2016年 6月
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@館長庵野秀明
特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 (2012)

巨神兵東京に現る (2012)

特撮薀蓄
207頁
65頁
二冊でたしか1000円★★★★

 体調が思わしくないのを圧して、2014年末に名古屋科学館のイベントに家族で行ったのだが、妻だけでなく、悲しいかな、最近はすっかり女の子になった娘も、特撮のミニチュアにまるで興味を示さず科学館の常設展示に行きたがるばかり。目玉でもある「巨神兵東京に現る」のメイキング映像の上映はわたしだけで観る始末…。

 この二冊は、出口の売店でセット売りしていたもので、入場料にプラスするにはちょっとつらいのだが、実はこの二冊を読めば会場を回る必要もないほどに、展示物を網羅した充実した内容。もちろんフルカラーなので、普通に書店売りをするならば、とても1000円では売れないだろう。

 満足の二冊だが、ただ一カ所だけはどーしても指摘したい。
 会場に展示されたメカゴジラ(もちろん昭和の)のスーツ。数多い貴重な立体史料の中でも目玉の一つで、「メカゴジラの逆襲」に登場したメカゴジラ2との説明があったが、ウェストからしっぽまでは、なぜか初代のパーツに置き換えられていたのだ。
 これは、本書の見開き2頁を使った該当箇所に、映画のワンシーンの写真も掲載されているので、オタク記憶がなくても、よくみれば違いが判る。保存状態はかなり悪く、いつの頃か二個イチにされたようだが、その説明が欲しい。

 庵野秀明の特撮愛はまごうことなき素晴らしいものだが、それだけに、ここに言及して欲しかった。

 さぁ、今夏にはいよいよ「シン・ゴジラ」が公開される。
 二作目のハリウッド・ゴジラがかなりの評価を得たとは言え、ビジュアル的には特撮も含めてそう心配していない。
 心配しているのは、俳優を扱う技量だ。
 未だ観てもないくせに偉そうな事も言えないが、「進撃の巨人」が散々だった理由もそこにあったようだ。同じアニメ出身で実写映画の大家となった市川崑ほどに、帝王然としたカリスマ性で役者をこき使わないと、映画全体の完成度は上がらないのだろう。

 果たして、庵野総監督の特撮愛とエヴァンゲリオンでの知名度は、どこまで俳優陣を従える事ができるか。お手並み拝見である。

(2016/6/29記)

A変見自在 スーチー女史は善人か (2005.3〜2006.5/2011)
高山正之新潮文庫社会薀蓄
249頁430円★★★★

(2016//記)

B東アジアのトラブルメーカー
韓民族こそ歴史の加害者である (2016)
石平飛鳥新社歴史薀蓄
231頁1389円★★★★★

(2016//記)

C週刊ロビ 第三版 21 (2013/2015)
「モートマン―SDA10」/対談:アニメメカデザイナー大河原邦男A/『ゴールドライタン』/自律思考するロボット
DeAGOSTINIロボット薀蓄
13頁1895円

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(2015//記)

D週刊ロビ 第三版 22 (2013/2015)
「ロボカップジャパンオープン2013東京」/対談:慶應義塾大学大学院教授・稲見昌彦@/『ブレードランナー』
DeAGOSTINIロボット薀蓄
13頁1895円

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(2015//記)

E354Matty Doolin (1965/1997)
Oxford Bookworms Stage 2
D・モウァッOxford University Press
0-19-422979-3
英語多読教材
41頁図書館6,580語/YL2.7
語彙700語まで

E355Leprechauns and Irish Folklore (2010)
Magic Tree House Fact Tracker
A nonfiction companion to #43. Leprechaun in Late Winter
M・P・オスボーン&N・P・ボイスRandom House
978-0-375-86009-6
英語多読教材
111頁340円(+257円)6,500語/YL3.0
語彙800語まで

E356Leprechaun in Late Winter (2010)
Magic Tree House #43
A Mealin Mission
M・P・オスボーンRandom House
978-0-375-85651-6
英語多読教材
111頁図書館11,000語/YL3.0
語彙800語まで

E357New Yorkers - Short Stories (1991)
Oxford Bookworms Stage 2
D・モウァッ
(O・ヘンリー)
Oxford University Press
0-19-422981-4
英語多読教材
39頁図書館5,895語/YL2.7
語彙700語まで

 どの話も人と人のディスコミニュケーションがテーマのようである。
 その皮肉が、ちょっといい話/ちょっと悲しい話/ちょっと笑える話にオチが分かれるが、美談になるThe Christmas Presents が有名で、知ってる人も多いだろう。ホラ、貧乏な夫婦が互いに自分の大切なものを犠牲にしてクリスマス・プレゼントを贖い、それらは役に立たなくなってしまったけどお互いに幸せ、みたいな話。

(1)The Christmas Presents
(2)Soapy's Choice
(3)A Walk in Amnesia
(4)Tildy's Moment
(5)The Memento

(2016/6/28記)

E358The Long White Cloud: Stories from New Zealand (1977)
Oxford Bookworms Stage 3
C・リンダップOxford University Press
978-0-19-479139-7
英語多読教材
57頁1円(+257 円)11,150語/YL3.3
語彙1000語まで

(1)After the Earthquake (J.Courage)
(2)Gathering of the Whakapapa (W.Ihimaera)
(3)A Kind of Longing (P.Mincher)
(4)The Silk (J.Cowley)

E359The Prisoner of Zenda (1993)
Oxford Bookworms Stage 3
D・モウァッ
(A・ホープ)
Oxford University Press
0-19-423012-0
英語多読教材
57頁図書館10,710語/YL3.3
語彙1000語まで

 実家の本棚に創元推理文庫版がある。当然読んだつもりでいたのだが、本書を読んで吃驚した。

ストーリーにとんと覚えがない…。

 単純に、読んだけど忘れたというのじゃあないぞ。
 記憶を懸命に探った結果、思い出した(と思う)のだが、おそらくエドガー・ライス・バローズ「ルータ王国の危機」とごっちゃにしていたよーだ。
 あちらも、王宮を舞台にした快男児の冒険物語で、その後書きに本書との類似が指摘されていたような。
 それで、たしか映画化もされていて知名度で勝る本書も読んでみようと、おそらくは買うだけ買ってそのまま本棚に並べたまま忘却していたのだと思う。今度実家に帰った時にサルベージして持ってこよう。
 このサイトを始めたくらいには、未読本用の本棚を分け始めていたのだが、先日はアンドレ・ノートンウィッチワールド・シリーズも実家の本棚に未読のまま並べていたことが発覚したし、他にもあるかもしれない。
 エラリー・クイーンの後期作品に、まったく中身の記憶が呼び起されないものがあるので、ここにも未読があるかも…。

(2016/6/27記)

E週刊ロビ 第三版 23 (2013/2015)
「ロボカップ」の車輪型ロボット/対談:慶應義塾大学大学院教授・稲見昌彦A/ラムダ from 『ルパンV世 season2』/遠隔操作
DeAGOSTINIロボット薀蓄
13頁1895円

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(2016//記)

F週刊ロビ 第三版 24 (2013/2015)
「ナオ」/対談:慶應義塾大学大学院教授・稲見昌彦B/『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形〜』/深海の開拓者
DeAGOSTINIロボット薀蓄
12頁1895円

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(2016//記)

Gクビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大展開 (1999/2010)
杉山正明講談社学術文庫歴史薀蓄
297頁1000円★★★★

 日本人にとって馴染みのあるのはフビライの表記だが、発音としてはHとKの間らしい。モンゴルで不定期に開催された最高の意思決定会議クリルタイも、英語では同じQUで発音されるようなので、本書で使われるクビライの方がより近い実際に近い表記のようだ。【注5】

 テムジンに始まるモンゴル帝国と言えば、日本に関係深い二度の元寇はもちろん、中央アジアの国々を蹂躙して回り、漢民族の王朝を滅ぼし、ロシアからはタタールのくびきと言われ、とにかく数々の残忍な所業を行った印象がある。
 本書でまず主張しているのは、それらの印象が、当時支配下におかれた民族の歴史書に依るもので、実状とはかなり異なるのではないかという事だ。
 著者が個人としての存在には疑問を表明しているマルコ・ポーロの記述をみても、滅亡時に多大な被害を蒙ったはずの南宋の都市が、その後も変わらずに(むしろさらに)繁栄していることは判る。【注6】

 たしかにイスラム諸国はいざ知らず、ロシアであったり、ましてや漢民族国家が過去の歴史を如何に都合よく捻じ曲げるかは、まともな日本人にはお馴染みの光景なので、著者の言には肯けるというものだ。
 細かくは覚えていないが、モンゴルがすり潰したと言う中央アジアの都市でも、その時代以降に繁栄していたことを示す証拠も幾らかあるらしい。

 本書はモンゴル帝国の歴史を追うのではなく、題名の通りクビライの事績の再評価なので、彼亡き後の大元やユーラシア大陸に広がった各ウルスの衰亡に対する言及は少ないし、本旨から外れてしまう元寇の記述も今一つ舌足らずに感じるが、従来言われてきたように、チャイナを取り込んだモンゴル政権は、中華文明を受け入れてそれに染まったというのは一面に過ぎず、巨大に発展した東西商流のシステム構築にはイスラム商人の働きが大きかったというのは面白い。
 また西洋史観からは、世界的商流は15世紀後半の大航海時代から始まったというのが通説だが、それもその前の時代に、モンゴルによるユーラシア大陸の東西商流の発展があったればこそだという。なるほどそんな気がしてきた。 

 上述したように元寇の記載は不十分なのだが、対日関係で面白い記述があった。
 元寇のおかげで、当然日本とは当時断交していたのだろうと思いがちだが、商流は結構あったというのである。
 日本では平清盛の時代、日宋貿易を重視し、宋銭が日本に大量に入ってきたが、この宋銭は、後に明の時代になっても、明銭以上に流通したらしい。(関連した記載はWikipediaにも)
 このあたりの大きな理由には、元時代に銀貨が主流になった所為で、宋銭(銅貨)が大量にだぶついて輸出商品になったということがあるという。つまりは日本に流通した宋銭のかなりの部分は、元時代の商流だというのである。

 まことに世界は繋がっていて興味は尽きない。

【注5】Wikipediaでも「クビライ」で掲載されていた。

【注6】まさか、蒙る(こうむる)という字にモンゴルの蒙(もう)があてられるのも、偶然ではないのかも!?

(2016/6/28記)

Hミラー衛星衝突 上下
 Komarr (1998)
L・M・ビジョルド創元SF文庫SF
334頁/311頁980円/980円★★★★

 コマールの衛星軌道上にあるミラー衛星で大事故が発生、莫大な費用をかけて修理をしなければ、今後コマールの生活に多大な影響が出る。不幸な事故かはたまた破壊活動かを確認するために、バラヤーは新任のヴォルコシガンと高齢の技術者あがりヴォルシスの二名の皇帝直属聴問卿を派遣。とりあえず二人はヴォルシスの姪夫婦の家に旅装を解いたが、夫が長を勤める地球化事業省セリフォサ支局で奇妙な動きが…。

 事前に判っていたことだが、本巻はマイルズとエカテリンの出逢い編。二人の視点が交互に切り替わる構成の恋愛小説になっている。
 エカテリンが人妻だという設定には驚いたものの、夫のティエンは(いわゆる男の)横暴さを絵に描いた男で、マイルズの株を上げるためのみえみえダメ亭主設定だし、事件の黒幕たちがそんな近場にいるなんて、ご都合主義も少々ひどすぎる印象なので、著者の巧みな心理描写と軽快な筆運びでぐいぐい頁は進みながらも、おいおいビジョルドさんよこんなもんかい? という前半。
 マイルズの脆い骨がすべて置き換わっていて行動面での不安がぐんと減殺されているし、30歳になった彼が自分の体を卑下せずに堂々と振舞える程に成長(しかも大きな権力を有している)ので、ある種ものたりなさを感じたのかもしれない。

 しかし後半、テロ計画の全貌が見えてくるに従い、さすがはビジョルドさんといった感心が大きくなる。
 ご都合よろし過ぎるのは動かしがたいが、行動面、心理面ともに前半の布石も決まって安定した面白さだ。
 余談だが、緊張したシーンの中でのエカテリンとヴォルシス夫人のゆったりした会話は、「椿三十郎」のワンシーンを思い出させた。

 さて、軍人貴族の領主の上に皇帝を戴き、長い孤立時代を越えて急激に現代社会に復帰したバラヤーの設定が、わが日本の歴史を少々思い起こさせるという事は、以前にも書いた。
 そのバラヤーが侵略統治しているコマールもまた、以前から何度も言及されていたが、いよいよ本書でクローズアップされ、そのまま題名にもなった。【注1】

 ストーリーとは別に、この設定が途轍もなく興味深い。
バラヤーはコマールとの同化政策(植民地として搾取するのでなく)を進めているのだが、

「(コマール人たちは)やけに怒りっぽい連中だと思いますね」
「バラヤー人を騙すのは、愛国的義務だと考えられていますよ」
人々が顔でもからだでも、衣服のようにかなり無造作に変えてしまうコマールでは〜
「連中はでっち上げることに気付いたんです」


 うーむ。
 つけ加えるなら、バラヤーがコリア、もといコマールを支配したのは地政学上の理由(つまりは安全保障)で、それも(本書では侵略ということになっているが)その理由をこしらえたのはコマール側である…。

 この数々が偶然だという可能性はあるだろうか。
 著者が本シリーズの各世界の設定に、東洋の社会からインスピレーションを得ているのは間違いなさそうだが、しかし本書の発表は1998年。日本人のわたしでさえ、欺瞞と不合理だらけの彼の国との関係に気付いたのは2002年のワールドカップ日韓共催の時だったからなぁ。いまだに擁護するバカもまだまだ存在するし。

 それとも韓国に限らず、支配された国の民というのは、えてしてこんな風な態度を取りがちなのか?【注2】
 いやそれはないだろうが、往年の白人様国家が支配する植民地先において、愚民化政策を執ったり、直接自分たちへの反抗心を団結させないように、わざと同民族内に争いの種を蒔いたりしたのと違って、日本が韓国や台湾に対して採った同化政策は、支配側からすればいたせりつくせりの温情でも、被支配側からは、自らのプライドを損ね、固有の文化を侵す非情に感じたのだろう。【注3】
 ぜひ著者に訊いてみたいところではあるが、未来のコマールが、ミラー衛星の修理にバラヤーの手は借りていない!などと言い出さない事を望む。

 さぁエカテリンとの恋愛物語として継続性のある「任務外作戦」を勢いで読んでしまうか、それともほとんど内容を覚えていない「戦士志願」を読み直すか、どーしよー。【注4】

【注1】毎度の事だが、この購買意欲をまるで喚起されない邦題は如何なものか。

【注2】韓国が(あるいは朝鮮民族が)特に異常なのは、台湾と比較するだけでも証明されているような気もするが、台湾では日本の撤退後にやってきた、蒋介石率いる中華民国の一団が極悪非道に振舞ったので、却って対日本の記憶が良く印象されたという経緯はある。

【注3】ただし白丁(奴隷身分)を含む一般庶民の暮らしを破格に改善したという実績で、韓国は日本に大いに感謝すべきなのだが、主に旧支配者(悪名高い両班)を多く含む韓半島の新たな権力階級は、その他大勢の庶民に、そうだったらいいなの妄想の歴史を教え、民族プライドの火に油を注いで回ってるわけだ。文盲の庶民にハングルを教え、それまで存在しなかった博物館を拵え、韓文化の破壊どころか保護したというのに。

【注4】SF系の小説に絞っても、「知性化戦争」「無伴奏ソナタ」「神の目の小さな塵」「アリスへの決別」が読みかけなのに、何をほざいてるんだか。

(2016/6/28記)

I民間防衛 (1969)
スイス政府編
(原書房編集部)
原書房社会薀蓄
319頁1500円★★★★

(2016//記)

E360A Thief at the National Zoo (2007)
Capital Mysteries #9
R・ロイRandom House
978-0-375-84804-9
英語多読教材
89頁194円(+257円)7,481語/YL3.5
語彙1300語まで

 安い古本がなかったおかげで、3巻から9巻に跳んだのだが、なんと主人公がホワイトハウスで暮らすようになっていた。

 まぁたしかに前兆は前からあったよ。
 KCたちが大統領を助けると同時に、KCの母親が大統領とつきあうようになって…。

(2016/6/28記)

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