@ホンジュラス ウティラ島(2)
「誰が何と言おうと関係無い。耳も傾けたく無い。俺だって奴が好きだ」
ウティラ島において滞在してい宿、そこには無国籍な旅人のコミュニティがあった。そこは、「変わらず居る人達」と「毎日変化する人達」によって構成されていたが、やがてその全てが「変わらず居る人達」となった。
「変わらず居る人達」は夕方になれば狭い共有スペースでひしめいていた。そこでは、一人で本を読んでいても、一人で空を見つめていても、一人では無かった。無謀だ、ということは承知の上で、誰もがそんな空間が一生続くのだと信じたかった。
だけど、映画だって現実だって同じことだった。
人間の集まりは争いを生み、争いはスケープゴートを生んだ。
親しかったスイス人青年がコミュニティから消えた。私は何があったのかは知らなかったけれど、彼が平和主義者であることだけは知っていた。しかしコミュニティは彼をスケープゴートとして排除した。
誰とも眼を合わせなくなった私に、同じようにそのスイス人青年と親しかったアフリカ人青年がそう言った。彼だけが、同じ「正義」を信じていた。
数日後、私は彼だけにその「理由」を告げて、コミュニティだった場所を離れた。