『アンコール5日間徒然日記』2001年5月29日記

第24号
3日目の10――アンコール・ワットで君は何を見たか? の巻
2000年11月30日 発行

 
 
夕暮れのアンコール・ワット

 5時20分、トマノンの観光を終え、次はアンコール・ワットへ。

 ふうん、今日も行くのか、アンコール・ワット。知らなかった。

 今日のアンコール・ワット見学は、建物ではなく夕日を見るためのものらしい。いわゆるサン・セット観光である。
 まあ、これだけ空に雲が多いし、昨日のプノン・バケンの例もあるので、日没を見ること自体には期待しない。

 車はトマノン前の道を走り出すと、やがて昨日見た象のテラスの真正面に出た。
 ああ、こういう位置関係になっていたのか。

 象のテラス前の道から、車はもうすでにおなじみとなりつつあるバイヨン寺院へと向かう。

 また見たなー、バイヨン。
 ふつう、ツアーで観光に行って、同じ建物を何度も何度も見るなんてあまりないけど、こんなふうにちょくちょく見られるものいいな。

 この時見たバイヨン寺院は、地面から伸びた巨大な鍾乳石の集まりのように見えた。

 車はバイヨンのわきを通り、南大門をくぐる。そして5時25分頃アンコール・ワット着。
 西参道正面近くで車を降りる。

 「6時にここに戻って来てください」とKさんに言われ、わたしとマダムはいざアンコール・ワットへ。

 そして西参道の正面からアンコール・ワットを眺めると・・・

 おおっ、虹だっ!

 アンコール・ワットの上空に虹が出ているっ!

虹がかかったアンコール・ワット
虹がかかったアンコール・ワット。
環濠の外から。
解像度の低いモニタでは見えないかも。

 虹はきれいな半円ではなく、北側の地表から上空中天までの4分の1円だったが、それでもくっきりはっきりと見えた。

 わたしたちはバンテアイ・クディを出た後、雨に降られなかったが、アンコール・ワット周辺ではスコールがあったのだろう。

 そして、アンコール・ワットは西を向いて建っている。だから人は西に背を向けて遺跡を眺める。
 虹は太陽を背にしなくては見えなくて、そしていまは夕方だから太陽が西にあって・・・

 まあ、理屈はともかく、今は虹を見るには絶好のタイミングがそろっている時間帯なのだ。

 うおー、超ラッキー(^o^)。
 アンコール・ワットに虹がかかっている写真は見たことあるけど、まさか自分の目で実際に見られるとは思ってもみなかったよ。

 これは虹が消える前に絶対写真に撮らにゃあ、とあたふたしていると、Kさんが「運がよかったですね」と言いながらわたしたちの元にやってきた。そして撮影係を引き受けてくれる。

 うううっ、なんてサービス精神旺盛なガイドさんなんだ。
 ホントありがたい(T_T)(←感涙)。

 こうして無事わたしとマダムが入った、虹のかかったアンコール・ワット写真が撮れた。

 結局カンボジアでは朝日も夕日も見なかったが、虹が見られたのでよしとする。

 この後はのんびりぶらぶらとアンコール・ワットを散歩。
 中央祠堂内部まで行くほど時間はなかったので、聖池までを往復する。

 西塔門から中央祠堂へと続く参道には、トンボがぶんぶん飛び回っていた。
 季節はこれから夏へ向かうのに、何となく秋を感じてしまう。

 昨日来た時は暑くて熱くてたまらなかった参道も、さすがに夕暮れ。涼しい。

 何の目的もなく、アンコール・ワットをぶらぶらできるなんてぜいたくね、とマダムが言う。
 本当にそうだよな、と思う。

 聖池で、水面に虹とアンコール・ワットが写った写真を撮って引き上げる。

虹がかかったアンコール・ワット
虹がかかったアンコール・ワット。
聖池の塔が5つ見えるポイントから。
池にも虹が映りこんでいる。

 西参道に戻ると、空に浮ぶ雲が紫とピンクに染め上げられていた。
 環濠の水面にも雲の色が映りこんでいて、一幅の絵のように美しい風景になっていた。

アンコール・ワット、環濠の夕暮れ
アンコール・ワット、環濠の夕暮れ

 西参道の正面は、シェムリアップの街に戻る観光客を乗せたバイク・タクシーでおおにぎわいだ。

 ああ、1日が終わるんだな。

 わたしたちも車に乗り、夕暮れのアンコール・ワットを後にした。


見学終了間近の
アンコール・ワット西参道前。
 
各国語でアンコールワットの
見学可能時刻が書いてある

 お土産

 果たしてこの日行ったのかどうか、はっきりとは覚えていないのだが、わたしたちが参加したのはツアーだったので、もちろんお土産屋さんに連れて行かれた。

 なんという名前の店かは知らないが、オブチ・ホテル(正式名称はグランド・ホテル)の角を曲がってアンコール・ワットへと続く道の途中にあった(はず)。
 中は、まあようするにお土産屋さん。カンボジアのありとあらゆるお土産がずら〜っと並んでいる。

 わたしはあまり興味なかったが、マダムはもちろん買う気満々。放っておくと暴走するので、近くで様子を見ながら、いちおう自分がほしものがないかどうか物色する。

 そういや、バンコクのドン・ムアンでマンゴスチンの形をした木製の小物入れを見て、ああ、ほしいな、と思ったんだっけ(大きさは直径15cmくらい)。
 同じ物がカンボジアにあれば買うつもりだったんだよな。物価の差からいっても、カンボジアで買ったほうが安いだろうし。

 というわけで探したのだが、小物入れはあったけど、かぼちゃ型のものしかなかった。残念。

 よってわたしはこの店では、冷たいお茶をもらって飲んで、ほかにはトイレに行っただけだった。

 マダムはベッドとソファーのカバーを作ると言って、シルクの布をあれこれ探していた。
 マダムのお気にめした色や柄(がら)の布はあることにはあったのだが、どういうわけか同じ色柄の布がなかなか2枚ない。

 ベッドカバーを作るには同じ布が2枚必要だったようで、かなりねばって探したのだが、ついに見つからなかった。

 しかし、それであきらめるようなマダムではない。
 同じ布が1枚しかないなら、おっきい布を1枚買う作戦に出た。

 で、最終的には2.5m四方ほどのかなり細かい織りの布を1枚Get。お値段はアメリカドルで50ドル(当時のレートで約6000円)ほど。高いのか安いのか、わたしにはわからん。

 しかも、「染め」ではなく「織り」の布なので分厚く重い。持ち帰るのがなかなか大変である。

 冷静な時ならマダムも買わなかったかもしれないが、ほしいものが見当たらなくて困っていた時だからなあ。まあしかたないか。

 この他にもシルクの布を数枚買いこむ。

 このお店にいたのは20分ほどいた。
 「ツアーはお土産屋さんに連れていかれるからきらいなのよ」と言っていたわりには、充実した買い物を楽しんだマダムだった。

■ 夕食のBGM

 お土産屋さんを出た後、ホテルへ。
 今日の夕食はホテルで食べる。

 どんな料理が出るのかなー、と思っていたら、Kさんが「今夜の食事はカンボジア料理」と教えてくれた。
 明日の朝の約束をしてKさんと別れ、ホテルの部屋にいったん戻った後、7時頃レストランへ。

 カンボジア料理ってどんなのだろ? タイ料理みたいに香草がばりばりきいて辛い料理か? と思ったが、どれもクセのない味で非常に美味。

 記録として残っているのは、ねぎといんげん・トマト・ブロッコリーの鶏肉団子入り炒め、それに白身魚のフライ(これは赤い甘辛ソースをかけて食べる)、鶏肉と野菜のしょうが入りぴり辛炒め、ココナッツ・ミルクのきいた白いカレー、あとは白いご飯にフルーツ各種。

 わたしは鶏肉のしょうが入り炒めが気に入ったようだ。メモに「おいしかった」と残っている。

 アジアに行くと、辛すぎたりクセが強い料理が多くて、年配の女性はなかなか口に合うものがなく食事に困ったりするようだが、このレストランで出された料理はすべてマダムも気に入っていた。

 国境が陸地でとなりあっている国でも、だいぶ味が違うもんだ。


この日の夕食。ご飯がつく。
日本人としてはうれしい。
  ココナッツ・ミルクのきいたカレー
ココナッツ・ミルクのきいたカレー
 
白身魚のフライ、鶏肉と野菜のしょうが入りぴり辛炒め
左上が白身魚のフライ、
下は鶏肉と野菜のしょうが入り
ぴり辛炒め
  白身魚のフライのソース
これは白身魚のフライのソース
 
デザートのフルーツ
デザートのフルーツ
紅茶
紅茶

 ところでこの食事中、わたしのすぐ後ろにあった、天上から床まで全面ガラス張りの窓に、バン、バン、と絶えず何かがぶつかる音がした。

 何だろう? 雨でも降っているんだろうか? と思っていたが、ふっとその正体に気付いた。

 これ、窓ガラスにこおろぎが体当たりしている音だ。

 ひいぃいぃ〜っ! 明るい室内に向かってこおろぎが飛んで来てるんだっ!

 そういや、階段の踊り場にこおろぎの死骸が累々してたっけ。
 あのこおろぎたちはどこから入ってきたのだろう?

 でも、レストラン内にはこおろぎはいなかったのでとりあえずは安心。
 わたしたちはそのままこおろぎの体当たりの音をBGMに食事を続けた。

■ ふたたびお土産

 食事を7時50分くらいに終えた後、今度はホテル内のお土産屋さんへ。
 店舗は小さかったけど、まあ本やランチョン・マットや服、布、その他もろもろいろいろある。

 マダムはまだシルクの布にこだわっていて、ここでも見ていた。
 そうしたら確か、町中のお土産屋さんよりも布が安かったんじゃなかったかな?

 こっちの方が安いっ! というショックからか、マダムはその仇(かたき)をとるかのように、布を買い込んだ。

 わたしの方は、町中のお土産屋さんでは見つからなかったマンゴスチン型小物入れを発見っ!
 しかも、タイでは木製だったのが、ここのはヤシの実から作られている。

 手にとって見ていると、「タイにも同じようなのがあるけど、このヤシの実から作られているのはカンボジアだけの商品よ」という売り場のお姉さんが説明してくれる。

 それじゃあ買いでしょ? ということで、ヤシの実製マンゴスチン型小物入れGet!

 お値段はアメリカドルで12ドル〜15ドルくらいだったと思う。
 値段をはっきりおぼえてないのは、マダムに買ってもらったから(笑)。
 自分の財布から出してないものって、記憶に残らないもんだな。

 外のお土産屋さんでも同じようなものを見たが、このホテルのとはヤシの実のかすれた白黒模様の出方がちょっと違っていた。ここで買っといてホントによかったと思う。

 8時20分頃、部屋に戻る。すぐにお風呂。
 お風呂から出ると、NHKBSでちょうどプロジェクトXをやっていた。ヤマト運輸の回だった。

 10時18分、ベッドに横になる。
 明日も朝は早い。そのまま寝た。

おわり
 

  編集後記 

 
 はい、アンコール・ワットその他でした。

 アンコール・ワットで虹って、きっとそれほどめずらしくないんでしょうね。雨が降った後で晴れていれば、位置的に見るのはばっちりな状況なわけだし。

 というわけなので、アンコール・ワットにサンセット見学に行く予定のある人は、「行くまでに雨よ降れ〜、そして行く直前には晴れろ〜」とお祈りしてから行くといいでしょう(笑)。

 それではまた次号でお会いしましょう。
  


3日目の1――朝の町をぬけて/アンコール・トム北大門 の巻
3日目の2――白い首長竜がいる遺跡/プリヤ・カン の巻
3日目の3――風にのる伝統音楽を聞きながら/ニャック・ポアン の巻
3日目の4――カンボジアのゴムの木とは?/タ・ソム の巻
3日目の5――双子のように似た遺跡/東メボンとプレ・ループ の巻
3日目の6――お昼ご飯はフレンチにて休憩 の巻
3日目の7――午後もジャヤヴァルマン七世の遺跡から/
              スラ・スランとバンテアイ・クディ の巻
3日目の8――緑と白の遺跡/タ・プローム の巻
3日目の9――20分で4つの遺跡はやまわり の巻
3日目の10――アンコール・ワットで君は何を見たか? の巻
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