| ■ モードと織物美術館[Muse´edelaModeetduTextille]
予想よりもけっこう早く装飾芸術博物館[Muss´e des arts de´coratifs]の見学が終わってしまって、なんとなくつまらない。
あれっぽっちの床面積で35F(約550円)かあ、などとみみっちく考える。
しかしこの建物、よく見れば装飾芸術博物館の他に、モードと織物美術館、広告博物館[Muse´e de la Publicite´]という2つの博物館(美術館)が入っている。
もしかして同じチケットで入れるのかなあ、と思ったが、いまひとつよくわからない。
実は3階にあった装飾芸術博物館から階段で降りてくる途中、2階にあるモードと織物博物館の扉を開けようとしてみたが、鍵がかかっていて開かなかったのだ。今日は休みなんだろうか?
受付の人に聞けばすぐに解決する問題なのだが、そこは小心者なのでなかなか声をかける勇気が出ない。英語でなんて言えばいいのか、いまひとつよくわからないし。
だが、この時は「お金と時間がもったいない」という貧乏人根性が小心に勝った。
ちょうど受付からまったく人がいなくなった隙に、「Excuse, me」と英語で受付の女性に声をかけてみる。
受付の眼鏡をかけた年配の女性は、すぐにこちらをむいて英語でこたえてくれた。
おお、英語で許してくれるのか、と安心し、「Today, this museum open?」とパンフレットのモード博物館の部分を指差しながら思いつくまま単語を並べる。
突然海外出張に行かされたオヤジのカタコト英語みたいだ、と思って自分がイヤになったが、まあ同じレベルであることに違いはないし、通じたのでよかろう。
返ってきた答えは「Yes」。あ、やっぱりやっているんだ。
次はチケットを見せながら、「Can I enter by this ticket?」(このチケットで入れますか?)とこれまたあってるんだか間違っているんだかよくわかない英語で訊いたが、意味は通じた。返ってきた答えはまたも「Yes」。
(※Attention! もっと長い答えだったが覚えてません)
さらに女性はさきほどわたしたちが降りてきた階段の方を指差し、「2階に行きなさい」という。
とりあえず、やっているのがわかって一安心。さっそくGo!
しかし、階段に行く途中の警備員さんにチケットを見せて行こうとしたところで、呼び止められてしまった。英語で、「クロークに荷物を預けてください」と言われる。
さっき装飾芸術博物館に行った時はそんなこと言われなかったのに、と思いつつ素直に指示に従う。クロークでは6時5分前までに荷物を引き取ってくれ、と英語で言われた。
さあ、モードと織物美術館だっ!
ただし、モードと織物美術館の入り口ドアはわかりにくい。
ここも、画廊の入り口ようなガラス扉を自分の手で開けて入る。
しかし、中は展示品の保護のためか非常に照明を暗くおとしているので、外からは開館しているんだかしていないんだかが一見ではわからない。
でも、受付の人がやってるって言ったんだから開いているんだろうと思い、ぐっと扉を引いたか押したかしたら開いた。
あー、やっぱりやってたんだ。
すんごいわかりにくいな〜。わたしみたいな気のちっちゃい人だったら、あきらめて本当に帰っちゃうよ。
そして5時10分に美術館にin。
ちなみに、モードと織物美術館はけっこう広い。
装飾芸術博物館が50分程度で十分見終わったのに対して(※まだ半分のフロアしか開館していないからでしょうが)、モードと織物美術館は50分程度では時間が足りなかった。
最初は、まあ洋服なんて興味ないからさら〜っと見て終わりだろうと思っていたのだけど、意外や意外、見ているとけっこう面白い。
17世紀からけっこう最近までのいろいろな服飾に関するものが並んでいるが、服や靴という身近なもののせいか、最後まで飽きがこなかった。
最初の方に、ものすごく古そうな、つまり1600年代の洋服が展示されていたが、それはほんのちょびっとだった。
後は昔のモード服がブティックを模したショーウィンドウ内に飾られている。1900年前後を舞台にした、クリスティのミステリー映画に出てきそうな洋服が多い。
わたしの印象に残っている服はメモによると、
・映画「タイタニック」のヒロインが最後に着ていたような、胸にピンクのバラの飾りがある、胸の下でしぼったドレス
・アイボリーの映画によく出てくる総レースの白い襟元のつまったドレス
・「アルプスの少女ハイジ」に出てくるロッテンマイヤーさんが着ていそうな紫のドレス
だそうな。
その他、ウェストが50cmくらいしかない白いドレスがある。
こんなん着られる人がいるのかよー、と驚きつつ説明を読んだら、オペラやディナー、劇場などに着ていく服、と書いてあった。
こんな服着てたら、とてもじゃないけどご飯なんて食べられなそうだけど。
そんなにゆっくり見ているつもりはないのだが、「次の階に移動してください」と美術館の人がお客さんたちに声をかけている。大急ぎでわたしたちも次の階へ(降りたのか昇ったのかおぼえてない)。
次の階は、子どもの頃にテレビの中で見たような気のする、懐かしい感じのする服が並んでいた。
このフロアから、ようやく女性の服でドレスではなくスーツが出てくる。
女性のスーツを最初につくったのはココ・シャネルではなかっただろうか?
ようするに、ようやく女性たちはぞろりとした動きにくいドレスから開放され、社会進出を始めたというわけだ。
1930〜60年くらいの靴がたくさん並べられているウィンドウがある。
デザインは現在とあまり変わらない。いわゆる「厚底」靴もあって、そこらへんの靴屋で今でも売っていそうな感じのものばかりだった。
もんのすごいミニの服もある。しかも、模様がピンクに黄色のストライプ。
勝手にツィギー服と名付ける。

モードと織物美術館のガイドから。
ちょっと見づらいけど、
ツィギー服みたいなのがあるの、わかる? |
誰がこんな服を作ったんだろう、と思って解説を見たらなんとウンガロ(Ungalo)。
おう、もうこのあたりは現代のデザイナーなんだ。
ウンガロは、ミニの服が数点出ていた。
他に、ピエール・カルダンで「スカートにガラスの暖簾がついたワンピース」だの、森英恵のスーツなどがあった。
誰の作だかはわからないが、エリザベス・テーラーあたりが着ていそうな、紺の総プリーツ・身体にぴったぴたドレスなんかも見た。
最後の方は本当に駆け足。荷物をクロークから引き取らなければいけないので、美術館は5時50分には出る。
あー、モードと織物美術館がこれだけおもしろかったんだから、広告博物館もおもしろかったのかもしれんなあ。
もっと時間をとっておけばよかった。
■ 帰り道、いろいろ
この後はチュイルリー庭園[Jardin des Tuileries]を抜けて、コンコルド広場[Place de la Concorde]から帰ろうということになる。
なのでリュ・ド・リヴォリ[Rue de Rivoli]をチュイルリー庭園方面へ歩いて行くと、その途中のT字路交差点の真ん中にジャンヌ・ダルクの金ぴか像を発見!
おお、こんな所にこんなものがあるとは。
せっかくだから写真を撮ろうか、という話になったが、ここはプラース・デ・ピラミッド[Place des Pyramide]という広場で、周囲には人と車の通りが非常に多い。
ちょっと写真を撮るのは恥ずかしいかな? と思ったが、まわりをよく見ればみんなばしばし写真を撮っている。
中にはわざわざ像と同じポーズをとっている女性もいる。
というわけで、わたしたちも写真を撮る。
見渡せば道の向こうから撮っている人もいて、このジャンヌ・ダルク像は大人気だった。

ピラミッド広場にあるジャンヌ・ダルク像 |
その後、チュイルリー庭園のはしっこを歩く。はしっこは道幅が広いだけで何もない。そのせいか、子どもたちが野球やサッカーを楽しんでいた。
だが、うかうか歩いていると大量に落ちている犬の「お土産」を踏みかねない。
うーむ、これでいいのか? フランス人。
最初はコンコルドからメトロで帰ろう、と言っていたのだが、バスがあったらバスに乗ろうか、ということになる。
ちょっとコンコルド付近をさがすと、シャンゼリゼ大通りのすぐ入り口でラ・デファンスへ行く73番のバスが出ているバス停発見。
しかもバスはわりとすぐ来た。こりゃラッキーと乗り込む。
シャンゼリゼや凱旋門などの車窓を楽しみながら乗っていたが、途中、バスはポルト・マイヨ[Porte Maillot]を通った。
明日、わたしたちはこのポルト・マイヨからエール・フランスのバスに乗ってシャルル・ド・ゴール空港へ向かう予定なので、銀に「ここがポルト・マイヨだ」と注意をうながす。
何しろここは方向案内が不得手なフランスだからなあ。
ちゃんとバス停を見つけられるといいのだけど。
バスはセーヌ川を渡り、わたしたちが泊まっているホテルのすぐ近くで停まった。
これは便利な路線発見。明日もこれに乗ってパリ市内に出よう。
さて、この後は夕飯の支度である。
|