泥棒にはいられた話。

 オーストラリアは、泥棒が多いという話を来豪した当初からよく聞いていた。 しかし、そんなことは戸締りさえちゃんとしていれば、縁の無い話だと思っていた。

 ところが、である。忘れもしない、1998年5月。ついに盗られてしまったのである。 当時、私は「RANDWICK」というサバーブに住んでいた。3ベッドルームに4人で住んでいたのだが、 グランドフロアーだった。確かに引越しをする際、この点だけが気になっていた。
泥棒に入られる恐れがあるのではないか…。
 でも、窓は2重ロックがかかるようになっていたし、住宅街だし、通りに面しているし、 戸締りさえちゃんとしていれば大丈夫であろうということで引越しを決めたのである。

人間慣れというのは恐いものである。
住んで何事もなく半年もすると、始めの頃の用心も手ぬるくなっていくものだ。 そんな5月のある日、夕方4時頃、仕事中に電話が入った。
「泥棒が入った!!」
その知らせを聞き、とりあえず、住人の中で家に向かえるものはそのまま行ってもらい、 ポリスに来てもらって、簡単な現場検証をしてもらった。 私も6時きっかりに仕事をきりあげ、家に向かった。
 帰路、いろいろなことを考えた。
もしかして、今日部屋の窓のカギ閉め忘れたんじゃなかろうか…。
私の部屋から泥棒が入っていたら、申し訳ないなあ…。
最近、無用心だったしなあ…。
何盗られたんだろう…

 家に到着すると、先に帰っていた住人が、
「みんなの部屋、すごく荒らされているよォ。何かなくなったモノがないか調べてみて。 あとで警察に言わなきゃいけないから…。」
としんみりと言った。
おそるおそる部屋に入ってみた。
「ねっ!すごい荒らされてるでしょう?」
…確かに荒らされていたが、もともと部屋が散乱していたので、「すごく」と いうわけではなかった。(爆)
「いや〜あ、そ、そうだよねえ。とにかく何か盗られていないか調べてみるよ。」
よく部屋を見てみたが、なんと私は何一つ盗られていた物がなかった。
よく考えてみれば、当時盗られるような物って確かに何も持っていなかったのである。
しかし、そんな訳ないだろうと、何かしら盗られているに違いないと思い、脳ミソをしぼって考えてみた。
「はっ。そうだ!日本円があったはず。確かあの箱の中の使っていない財布に…!」
慌ててそこを探してみると…!
無い!日本円で4万円ほどあったはずの財布が空になっている!
ノォ〜〜〜〜〜〜ッ!!

リビングでみんなの盗られたものを確認しあった。
しかも、その時、家に人がいたことも判明した。なんと1部屋はカップルで住んでいたのだが、 その男の方が、部屋で昼寝をしていたんだそうだ。
なんで気がつかないんだよう、ばかもん! と思ったが、気がつかなかったものは仕方がない。
なので、その部屋のものは何も盗まれていない。あとは、リビングにあったプレイステーション、 そして一番被害にあったのは、もう一人の住人で、 CDウォークマンやらベネトンのリュックやら、ブランドもんの財布やらといろんな品物を持って行かれていた。
「現金4万円盗まれたよ〜」
私が言うとみんな一斉に気の毒そうな顔をした。
な、何? どーしたの?皆さん。 「保険きかないねえ、それは…。」
そうなのである。他の人達は品物なので保険がおりるのだが、現金は保険はいっさいおりないのだ。
実は、この年は正月早々にもシティのバーで財布をすられてもいたのだ。なんて年なんだ今年は!と、毒づかずにはいられない私であった。

 ポリスの話によると、今回一番モノをもって行かれた住人の部屋から、 泥棒は侵入してきたらしかった。そこの部屋の窓は2重ロックのうち、1つのカギしかかけていなかったのだが、 そのカギというのは、外から窓をガタガタやっている内に簡単に開いてしまうというシロモノだった。(をい!カギの意味ないだろっ!)
まず、その部屋を荒らし、次にカップルの部屋に行き、(恐らく人が寝ていて驚いたに違いない。) そのままドアを閉め、私の部屋を荒らし、最後にリビングのプレイステーションを持って玄関から出て行ったのではないかということだった。 しかも盗んでいる物をみてみると、どうやら少年の犯行ではないかと言っていた。
頭の中で、ベネトンのリュックにプレイステーションを入れ、現金をポケットにいれ、CDウォークマンを聞きながら 玄関から出て行く犯人を想像した。
あ〜くやしすぎるっ!!

一度、泥棒に入られた家はまた狙われやすいと聞き、その日から、私達は戸締りを厳重にしようと誓い合った。 休みの日すら、必要な時以外、窓を閉めていた。 ちょうどその頃から雨が降り続き2週間後にカビに悩まされるとも知らずに…。

ひとつ、報告しておこう。
現金を盗られたと思っていた私は、1ヶ月後スーツケースの中から現金4万円のはいった封筒をみつけたのである。
そうだったのだ。
スーツケースの中の方が安心と思って、入れ換えていたを忘れていただけだった。
…というわけで、結局わたしは何も盗られていなかったのである…。(苦笑)
ちょっと恥ずかしいので、当時、一緒に暮らしていたシェアメイト達にはいまだにそれは内緒である。
あははははは…。




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