ホームステイ ふぁあすと・いんぷれっしょん
ワーホリで初めてオーストラリアに来た時に、始めの4日間はプライベートホテルに宿泊し、5日目からホームステイに入った。もともと日本から4週間語学学校を申し込んでいたので、そこの学校の紹介してくれた家だった。
出発前、日本で既にホームステイ先のデータをもらっていた。といっても、紙1枚で、住所、名前、家族構成、趣味、他にも受け入れスチューデントがいるとかいないとかという簡単なものだった。それを見たとき、住所と名前をみても分からないので、一番最初に家族構成をみた。
ホストマザーにティックがしてあり、ホストファザー、子供のところは空欄となっていた。 そして、その他のところに、猫2匹と書いてあった。私の中でホームステイというのは、両親がいて子供達がいてと勝手に思い描いていたので、この時点ではなんかとても淋しい生活になるのではないかと思った。でも、他にも受け入れている学生がいるかどうかの欄に印がついていたので、2人きりの生活ではないのだとちょっと安心したが、どんなホームステイ生活になるのか想像もできなかった。
よく、ホームステイの受け入れ先は当たりハズレがあると言われていたし、後は自分の心がけ次第であるとも言われていた。そりゃ、もちろん生活を楽しく過ごせるかどうかは自分の前向きな気持ちが大事なことは分かっているが、当たりハズレがあると言うのなら、どうせなら、やっぱり当たりを引きたいに決まっているではないか。そんなことを思いながら、5日目ホームステイ先を訪れた。
玄関で迎えてくれたのは「ベニース」という見るからにオージーと言う感じのちょっと気の強そうなおばさんだった。気が強そうと言っても、決して意地悪そうとかそういうのでは無く、サバサバした感じと言った方が合っているかもしれない。日本のお土産を持っていった方がいいと、本か何かに書いてあったので、日本っぽいものを選んで小さい雛人形みたいな物を持っていったが、その家には博多人形やら、こけしやら、提灯やら日本の伝統民芸品があふれていた。今までにホームステイをしていた日本人が持ってきたのだろう。こんなことなら、本に惑わされて、日本っぽいものと探していたが、アイデアグッズとかの方が喜ばれたかもと思った。もちろん、ベニースは喜んでくれてはいたのだが…。
最初ということもあり、彼女は私に分かるようにゆっくり話をしてくれていたが、申し訳無いことに、英語自体がよく聞き取れず、何を言っているのか30%くらいしか理解することはできなかったので、なんとなく雰囲気で読み取っていた。もちろん、私は「YES」「NO」の繰り返しで、思わず自分で、お前はイエス・ノー枕か、と突っ込んでしまいたくなるような状態であった。それでも、ベニースは気にする様子もなく、家のルールを教えてくれた。
家の中での喫煙OK。ディナーは7時から7時半の間のスタート。いらない場合はあらかじめ言うこと。シャワーは9時まで。などなど。
そしてこの家には、私の他に2名学生がいるということだった。ひとりは近くの高校に通っている香港人のギャリーという男の子、そして、もう一人は日本人のTという男の子、この日本人の子はどうやら私が行く学校に通っているらしく、駅での切符の買い方とかは、彼が教えてくれるとこことだった。そうそう、家の中では日本語禁止というルールもあった。
とりあえず、必要な物の買出しに行ったらどうかと勧めてくれ、近くのショッピングセンターの地図を書いてくれた。言われるまま、その地図を片手に家をでた。近くと確か言っていたはずだが、歩いたら30分くらいかかった。学校で使いそうな文房具、そして洗面道具などを仕入れて、また30分くらいの道のりを歩いてもどった。今考えれば、電車もバスもあるはずなんだがと思ってしまうのだが、知らない私はもくもくと歩いた。でも、それがシドニーに来て5日目の私には、一人きりでちょっと遠くに買い物に行けたという小さな自信になったのは確か。
戻ると先にシャワーを浴びさせてもらった。この時ディナーの前に浴びてしまった為に、その後この家にいる間ずっと、私のシャワーの時間はこの時間になってしまった。学校に行っている間、私は6時には家に帰らなければならなくなってしまったのだ。というか、その時間しか空いていなかった。ギャリーは、食後8時半頃浴びるし、日本人Tは朝浴びるというし、必然的に私に与えられた時間はこの時間になってしまうのだ。
そして、忘れては行けない、猫2匹。黒猫と白猫がいた。黒い猫はとても人懐こく、やはり懐かれるとかわいいものだ。白い猫は、ベニースにしか懐いていなかった。人の気配を感じるとそいつはすぐ逃げるので、お世辞にもかわいいとは言えなかった。6年くらい経ってしまったので、すっかり、猫の名前は忘れてしまったけど。なんて名前だったか…。
初日のディナーの時、他の住人達と初対面ということでドキドキしていたが、あまりフレンドリーな感は無く、挨拶も名前を言って、「HOW ARE YOU?」くらいなものだった。暗いよ、君達…と思いながら、その日は初日ということもあり、気疲れ気味で、しかも英語の会話に入れずといった状況から、早々に部屋に退散して、10時くらいには寝てしまったように記憶している。
私のホームステイ生活、この先どうなるのだ!と心配せずにはいられなかったが、神経の図太い私はベットに入って5分後には寝息を立てていたのであった。
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