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■ 民家訪問
思っていたよりはずっと小ぶりだったバンテアイ・スレイの観光を終え、10時10分、わたしたちは次の遺跡へ。
ちょっとの時間しかいないように感じたが、結局1時間近くいた。もっといてもよかったなー。
他の遺跡と違って、エッジの立った彫刻群だった。水たまりまで濃オレンジに染まるほど、赤い遺跡でもあった。
さて、次はどこに行くのかとおもったら、なんと民家を訪問するという。
ええっ、そんなの聞いてないよっ!
確かにツアー・スケジュールには書いてなかったが、Kさんの所属する現地ツアー会社のバンテアイ・スレイ観光には、民家訪問が標準でついているのであった。
まいがっ!
わたし、そういうの苦手なんだって。
知り合いの家を訪問するならともかく、なんで見ず知らずの人の家におじゃませにゃならんのじゃ〜〜
だからどんなに誘われたって、ホームステイとかは行かなかっのに。
第一ぜんぜんそーいうのに興味ないよ、わたし。
ちはる、いきなりすっごくユーウツ。
マダムもそういうの苦手なんで、ゲゲって顔をしていた。
しかし、この時はもうすでにその訪問する民家の近くまで来ていて断れなかった。
しかも民家訪問なのに、その家の土産売りの子どもにつけまわされた。
いったい何が目的でこういうコースが組まれているんだ? 勘弁してくれ〜〜
結局行ったのは、目の前がすぐスラ・スランというお家。屋台の飲食店も兼ねていて、たき火のような造りの地面のかまどの上には、大きな鍋がかけられていた。ラーメンのスープだという。ふうん。

これがそのむりやり連れて
こられた民家、っつーかお店 |
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このお店は飲食店。
ラーメンのスープを煮立てている。 |
その他、道路に面して野菜を並べていた。売り物らしい。小さな丸いスイカとズッキーニみたいなきゅうり、さつまいもを売っていた。
他人様の家の中をじろじろ見る気にはならなかったので、裏の畑を見せてもらう。 家の裏手には、グァバ、パパイヤ、バナナ、台湾ではお釈迦さまの頭に似ているから「釈迦頭」と呼ばれている果物、それにトウガラシなんかもなっていた。

お釈迦さまの頭に似ている。だから釈迦頭。 |
木になっているのを初めて見て一番驚いたのはジャック・フルーツ。長さ30cmくらいある大きな実が、木の幹からほぼ直接生えている。しかも人の手の届く高さ。
誰かが言っていたが、本当にやる気のない果物だ。

ジャック・フルーツ。Eat me!って感じ? |
家はどれも高床式なのだけど、床下では鶏や豚が飼われていた。
のん気に寝てるけど、これもきっと食料なのだろう。
他に動物は犬がいた。
カンボジア式の神棚、というのも見た。
――といっても何てことはない、垂直な柱に板を水平に取り付けただけのシンプルなものだ。何の神様への捧げものかはわからないが、マンゴーがひとつ置かれていた。

カンボジア式神棚(?) |
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床下には豚とにわとり |
Kさんはなぜかここでラーメンを食べている。
わたしたちはヒマなのでスラ・スランを眺める。
スラ・スラン沿いの舗装された道はまっすぐで、ほんのり赤い土ぼこりをかぶっている。
道の左右には勢いよく緑の葉をつけた木々が立ち並び、自転車にふたり乗りした人々が行き交う。
ああ、アジアだなあ、とその風景を見て思う。

アジアな風景 |
30分くらいここにはいただろうか?
11時5分、何も買わず食事もせず、今度はホテル目指して出発。
いつもの道を通って、11時26分にはホテルに着いた。
■ 最後の昼食
ホテル到着後、部屋で顔だけ洗って食事へ。
本日のランチは洋食。
とり肉のスープにトマトとピーマンのサラダ、メインディッシュはマッシュルーム・ソースのステーキ、フライド・ポテトとにんじんなどの野菜のソテー添え。それにフルーツとコーヒー。
料理はかなり塩辛い。
一番最初にきたとり肉のスープもしょっぱいな、と思ったが、フライド・ポテトもしょっぱいし、ステーキのソースもかなり味が濃かった。
でも、どれもとてもおいしい。
もう今日もすでにかなり汗かいているので、きっと塩辛さよりもおいしさを感じるのだろう、とマダムと意見が一致する。
こんな塩辛いの、日本で食べてたらあっという間に腎臓を悪くしそうだ。
帰ったらまた薄味に自分を戻さなきゃ。
食事を終えた後は、部屋に戻ってシャワー。
今日は夕方バンコクに飛んだ後、ホテルに泊まらず機内泊だから、何としてでもここでシャワーを浴びておかねば。
でも、またすごい汗をかいちゃうんだろうな。
荷造りなどを終えた後、少し休む。
何気にベランダにある鉢植えのブーゲンビリアなんぞを写真に撮ってみる。
ファインダーからのぞいた時には気付かなかったが、窓にへばりついて鉢植えを見てみたら、なんとコオロギがブーゲンビリアの枝や幹にびっしりとっ!
うおおっ、何かの花につくアブラムシのようだっ!
――っていうか、ここ3階のベランダだよ? どーやってあんたらここまで来たのっ!
そっか。もしかしてコオロギって跳ねるだけじゃなくて、ゴキブリと同じで飛ぶ? もしかして3階まで飛んできたのか?
うーん、根性のあるコオロギだ。
じゃあ、3階にあるこの部屋の中でコオロギが鳴いていてもしかたないな、と納得する。
2時過ぎ、ロビーに降りる。
Kさんが来てくれていたので、チェック・アウト。
2時22分には、3泊したこのホテルを離れ、車でオールド・マーケットへ向かった。
■ オールド・マーケット
オールド・マーケットはシェムリアップ市街のシェムリアップ川沿いにある。
どんなところだろう? と思っていたのだが、オールド・マーケットは地元民の生活感あふれる市場ではなく観光市場なので、売っている物はほとんどお土産品ばかりだった。
車で5〜6分走ったくらいでオールド・マーケット着。
Kさんといったんわかれ、30分後に同じ場所で待ち合わせる。
30分か。お金をたくさん落としてきてください、ってわけではないんだな。
町中をとりあえずぶらぶらと歩く。青く広い空や、乾いた強烈な日射しを受ける町の風景は、なぜかアジアの片隅というよりも、西部劇の町並みを再現したセットみたいに見える。

オールド・マーケット。暑い・・・ |
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通りにはお土産屋さんが連なる |
売ってる物は、どの店もだいたい一緒。クロマーなどの布類、銀製品、木製の果物型小物入れ。竹だか何かで編んだカゴやバッグ。洋服や下着、陶器や仏像のレプリカなど。
ソーセージみたいなものや魚の干物もよく軒先から吊るされていた。あれも土産品になるのか?
お菓子も売っている。
カンボジアのお菓子か・・・どんなのがあるんだろう? と思ってみたら、ほとんど台湾やタイあたりからの輸入品ばかりだった。地元で作られたお菓子はないに等しい。

お菓子のお店 |
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輸入物がほとんど |
この時ふと、韓国映画の「JSA」の一場面を思い出した。
確か、北朝鮮の若い兵士が韓国製のお菓子を見て、「おれたちもいつかこんなうまいお菓子を作れるようになってやる」みたいな台詞を言う場面がなかったかな?
(※Attention! すみません、記憶で書いてます。きっと正しくないです)
その場面を見た時、そういやあ日本も戦後貧しい時代は、甘いお菓子なんて食べられなかったもんなあ、と思った記憶がある。
貧しくなくったって(これは『上海6日間★徒然日記』を書いている時に気付かされたが)、材料を確保するためのきちんとした流通経路が確立されていなければ作れないお菓子だってあるし。
オールド・マーケットにカンボジア製のカンボジアのお菓子が並ぶようになったら、この国が本当に復興したことになるのかもしれないな、なんてふと思う(袋詰めして売るようなお菓子があればの話ですが)。
さて、マダムはまたしても大量に布を買い(笑)、値切って値切って満足したようだ(笑)。
わたしもクロマーを2〜3枚買い足した。

いろんな柄のクロマー |
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かぼちゃやマンゴスチン型の
小物入れ |
車に帰る前にトイレに行く。布を大量に買ったお店のお姉さんに聞いたら、トイレまで案内してってくれた。
アメ横のセンター街みたいに小さな店がびッりしりならぶ中を歩いて行くと、青果市場みたいな所に出た。
こちらは観光市場ではないのかな?
市場のひろ〜いコンクリート敷きの空間に足踏みミシンを出して何かを縫っている女性たちなどもいた。市場兼作業場らしい。
トイレはそんな中にあった。
だいぶ古い設備だけど、汚くはない。みんなできれいに使おうと心がけている感じ。
しかし驚いたのは、そのトイレの高い天井にできた空間に、足場を作って小さなほったて小屋が建てられていたことだ。
これってまさか家?
うーん、うーん、と深く悩んだが、地元の人は普通にトイレを使っている。
気にしてもしょうがないし、この後はトイレに不便なアンコール・ワットに行く予定があったので、わたしもトイレを使っておく。
水洗だが、水は手動式。トイレの建物内にある水槽にたまった水を手桶に汲んで流す。
まあ、人間なんでも経験しておくものだ。
この後はKさんに合流。
車に乗ってふたたびアンコール遺跡群に向かった。
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