| ■ エッフェル塔[Tour Eiffel:トゥール・エッフェル]
凱旋門[Arc de Triomphe]からエッフェル塔までは、ガイドブックではよいバスが見当らなかったので地下鉄で移動することにした。
エッフェル塔はRERのC号線に、ずばりシャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル[Champs de Mars Tour Eiffel]という最寄りの駅があるようなのだが、地下鉄からRERに乗り換えるのが面倒くさいので、凱旋門から1本で行ける地下鉄6号線のビル・アケム[Bir-Hakeim]駅を利用して行くことにする。
というわけで、シャルル・ド・ゴール・エトワール[Charles de Gaulle-E´toile]駅から、初めて1号線ではない地下鉄に乗る。6号線の列車は年代物なのか、だいぶ古ぼけた車体だった。
しかもこの電車、ドアが自動ではなかった(と思う)。完全手動ではなくて、ドアに付いている簡単なハンドル式の鍵を回して外すとガッっと扉が左右に自動で開いてくれるのだが、いずれにせよいったん人間の手が入る。
地下鉄に手動開閉のドアなんてあるとは思わなかったのでびっくりした。
ビル・アケム駅下車。すぐ近くにセーヌ[Seine]川があるために、この駅は地上駅だった。他の観光客の流れに乗って移動。地図を確かめなくても、もう建物が見えているので、迷子になる心配もいらない。安心である。
地下鉄駅を出ると、クレープ屋があった。日本人もよく訪れるのか、日本語のメニューまである。
エッフェル塔に続く歩道沿いには、延々と絵描きさんとその売り物の絵が並んでいた。
口車に乗せられて似顔絵を描いてもらったら、何百フランもぶんどられたというのはよく聞く話なので、ひっかかるまい、と日本語の呼びかけにも心を頑(かたく)なにし、無視して通り過ぎる。
ほどなくしてエッフェル塔に到着。下から見上げた印象は、まあ東京タワーと似ているなあ(実際は、東京タワーが似ているなあ、なのでしょう)という程度。ただ色が、赤白の東京タワーと違って、渋い茶色一色だった。
タワーにのぼる前にトイレに行くことにする。凱旋門の上にあったトイレは、すごく混んでてしかも臭うので行かなかったのだ。
トイレはこちら、という案内があったのだが、さすが方向案内が不得意なフランス、全然わからん(-_-メ)。
ルーヴルでの経験があったので、すぐに正確な案内を求めるのはあきらめ、どうにかこうにかエッフェル塔のたもとの近く地下にあったトイレを自力で発見。
まったくもー、せっぱ詰まってたらたまらんぜよ。
しかもこのトイレ、タダではなかった。おひとりさま2.5F(約39円)。そのくらいの額を払うことに抵抗はないが、うっかり手ぶらで来たら入れないところだ。
案の定、「あった、あったっ!」という様子で、わーっとトイレに続く階段を駆け降りてきた白人の男の子3人が、2.5Fの表示を見て「やられたっ!」という顔をして引き返して行った。要注意である。
(※Attention! フランスの観光地にあるトイレはだいたい2F〜2.5Fで有料でした。小銭は必携ですね)
さあ、トイレもすませて安心したところで、チケットを買いに行く。しかしなぜかチケット売り場前は長蛇の列。
うそー、トイレに行く前はあんなに空いてたのに。観光バスでも到着したのか?
先に買っておけばよかった、と後悔しつつ列に並ぶ。
ところで、エッフェル塔は1、2階部分までは、階段を徒歩でのぼることができる。体力的に自信があれば挑戦したかったのだが、銀もあまり乗り気ではなかったのでパスした。
というわけで、当然エッフェル塔はのぼる手段と階によって入場料が違う。いちばん上の3階までエレベータを使うと62F(約930円)。
お金を払って渡されたのは、はじめて観光地らしい絵柄入りチケットだった。ラメ入りの紙にエッフェル塔が描かれていて、きらきらしている。
チケットにはいくつか種類があるのか、銀のは黒、わたしのは濃い赤紫色だった。
はじめて手に入れたきれいな入場券なので、大切にとっておいて後でスキャナで読み込み画像にしよう、とか思っていたくせに、このチケット、うっかりGパンのポケットに入れっぱなしにしておいたため、日本に帰国後洗濯でこなごなになってしまった(笑)。よって残念なことに、このチケットは現在わたしの手元にない。
入場券を買った後は、これまた人の流れに乗ってエレベータへ。この時時計を確認したら5時30分だった。
エッフェル塔のエレベータは橋脚の中にあるので、最初はタワーの曲線に合わせて斜めにのぼって行く。エレベータの箱は水平を保っているのだけど、風景が斜めに移動する。ひー、ヘンな感じ。
(※Attention! 東京タワーのエレベータは垂直です)
そして2階展望台到着。うおお、むちゃくちゃ人で混んでいる。
それでもどうにかこうにか外に出て、金網ごしに風景を眺める。
眺めは――まあ、こんなもんかな、という感じ。もう、凱旋門から一度、高いところから見るパリを経験しているせいか、新鮮さはない。
しかし、凱旋門からは見えなかった、エッフェル塔のすぐ前に広がる芝生の緑が鮮やかなシャン・ド・マルス[Champs des Mars:マルス(軍神)の野]公園は、区画がキチッと整備されていて見事だった。

エッフェル塔から見たシャン・ド・マルス。
平らな土地だからこそ整備できるまっすぐな道。 |
ほぼ反対側にある、セーヌ川も見に行く。凱旋門からは遠くてあまりよく見えなかったセーヌ川も、ここからならよく見える。午後5時を過ぎてもなお強烈な太陽の日差しを受けて、さざめく水面がきらきらと輝いている。きれい。
その水面に、長く航跡をひいている水上バスが見える。
いいなあ、近くに乗り場があるのかな?

エッフェル塔から見たセーヌ川。
遠くに見えるのはたぶんブーローニュの森。 |
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同じ位置から真下を見るとこんなグランドが。
エミール・アントワーヌ・スタジアムという
そうな。 |
帰りは水上バスにしようか? なんて話しもしたが、バスティーユに戻るのによい路線はなかったようなのであきらめた。
このセーヌ川が見える方向からは、シャイヨー宮[Palais de Chaillot:パレ・ドゥ・シャイヨー]も見えた。
(*綴り確認:「Cha」は「シュ+ア」=「シャ」、「母音+illo」は「ィユ+オ」=「ィヨ」、「t」は単語末尾で読まない。よって「シャイヨー」)
セーヌのさらに下流右岸には、リング状や半リング状の建物がある。地図で確認したら放送局の建物だった。
そろそろ3階に行ってみるか、とエレベータへ移動。
2階から3階へは違うエレベータを利用する。エレベータ前に行ってみると、これがまた大行列。ディズニー・ランドか、ここは。
しかし、これを使って3階に行かないことには62F払った意味がない。あきらめて並ぶ。
そしてエレベータに乗って、なぜ行列になっていたかわかった。先程のに比べてエレベータの箱が小さいのだ。
そっか、タワーは頂上に近付けば近付くほど、先が細くなってる。それに合わせてエレベータも小さくしなきゃいけないのか。
理屈はわかったが、あまりなぐさめにはならなかった。何しろ、帰りのエレベータに乗るのにも行列で一苦労させられたからだ。
なので、エッフェル塔から出ていく時には、「一度来ればじゅうぶんだ、こんなとこっ!」と恨み骨髄な捨て台詞を銀とふたりで言っていた。
さて、3階。さすがに、ああ、高い所までのぼってきたなあ、ということが実感できる高さである。
そして驚いたことに、何もかもが真っ平らに見えた。
凱旋門からははっきりと確認できたモンマルトル[Montmartre]の丘が全然見えなくて、どこに行っちゃったんだろう?(←動かないって)とわたしがしきりに探していたら、銀が「あそこにサクレ・クール寺院[Basilique du Sacre´-Coeur]が見えるよ」と指差した。ホントだ。サクレ・クール寺院がある。ということは、あそこがモンマルトルなのか。
なんてこった。あまりにも高い所にいるので、ちょこっとした程度の高さしかないモンマルトルの丘は、この高さから見るともはや平地になってしまうのだ。
はー、何かちょっとショック。
観光客できちきちの3階展望台を一周してみる。レストランもあったようだが、かなりせまいらしく、とても入ってみるガッツはなかった(※すごい高級店らしいので、どっちにしろわたしたちには入れません)。
その他、何やら蝋人形のようなものが置かれている部屋が、窓の外からのぞけるようになっている。そういや、東京タワーも蝋人形館があったけ。
しかしエッフェル塔のものは、実際にこの塔にあったという、エッフェル塔の事務所を再現したものだった。
毎日こんなところまでのぼってきて仕事してたのか? 大変だな。
エッフェル塔の建設現場の再現ミニチュアなんかもある。ちゃちさがどことなく浅草を感じさせる。
6時20分、どうにもこうにも人混みでままらなないので、さっさとエッフェル塔を降りる。しかし、どう考えてみても、眼下の風景を眺めている時間よりも、エレベータ待ちの列に並んでいる時間の方が長かったような気がする。
おかげで地上に戻れた時は、待ち時間から解放されてすっきりした。
エッフェル塔を間近で撮った写真がないので、ちはる、地面にはいつくばって根性で全体をファインダーに入れた写真を撮る。こんなバカやるのは日本人だけか? とふと思ったりする。
後はぶらぶら〜と地下鉄駅まで歩き、地下鉄でバスティーユ[Bastille]へ帰った。

ちはる、渾身の力作エッフェル塔。
いつもより大きなサイズでご覧いただいてます。 |
■ 夕食とパリ脱出準備
バスティーユ駅で降りて、モノプリ[MONOPRIX]でお買い物。
ロワール[Loire]周辺の安宿だと、部屋にタオル類がないこともあるそうなので、わたしは急遽雑貨売り場でタオル(24.8F:約389円)を買った(※実際にわたしたちが泊まったホテルにはありました)。
夕食も買う。お惣菜売り場で見つけたキッシュがどーしても食べたくなったので、キッシュを指差しながら「Duex,s'il vous plai^t.」(ふたつください)でGet。1個8.9F(約140円)。このキッシュは美味だった。
暖かいものも飲みたかったので、お湯に溶かせばいいだけのミネストローネのスープも購入。何でフランスに来てまでクノール(※メーカー名)のスープなんだ? と文句をつけたような気がするが、まあおいしかったのでよしとする。これは4人分1袋入りで7.5F(約118円)。
明日からは遠出する、ということでおやつにチョコレートも購入(8.55F:134円)。すこし遠足気分。
電車の中でお腹が空いたら困るから、サンドウィッチのお弁当を作ろう、とクリームチーズやスモークサーモン、ハム、トマト、はたまた包装用のラップまで買い足す。すると、とても明日冷蔵庫を空にして旅立つとは思えないほど、かごの中がいっぱいになった。本当に食いきれるのか、これ?
物価比較の参考のため、値段は下記の通り。
- ビール500ml缶(ギネス) ・・・10.00F(157円)
- リンゴジュース1L(MONOPRIX) ・・・4.95F(78円)
- スモークサーモン ・・・20.70F(325円)
- パン400g ・・・ 9.3F(146円)
- クリームチーズ(個包装タイプ) ・・・10.10F(159円)
- 水(Vittel、500ml) ・・・ 2.00F(31円)
- ハム(1日目と同じもの) ・・・21.80F(342円)
- ラップ ・・・ 7.85F(123円)
- トマト(4個入り?) ・・・12.90F(203円)
- ヨーグルト(4個パック) ・・・ 6.90F(108円)
すべての買い物を終えて外に出たら、すでに8時40分だった(空は明るいけど)。
ホテル前のリュ・トゥルーソー[Rue Trousseau]を歩いていたら、通りの右側にあるホテルの前に、大きなナップ・ザックを背負ったどこぞの国の小学生がわらわらと群がっていた。カナダの国旗を見たような記憶があるが、気のせいか?
遠足とか修学旅行とか、そういうやつなのかなあ? どこの国にも似たような行事があるんだな。
部屋に戻って食事。キッシュは電子レンジであたためる。
今日はスープもあるので、暖かい料理が2品ある。食べ物があたたかいだけで、何となくまともな食事に見えるから不思議。

今夜の夕食。本日も質素。 |
食事後、荷造り。ふたりして、ぎりぎり最小限の荷物をそれぞれのデイバッグに詰め込む。いらないものはスーツケースへ。
そして荷造りを終えて、ぱんぱんにふくらんだ会社の通勤にも使っているデイバッグを見ながらふと思う。
要するに、フランス国内を旅するために本当に必要な荷物は、これだけってことか?
何なんだよ、このばかでかいスーツケースは。全然意味ないじゃん。
ちはる、スーツケースを前に、今回の旅で何かひとつ学んだような気分になる。
明日からの不安を抱えながらも、11時頃、就寝。
神様もしくは仏様。
どうか明日、あっさりトゥール[Tours]で宿が見つかりますように。
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