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| ボロディン作曲 交響詩《中央アジアの草原にて》 (1880年) |
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| ●ムソルグスキー 交響詩「禿山の一夜」 ●ボロディン ダッタン人の行進〜歌劇「イーゴリ公」より ●ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」 ●イッポリトフ=イワーノフ 組曲「コーカサスの風景」 ◆コーカサスの風景/中央アジアの草原にて 〜ロシア管弦楽名曲集 ウラジミール・フェドセーエフ指揮 モスクワ放送交響楽団 ビクター VICC-2168 |
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| ●ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」 交響曲第1番 変ホ長調 交響曲第2番 ロ短調 ウラディミール・アシュケナージ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 ポリドール(LONDON) POCL−5282 |
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| ●ボロディン 交響曲第2番 ロ短調 交響詩「中央アジアの草原にて」 歌劇「イーゴリ公」より 序曲・行進曲・だったん人の娘の踊り・だったん人の踊り ロリス・チェクナヴォリアン指揮 ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 ビクター BVCC−9019 |
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| ●リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェヘラザード」 ●ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」 ●バラキレフ イスメライ (S。リアプノフ編曲) キーロフ歌劇場管弦楽団 ワレリー・ゲルグエフ 指揮 フィリップス UCCP−1060 |
アレクサンドル・ポルフィリェヴィチ・ボロディン(1833〜1887)は、19世紀に活躍したロシアの作曲家。ロシアの国民楽派で「5人組」(バラキレフ、ムソルグスキー、キュイ、リムスキー=コルサコフ、ボロディン)と呼ばれた作曲家の1人。しかし「日曜作曲家」であり、本職は化学者である。
幼い頃よりピアノやチェロを習ったが、ペテルブルグ医科大学に進学、化学・薬学を学び、かたや作曲や室内楽を楽しんだという。
卒業後、陸軍病院に勤務し、ムソルグスキーと知り合う。また西欧への科学研究のための留学をする中で、古典派、ロマン派の音楽にも触れ帰国。ロシア国民楽派のバラキレフに会って共鳴し、「5人組」として、本職のかたわら作品を残した。
またペテルブルク医科大学で教鞭をとり、多忙な日々を送りるが、1887年に心臓発作で急逝。
グリンカ以来、西欧音楽にロシアや東方諸民族の音楽を同化させ、オリエンタルな雰囲気の曲を残した。科学者としての職を持っており、数は少ないが、管弦楽曲、交響曲、室内楽曲、ピアノ曲など幅広く作品を残している。激務のため「交響曲第3番」や、<ダッタン人の踊り>で知られる歌劇「イーゴリ公」が未完であり、リムスキー=コルサコフやグラズノフが遺作を完成させた。
この「中央アジアの草原にて」は1880年の作品。リストに献呈。初演はリムスキー=コルサコフの指揮によって行われた。
小品ながら大変緻密な構成、そして無駄な音がない澄み切ったサウンドの作品である。
楽譜には、以下のような文が書かれている。
…見渡す限り広々と広がる中央アジアの平原を平和なロシア民謡が聞こえてくる。遠くから馬とらくだの足音に混じって、東洋風な旋律が響き渡る。そしてアジアの隊商がロシア兵に護衛されながら果てしない砂漠の道を、安全に進む。征服者と征服されたものたちの歌…ロシアの歌とアジアの旋律が溶け合って、不思議なハーモニーを作る。そのこだまは次第に平原の空へ消えていく。
モティーフは2つ。ロシア民謡の歌とアジアの隊商の東洋的旋律。
冒頭は、フルート、オーボエ、クラリネットとロシアの旋律を奏する。すると隊商の一群の足音を示す弦のピツィカートにのって、イングリッシュホルンが東洋的な旋律を吹く。
やがてロシア民謡の旋律が転調しながら再現、やがて金管楽器も加わってトゥッティになる。
そして弦が東洋的旋律を転調しながら奏する。
そして、ロシアの歌とアジアの旋律が溶け合う場面となり、2つの旋律が楽器を替えて、対位法的にそして副旋律のように演奏される。
そして終結部は、ロシア民謡の旋律を、ホルンから木管楽器に受け渡しながら、静かにこだまするようにフルートのソロで曲を閉じる。
この曲は「交響詩」というジャンルに分類されますが、全音から出版されているスコアには「交響的絵画」とされているように、詩的というよりは絵画的な作品です。またそこには西欧絵画、油絵というよりは、東洋の水墨画の世界だといった内容の解説がありましたが、まったくその通りだと思いました。
のどかな雰囲気の「ロシアの民謡」の旋律は、明るくすっきりとしたメロディです。とてものどかな雰囲気。そして、次のイングリッシュ・ホルンで奏される隊商の旋律がオリエンタルでいいです。本当にモチーフはこれだけで、あとは風のような持続音と隊商の馬やらくだの足音の模倣が聞こえる程度。遠くからやってきて、遠くへ去る感じをよく表現しています。
また2つのメロディが重なるところはよく出来ているな!と思います。またその少し前のパッと転調するところが、ドキッとしていいです。どことなく懐かしさ、郷愁を感じる音楽です。また、この部分のメッセージが、征服民(=ロシア)と征服されたもの(=中央アジア)との融合…ここにボロディンの、帝政ロシアの中央アジア征服の讃美があるといいます。
日曜作曲家、しかも民族音楽を研究してこれだけの作品を残したボロディンは尊敬します<2003.1.9>