僕らの部屋には、もちろん、電話がある。普段は、英語でコミュニケーションを取っているが、電話では相手によって言葉がかわる。それが結構面白い。特に日本語の響きは、彼らにとって新鮮らしい。毎日、家に帰る前に電話を入れているのだが、僕が「もしもし」というと、みんな聞き耳を立てていてなぜか大爆笑となる。「もしもし」の語感が面白いらしい。
そこで、ホワイトボードの一番上に英語の文章を書き、その下に自国語で同じ意味の文章を書き、読み上げると言う遊び(?)がしばらく流行ったのだ。主な参加者は、日本人、インド人、スペイン人であった。そこで気づいたのは、ヒンディー語とスペイン語は意外と音感が似ているのだ。後で知ったのだが、どちらもインドヨーロッパ言語に分類されるらしい。そのため、この遊び(?)は主に日本語の勉強会みたいになってしまった。まあ、最終的には音感を楽しんでいるだけだけだったが。
ある日論文検索をしていた学生が、「Kagaku Kogaku Rombunshuってなんだ?」と聞いてきた。化学工学学会が発行している論文集だ。この「論文集」という響きがたまらなかったらしい。それ以来、しばらく朝の挨拶が「化学工学論文集を読んだかい?」となった。不思議な部屋である。
(つづく)
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