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■ 中世博物館−2
中世博物館[Muse´e National du Moyen Age]のお風呂(公共浴場)を見終えて次の部屋へ。
ガイドによると第10室であるその部屋は、天井が高く広々としていた。お
風呂同様窓があるので、自然光がさしこんできて明るい。
この部屋にはやはり古い教会や寺院のパーツなどが集められていた。柱自体はないけれど、その上下を飾っていた部分だけ、なんていうのもある。
ガラスケースの中にはキリスト教グッズも展示されている。彫金のブックカバーに色とりどりのでっかい貴石がはめこまれた聖書が目に留まる。うーん、本を開くたび、石が何かに当たってカツカツ音がしそうだ。
このガラスケースの中にはキンキラしたものがたくさんあったように思う。
そしてこれはなんていうのだろう? キリスト教式仏壇というか、三面鏡というか、正面にメインとなる3枚の絵がはめ込まれ、その両翼に12使徒を描いた木製の壇がある。呼び方はふつうに祭壇でいいのかな?
図解すると、こんな感じ↓。
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1.十字架を運ぶキリスト
2.十字架にかけられたキリスト
3.十字架から降ろされたキリスト
4.キリストの誕生
5.東方の三賢人たちの来訪
6.キリストの顔がうつった聖骸布を持つ天使
7.縄がかけられた十字架を支える天使
8.12使徒(6人)
9.12使徒(6人)
この形式の祭壇はあちこちで見た。
なんというか、わたしにはキリスト教式の曼荼羅のようにも見える。
そして12使徒は持ち物が決まっているのか、それぞれ下記のようなものを持っていた。
1.錫杖(のようなもの) 7.鍵と本
2.長剣と本 8.小さな竜の入った杯
3.斧 9.交差した柱
4.棍棒 10.青竜刀みたいな剣
5.金のベルト 11.錫杖(のようなもの)
6.長剣 12.十字の錫杖と剣
まあ、見る人が見れば、誰が何を持っているのかわかるのだろう。
次の第11室は柱や彫像を集めた部屋。ほとんどの像は白かったけど、一部彩色された跡が残っていた。
それにしても、顔の部分を壊された彫像が多い。戦争とか、キリスト教が弾圧された時代のなごりだろうか?
第12室はおもちゃや小箱など、いろいろなものが展示されていた。
メインはワイン作りの様子を織り出したタペストリ。桶の中にぶどうを入れて、足で踏んでいる様子や、ぶどうの茎や皮を取り除くために使うらしい大きな櫛みたいなものが描かれている。
ぶどうの皮はマスカットみたいな薄みどり色だったけど、はて、いつから赤ワインとか白ワインの区別ってあったんだろう。
まあ、皮が赤ければ赤ワインが、実が白ければ白ワインができるか。
このタペストリの前では小学生が先生の説明を聞いていた。

中世博物館2階見取り図。
13と書かれた円い部屋が有名なタペストリのある部屋。 |
この先は2階へ。
2階にはすごく有名な6帳(幅?)1組のタペストリが展示されている、とのことだったが、先に別の部屋(第14室)に入ってしまった。
そしたらこの部屋が、先ほど見た祭壇や祭壇画など、キリスト教グッズをめいっぱい集めた部屋だった。
これだけあると、さすがに見るの飽きるな。
でも、祭壇は絵だけでなく、すべての物語を彫刻で作ったものもあった。上海で見た立体曼荼羅を彷彿とさせるような迫力である。
この部屋のさらに奥にも展示室があるのだが、わたしたちが行った時は鍵がかかっていて入れないようになっていた。
ざっと14室を見た後、この博物館のメインとなるタペストリの部屋である第13室へ。
作品保護のためか、部屋の中はとても暗い。円い部屋の真ん中には、座って作品を鑑賞できるよう椅子が用意されている。
この部屋に限り、作品のタイトルは6か国語で書かれていた。日本語もある。驚き。
その他、部屋の中にはルーブルで見たようなプラスチック・ファイルにはさまれた解説書があった。日本語版はなかったので、英語版を見ながら鑑賞する。
タペストリの地色は赤で、どの絵にも中世の服装をした女性と獅子とユニコーンがいる。
そしてその周囲にはいろんな種類の動物の他に、撫子(なでしこ)やマーガレットなどのさまざまな草花が、タペストリをすき間なく埋め尽くすかのように一面に織り出されている。
このような花の模様はミル・フルールというそうな。確かに、ミル(千)・フルール(花)である。
どんな順でタペストリが飾られていたかは覚えていないが、メモした内容は下記のとおり。
・味覚:女性が指で大皿の中の木の実をつまんでいる。犬がその動きを追っ
ている。別のところでは猿がいちごを食べている。
・聴覚:机の上にある大きな葦笛のようなオルガンを女性が弾いている。
・視覚:女性が手に持っている鏡にユニコーンが映っている
・嗅覚:女性が手に花を持っている。猿が花の匂いをかいでいる。
・触覚:女性がユニコーンの角を手でつかんでいる。
「我が唯一の望みに」という文字が絵の中に描かれた最後の一枚にはタイトルがついていない。今のところ、この絵の内容は解釈されきっていないそうな。日本のガイドブックには「欲望」を意味しているのではないか? と載っていた。
椅子に座って見ていたりしたが、やがて小学生がわーっと入ってきて床に体育座りし、前に立った先生の話に耳を傾けながらタペストリを見ていた。
フランス語がわかればわたしたちも聞きたいところだったが、全然わからないので席を立つ。
この部屋にはなぜか金でできたバラなんぞも展示されていた。誰か有名な人の作品だったのだろうか?
12時15分、見学終了。
うーん、1時間40分以上見学に時間がかかったな。まあ、のんびり見られてよかった。
この後お土産屋さんをのぞく。
農民暦の(ような)絵を印刷したメモ帳が売られている。買おうかどうかすごく迷う。
が、よく見たら一番下の星座部分がページ内に収まり切らなかったのかカットされていた。全部入ってないんじゃ意味がないのでパスする。
でも、博物館を出てから「あー、やっぱり買っておけばよかった」とやや後悔した。
■ リュクサンブール公園[Jardin du Luxembourg]へ
博物館を出て、今度はリュクサンブール公園へと足を向けたが、その直後に腹を激痛が襲う。
ううっ、何が原因だ? 銀と同じ物しか食べていないというのに。
こんなことになるなら、博物館でトイレに行っとけばよかった、と思ったが今や遅し。
そういや、パリの街角には2Fで入れる公衆トイレが道端におもむろに設置されていたっけ。いざとなったらあれに入るか? と思ったが、そういう時に限ってその公衆トイレすらないのであった。
腹痛はかなりひどくて、途中吐き気のあまりにうずくまるほどだったが、歩いているうちにおさまってきた。
とりあえず、公園にはトイレがあるだろう、と思いふたたびリュクサンブール公園へ向かう。
リュクサンブール公園にはブールヴァール・サン・ミッシェル[Boulevard St-Michel]を歩いて行く。
このあたりは左右にパリ大学の校舎がある。というわけでさすが学生街。ファーストフードの店が多かった。
ブールヴァール・サン・ミッシェルはリュクサンブール公園に向かって上り坂になっている。
その坂の上の方から、ローラー・ブレードを履いた学生たちが、ものすごい勢いで坂道を下ってくる。この街で、ローラー・ブレードは立派な移動手段のひとつになっていた。
学生であふれる歩道には、地図が描かれた大きな案内板があった。どうやらパリ市内の名所旧跡を紹介しているらしい。
案内板の横には2Fコインだか5Fコインだかを入れるスロット(投入口)があった。なるほど、この地図を売ってくれるらしい。よくできてる。
リュクサンブール公園はすぐに見つかった。入り口も多数あるようで、難なく中へ入る。
公園内には樹木が生い茂り、カフェや売店などもあった。
トイレもすぐに見つける。カフェの裏側、地下にあった。
2F(約31円)だろうと見当をつけて払って入ろうとしたら呼び止められた。なんとここは2.5F(約39円)。
ロワールではほとんど2Fだったのにー。
やっぱりパリは物価が高い(?)。
まあ、さすがに有料だったので、トイレの中はきれいだった。男女一緒なのがいやだったけど。
用をすませてほっと一息。公園の中を少し散策する。
公園の中にはあちこちにベンチとひとり用の持ち運べる椅子が置かれていて、それに座って買ってきたサンドイッチを食べている人がたくさんいた。
学生も多かったと思うが、それ以外のひとも多い。
今日は平日なのに? なぜだ?
あの大人たちは何をしている人なのだろう。
ガイドブックによると、公園内にもあれこれ彫刻などの見所があるようなのだけど、疲れているせいかあまり熱心に見る気になれなかった。
でも、わたしたち同様観光客も多かった。なんやばかでかいブロンズ像と池のあるところでは、写真を撮っているひとたちがいる。それを地元の人たちがめずらしそうに見物していた。
現在はフランスの上院となっているそうなルクサンブール宮殿の脇を抜けて、わたしたちは公園の外に出た。
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