ワンダーランドへ行った話。<後編>


すっかり続きを書くのを怠けていたら、何を書こうと思っていたか忘れてしまった。
そうそう、木製ジェットコースターは『痛い』という話しだった。

 そんなジェットコースターを乗り終え、やつれながらヨロヨロ歩いていると、先ほどまで調整中のサインがでていた『SNOWY RIVER RAMPAGE』が復活していた。『おおお、これは、ラッキー』と並ぼうとしたが、列の長さに仰天した。日本の遊園地ではきっとそんな列の長さはあたり前なのだろうが、すっかり並ぶということを忘れてしまった上に、木製ジェットコースターに叩きのめされていた私達には、そこに並ぶほどの情熱と根性はすでに無くなってしまっていたのである。
 せめて、これが、木製ジェットコースターに乗る前だったらね…と、横目でみながらその場を離れたのである。

次はどうしようかと、地図を見てみると、そこには『15:00 インターナショナル・イリュージョン トニー&ジュリーン』などというアトラクションが行われるということに気づく。屋内だし、ジュースでも買って、そのマジックショーでも見ようということになり、会場ギャラクシー・シアターに急ぐ。これも始まる2分前くらいにぎりぎりセーフで会場に入ることができた。
 すると会場内はダンスミュージックがながれ、ドライアイスの煙とともに、トニーとジュリーンと思われる2人が女性ダンサー4人とともに踊りながらさっそうと登場した。場内は、手拍子と歓声とで大盛り上がり。パンフレットには、
 『本場ラスベガスからのニューイリュージョン!
 すばらしい音楽、ライティング、そしてエキサイティングなダンス!!
 絶対見逃すな!!!』
みたいなことが書いてあっただけに、会場は満席。

 「プリンセス・てんこう」のアレを思い出してもらえれば、感じがつかめると思う。箱に入ったジュリーンがバラバラにされて元に戻るとか、檻にいれられたジュリーンがいつのまにか、別の檻からでてくるとか、ジュリーンが箱の中に入れられて、どんどん箱が小さくなって顔だけになったしまったりとか、トニーよりも、ジュリーンが凄いのではないかと思った。トニーは音楽にあわせて、踊りながら、剣をさしたり、箱をぐるぐる回したりしてるだけだった。まあ、恐らくトニーがこの仕掛けを考えたのだろうから、トニーも凄いに違いないが…。

 ショーも終わり、ぞろぞろ出てくると、出口の外で、キャップやらTシャツやらのトニー&ジュリーン・グッズが売られていた。買う人いるのかな〜と思って目をやると、なんと先程まで舞台にいた4人のダンサーとトニー&ジュリーンの本人たちが直接販売をしていた。
 これは、結構、目からうろこだった。『目からうろこ』という言葉が、正しい使われ方をしているかどうか、いささか不安であるが、もしこれが、普通のアルバイトたちが販売していたら、買う人いるのかな〜いないよな〜で終わってしまうところだが、本人たちが売っていたら、どうだろう。たった今まで舞台の上で格好良くダンスをしたり、マジックをしていた人達が、目の前にいて、ニコニコしながら、『ショーはどうだったかい?』なんて気さくに声をかけ、『このTシャツ、なかなかいいだろう?』なんて言っていたら、子供達はまたまたトニーのマジックにかかり、とても格好の良いものに見えてしまうのではないか。
 そして、最終的に『ダディ、買って〜』『マム、僕、あのキャップが欲しいよ〜』ってことになるのだろう。さすが、トニー。だてにラスベガスから来ていないな、と感心させられた。
 私達はと言えば、残念ながら、トニーたちのマジックにかかるには、少々歳を取りすぎていた。

 静かにマジックショーを見ていたので、体力が回復し、また何か乗り物に乗る気力が沸いてきたので、『DEMON』という回転&ツイストの入ったジェットコースターに乗ることにした。これは、まあ遊園地にいったら、こういったジェットコースターは、1つはあるよね、というジェットコースターであった。
 感想。
 なめらか!
 やっぱりジェットコースターはこのくらい滑らかでないとスピードも出ないしダメだよね!回転とかツイストとかは、私にとってあっても無くてもどちらでもいいものだけど、この滑らかさが、スピードを感じさせるのではないかと思うのだ。

 最後に『SPACE PROBE』という、いわゆるフリーフォールなのだが、それにのろうとした。本当は一番最初に乗ろうとしていたのだが、同行者に最後にしようと言われていたので、乗っていなかったのだが、そろそろ良い時間になっていたので、さあ乗ろうということになった。
 ところが、同行者Eは、なんと拒絶したのである。しかも、乗りたければ一人で乗って来いというのである。一人で乗ることも一瞬考えた。ただ、そこまでして乗りたいかというと、別に執着はないわけで…。結局、まあ、では帰りましょうか…ということになったのである。

 最後に出口に向かって歩いている途中に、人々が集まっていた。何か最後にイベントがあるらしかったので、私達もその場に立ち止まって、待つことにした。
 すると、なんとウエットスーツを着たトニーがやってきたのである。鎖で縛られたトニーが水が満タンの水槽に入れられ、脱出するというのをやるらしい。2分以内に脱出するとのことだった。しかも、足かせをされ、そのまま足からクレーンで持ち上げられ、水のはいった水槽へ頭からいれられるという、凄いものだった。水槽は布で覆われ、水槽の右横には大きな時計があり、沈められると同時に時計は動きだす。水槽からは大した音も聞こえず、皆、時計に釘付けになっていた。そして2分たった時、覆われた布は外された。
 トニーはいない!
 クレーンの横にある小さな箱からびしょ濡れのトニーが現れる。しかも、水槽の水はほとんど減っていない。度肝を抜かれた。最後の最後でトニーにしてやられた。先程のショーでは、ジュリーンの活躍ばかりが目立っていたので、トニーへの評価は、私達の中ではあまり高くなかったのだが、やる時はやるトニーであった。一気にスーパーヒーローとなったのである。

 こうして、興奮冷めやまず状態で、ワンダーランドを後にした。今回ワンダーランドに行って思ったのは、乗り物を乗るだけの遊園地にはもう行けないということだ。こういった見るアトラクションなどがないと、体力的についていけないのである。そういった点では、ショックを受けたのは否めない。いったいいつの間に、こんな老体になってしまたのだろう…。
 そして最後にちょっとTシャツが欲しくなってしまったことも、結局Eには言えず仕舞いであった。
 今思えば、買わなくて良かったのだけど…。
 そういった雰囲気に流されやすいのは、変わっていないのになあ、とやはり自分の体力の衰えを指摘せずにはいられないのである。
 普段のぐうたら生活をちょっと反省し、やっぱり、ジムとかプールに行こうかなあ、などとそんな気もたいしてないのに、考えてみたりもしたのである。






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