米沢・天童・上山編(その1)

 花巻・遠野に行ってから1年経ってしまった。本当だったら冬にも行きたかったんだよねえ。だけど、私が本社勤務から派遣として他社に行くようになったので、なかなか休みが取れなくなっちゃったんだよねえ。
 だからかもしれないけど、いままで2泊3日で旅行してきたけど、その旅行期間が物足りなくなってきた。・・・ので、今回は3泊4日の旅行+MY自転車という豪華版(過去比較20%増量?)でお送りしますっ!

 旅行初日の朝は、めちゃくちゃ早かった。朝もまだ日が明けないころ、折りたたみ自転車に乗ってJR中央線の最寄駅へ向って走っていた。
 中央線の始発に乗らないと、絶対目的の新幹線はおろか、自ら計画した行動計画が全てパーになっちまう。なんとか中央線始発に乗り込み、東京駅へ。
 東京駅に着いて気が付いた。『そういえば、折りたたみ自転車は何処に置きゃいいんだろうか?』。これまで全然置き場所なんて考えてなかった。まずい。しかし、旅行の神様が私に奇跡を起こした。私の座席は、車両の最後部。その最後部には自転車が置けるぐらいの余裕があったのだ。「ラッキー!」、私はそこに自転車を置いた。
 今回は、「東北新幹線」。えっ、なぜ「山形新幹線」じゃないのかって?
 それには、一つの理由があった。その理由は「峠の力餅」をGETするためだったのだ。そのため、私は福島で新幹線を降車した。
 奥羽本線に乗り換え、一路『米沢』へ。その途中にある『峠駅』にて、「ちから、ちから〜力餅〜っ」と売り子さんの声。電車が止まるとすぐに、私は売り子さんにかけより、「おっちゃん、力餅1つ!」。

『峠の力餅』
 一箱に12個入っていた。隣に座っていたオバちゃん達が「なあに、それ?」と興味津々。さすがに一人では食いきれないので、「どうです?」と勧めた。この力餅がきっかけで、米沢までオバちゃん達と他愛のない話で盛り上がった。
 そうそう、力餅の餡子は漉し餡だったけど、甘さひかえめで餅もやわらかかった。これはいいねえ、また食べたくなった。
 さて、米沢に着いた私は、余分な荷物をコインロッカーに預け、駅前で折りたたみ自転車をスタンバイ。「レッツゴー!」と勢いよく飛び出した私が最初に向ったのは、『上杉家廟所』(お墓かよ)。
『上杉家廟所』
 上杉謙信を中央に、12代までの歴代上杉藩主の墓がズラリと並んでいる。私のほかには誰もおらず、ただスピーカーから流れる上杉家に関する説明とセミの鳴き声だけが響いていた。
 そして次は、松岬公園(米沢城跡)へ。城跡らしいのだが、それらしき面影はあまり見られない。当時、城にしては簡素な造りだったようで、明治には城郭も取り壊してしまったらしい。そして、公園内にある『上杉神社』に向った。
『上杉神社』
 神社にて、これからの一人旅の無事を祈願し、その近くにある『米沢市立上杉博物館』へ。上杉鷹山などの歴代当主の遺品・書物などが展示されていた。この上杉鷹山、すごい人だ。若干17歳にして、「質素倹約」、「殖産興業」を推し進めて、藩を立て直しただなんてねえ。今の不景気なんて、この人に任せればすぐに回復するんちゃうかなあ。故ケネディ大統領が、最も尊敬する日本の政治家に挙げるわけだ。
 回り終えた頃にはもうお昼、米沢といったら『米沢牛』か『ラーメン』。上杉記念館近くのラーメン屋へ。そこには、『米沢牛入りラーメン 1,000円』が。まあ、一度に二つも楽しめるのか、と速攻注文。うめえ、うめえよーっ。
 昼食後は、ちょっと一杯(?)のつもりで『東光の酒蔵』へ。「・・・俺一人じゃん」。見学しているのは、私一人。けど、帰りの試飲を楽しみにしていたので、そこはグッとこらえて、ひたすら見学。そしてお待ちかねの試飲!色々と試してみた結果、『秘蔵古酒』をお土産にGET。
 「さてと、せっかく自転車持ってきたんだから、宿泊先まで行くか」。今回一日目の宿泊先は、赤湯。米沢から赤湯までは、たった2駅。そう、数字上ではたった2駅なのだ・・・けど、その駅の間隔を考えてなかった。暑いから、頭が働かなかったんだろうねえ。荷物の詰まったバッグを背負って、心許ない地図を頼りに無謀な旅へ。あまりに暑い日ざしに照らされながら、汗をダクダクかきながら、必死にペダルをこいだ。
 その途中、『浜田広介記念館』を見つけ、休憩がてら見学へ。
『浜田広介記念館前』
 浜田広介とは、米沢と赤湯の間にある「高畠町」出身の童話作家。私は知らないのだが、『泣いた赤鬼』や『椋鳥の夢』などの童話を作成したという。この記念館では、マジックスクリーンなどの映像システムを使って、物語を生き生きと再現しており、私自身も思わず見入ってしまうほどだった。ここには読書室も設けられており、訪れた子供たちが読めるように工夫されていた。
 自転車はさらに進み、ようやく赤湯に到着しようかというとき、突然の雨。通り雨だったが、近くのコンビニに一時避難。今まで旅をしてきて、初めての雨。「あとちょっとで宿なのに・・・」、宿まで数分というところで、思わず足止めをくってしまった。
 まあ、すぐに止んだので一日目の宿『丹泉ホテル』へ。自転車漕ぎ疲れを、ここのホテルの露天風呂で癒しました。いやあ、えがった〜っ。


 二日目の朝、ホテルで出された朝食は、なんとお餅。
 「おにいちゃん、一杯食べな。たんと、あるからよ」
 女中のオバちゃんが、色々な絡み餅を持ってきてくれた。あまり朝食は食べられない私だったが、あまりの美味しさに全種類を制覇。
 さて宿から赤湯駅までは自転車で。駅前で自転車をしまっていると、近くのオバちゃんが話し掛けてきた。

 オバちゃん「にいちゃん、大変そうだねえ」
     私「いやあ、でも楽しいものですよ」
 オバちゃん「これから何処行くんだい?」
     私「山寺に行こうと思ってるんですよ」
 オバちゃん「人が多いと思うけど、景色はいいわよーっ」

 こんな他愛のない話が電車が来るまで続いた。山形の人は、温かい。この雰囲気、地元ではなかなか無いもの。将来、住みたくなってきた(マジで)。ただ、交通の便が良くないけどね。
 さて、奥羽本線で山形に向かい、そこで仙山線に乗り換え『山寺』へ。駅に着くとすぐに、近くのお店に荷物と自転車を預けた(ほとんどのお店では、荷物預かりを無料でしてくれるのだ)。
『山寺 立石寺本堂』
 本堂に手を合わせ、さあ名物の石段登りだあ・・・、とその前にアレを食べねばと近くの露店へ。そこでは『力こんにゃく』を売っていた。『力こんにゃく』は、玉こんにゃくが串に4つ刺さっており、醤油味のダシで煮込んだもの。いい具合に醤油が染み込んでいてうまいのだ。
 さて、力こんにゃくも食べたし、はりきって石段登りへ。石段の段数は、全部で1015段。周りの観光客の中には、杖を借りている人が半数以上を占めていた。私は、もっぱら足腰にはちょっと自信があるので、借りずに挑戦。山門の受付にて、拝観料300円を支払い、いざ!!
 だが、予想よりも急な石段に、思わず苦戦。石段の所々にあるお地蔵さんに目を向ける余裕は、上に向うにつれて無くなっていった。観光客の中には、あまりのつらさに引き返す人も。
 「あとちょっとで、いい景色が見れるのに」
 でも、他人の心配なんてしてらんないよ。このつらさのなかじゃ。ただただ、黙々と登るのみ。登るのみなのだ。無心に登り続けたことにより、私は終点の奥の院に到着した。参拝後は、この山寺のハイライト『五大堂』へ。ここからの景色は、かなり良いと聞いていた。
『五大堂からの風景』
 すんばらしい眺め!! すんばらしいっ!!
 あの松尾芭蕉も、この景色を眺めていたんだろうか。あまりの眺望に、長い時間足を止めてしまいました。
 眺望を惜しみつつ下山し、次に向ったのは山寺駅をはさんで反対側にある『山寺芭蕉記念館』。ここは芭蕉の奥州紀行300年を記念して生まれた資料館で、「奥の細道」に関する資料が多数展示されてます。その中には、俳優の米倉斉加年が芭蕉に扮して、芭蕉と「奥の細道」の魅力に迫る映像コーナーがあるが、これはかなりオススメの展示物。
 山寺近くで昼食をとった後、一路天童に向って自転車を漕ぎ出した。何故、山寺〜天童を自転車で行くかというと、その目的は2つあった。その1つは、ある無人駅に行きたかったからだ。その駅の名は、『高瀬駅』。
『高瀬駅』
 聞いてピーンときたあなた、『ジブラー』ですね?
 そう、ここは映画『おもひでぽろぽろ』の舞台になった場所。映画では木造の駅舎であったが、現在はプレハブ。ただ、駅周辺や構内の光景は『ジブラー』にとって一見の価値あり。
 さて、最初の目的を果たした私は、次の目的へ。天童には、フルーツラインという道路があるので、そこで家へのお土産として何か果物でも送ろうと考えていた。自転車で走っていると「ぶどう狩り」の看板が。「あ、ぶどうかあ。ちょっと寄ろうかな」と思い、ある農園に立ち寄った。
『ある農園』
 立ち寄った農園には「さくらんぼ狩り」とあったが、収穫時期はとっくに過ぎていた。このときは、ブドウが収穫時期であった。
『ブドウ園内』
 私のほかには、一家族だけ。いくら食べ放題でも、ブドウだけじゃそりゃ飽きるでしょう。私は、4房でダウンしました・・・。家へのお土産は、このブドウとモモを送ることにした。
 さて果樹園を後にした私は、一路天童を目指すのみ。ただ、黙々とペダルを漕ぐだけ。初めて見る景色を楽しみながらの自転車旅は、チェックイン30分前に終了した。
 天童は、みなさんもご存知の『将棋駒』で有名な場所。そして温泉でも有名な場所なのだ。町のいたるところに将棋の駒が。歩道の所々には、詰め将棋が楽しめる将棋盤の模様がある。私も何度か足を止め、詰め将棋を楽しんだ。
 そして、今夜の宿『紅葉苑』へ。おお、ここにも将棋の駒が。
『紅葉苑にて』
 さすが、天童・・・。ここまでやるか・・・。


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