タイムズ・スクエアの最上階にレストランがあるらしい。デパートのファミレスという感じだろうか。
 私たちは念願の飲茶を取るべく、エレベーターに乗る。途中Sさんが、案内係に声をかけ、どこのレストランがおいしいか尋ねたところ、大きめのレストランを紹介してもらった。
 まるで、披露宴でもするような広いレストランで、私たちは最も入口側の丸いテーブルに案内された。
 メニューは漢字オンリーで、またもやチンプンカンプン。英語よりは、漢字の方がなんとなく意味が伝わるから良いよね、などという考えは、大変な間違いである。かえって、ダマされる。
 私たちは「何でもいいや」と投げやりに、ひとり2人ずつのメニューを選ぶことにした。
 これが、大失敗!
 友人たちが頼んだものは、まあまあの味だったのだが、私の選んだカレー味(?)の点心は、超マズかった。私としては、ノーマルな肉まんのような点心を望んでいたのに・・・。
 しかも、ここでも、海老入り餃子が!またも、海老、海老、海老・・・。私が1年間に食する海老を、この数日間で取ってしまったような気がする。
 だけど、デザートは素晴らしかった。
 小豆のおしるこは、あっさりとしていて、後味すっきりの美味だったし。
 そして、舌がとろけるようなまろやかな感動・・・エッグタルト!こんなにおいしいものだったとは!
 この店のエッグタルトは、直径4cm満たないほどの小ささだったので、足りなくて食べたくて・・・だけど、追加注文する勇気がなくて・・・。
 今度、香港に来ることがあったら、大量購入しようと密かに決意。
 ウエーターは脇目もふらずにスタスタと仕事をしているので、帰りのチェック(勘定)をするにも、呼び止められない。慣れていないから、サッと手を上げて「チェック・プリーズ」なんてスマートに出来るわけがないし。
 隣のテーブルのオバさんたち(香港人)も、そわそわしている私たちを心配そうに見ていて、代わりにウェーターに声をかけてくれようとしてくれた。なんて、いいひと。

 食後、タイムズ・スクエアを探索して、私たちは香港島の最終目的地、レスリー・チャン(香港映画スター)の経営する喫茶店に。やたら狭い道路をもくもくと進み、壁の色の剥げたその店。
 おお!
 中は想像していたよりもこじんまりとしていて、数人のお客さんがいるだけだった。
 いいの、いいの。ここが、レスリーの店・・・感動。
 私は普通のアイスクレープを食べただけで、大満足。だけど、とても落ち着ける店だった。
 喫茶店を出て、店の前で記念撮影。かなり恥ずかしかったけど・・・歩道がほとんどない状態なので、カメラを構えるSさんは車に轢かれそうになっていた。私も同様。しかし、失敗してピンボケになってはたまらない。でも、車に轢かれても困るので、焦りながらシャッターを切る。
 これで・・・悔いなし。

 私たちは、地下鉄でホテルに戻った。
 かなり疲れ果てていたので、ホテルのレストランで夕食を取ろうとしたが、日本料理は高いし、中華料理店は結婚式か何かで貸切だという。
 そこで、私たちはネイザン・ロードへ。夜になると、ますます賑わいを見せる。
 最後の中華を食べて(これがまたおいしかった)、さっさとホテルに戻ってきた。

 この夜、私たちがヘンな香港のドラマに夢中になり(もちろん広東語。弁護士ものか恋愛ものか不明)、いまさらウェルカム・フルーツとお菓子を食べていると、突然パトカーのサイレンが!
 香港のパトカーのサイレンは、日本と微妙に音が違う。東京弁と関西弁の違いともいうべきか。
 「ドラマの音じゃないの?」と言う友人を尻目に、窓の外を覗いてみると、パトカーの姿があった。しかも、3人の警察官が、ホテル向かいの“新世界中心名店城”に入っていくではないか!
 万引き?酔っぱらい?ひょっとして、強盗?
 私たちは、ドラマをそっちのけで、窓に釘づけ。
 きっと、警察官は犯人を押さえつけて出てくるのではないか、と想像たくましく大興奮
 40分以上は待っただろうか。
 不意に動きを見せた。警察官がひとり現場から出てきた。
 おっ!
 と、ところが!その警察官はパトカーに乗り込むと、何事もなかったかのように走り去ってしまったのである。
 あとの2人は・・・?強盗犯人は?
 私たちの疑問を解く答えは出ないまま、静寂が戻ってしまった・・・。

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