館を利用するつもりだが、いかんせん市立図書館にも県立図書館にも、Graded Readersの蔵書が悲しいほど少ないことが判った。なだらかに語彙や文量を増やしていくためには、自費購入もかなり覚悟しないといけないだろう…。【注3】

 多読の基本ルールは↓こんな感じ。

・辞書をひかない。
・訳さない。(英文のままでの理解を目指すということ)
・解らない部分はとばす。
・面白くない本はやめて、別の本に移る。

【注2】乏しい小遣いの中でやりくりするのは無理だ…。
【注3】頁数、総語数の少ない絵本が、必ずしも読みやすいとは限らない。使用語彙数や文章構造などが影響するからである。細かくランク分けされたGraded Readersでは、その辺りがコントロールされているので、自分の現在位置を確認するためにも、こちらもかなり読む必要があると思う。

(2015/1/29記)

E4Baker, Baker, Cookie Maker
STEP INTO READING (STEP 2)
L・ヘイワードRANDOM HOUSE英語多読教材
30頁162語/YL0.4〜0.6
語彙250語まで

E5Big Bird Says...
STEP INTO READING (STEP 2)
S・ラーナーRANDOM HOUSE英語多読教材
30頁456円215語/YL0.4〜0.6
語彙250語まで

E6Frozen: A Tale of Two Sisters
STEP INTO READING (STEP 2)
M・ラゴネグロRANDOM HOUSE英語多読教材
30頁456円327語/YL0.4〜0.6
語彙250語まで

E7Dead Man's Money
OXFORD BOOKWORMS (STARTER)
J・エスコットOXFORD UNIVERSITY PRESS英語多読教材
26頁643円1,260語/YL0.8〜0.9
語彙250語

E8Happy Birthday, Thomas!
STEP INTO READING (STEP 2)
R・W・オードリーRANDOM HOUSE英語多読教材
32頁456円214語/YL0.4〜0.6
語彙250語まで

E9Frog and Toad Are Friends
I Can Read! (READING 2)
A・ロベルHarper Trophy英語多読教材
64頁449円2,275語/YL1.2〜1.6
語彙500語まで

E10The Troy Stone
Penguin Readers (EASYSTARTS)
S・ラブレィPenguin Readers英語多読教材
15頁653円996語/YL0.8
語彙200語まで

E11The Ransom of Red Chief
OXFORD BOOKWORMS (STARTER)
O・ヘンリィOXFORD UNIVERSITY PRESS英語多読教材
24頁934語/YL0.8〜0.9
語彙250語

E12King Arthur
OXFORD BOOKWORMS (STARTER)
J・ハーディ‐グールドOXFORD UNIVERSITY PRESS英語多読教材
25頁643円1,140語/YL0.8〜0.9
語彙250語

E13Frog and Toad Together
I Can Read! (READING 2)
A・ロベルHarper Trophy英語多読教材
64頁456円1,968語/YL1.2〜1.6()
語彙500語まで

E14Dead Man's River (1990)
Penguin Readers (Easystates)
E・ライアードPenguin Readers英語多読教材
15頁973語/YL0.8
語彙250語まで

E15Gulliver's Travels in Lilliput (2008)
Macmillan Readers (Starter)
M・J・ロボ
P・スビラ
Macmillan Readers英語多読教材
16頁643円583語/YL0.9
語彙300語まで

E16L. A. Detective (1993)
Macmillan Readers (Starter)
P・プロウスMacmillan Readers英語多読教材
16頁713語/YL0.9
語彙300語まで

E17The Lost Ship (1989)
Macmillan Readers (Starter)
S・コルバーンMacmillan Readers英語多読教材
16頁643円735語/YL0.9
語彙300語まで

E18Pooh's Book (2003)
Reading with WINNIE - the - POOH 1
R・ガーランドうさぎ出版
ISBN=4-902250-00-4
英語多読教材
28頁656語/YL2.0
語彙500語まで

E19The Leopard and the Lighthouse (1995)
Penguin Readers (Easystates)
A・コリンスPenguin Readers英語多読教材
15頁1,003語/YL0.8
語彙200語まで

E20Piglet's Book (2003)
Reading with WINNIE - the - POOH 2
R・ガーランドうさぎ出版
ISBN=4-902250-01-2
英語多読教材
28頁900語/YL2.0
語彙500語まで

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