飛行機の中での小さな喜び。前編
久しぶりに日本へ帰国した。約2年半ぶり。 掲示板にもちらっと書いたのだが、とりあえず前日はテロやらアンセット航空が倒産するやらで、ほんとに私は日本に帰れるのかと、ぎりぎりまで心配させられた。職場のみんなが一斉にバタバタしてしまった為、引継ぎをするヒマもなく気がつけば、午前1時30分まで職場にいる始末。休みを取るから文句も言えず、引き継ぎ事項をショボショボの目で書面に残してから会社を去った。
家に着いたのは午前2時。しかも何の準備もしていなかった私はそれからベッドの奥底にしまわれたスーツケースをひっぱりだして準備を始めた。家を朝7時に出る予定だったので、今日は寝ないと心に決め準備をした。あきてくると、CPを起ち上げてネットで生き抜きしたりと、のんびりやっていたのだが、なんと明け方4時半頃全ての準備が終了してしまった。なんとも中途半端な…。そして、何もすることがなくなると襲いかかってくるのが睡魔。逆算すると1時間半寝れる。これを「1時間半 も」ととるか「1時間半 しか」ととるかに悩む。寝てしまえば、爆睡してしまうことも考えられる。考えに考えた末、「1時間半 も」を採用し寝ることにした。案の定、寝過ごした。
9時30分の飛行機に乗るのに2時間前のチェックインと航空会社の方で一般的に案内されているのだが(エコノミークラスの場合)、私が家を出た時間は7時45分。空港に到着したのは8時15分。でも、なぜか空港は空いていて、これでも余裕であった。45分も長く寝ることができたし、結局はめでたし、めでたし。ということになったのである。
前振りが長くなってしまったが、私が言いたかったのはこんな寝過ごした話ではない。飛行機の中で聞くヘッドホンミュージックのことなのだ。今回はJALを利用。機内で聞くことのできる音楽やら落語やら映画のプログラムを集めた“JEN”という冊子を手に取る。正式には“JAL ENTERTAMENT NETWORK”というらしい。その中でKidsチャンネルというのがあって、いわゆる子供向けチャンネルなのだが、ぺらぺらとプログラムを見ているとその中に 「コンピューターおばあちゃん」の文字が!! みんなのうたで流れていたあの音楽とアニメーションが瞬時に私の脳の奥から蘇った。小学生の頃だったと思う。強烈なインパクトでその曲がかかると手を止めて聞いていたような気がする。そんな 「コンピューターおばあちゃん」に空の上で出遭えるとは!
この曲の歌詞がなんとも粋なのだ。ちょっとだけ抜粋して紹介してみよう。
「僕のおばあちゃんは 明治生まれのコンピューター」
明治生まれということは今はすっかり100歳前後のおばあちゃんなはず。にもかかわらず、彼女はなんとコンピューター。これはコンピューターのようにしっかりしていると理解して良いのだろうが、一歩解釈を間違えるととても恐ろしい気が…。何年か前に大人もぞっとする○○童話とかなんとかという本があったけど、勝るとも劣らない味を感じてしまう。
「英語もラクラク 入れ歯をカクカク 得意のABC」
まずは、この語呂の良さ。耳に飛び込んできたら一発で覚えてしまうこと、間違いなし。一瞬ほねほねロックが頭をよぎったが、この歌の中でも個人的には一番の聞かせドコロではないかと信じて止まない。100歳なのに英語が得意で、入れ歯をカクカクさせながらABCを話すのだ。このおばあちゃん、いったい何者なのだ! と驚かされる。…そうだ。コンピューターだった。すご過ぎる。
「夢は宇宙旅行」
これは孫のセリフの部分なのだが、100歳まで生きているのに、その上おばあちゃんは宇宙旅行が夢だと言う。なんと偉大なおばあちゃんであろう。ぜひ夢を実現してもらいたい。ただ、気になる点が1つ。サビの部分で孫は「コンピューターおばあちゃん イエイ イエイ 僕は大好きさ」と歌っている。僕は…?もしかして、まわりの親戚一同におばあちゃんは嫌われているのだろうかと心配になってしまった。孫がいつまでもおばあちゃんの味方でいてくれることを祈る。もちろん、私も味方だ。
この 「コンピューターおばあちゃん」は、シドニーから成田へ到着するまでの約8時間の間に3回ほど聞いてしまった。(通常は9時間かかるのだが、1時間出発が遅れたのに追い風の為到着が定刻だった。) 1時間のプログラムが繰り返し流されるので単純計算で、全部で8回流れることになる。1時間に1回しか流れないので、この曲がかかりそうな時間になると、あわててチャンネルをあわせて聴いていた。5回は聴き逃しているのだが…。でもそんな行動をとる自分がなんとなくおかしくもあり、楽しくもあったりするのであった。
しかも 「コンピューターおばあちゃん」のおかげで、私の席の後ろにいたオージー高校生10人くらいのグループのギャーギャー騒ぐうるささも、この曲を聴いている間は忘れることができたのだ。感謝、感謝の様、様である。
後編につづく
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