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■ 塩
午前中の観光は11時過ぎに終了。ふう、暑い。
日差しはかんかん照りである。もー、たまらん。
エアコンの効いた車の中に乗るとほっとする。しかし、タンクトップもその上にはおったチェックのシャツも、もう汗でびしょびしょである。
ふと、自分の服に目をやる。
この時わたしは黒いタンクトップを着ていたのだが、その胸元が真っ白になっている。
げげ。どこか遺跡の壁にこすりつけて汚れたか? と思ったが、考えてみれば背中をどこかに寄りかからせることはあっても、胸から寄りかかったことはない。
何だろう? と汚れを払いながらはっと気付いた。
がーんっ! これ、塩だっ!
大量にかいた汗が乾いて、白く塩をふいているんだっ!
ひい〜っ、ミネラル欠乏とかで死なないだろうな、わたしっ!?
まあ、今年の日本の夏は暑かったので、東京でもこれくらい汗をかいていたかもしれないが、汗の中にふくまれる塩を白い結晶という形で目の当たりに見たので、この時は本当に驚いた。
こりゃあかん。トイレで困るのがイヤとか言って水を飲まなかったら、間違いなく身体に不調をきたすぞ。
というわけで、車の中でがぶがぶとポカリスウェットを飲む。
■ お昼ご飯
車は一路シェムリアップへ。
途中、左手に大きな湖のようなところがあった。この時は知らなかったが、これは午後一番最初に来ることになるスラ・スラン[Sras Srang]という遺跡だった。
道沿いにはヤシの葉でつくられた家が並ぶ。
『三匹の子豚』って童話じゃないけど、台風がきたりしたら吹き飛ばされないのだろうか? と思ったが、Kさんによるとこのあたりは山に阻まれて台風は海から入ってこれないんだそうな。
ふうん、それでこういうお家でもOKなのか。
朝も通ったアンコール・ワットの環濠沿いを通過する。
「お堀」という意味では、皇居に雰囲気が似ているかもな、と思うが、植物相は全然違っていた。
車の中でうつらうつらし、11時40分、ホテル着。
さすがに今日は疲れているので、昼の休憩時にどこかへ行く気にならない。
3時にロビーで待ち合わせる約束をして、Kさんとはいったんわかれる。
今日のお昼はホテルのレストランで食べることになっている。
とりあえず部屋に戻って顔など洗った後、12時にはいつものレストランへ。
朝と同じく、客はわたしたちだけ。
この日のお昼はいちおうフレンチ。
A4の紙に印刷された英語のメニューを、ウェイターさんが持ってきてくれ
た。
メニューは下記のとおり。
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Set Lunch
★SOUP★
Vegetable Cream Soup
★SALAD★
Tomato And Egg Salad
★MAIN COURSE★
Chicken Breast Cream Sauce
with Home Fried Potatoes & Vegetables
★DESSERT★
Fresh Fruits In Season
Tea or Coffee
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飲み物は別料金なので、何がいい? と英語で訊かれる。「Mineral water,please.」と答えたら、「Big or Small?」と訊かれた。大小があるのか。
Bigを頼んだら、1.5リットルサイズのミネラル・ウォーターがやってきた。お値段は3ドル。
さて食事。
まっさきに、3センチ幅くらいにカットされたフランスパンがかごに山盛りになってやってくる。
ベジタブル・クリーム・スープの具はブロッコリーとインゲン豆だった。きのこも入ってたかな?

ベジタブル・クリーム・スープ。
その向こうにてんこもりのフランスパン。 |
次のサラダはスライスされたトマトとゆで卵にマヨネーズ・ベースのドレッシングがかかったもの。ゆで卵はふたつに切られ、ふせて並べられている。
ゆで卵もこう盛り付けられるとなにやら上品。

トマトと卵のサラダ |
メインディッシュがチキンのクリーム・ソースがけ。で、添えられている野菜がブロッコリーとインゲン豆。それにフライド・ポテト。
スープとメインディッシュの付けあわせと味付けが同じだな、と思いながら食す。でも、野菜もチキンも美味だったので文句なし。

チキンのクリーム・ソース |
そういや、これだけ自然な土地があるのだから、カンボジアは野菜やくだものの自給率が高いんだろうな、と思っていたのだが、Kさんは「きゅうりやトマトはほとんど輸入品」と言っていた。
ふうん、そういうものか。
そういや、農業だって技術だもんな。土地があっても収穫率の高い生産を行わないとだめということか――などと考えながら野菜を食べる。
フライド・ポテトはかなり塩辛かった。わたしは塩気の強い食べ物はあまり好きではないのだが、すごくおいしいと感じる。
ああ、わたし、いま身体に塩分足りないんだな。
味の濃いものがきらいなマダムまで、「このポテト、おいしいわね」と言ってたくらいだから、お互い相当汗をかいたことがわかる。
デザートのフルーツは青いバナナとランプータン、パパイヤ、パイナップル、ドラゴン・フルーツ。

フルーツ |
ドラゴン・フルーツは台北でも食べたけど、いま食べているほうがおいしいな。
でも、あまくない。相変わらずはっきりとした味のないくだものだ(味のうす〜いキウイって感じ)。
味よりも食感を楽しむ食べ物なんだろか?
パパイヤはきれいにカットされている。
そういや、このホテルに限らず、どこでもフルーツはみんなきれいに飾り切りされていた。
お隣の国タイにはフルーツ・カービングというフルーツをきれいに切る伝統文化があるそうだけど、カンボジアもその影響を受けているんだろうか?
食後の飲み物にはコーヒーを所望。
しかし、どす黒いっ! こんなところにフランスのおもかげを残さなくてもいいのに。

濃いーコーヒー |
うう、ラテに慣れた身体に、このコーヒーは濃いー。
1時。部屋に戻ってベッドでごろごろ。
テレビをつけたらNHKBSではラジオ体操をやっていた。
シャワーを浴びようかと思っていたのだが、横になったらおっくうになった。
1時間ほど寝よう、と目覚ましをセットして就寝。
■ ふたたび遺跡群へ
2時半。午睡から目覚める。超ねむい。
身支度をして2時50分にはロビーへ。そして外に出ると突然スコールっ!
大粒の雨が玄関前にとまっている車の屋根をばたばた叩く。
おお、南国。
車に乗って町に出ると、ひとつのかっぱを3人でかぶった家族連れがバイクで道を疾駆していた。
さすが、地元の人は気合がちがう。
雨は強くて空の雲も黒いのに、町は明るく日もさしていた。不思議な天気だ。
オブチ・ホテル(グランド・ホテル)の角を左折して入った道の両側の街路樹は、幹を地面から1メートルくらいの高さまで、ペンキで白くぬられている。
これって、何か選挙に関係あるんだっけ? 候補者のシンボルカラーを木にぬりつけたとかいう。
あれは別の国の話だったかな。
3時17分、検問所通過。
検問所より北の道は、路面がまったくぬれていなかった。
道をアーケードのように覆う木々のせいだろうか? とも思ったが、雨がまったく落ちてこないということもなかろう。
すると、あのスコールは局地的なものだったのか? むう。
シアヌーク国王の肖像画があるT字路を、今回は初めて右折。
この道を真っ直ぐ行くと、次に訪問するスラ・スランがあるのであった。
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