ラフマニノフ作曲  《ピアノ協奏曲》第2番 ハ短調 op.18(1901年)

●ラフマニノフ  
 ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

 ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30

リーリャ・ジルベルシュテイン ピアノ
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウディオ・アバド 指揮


ドイツ・グラフォン POCG−50058
 
●ラフマニノフ  
 ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

 パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
ジャン=イヴ・ティボーデ ピアノ
クリーヴランド管弦楽団
ヴラデキーミル・アシュケナージ 指揮


ポリドール(LONDON) POCL−1542
 
●ラフマニノフ  
<CD1>
 ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 Op.1
 ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18

<CD2>
 ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
 ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op.40


ヴラデーミル・アシュケナージ ピアノ
ロンドン交響楽団
アンドレ・プレヴィン指揮

ポリドール(LONDON) POCL−3840/1
 

セルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)は、ロシアの作曲家で、ピアニスト。ペテルブルク音楽院、モスクワ音楽院に学び、ピアノ演奏や作曲で好評を博す。

やがて作曲に専念するようになるものの、1917年には革命のためパリへ亡命、1918年にはアメリカに渡る。生活のために演奏活動をし、ようやく創作へも力が入るようになったという。

初期のラフマニノフの求めるものは、チャイコフスキーのように西欧とロシア民族主義の折衷というモスクワ楽派的なものであった。
作曲家としては20世紀に入ってからが主であるが、ずっと19世紀的なロマン派的な方向であった。


ラフマニノフのピアノ協奏曲は4曲、そして《パガニーニの主題による狂詩曲》もピアノと管弦楽の作品として忘れられない。中でもこの2番はチャイコフスキーの1番とともに、ロシアのピアノ協奏曲の最高傑作と言われている。

モスクワ音楽院在学中の17〜18歳に書かれた1番協奏曲により才能を認められ、作品番号1として出版される。

一方、卒業後書かれた第1交響曲の初演が失敗し、ひどい神経衰弱に陥る。そんなラフマニノフを救ったのが、精神科医・ダール博士で、「…あなたは素晴らしい協奏曲が書ける」といった催眠療法により、この第2協奏曲が生まれたという。

初演は、ラフマニノフ自身の独奏、モスクワフィルハーモニーにより、成功する。そして彼を救ったダール博士に献呈され、1905年にはグリンカ賞を受賞したという。

曲の構成は、伝統的な3楽章からなる。



第1楽章
ハ短調。ソナタ形式。いきなり始まるピアノの重々しい和音の冒頭部分は、ラフマニノフの音楽のキーワード「鐘」の響き。やがてオーケストラによってロシアの風景を頭に思い描くような第1主題が登場する。そしてピアノによる甘美な第2主題も印象的に歌い上げられる。やがて様々な展開を見せながら、クライマックスを作り上げ、力強い再現部を経て、やがて力強く曲を閉じる。


第2楽章
ホ長調。3部形式。激しささえ感じる1楽章とは対照的に、静かで情緒漂うゆるやかな楽章。ピアノの3連符の伴奏にのってフルート、続いてクラリネットによりなだらかなで神秘的な主題が奏される。やがて若干のカデンツァを伴い、静かに消え入るように終わる。

第3楽章
ハ長調。ロンド風。冒頭は弦楽器による主題の暗示、ピアノのカデンツァを経て、弦楽器によって主題が奏される。それに続いて登場する副主題は、大変ロマンティックでラフマニノフらしい華麗な旋律で弦楽器、やがてピアノに受け継がれる。やがて冒頭に戻って、主な主題が調を変えて再現される。最後は、ピアノの華麗なカデンツァの後、副主題を壮大に奏して、華やかに曲を終える。


この曲は、どうしても何回も聴きたくなります。頭の中で旋律を口ずさみたくなるような魅力的な主題が様々にちりばめられています。

1楽章のロシアのイメージ(…行ったこともないのに勝手にそう思い描いているわたくしのイメージですが)は、寒そうな感じ!?またオーケストラとピアノの関係が、それまで聴いてきたある意味で「古典的」なピアノ協奏曲とは違って、ジャズとまでは言いませんが、ピアノがオーケストラと対等に絡み合っている感じが新鮮でした。

そしてどこまでも静かな2楽章、そして忘れられない3楽章の副主題は、たしか何かの映画にも登場したんでしたっけ?息の長い旋律は、ラフマニノフならではです。

ラフマニノフの作品はラフマニノフでないと弾けないと聞いたことがあります。どうも手の大きかったというラフマニノフですが、例えば1楽章冒頭の鐘の響きのコードはなかなか一緒につかめないそうで、ピアニストによってはアルペジオにしている録音もあります。こんなの誰が弾くのだろう?と思うような曲です。
<2003.2.7>