2003.05.19up  Vol.3  ”オーダーメイド修行”

文 *たかこ*
写真*ゆうこ*

ヴェトナムのガイドブックや雑誌の特集などを見ると必ずと言っていい程、アオサイをはじめとしてシャツやワンピースなど、憧れのオーダーメイドの紹介がのっています。
私も旅行前にはワクワクしながら情報をチェックし、
”アオサイは素敵だけど着る機会ないしな〜”
”オーダーするなら麻物にしたいな〜”  
とあれこれ考えながらも、内心はそんなに簡単にいかないんじゃないかとも思っていました。
だってオーダーメイドですよ!!
一般庶民の私にとっては、なんて贅沢な響き。
オーダーメイドで服を仕立てるなんて一大事。
だってある意味、オートクチュールですよ!!(ちょっと違うか・・・)
だから”もしもチャンスがあれば・・・”程度に弱気に考えていました。
そんな頃姉のゆうこは、”オーダーメイドしちゃお〜”と何も考えず思っていたに違いありません。あの人はそうゆう人です。
案の定彼女はホーチミンに着いた翌日、まずいきなりアオサイを作ると言いだしました。
そんなに張り切っているなら、オーダーするお店の目星くらいは付けてるのかと思いきや、 そうゆう計画性はゼロ。まぁだからって今更驚きませんが。 
結局ホテルから街の中心部、ドンコイst.に向かって歩いてみる事にしました。

すると、歩いて5分位で”アオサイ作れます”オーダーメイドできます”と日本語で書かれた、こぎれいだけど少し野暮ったいお店を発見。(ごめんなさ〜い)
名前は"Nhat Linh Anh"
取り敢えず参考までにと、軽い気持ちで中に入ってみました。
そのお店にはアオサイを着た5〜6人の店員さんがいて、私達を見るとすぐに日本語が話せる若い店員さんが”こんにちわ”とニコニコと日本語で話しかけてきました。
店内にはたくさんの種類の布や、既にできた服(いわゆるツルシ。)などが所狭しと並べられていて、その店員さんが私達の反応をみつつ色々とお店の中を案内してくれました。
姉がアオサイについて聞くと、待ってましたとばかりに”何色が好きですか?””シルク?”と次々に色々な布を見せられ、気づけば姉は身体中を細々と採寸され、アッ言う間にアオサイのオーダーが完了していました。
値段は$25。後は翌日の夕方に受取に行くだけ。あまりにも簡単に事が運んで、気が抜けてしまう程でした。

翌日の夕方、さっそく受取に行き、その場で出来上がったアオサイを姉が試着してみました。
さすがオーダーメイド、体にピッタリときれいにできていて、1日で仕上げたとは思えない出来栄えでした。
姉は勿論 ご満悦!!ニンマリと鏡に向かって微笑んで気持ちの悪い人になっていました。
姉は今回上着とパンツを同じ布で作ったのですが、やはり白パンツにも憧れ、フリーサイズの既製の白パンツも購入していました。
ホテルに帰っても当然またアオサイを着て、写真を撮ったりして大はしゃぎ!!
アホだな〜と思いつつ、私も姉のアオサイをかりて(二人はほとんど同じ体型。)しっかり写真を撮りました。まるで自分の物の様に・・・

しかしここで問題発生。後で買い足した白パンツのウエストがゴムで身体にフィットしない為、ウエスト周りがダボつき、上着の深いスリットからタップリと布がはみ出してるといった格好悪い状態。
”なんかさぁ、これじゃ〜ブッチャーパンツ(古い例えで知らない方ごめんなさい。歳がばれる。)だよね・・・”
と悲しい笑い・・・ 
”これは直してもらわねば。”珍しく姉は真剣な顔でブッチャーパンツを見つめていました。
私はそんな姉を横目に”結構、簡単にできちゃうし 本当に安いよな〜。これは私もオーダーしなければ!!”と秘かな野望に燃えていました。

この姉のアオサイのオーダーをきっかけに、私達のオーダーメイド修行が始まりました。
翌日、まずは例のブッチャーパンツを直してもらう為にAnhに行きました。
そんな時に限って頼れる日本語の話せる女の子がいないじゃないか!!仕方なく拙い英語でブッチャーパンツのウエスト部分を直してほしいと説明。身振り手振りもおおいに加え 数分かかってやっと理解してもらえました。
問題が解決したところで、いよいよ私の初オーダー。
特にプランがなかったのと、やはり細部まで注文を伝えるのは難しいと思い、コピーを作ってもらう事にしました。
私の夏の日常に大活躍で、暑い国の旅行には必ず持っていく程 大のお気に入りの麻のパンツ。調度その時にもはいていました。 
まずは布選び。本当は麻で作りたかったのですが、気に入る色がなく断念。結局織りの少し荒いオフホワイトのコットンの布でオーダーしました。まったく同じではちょっとつまらないので、股上を少し浅くし裾も少し太くオーダー。店員さんがみんな集まっちゃってワイワイ、ガヤガヤもう大変。でもおもしろかった。

やはりこのパンツも1日で完成。値段は$25 アオサイと同じと思うと少し高い気がしたど、思った通りに出来上がってきたので満足。
これに気を良くし引き続きシノワズリーのシルクジャケットをオーダー。それは$20。 
もうだんだん遊び感覚でした。
そんなこんなで毎日のようにAnhに通い二人の間で”マイ・テーラー”と呼んでいました。その上、店員さんの中に小宮悦子似の人がいて勝手に”えっちゃん”とまで呼んでいました。



もう一件、毎日のように通っていたお店がREDA。
ここでも姉がオーダー。シルクのスカートとノースリーブのツーピース。単品でスカート。
このノースリーブがなかなかの癖物。脇にジッパーがついていて かぶりになっているですが なんと首回りの開きが少なすぎ頭が出ない!!試着室から私を呼ぶ姉の情けない声が・・・。結局2回直してやっと一人で脱ぎ着できるようになりました。
私はもともと既製品であった手刺繍のほどこされたツーピースを 自分のサイズピッタリでオーダーしたかったのですが時間が足りないという事で残念ながら諦め、既製品を直してもらう事にしました。やはり手刺繍の物をオーダーする場合は1週間位ははみたほうがよさそうです。
REDAは店員のプンちゃんが流暢な日本語を話すので安心です。とても優しくて親切な女の子で色々な場面で助けてもらいました。彼女とはその後も交流があり、2度目にヴェトナムに行った時、御実家にも訪問しました。まあその話はまたおいおい・・・。

私達が次々とオーダーしてはホテルのオーナーのロコさんに見せていたら 彼女から究極のオーダーメイドの提案が!!それは布屋さんで布を買い ホテルduduの向かいにある地元住人御用達のテーラー(ほぼ間違いなく観光客とは無縁)にオーダーするというもので、実際にロコさんが以前にオーダーした事があり、値段の安さと仕上がり良さは実証済みでした。でもその店は恐ろしくパッとせず、ショウウィンドウにはハゲのマネキンが時代遅れな服を着せられ薄〜く微笑んでいました。
それでもおもしろそうだったので、私も姉もノリノリでした。実はロコさんと姉が日本から持ってきた私の例の麻のパンツとノーカラーの麻のシャツを気に入って、それらと同じ物をオーダーする事になりました。せっかくなので私もシャツだけ色違いで作る事にしました。
さっそく翌日 麻の布を買い、向かいのテーラーにオーダーしに行きました。しかしここでは英語が全く通じずロコさんがなんとかヴェトナム語で話をつけてくれました。
パンツ2着、シャツ3着分の布代が$43(これでも粘って値切った)。仕立て代は1着につき65000vd(約¥520)。
1着当たり¥1500位でできてしまいました。
布はそれ程安くは買えませんでしたが、仕立て代の安い事といったら!!その上 店構えと違って仕上がりはとてもきれいで大満足でした。
ロコさんのありがたい提案のおかげで、よりディープなオーダーメイド体験ができました。

実は今年の2月にヴェトナムを訪れた時は テト(正月)だった為、縫い子さん達がお休みでオーダーメイドはできませんでした。本当にがっりだったのですが、諦めきれず、ロコさんにお願いしてシャツ4着、シノワズリーのジャケット4着、麻でオーダーしてもらいました。布代と仕立て代込みで1着当り¥1500位。ジャケットの方は少し複雑なデザインだったので、この値段はお値打ちでした。

しかし、もっと田舎に行けば、もっとずっと安くオーダーできるらしいです。まぁ ホーチミンで旅行者の私達がこの位の値段でオーダーできればなかなかだと思います。
それにしても、私のオーダーメイドの印象は大きく変わりました。とにかく楽しくてワクワクして、そしてとても身近なものになりました。
まだまだ修行中。今度は何をオーダーしようか考えるだけでも幸せな気分になっちゃいます。
ヴェトナムに行ったら やっぱりオーダーメイドでしょう!! 

(つづく)

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