ロンボク島(1998年7月30日〜8月1日)

7月31日(金)

 7時出発予定の所、目が覚めたら6時だった。HP200LX で設定したはずのア ラームが鳴らなかったので調べてみるとジャカルタ時間のままになっていた。 今から直すのも面倒なのでそのままにしておく。朝食にはまだ早いので、ミニ バーのレモンティーだけ飲み、身仕度して洗濯物をランドリーの袋に入れて待 つがなかなか来ない。観光案内を読んだり、ジャカルタで出しそびれた絵葉書 を出したりして過ごす。絵葉書はホテルのフロントで頼んで日本まで一通7000 ルピアと随分高い。最近値上げがあったのだが、それでも一通3400ルピアのは ず。後で聞くと地域によって違いはないはずと言うのだが、どうなっているの だろう。
 結局迎えに来たのは7時半ごろ。トヨタの Kijan で一路東ロンボク県へ向 かう。道は舗装されていて、かなり良い。道沿いには田んぼや畑が広がり、干 ばつがあるようには見えない。ヌサ・トウンガラ諸島の中は裕福なのだろう。 「ここの人々は政治のことなど考えない。一日外に出て耕して食べて寝るだけ だ。」とM氏。実際には州知事の選挙があったり、PDI(民主党)が活発 だったり、それなりに政治づいてはいるようだ。
 道沿いに所々商店街があり、島の主要な交通機関であるドゥカル(馬車、ロ ンボクでは別の呼び名があるらしい)行きかっていて結構活発。M氏は「ドゥ カルの語源は英語の Dog car で本来は犬がひくのが正しい」と説明するが、 たぶんかつがれたのだろう。実際、バリ島ほどではないが、ジャカルタと比べ て犬が目につく。イスラム教では不浄の動物とされているはずだが、ここでは かなり変質しているらしい。女性が頭の上に荷物を乗せて歩いている。写真で はおなじみの風景だが実際に見るのは始めて。ダムリの長距離バスやベモ(乗 合い小型バス)も屋根の上に荷物を乗せている。上に物を乗せるのがこの辺の 文化なのだろう。茶色い制服を来た可愛い小学生の集団が目につく。今日は金 曜日なので礼拝のために家に帰るらしい。大きな木造のメスジッド(モスク) を右折してしばらく、Selong の東ロンボク県庁に到着する。打合わせと調査の 実演。西の方ではバリ人や華人もいるが、この辺はほとんどササク人のイスラ ム教徒である。
 昼食前に、この辺の名所ということか、車でしばらく走り、リンジャニ山国 立公園の Otak Koko の滝へ向かう。少し山の中に入って着いた所は客がほとん どいない。2筋の滝が落ちてきて、滝壷で滝に打たれるようになっている。 「この滝は健康に良い」とM氏が説明する。脱衣所で水着に着替え、M氏に続 いて入る。ロンボク島に来てこの方、あまり暑くないのが不思議だったが、こ の滝は一際冷たい。滝に打たれると体の悪いものを流し出して水が濁るという 話だったが、その通りになった。何となく健康になった気分。コーラを飲んで 一休みするが、ABRI(国軍)の姿が目に付く。M氏は兵士と気さくに話し ているが、この辺の司令官の奥さんが滝を浴びに来るので警戒しているとのこ とだった。町の方に戻り、池の上の四阿風のレストランで食事。涼しい。
 次の目的地 Tangi 村に向かう途中で一眠りしてしまう。良く眠った旅だっ た。Tangi 村で訪れた民家の女の子が屈託のない笑顔を向けてくる。この辺で 就業状態を聞くと「仕事がない」という答が返ってくる、マレーシアに出稼ぎ に行っている人が多い、などの説明。
 馬車とバスの行き交う街道を通って一路宿に戻る。4時到着。8時に食事の 迎えに来るということで、それまでは休息。ただ休んでいるのもなんなので、 町に出てみることにする。リンサル寺はちょっと遠い。マユラ宮はガイドによ ると5時までだが間に合うだろうかと考えながら道を歩いているとベモに呼び 止められた。「マユラに行くか?」と聞いたら「行く」との返事。そのまま乗 り込んでしまったが、事前に値段を聞くのを忘れた。乗ってから聞くと5千ル ピアだという。どう考えても高いが、ポケットにそれより細かい札が無かった ため、まぁいいやとOKしたら歓声が上がった。かなり高く乗ったらしい。
 マユラ宮までは車だとすぐ。降りて反対側の塔が目立つ敷地に入ったが、そ こはマユラ宮ではなくメル寺だった。案内にはロンボク・ヒンズー教の総本山 と書いてあるが、随分と小さい。ヒンズーの3神を祭る3つの塔が目立つ位で ある。訪問者は他に熱心に写真を撮っている白人のカップル一組。その辺を歩 き回っていると、彼らに説明していたガイドがやってきて腰巻きを差し出すの で、腰に巻き、サイン帳に記帳する。日本人も結構来ている。簡単に説明をし てくれるが、どうやら修復のための寄進を募っているらしい。5千ルピア差し 出すと喜んで受け取る。両手を合わせる挨拶から考えて、この寺の僧侶なのだ ろうか。マユラ宮は向かいにあった。今では完全に公園になっている。池の上 に舞台があり、地元の人が釣りをしている。持参したデジタルカメラで釣り人 の写真を取らせてもらう。「どこから?」「日本、でもジャカルタに住んでい る」のお決まりのやり取り。結構英語が通じる。こちらにもヒンズー寺院が併 設されていて、「神聖を汚す行為禁止、整理中の女性入るべからず」との表 示。全体に商売っ気がない。
 公園を出て馬車に乗りたいなどと思いながら宿の方に歩いているとバイクに 呼び止められる。宿の名前を言ってどちらの方かと聞くと乗って行けと言う。 値段を聞くと2,500ルピアだという。正規のバイクタクシーかどうか分からな いが、先ほどのベモより安いので乗って行く。到着して5千ルピア渡すとお釣 りをくれた。ずいぶんとご機嫌。良い収入だったのだろう。部屋に戻って迎え を待つ。
 行ったのは近くのパダン料理店。もともとスマトラのものだが、この辺にも 進出している。こちらの人の真似をして右手の指3本で食べようと試みるが、 やはりうまく行かない。辛いことで知られるパダン料理だが、ロンボク料理と 比べるとそれほどでもない。昨日ご馳走になったので、今夜は私が払う番。6 人で6万ルピアは、6百円と換算すると安いようだが、一人当たり1万ルピア というのはジャカルタの普通の食事並み。まぁ、こんなものだろう。
 宿に帰ってゆっくり眠る。