新ショートコラム〜エリア456(8)〜口癖
 外人部隊の公用語は英語だ。しかし、外人部隊の日常語は俗語だ。とても上品な言葉とは言えない。映画で出てくる汚い言葉の連発である。それでも、コミュニケーションをとらなければならない。きれいだろうがきたなかろうが、僕にとって英語はコミュニケーションの道具の一つであって、それ以上でもそれ以下でもない。

 外国人にだって口癖はある。部屋にいる中国人の口癖は、「あんな馬鹿な奴(Such a stupid guy!)」である。聞き慣れるとそんな変な響きではない。しかし、英語の授業(僕は英語の授業に通っているのだ)で先生が、絶対人前で使ってはいけない単語の一つとして「stupid」を挙げた。可笑しかった。僕は毎日何度もその単語を聞いているではないか。

 その日、その中国人に「stupid」って、人前で使う単語じゃないってよ、と言う話をした。中国人は笑っていた。翌日以降、僕が「stupid」を聞く回数が減ったかというと、全く変わらなかった。

 口癖ってそんなもんかもしれない。

(つづく)