海外話 短文





「実験!これが民族差別だ!@香港」

漏れは在日三世の友人と香港に行き、有名な某一流ホテルに入る前にある実験をしました。ヤウマテイで 
二人とも半ズボンとダサイTシャツを購入し着用、別々にホテルに入り、ロビーでタバコを吸ってみる。 
という実験だったのですが・・・ 

まず漏れが入ろうとするとドアマンに止められ、日本のパスポートを見せるとそのまま宿泊受付へ連行。 
料金をシティバンクのダサイカードで払うが上階のいい部屋だった。 

次に在日の友人が入ろうとするがドアマンに止められ、韓国(在日用?)のパスポートを見せると、ドアマン 
がフロントから近所のホテル案内のパンフを持ってきて他所を勧められる・・・。それでも中に入って受付 
でアメックスのゴールド(彼は漏れよりもだいぶ金持ち)で支払おうとするが、ニセ物と疑われてさんざん 
待たされた末に、取れた部屋は中国人団体客の部屋の空き部屋(程度が知れると思う)。 

彼はだいぶ怒っていたが、漏れはヘラヘラ笑ってたよ。別に優越感とかじゃなくて、単純に国際評価という 
ものに対して笑ってたんだ。で、漏れらがロビーでそのことを話していると、韓国人らしき家族がドアマン 
ともめている。Pの発音の多い英語で「日本人ニダ!泊まらせるニダ!」と叫んでいる。受付でパスポート 
を見せろと言われて出てきたのが韓国のパスポート。漏れらは大笑い。レセプションも苦笑い。韓国人家族 
は怒りながら「差別ニダ!大使館に訴えるニダ!」と叫んで帰って行きました。 





















「国籍詐称はお互い様?しかし素人にはお勧めできない@バンコク」

バンコクのパッポンで、うるさく付き纏うポン引き(ボッタクリゴーゴーバーの) 
を追っ払いたい時に、「韓国人だ」と言うと、地面にツバを吐きながら去っていきます。 

因みに、日本語で大声で怒鳴り散らすと「ヤクザ!ヤクザ!ヤマグチグミ!」と言って逃げて 
行きます。これも面白いですが、その噂はあっと言う間にパッポン中に知れ渡るようで、どの店に 
入っても女の子が寄ってきませんので注意(w 






















「ユダヤ人と韓国人はお断り?@バンコク」

まずはバンコクのカオサン。ご存じ貧乏旅行者御用達の安宿街(今でもそう?)なんだけど、ここではずっと 
ユダヤ人が嫌われていた。「ユダヤ人お断り」の看板出してた宿屋がけっこうあったと記憶している。んで、 
漏れは安宿などは生理的に受け付けないのでノボテルとか泊まってたんだけど、カオサンには友達がいるので 
時々遊びに行ってたんだよ。ユダヤ人が例の黒い帽子被って宿屋に入って、10秒と経たないうちに宿屋の 
従業員と大声で怒鳴りあっている。そんな日常の(ホントに日常だった)様子を見ながら向かいのカフェで 
ビールを飲んでると、隣の席に座っている男二人組も笑っている。話を聞いてると、どうやら朝鮮語を話して 
いる。「なんだあいつ、断られてやがる」というような話をして「今日はあそこに泊まるか」と席を立った。 
そんでその二人組がその宿屋に入って行ったのを見送りながらビールをおかわりしていると、またもや 
怒鳴り声が。宿屋のオヤジに追われて出てきたのはさっきの二人組み。漏れのつたないタイ語ヒヤリング 
によると、「てめえらもユダヤ人と同じだ!ヤワラーにでも行けコリアン!」と言われていたようだ。 
漏れの席の反対隣にフランス人の女の子二人組みがいて、「あんた日本人?あの人達も日本人なの?」 
と聞かれたので(英語な)、「漏れは日本人。連中は韓国人だと思われ。」と答えると、ガイドブックを 
見ながら「コリアは中国?日本?」という謎な質問が飛んできた。そこで漏れは「元日本領で今は独立国。 
しかし現在は南北に分断中」と答えると、「去年日本に行ったけど、ちゃんと話ができる日本人に一人も 
会えなかった、アンタは珍しくシャイじゃない日本人だ」などと言いやがったので、「それはお前が日本と 
中国の見分けもつかない奴だからじゃないのか?」と答えると、エスプリと思われたらしく、笑っていたよ。 
笑いごとではないんだがな。 




















「ガム売り少女の証言@サイゴン」 

サイゴンでプリンをウマウマしていると、オカマっぽい従業員に「アンタ日本人?」と聞かれた。 
漏れは現地人がどうやって日本人を見分けているのか興味があったので「韓国人だよ」と答えてみた。 
すると案の定、「ウソ!絶対日本人よ!だってプリンの食べ方が上品だもの!」と言われた。漏れは 
決して上品な奴ではないんだが。んで、「じゃあ韓国人はどんな食べ方するの?」と聞くと、 
「韓国人はウチみたいに高い店には来ないのよ」と含蓄のありそうな答え。「プリンもう一つどう?」 
クネクネしながら漏れの口をナプキンで拭きながら催促される。気持ち悪かったが、この店のプリンは 
檄ウマなので「じゃあもう一個くれ」と言うと、「断らないのは日本人の証拠よ」と言いながら厨房に 
クネクネしながら消えていった。顔はドラエモン・カカのオッサンとそっくりなのだが。 
ホンダガールを冷やかしながら、ポン引きを適当にあしらいながら、ガム売りの少女と追っかけっこを 
しながら、とにかくいろんな追跡者とチェイスを繰り返しながら夜の散歩をしていると、ついでに公安 
警察官までついてきた。パスポートを見せろというので、「ホテルに置いてきた」と答えるとそのまま 
ジープに乗せられて連行されそうになる。しかしかれこれ1時間ほどずっとついて来てたガム売りの少女 
が、公安に「この人は日本人だよ、中国人でも韓国人でもないよ」と言っている。 
「なんでお前がそんな事わかるんだ?」と公安に聞かれ、少女はアッケラカンと答えた。 

「だってこの人、私を怒鳴りもしないし、蹴飛ばしもしなかったもん。」 

・・・・・公安は引き上げ、漏れの手にはカゴ一杯分のガムが握られていた。 
























「インド人最強伝説@ニューデリー」

ニューデリー最悪の季節に、もの好きな漏れは日中からサモサを喰いながらリキシャに乗っていた。もう 
これだけでマイルドな自殺なのだが、自転車こいでるオッサンはもっと彼岸に近づいている。 
「中国人か?」と聞かれた。インドで中国人のフリをすると得をしないことは、漏れのTシャツの破れ目が 
教えてくれているので素直に「日本人だよ」と答える。「どこに行くんだ?」とオヤジ。「涼しくなったら 
ホテルを探す」と言うと、「安くていいホテルがあるから案内する」とお決まりのセールスが始まった。 
漏れが断ると、近くにいたPの発音が顕著な英語を操る好青年が、「俺をそこに連れていけ」と言っている。 
よかったなオヤジ、一人カモをGETだな。1時間後、ちっとも涼しくならないのでボチボチ歩き始めると、 
さっきのリキシャのオヤジがこっちへやってくる。しかも怒っている。「なんだあのコリアンは!何軒も連れ 
回して金も払わずに逃げやがった!」あ〜あ、かわいそうにな、っていうか、この暑さでよく怒る気になるな。 
オヤジの「ここがダメだよ中国人・韓国人」の一人トークライブを聞いているうちに腕が焦げたような匂いを 
発生させている。ていうか焦げているのだ。「オヤジ、ホテルに連れてってくれよ、もう暑くて死にそうだよ」 
と言うと、ニコニコして「お前はいい奴だから特別なホテルに連れていく」という。さっきの奴もそこを案内 
すれば気に入ったかもな、オヤジ。頭使えよ、ってこの暑さじゃムリだな。そういうわけで、サモサを喰いな 
がら炎天下と照り返しでダブルローストされながらホテルについた漏れはバスタブのある高い部屋に投宿し、 
水風呂に漬かったまま考えた。さっきの韓国人は、結局どこに泊まったのだろう?その答えは翌日明らかに 
なった。ホテルのラウンジで鉢合わせしたからだ。「昨日、リキシャのオヤジにホテル案内してもらっただろ?」 
と聞くと、「ああ、ここは特別だっていって案内されたよ。韓国人だといったら日本人の悪口ばっかり言って 
たな。俺は別に日本人は嫌いじゃないんだがな。」 
前からわかってた事だが、リキシャのオヤジは信用できない。インド人は最強だ。確信した。 

























「ありがとう韓国オヤジ@マカオ」

香港からヘリでマカオに到着。そのままカジノに突入し、ワインを飲みつつブラックジャックに興じて 
いた。マカオのBJは勝てないという噂を聞いたのでホントかどうか試しにいったのだ。結論から言え 
ば噂は本当だった。すっかり酔いも醒めてしまったのでバカラに移動し、分不相応なヘリ代でも取り返 
そうとチップをバンカーに賭け続けた。隣には上海人の女。反対隣には韓国人のおっさん。このおっさ 
んがタバコを切らしたようなので漏れのタバコを勧めると、ニッコリ笑って吸い始めた。問題はここか 
らだ。このおっさんは漏れのタバコ(JT製)を気に入ったようで、どこに売ってるのか、値段はいく 
らかなど、色々話しかけてくる。それはいいのだが、おっさんは最高額を張っているのでプレイヤーの 
代表でカードをめくらなくてはならない。しかし漏れに話しかけるのに忙しく、バンカーがゲームを 
進行させるためにベルをチンチン鳴らしているのに、平気で話し続けている。「アンタ日本人か」チン 
チン「親戚が日本に住んでる」チンチン「東京か?」チンチンチン「マツナガ知ってるか?」(誰?) 
チンチンチンチン「ウチのテレビはソニーだぞ」チンチンチンチンチン。おっさんにカードをめくるよ 
うに勧めるのだが、おっさんは日本語で話すのがとても嬉しいらしく、隣の女が遂にブチ切れ、上海語 
で喚きはじめた。バンカーも非難し始めた。ところがこのおっさん、逆切れして女と口論を始めた! 
もうバカラとかそう言う問題ではなく、おっさんは朝鮮語で、女は上海語で、バンカーはカントン語で、 
それぞれ勝手にわめき散らす地獄絵図と化した。賭は流れ、チップが返却されたので漏れはコッソリ 
逃げようとしたがオッサンに捕まり、味方しろと強要。なんで漏れが・・・。私服ガードマンが登場し、 
おっさんは別室に連れていかれた。漏れも巻き添えをくって説教された。がしかし、ディーラーの女の 
子がドリンクを持ってきてくれて、「タイヘンだったわね」と労ってくれた。後でポルトガル料理の 
店で会おうという話もまとまり、その夜はマカオに泊まることになった。ありがとう、韓国人のおっさ 
ん、アンタのおかげでオイシイ経験ができました。 



















「地雷とヒミチュのスープ@カンボジア国境」

漏れはこの車にはサスがついてないのじゃないのかと疑いながら、ニセモノっぽいベレッタを 
握りしめていた。拳銃など初めて所持した漏れは、操作などロクにしらないまま全弾装填され 
た銃を見つめていた。見つめていたので車に酔い、カンボジア国境付近でゲロを吐いていた。 
地雷の心配をしながら吐くゲロは、いつもより少しだけ切ない味がしたような気がする。胃の 
中が空になったので気を取り直して車に乗り、日暮れ前に小さな町の到着した。ここまで来る 
ともう山賊の心配はないのでベレッタを売り、もう陸路なんかでは越境しないぞと心に決めた。 
小さな町なので宿屋は汚いのが一つ。パスポートを出して宿泊の手続きをしていると、カウン 
ターに一人の男がやってきた。彼の名は「ヨシダトモアキ」。名前は日本名だが、言葉は少し 
舌足らずで、明らかに朝鮮人だった。早速一緒にメシを食べに外へ出た。路地の向こう側に、 
屋台が並ぶ通りがあり、その中の一つに腰を落ち着けて彼が勧める「ヒミチュのスープ」を 
注文した。無論、「秘密のスープ」の事だ。スープから発せられる独特の香りから例の葉っぱ 
が入っている事がわかったので、なぜヒミチュなのか理解できた。しかしカンボジアで葉っぱ 
などヒミチュでもなんでもないような気がするが、彼には言わないでおいた。日本のことを 
アレコレ聞かれたので色々答えていたのだが、話がフイに戦争の話になり、彼は自分が日本語 
を話せるのも、朝鮮人なのに香港に住んでいる事も、元はと言えば日本が戦争をはじめたので 
父が商売の関係で日本に移り住み、その後香港に逃げなくてはならなかったからだ、謝罪しろ、 
と例のアレが始まったので「漏れは関係ない」と撥ね付け、屋台で戦争責任論を展開している 
と、「面白そうな話をしてますね」と一人の日本人が現れた。 

彼はアジア関係では有名らしい作家で(漏れはよく知らない)、話に割って入ってきた。彼が持参した 
生ぬるいビールを飲みながら、ヨシダトモアキに当時の日本を取り巻く世界情勢をレクチャー。しかし 
ヨシダは頑として朝鮮人史観を譲らず、話は膠着する。これもいつも通りの流れだが、唯一つ違ったのは、 
ヨシダがキレて見事なハイキックを作家に浴びせた事だった。鈍い肉の潰れたような音が印象に残って 
いる。見物人のクメール人が50人ほど集まってきたので、作家を担いでその場を去った。後に彼の著作 
に降れる機会があり、このエピソードが書いてあったのでワラタ。「ヨシダトモアキ」は翌日早朝に宿を 
出て行った。彼にはまだいろいろと聞きたいことがあったのだが。 

「なんで香港に逃げるハメになったの??」「なんで日本人名なの??」 

謎は深まるばかりだった。 






















「日韓争奪戦!迫り来る大韓帝国@パッポン」

漏れは海外旅行が好き、というよりエキゾチックな雰囲気が世界から失われる前に色々見ておきたい、 
人なのよ。そのついでに世界中のおねいさんと仲良くしたい、というふしだらな者です。風俗にも 
よくいきます。危ない海外板にも名無しで参加してるし。タイ人が好きで、去年の夏も秋篠宮がタイに 
女買いに来てた時期にタイで遊んでました。一口にタイ人といっても色々いますが、なんといっても 
天然な人が多い!そして女の子がカワイイ。コレ。最強。漏れは天然の女の子に弱いニダ。 
しかしある日、そんな漏れのタイ好きを暗雲で包み込むような事件が起こった。その原因になったのは 
ご存じ我らの韓国人。漏れは特に海外で韓国人を意識してるわけではないのだが、どういうわけか 
韓国人に好かれる体質らしく、向こうから寄ってくる。漏れが勤めている会社も韓国資本。知らずに 
入社したとはいえ、韓国とは縁があるらしく「ゆかりを感じます」。漏れのことはさておき、いつもの 
様に短いバカンスを楽しもうと、やってきましたナナホテル。ナナホテルは日本人が多いね。さっき 
ゴーゴーバーで見かけたやつが隣の部屋、なんてことはよくある。んで、ナナで遊んでいるとハングル 
で話している二人組みが店に入ってきた。漏れのすぐ近くの席に座り、裸で踊るおねいさんを見て 
ニヤニヤ。漏れも負けずにニヤニヤしていると、漏れの横に二人の「おっぱいまるだし」が座り、 
コーラをねだる。おっぱいに負けてコーラを奢ると、「日本人?」と早速聞かれる。その時韓国人の 
目がキラーンと光った。ような気がした。「そうだよ。君はチェンマイ生まれの19歳なんだろ?」 
「すごい!なんでわかったの!」「だってここの女の子はみんなそう言うからさ」などと、バンコキアン 
ジョークで笑いを取っていると、韓国人の目が非常に剣呑になっている。 

彼らが入店して10分、一人も女の子が付いていない。漏れが気を利かして、「漏れはこっちの子が好み 
だから今から口説く。君は他の客の所にいけよ」ともう一人の女の子を退席させた。漏れの目論見では、 
さっきからこっちを睨んでいる韓国人の所に行く筈だった。しかし、その子は韓国人の席を素通りして 
インド人らしき男の席に付いた。スケベ笑いで喜ぶインド人。深刻な女不足をむかえている韓国人。 
そしていたたまれない日本人の漏れ。3000Bで女の子と交渉が成立したのでペイバーしていると、 
韓国人が彼女の腕をつかんで引っ張った。「俺も日本人だ!4000B払うから俺と店を出よう」 
・・・出たよ、なんでこう、ライバル心燃やすかな?他に女の子は一杯いるだろ?なんで彼女なのよ? 
国籍まで詐称して、どうしてそう、全てを捨ててまで、勝負したがるかなあ?漏れにはわかりません。 
「わたしこの日本人と約束しちゃったから・・・」 
この「日本人」という言葉が彼らの闘争心にガソリンを注いだらしく、もう、どうあっても、漏れから 
女の子を取り上げたいという野望が彼の表情から見て取れた。「もういいよ、漏れは他の店に行くから」 
と言うと、彼女は「私を気に入ったんじゃなかったの?」と心をえぐるような事を言いだした。タノム、 
今日のところはカンベンしてよ!そんな気持ちで一杯だったが、韓国人の男は既に勝者の顔で、余裕すら 
見せ始めている。正直ムカ入ったのでこっちも意地になり、「10000Bで文句ないだろ?行くぞ」と 
女の子の腕をつかんで店を強引に出た。

一万は痛かったが、連れ出さないともっと痛かったであろうと 
一人納得しながらタクシーを止めたところで、六時の方向から大韓帝国軍が急速接近。ついてきてるし。 
漏れらは慌ててタクシーに飛び乗った。翌日、毎日漏れにMPを勧めてくるが全く顔を覚えてくれない 
トゥクトゥクの運ちゃんと立ち話をして、この一件を話してみると意外な答えが。「日本人と韓国人が 
仲が悪いのはタイ人はよく知ってるよ。たぶんその女はそれを知ってて煽ったんじゃないのか?それより 
お前、10000Bも払うなんてバカか?MP三回いけるぞ」そりゃそうだ。漏れも意地になっていた 
とはいえ、あれはヤリ過ぎた。反省しながらナナ近くのスーパーで買い物をしていると、昨日の大韓帝 
国軍も買い出し中。いやはや「ゆかりを感じます」。彼らは目が合って一秒で敵意のある表情に。 
漏れを指さしながら「チョッパリはウェノムでノムハムニダ!」のような事をしきりに言っているが 
無視してレジに直行。明日はプーケット行きの飛行機が朝早いのでこれ以上関わりたくない漏れだった。 
・・・しかしプーケットで漏れを待っていたのは、自称日本人の韓国人女だったのだ。 
























  「きれいなアガシは好きですか?@プーケット」

プーケット。青空と海。シーフードと米軍。米軍はどうでもいいのだが、漏れはプーケットがお気に入り 
だった。ダイビングの道具をレンタルしにロイヤルパラダイスホテルへ。翌朝からのダイビングツアーを 
申し込んでレンタバイクを借り、砂だらけの海浜道路で死にそうになる。大型バイク暦10年の漏れがコケ 
るわけにはいかない。ほどなくナイハンビーチに到着。ベッドを借りてさあ昼寝、というところで「ハロー」 
と若いおねいさんの声。3_秒で反応する漏れ。ビーチには出会いのチャンスがあるという。その声の主は 
アガシ。化粧の仕方ですぐわかる。アガシも好きな漏れはベッドを移動してアガシの隣に移った。「日本人 
でしょ?」「中国人だよ」「そのバッグ、日本のブランドだよ」ブランドなど興味がない漏れだったが、友人 
から誕生日に貰ったのでタマタマ使っていたのだった。漏れは今でもこれが有名なのかどうか知らない。 
「君は日本語話せるの?」「ううん、日本人だけど日本語は知らないよ」日本人だけど、というのはどういう 
意味なのだろか?漏れの英語が貧弱だからそう聞こえたのか?「日本に住んでないの?」「韓国に住んでるけど 
日本人なのよ」?????どういう事?在韓日本人?しかし人には話したくないこともあるだろうて。漏れは 
話題を緊急転換し、専ら夜の約束の方に話を進行。待ち合わせは夜7時。ウキウキの日本猿と化した漏れは自室 
でコロンなど吹きつけつつ財布の中のコンドームの残弾数までも確認していた。しかしこの行為が後でdでもない 
事に・・・。 

ロイヤルパラダイスホテルから海に向かう所にある青空シーフードレストランで、漏れとアガシは 
エビを喰いつつ、カニを喰いつつ、ビールを飲んでいた。漏れは次に彼女をどうやって食べようか 
と内心ウキウキしながら、他のタイ料理よりワンランク上の料金が必要なシーフードを堪能してい 
たのだった。もちろん漏れが払うつもりだった。彼女は漏れ的には美人で、確かに韓国人とは少し 
違う顔つきであるものの、日本人とも少し違う。彼女のロングヘアはきれいなストレートで、海の 
風になびくそれは非常に美しく、それ故に漏れの期待は留まることを知らなかった。料金を女性に 
払わせるなど、漏れの目的が許さなかったのだ。 
がしかし。財布が、ない。ホテルの部屋、コンドームを確認した洗面所に置いてきてしまったのだ。 
彼女にそのことを正直に話し、ホテルに取りに行ってくる、と言ったところ、 
「そんな事言って、戻ってこないつもりなんでしょ?」 
と疑いの眼差しで見つめられた。 
「本当に戻ってくるからまっててよ、ホテルはすぐそこだから」 
漏れは逆に彼女がここでトンズラする事を心配しているのだが(目的がアレなので)、彼女は漏れ 
を信用しない様子だった。 
「・・・私がちゃんとした日本人じゃないからでしょ、日本人の女の子だったらちゃんとしてくれ 
 るんでしょ?」 

いや、あの、そんなことは漏れはどうでもいいんだけどね。海外まで来て日本人に固執しても仕方 
ないじゃない。たしかにプーケットに来てる日本人の女の子は多いけどさあ。 
「私は韓国で産まれたけど、お父さんは日本人なのよ。お母さんは韓国人だけど、何年かしたら、 
 家族で日本に移って私も日本人になるのよ。まだ日本語は話せないけど、秋から日本語学校だっ 
 て行くことになってるの!それでもイヤ?日本人じゃないとダメ?」 
・・・困った、完全に勘違いしてる。しかしどうやったらここまで勘違いできるのか。 
「去年韓国に来た日本人の男も、結局は韓国人はダメだっていったわ!」 
そう叫んで彼女は、泣きながら走ってどこかへ行ってしまった。漏れは追いかけたかったが、支払 
いも済んでいないのに店を出るわけにも行かず、かといって財布はホテルに。漏れは焦りながら 
店員の兄ちゃんに事の顛末を話してホテルの鍵を見せ、信用してもらった。とりあえず彼女の後を 
追いかけたが見失ってしまった。 
翌日、ダイビングをキャンセルした漏れは、もう一度ナイハンビーチで彼女を待った。しかし、 
二度と彼女と会うことはなかった。彼女の一方的な勘違いとは言え、後味の悪い鬱な話だった。 
今また思い出して鬱に・・・・・ごめんよヨンミ。ホントに財布を忘れただけなんだよ。 

                               −終わり− 





















「ベトナムうどんはロリータ風味@ニャチャン」

フォーでは、漏れはだんぜんフォーボーが好きなのだが、南と北ではスープの味が違う。では、 
真ん中あたりではどうなのだろう?という些細な疑問を解決するために、サイゴンから飛行機 
に乗っていた。前回はリーマンの哀しい制約で、二都市しか行く時間がなかった。今回はベト 
ナムの真ん中あたり、ニャチャンという町にやって来た。ボンセンホテルに荷物を置き、サン 
グラス片手にホテルを出て、すぐにホンダを借りた。メーカー名ではなく、ベトナムでは 
バイク=ホンダ。ちょうど韓国でロボットをガンダムと呼ぶのと同じだ。 
「このガンダムはエヴァンゲリオンだ」が通用するのだから「俺のホンダはヤマハだ」も通用 
してよい。気にしない。このくらいのことを気にしていたら、インドでは狂い死ぬしかない。 
ともかく、早速フォーの店を探して市場の近くまで来た。しかし!好事魔多しといった塩梅で、 
またもやここで韓国と「ゆかりを感じる」事になるのであった。 
市場にバイクを止めると、コンタクトレンズが乾いて目が痛くなってきたので薬局を探した。 
しかし英語で「目薬」をなんと呼ぶのか知らなかったためにジェスチュアで店員に伝え、貰った 
薬を目にたらすと激痛が!!薬局の兄ちゃんは何か叫んでいるがベトナム語なのでわからない。 
すぐに水で目を洗い、ようやく視界が開けてきたので薬局の兄ちゃんをみると、漏れになにか 
文句を言っている。なにがなんだかわからないので、目薬のパッケージを見ていると、非常に 
小さい英語の文字で「コンタクトレンズ洗浄液」と書いてあった・・・・・恐らく、「コンタ 
クトレンズ専用目薬をくれ」というジェスチュアを、「目に入れるコンタクトレンズあるだろ? 
これの薬品をくれ」という風に勘違いしたらしい。目に入れる前に止めろよゴルァ! 

真っ赤な目をそのままに、ともかくフォーを食べたい漏れは、市場から少し離れた高圧電の鉄塔 
近くに食堂を見つけた。看板には「フォーあります」とある。夕暮れの町には仕事帰りの男たち 
が家路を急ぎ、店の女の子がそれを呼び込んでいる。漏れはホンダを店の前に止めて店に入る。 
「フォーボー!ダー バーバーバー!」一見アホの叫びの様だが、フォーボーと氷に入った 
 333というビールをキボンヌ!」という事をつたないベトナム語で必死に言っているのだ。 
店の女の子は、そんな漏れのおかしなベトナム語に吹き出しながらオヤジに注文を伝えていた。 
ニャチャンのフォーは、北と南の丁度中間の味がした。ような気がする。ともかく今までで 
一番うまいフォーだったことは確かだ。しかしこの店はあまり流行っていないようで、客は 
盛れと奥の席にいる男だけだった。店の女の子、ハンは、ヒマなので漏れがフォーをすすって 
いるのを漏れの向かいの席に座って楽しそうに見ている。氷入りの333を水替わりに飲む 
度に珍しい動物を見るように笑っている。333は庶民のビールで、冷蔵庫が普及してない 
時代に氷を入れて飲む習慣があった。金持ちであるはずの日本人がそれを満足そうに飲んでる 
のがおかしいのだろう。ハンと漏れはお互いに怪しい英語で、しかし楽しくおしゃべりをして 
いた。ハンの妹たち(ハンは六人姉妹・全員女)が遊びから帰ってきて、店は既に変な日本人 
を囲んでのロリータパラダイスと化した。先ほどから店の奥で一人メコンを飲んでる男がこちら 
をチラチラ見ている。日本人に見えたので「日本の方ですか?」と声をかけると、漏れの席に 
やってきた。「うん、日本人じゃないけど日本の方」と笑いながらメコンを勧めてきた。 

「あ〜在日の方なんですねー、一人でベトナムに?」「うんアンタも?」「そう。ここのフォー 
 うまくないスか?」「うまいうまい、マジで超ウマ。あ、俺はチョウといいます。」 
などと会話してると、店のオヤジが出てきた。「なあ、この店では俺を日本人ということにして 
くれよ」ベトナムでの韓国人の扱いを知っていた漏れは、事情を察して話を合わせた。 
「なんだ二人とも日本人か、どうだ?」「あ、フォーがうまいです」「そうじゃなくて、ウチの 
 娘はどうだ?」「あ、うまそ・・・きれいですね」「ハンはもうすぐ18歳だからお前結婚 
 しろ」「(そんな無茶な・・・)ええ、いいですね、」「そっちのお前はどうだ?」 
「ああ、ええ、うん・・・」「下の娘はまだ14だぞ?」「いえ、そういう事じゃなくて」 
望むと望まざるをなしに、ロリータパラダイスは一気にロリータ強制お見合い所に。 
「日本人は信用できるから安心して娘を任せられる」 
オヤジ、30過ぎて半ズボンでベトナムをウロチョロしてる日本人は信用せん方がいいぞ。 
「日本は戦争に負けたが、ベトナムはアメリカに勝った。勝ったのが北というのは気に入らんがな。 
 でも日本はゲンバクでメチャクチャになったのに今では経済大国だ。日本人は凄い」 
オヤジのリップサービスが漏れにはむずがゆかったが、チョウにとっては複雑だったろう。 
しかしオヤジの日本賛美は、酒が入った為にその後1時間以上続いた。チョウに気を使う漏れ 
にも、在日のチョウにも非常に居心地が悪い。賛美の合間に娘たちとのお見合い話をするオヤジ。 
英語の教科書を片手に「お元気ですか?」「おはようございます」「これはなんですか?」と 
漏れたちを練習台にして繰り返す下の娘たち。メコンで酔いつぶれるチョウ。お見合いの進展 
を期待して漏れの隣でワクワクしているハン。この店は遂に「日本賛美ロリータお見合い英会話パブ」 
となってしまった・・・・・ 
                         −終わり− 
























「おさわり国際対談@ナナプラザ」

「コギャル」が一世を風靡し、顔を真っ黒にした妖怪大全集が町を闊歩していた頃、そんな 
日本の婦女子に見切りをつけてタイ人の女とケコーンしようかと思いながら10回目のタイ訪問。 
パッポンの薬局でニセモノのバイアグラをつかまされたので店員の兄ちゃんと口論していた。 
「あと1000B出せば本物を売る」とぬかしたので漏れは激怒し、店員に殴りかかる 
フリをして恫喝、500Bにマケさせた。そんなマヌケ丸出しの漏れに笑いながら話しかけて 
きたのは、強制的に「ゆかりを感じ」させてくれる韓国人のパクさん。この40絡みの男は 
「ニセモノのバイアグラには覚醒剤を入れてるのがあるから、気をつけないとタイーホされるYO!」 
と、聞きもしないことを教えてくれた。日本語が話せる所を見ると在日?と思いきや、彼は 
韓国在住の韓国人。観光会社のツアコンらしい。どうりで日本語がうまい。漏れが前の年に 
韓国に行った事を告げると、「韓国なんかに来ても見る物なかったでしょう?それに焼肉だって 
日本のほうがおいしい。行くだけ損ですよ、韓国は」と、韓国人には珍しい自国批判。さらに 
彼は韓国人批判まで始めた。「韓国人はまだ国際感覚がないです。日本人だってこないだまで 
なかったでしょ?それと同じです。国内のマスコミの情報しか庶民に届いてない。私は職業柄、 
他の韓国人よりは外国を知ってますが、韓国人の外国での振る舞いは見てて恥ずかしいです。」 
ソイカウボーイに移動し、うるさくないゴーゴーバーに入って話を続けた。やる気のないおねいさん 
たちがやる気なく体を揺すっている。この雰囲気が好きだ。「日本人は最近は海外に慣れてきて 
問題を起さなくなった。それに元々日本人は自己主張しないから害がない。でも韓国人はインド人 
並に自己主張が強いね」ここで漏れは大笑いしながら変に納得していた。アジアはインド国境 
以西を境に自己主張が強い民族に切り替わる。同じアジアと一括りにしてよいものかどうか。 
ところが意外にも日本の隣にあったのだ、自己主張の強い民族が。極東では韓国人だけアーリア人 
由来なのか?「自己主張が強いから問題を起す。これが恥ずかしい。自分が正しいと思って 
譲らない。どこでも韓国の道理が通用すると思っている。」 

「まあまあ、韓国人といっても色々でしょう?日本人だって色々いますよ。最近日本に行きましたか?」 
「去年行ったけど、びっくりしたよ!どうなっちゃったの日本人は?土人がブームなの?」 
「ああ、コギャルですか、アレには呆れている日本人も多いんですよ。漏れもイヤになってタイ人の方が 
 いいなと思ってたんです」「その方がいい。アレは酷い。土人のマネなんて正気じゃない」 
サリゲに土人とか言ってるのが気になったが、実はそれには理由があったようだ。パクさんの知り合い 
の在日一家の娘がヤマンバメイクをして親戚中で問題になっているとか。「電話で、どうしてそんな 
みっともない化粧をするのかと聞いたんですよ、そしたらね、姪が言ったんですよ。『こうすれば日本人 
も韓国人も見分けつかないから安心できる』と。」 
漏れはビールを煽り、なるべく次の言葉を言う時間を引き伸ばした。その感想を言うには、漏れの立場は 
非常に微妙だ。しかし答えを期待してこちらを見ているパクさんに、何も言わないわけにはいかなかった。 
「それは・・・まあ、在日の人が自分の国籍を日本人に知られたくない気持ちはわかるつもりです」 
「・・・どうわかるの?」むむむ・・・突っ込むなあパクさん。こっからが勝負だなと直感した漏れ。 

「日本人の若者の多くが、韓国人にたいして無知なんですよ。北朝鮮と韓国が違う国だということすら 
 知らないバカもいるんです。だから当然、朝鮮の併合や大戦時の事も無関心。しかしこれには二面性 
 のある問題を含んでいるんです。無知故に過去へのこだわりがなく差別意識が無い、またそれとは逆に、 
 無知故に聞きかじりの情報で差別的に判断してしまう。在日の人はこの間に揺れて、いっそ黙って 
 いるか、朝鮮人を理解してもらうように努力するか悩んでいるんだと思います。」 
その時、パクさんはゴーゴーバーで裸のおねいさん(やる気なし)を片手に抱きながら、涙を流して 
いた。「そこまでわかっている日本人がいる時代になったんだなあ。」嬉し涙のようだ。漏れも片手で 
バタフライブラをつけただけのおねいさん(やる気なし)の太ももを触りながら、「でも日本人が 
皆そう考えるわけではないんですよ。悪い在日ばかりがクローズアップされてますからね。」と答えた。 
「いやいや、理解された上で嫌われるのと、誤解されたまま嫌われるのでは大きく違います。朝鮮人 
が一番辛いのは、日本人に無視される事なんですよ。」パクさんはおねいさんの豊かなバストを 
触っていた。言ってることとやってることが噛み合ってないが、漏れもパクさんも気にしていない。 
でも、韓国人がなんで日本にライバル意識を過剰に持つのかが、少しだけわかったような気がした。 

 





















「呪文が効かない!しゃがみ大ピンチ@ダッカ」

バングラディシュの首都、ダッカは鬱な街だった。漏れの気のせいかもしれないが、街全体が 
鬱な空気に包まれていた。漏れが街に入った瞬間から、ベンガル人の目が漏れを捉えて離さない。 
とにかく見られる。何をしても監視される。ちょっと道を聞くと人が集まる。それも数十人が 
あっというまに集まる。まるで漏れは芸能人にでもなったかのような錯覚に捕らわれた。だから 
鬱なのだ。言葉は通じない。唯、見られる。芸能人というよりは動物園のパンダか? 
物売りが五分に1回は声をかけてくる。一度日本人だと言うと「オンナ」「マリファナ」「コドモ」 
とカタコトの日本語を大声で叫びながらついてくる。非常にウザイ。でも「コドモ」ってなによ? 
後でわかったのだが、日本人のロリコンがダッカまで来て少女を漁っているらしい。 
あんまりウザイから世界共通の悪魔祓い呪詛、「アイムコリアン!」を言ってみたが、ここダッカ 
ではこの念仏も通用しない。超ド貧乏都市ダッカでは韓国人の知名度は低く、例え知ってたとしても、 
この国にとってはマナーのよい上客となってしまう。しかし日本人だと答えるよりはいくらかマシ 
な状況になる。コリアンと言ってもついてくる物売りを引き連れて銀行についた。物売りが入り口の 
ガードマン(ショットガンで武装)に「こいつコリアンだってさ!入れてやれよ、コリアってどこだ?」 
などと言っている(言葉から想像)。しかしガードマンは漏れにカエレ!という合図。 

おや、今日はもう銀行やってないのかなと思い、念のためにパスポートをガードマンに見せる。 
すると険しい顔で赤い小冊子を見ていた彼は、にっこり笑って銀行に招き入れ、ついてきた物売りに 
「お前らウソつくな!コイツは日本人じゃねえか!」(言葉から想像)と怒鳴り散らしている。恨めし 
そうに漏れを見る物売りベンガル人。だいぶ厄介な手続きが終了して銀行を出たらもう夕方。なんで 
両替に二時間もかかるのか不思議だが、まあ、経ってしまった時間はドラえもんに頼まない限り戻らない。 
ホテルに戻ろうとする漏れの後には、二時間前に追跡していた物売り達が、いつのまにかまたついてきている。 
こいつら、待ってたのか!なんてヒマな・・・と思ったが、ここでは時間は売るほどあるのだ。 
「なんでコリアンなんて言ったんだよ〜」とか言ってるのだろう、漏れを肘で小突いてくる。ああウザイ。 
ああ鬱。この街の空気が、もうたまらなく鬱だ。「なあ日本人よ、このネジ買わないか?」 
「なんで旅行者がネジなんか買うんだよ」「じゃあいいや。ハラへってないか?」「減ってない」 
「そうか。じゃあホテル紹介するよ」「もう決めてるからいい」「じゃあ自転車貸そうか?」 
「疲れたらタクシー捕まえるからいい」「タクシーなんか捕まらないぞ」「じゃあ歩くからいい」 
「マッサージいらないか?」「いらない」「じゃあオンナはどうだ?」「間に合ってるよ」 
「じゃあバナナ買わないか?」「いらない」「占いしてやろうか?」「いいよ!」 
「ギャンブルに興味は?」「ねえよ!」「ウチに来いよ」「行きたくない」「ビール飲むか?」 
ああああもう、いいったらいいよ!あっちいけよ!ほっといてよ!物売りには慣れてるけど、ここまで 
ウザイと感じたのは初めてだ!漏れは韓国人にもベンガル人にも負け、日本軍のように敗走した。 
ホテルから出たくなかった。完全に負けたのだ。飛行機の出る時間が待ち遠しかったのは初めてだった。 
                          






















「変態さんいらっしゃ〜い@スワイパー」

カンボジアはスワイパー村。ここには世界各地から変態が集まる奇特な場所であり、カンボジアで 
ベトナム人が 体を張って商売している村。ご存知のようにカンボジア人とベトナム人は仲が悪く、 
日本人と韓国人の関係に少し似ている。ベトナム人はカンボジア人(クメール人)をバカにしており、 
カンボジア人はベトナム人を妬みつつ恨んでいる。ここスワイパー村は、カンボジアでベトナム人が 
安心して(?)生活できる唯一の場所かもしれない。少し前までこの村の入り口には10ヵ国語くらい 
で「コンドームをつけましょう」などというドデカイ看板があったが、今では取り外されたと聞いて 
いる。はてさて、こんな僻地になんで世界中から変態が集まるのかというと、少女売春のメッカでも 
あるという微妙かつ確固たる特長を持っているからだ。世界のロリコンが集まってカンボジアにベト 
ナム人少女を買いにくるというややこしい場所だけに、NGOの連中やWHOの連中がやってきては 
変態さん たちに野次を飛ばしている。しかし漏れは知っている。昼間世界のロリコン連中を罵倒しに 
来ているNGOの兄ちゃんも、夜にはコソーリ買いに来ている事実を。漏れが聞き出した話によると、 
WHOのドイツ人医師は、少女を診察中にムラムラきて、その場で押し倒したという。 
「タダでやられて悔しかった」との話だ。漏れはここでお買い物はせずに、この変態ランド見物をしに 
きたのだが、もう、どうしようもなく不衛生で、ボロで小汚く、キレイ好きの漏れには身の毛もよだつ 
場所である。よくこんな所でソノ気になるもんだと感心していると、日本人らしき若人が村にやってきた。 
大学生の二人組みで、ここを紹介している雑誌だかを見てやってきたらしい。 
「こういう所初めてなんですけど、どういう風に交渉すればいいんですか?」 
何でも質問すればいいというものではない。最初わけがわからずにボッタくられて、後で悔しい思いを 
してこそ相場や店選びがわかるというものだ。 

漏れは、とりあえず正義気取りで事情通ぶってるNGO野郎が歩いていたので、「小さい子買いに来たの? 
あそこで歩いてる人が詳しいから聞いてみなよ」と言って彼らを送り出し、漏れは近くの食堂に逃げ込んだ。 
案の定、大声で罵倒されている。「ひどいっスよ、わざと聞かせたんでしょ?」と泣き言を言ってきたのは 
在日韓国人の大田くん(通称テジョン)。日本の大学に通っている。もう一人は日本人だが何割かは韓国人 
の血が入っている大山くん。「まあ、あいつらはあーゆーふーに威張ってる連中だから、今後関わり合いに 
ならないテスト」といいわけしながら、酒を飲みつつ歓談が始まった。夏休みを丸々売春に使う計画らしい。 
ゴージャスな計画もあったものである。「金持ちだねえ。お父さんはパチンコ屋さん?」と冗談で聞いてみた 
のだが、「やっぱわかります?」。おいおい正解かよ!。国際法上、無駄に潤沢な資金は現地にて搾取され 
ねばならない。「じゃあ今度は漏れがいい店紹介してやるから、とりあえずサイゴンに戻ろう。ここはよく 
ないよ。」と三人でとんぼ返り。サイゴンには知り合いのポン引き「ルン」がいる。ルンは借金の担保に 
ホンダを取られていて、バイクタクシーを営業できなくなっている。それでポン引きをやっているのだが、 
彼にバイクを取り返すチャンスを進呈した。「彼らをいいところに案内してやってよ。漏れは今日バンコク 
に戻らなきゃなんないからさ」。その後家に届いた手紙によると、彼はささやかな収入を得てバイクを取り 
戻したという。そして彼ら二人は、安全なホテルでの清潔なベッドの上で、比類ない経験を手に入れた 
はずだ。ただその料金が「少しばかり」高かっただろうが。 
                           





















「ホゲーとアイスとグルメ警官@シドニー」

「ホゲー問題」と聞いてホゲーっとした痴呆老人の介護問題かと思ったら「捕鯨問題」だった。 
シドニーでオージー野郎にアイスクリームを叩き落とされて、「ニホン人はホゲーするからダメ」 
「ホゲー問題をどう考えているのか」といきなり言われたら誰だって面食らう。「ホゲー」が 
共通語になってるとは思わなかったし。とりあえず漏れはオージー野郎が何かわめいているのを 
よそに、落ちたナッツ&チョコのダブルディップの方が気になって気になって仕方がなかった。 
ああ愛しの漏れのアイス。まだ口をつけたばかりの漏れの冷たい恋人・・・オジャパメン、 
ナネガミヨジョソ・・・いや、ソバンチャでも漏れの怒りの火を消すことはできない。漏れは 
オージー野郎の胸ぐらをつかみ、「俺のアイス返せ!」。オージーは「ホゲーと暴力はダメ!」 
「ホゲーはどうでもいい、アイスどうしてくれる!」「アイスよりホゲー問題の方が重要だ」 
アイスアイスホゲーホゲーと繰り返す我々を見物人が取り囲む。しかしオーストラリアは 
白人の国だ。見物人の白人兄ちゃんが漏れを突き飛ばし、激しく揉み合う状態に。漏れはまず 
突き飛ばした見物人兄ちゃんに「オージービーフ」という名前をつけて罵り、「トレードマーク 
は肛門にでもついてるのかい?」とからかった。怒り心頭、キレた兄ちゃんは物凄い勢いで 
漏れに挑みかかった。その時、オジャパメンが効いたのか、仲裁に入ったアジア人が登場! 
「つまらない争いはやめろ!」う〜ん「ファイティン」が「パイチン」に聞こえる。ご存じ 
韓国人の降臨である。   
彼の仲裁によって日豪和平条約締結かと思われたが、見物人の一人が「コリアンは犬を食べるぞ!」 
と言ったが為に、最初漏れにホゲーホゲー言ってたオージーが、憤怒の表情で韓国人に標的を 
変えた。見物人からも「オウ」とか「マイガッ」とか「アンビリバボー」とか聞こえてくる。 
「カンガルーを喰うお前らも同じだ!」韓国人氏は言い放つ。黙る見物人。しかし漏れは、 
そんなことよりナッツ&チョコの謝罪と賠償を要求したかったのだが、日韓豪食肉文化戦争 
は漏れの思惑を他所に進展。しかしそこに遅れて登場した警官が仲裁に入り、戦争は休戦に。 
解散したあとオージー警官(混血)は、「ところでクジラはうまいのか?」と聞いてきた。 
「クジラなんて小学生のランチ以来喰ってないよ。今でもクジラ料理の店はあるけど、 
高い料金払ってまで喰いたいと思うほどうまくはないね」と答えた。「犬はどうなんだろう?」 
「漏れは喰ったことないけど、彼なら知ってるかもね」。するとグルメ警官は帰ろうとしている 
韓国人氏の方に走り去っていった。 
























「ベトナム40年戦争@香港〜バンコク」

どこの国に行くにも、大抵漏れは香港でトランジットする。その理由は二つ。香港の空港は 
バンコクと並んで行き先と便数が豊富だからだ。じゃあバンコクでもいいじゃないかと思わ 
れるが、もう一つ理由があるのだ・・・ 
ヤウマテイ。漏れが一番好きな場所。最近は屋台にも規制が入り、どんどんつまらなくなって 
きたが、それでも漏れはここのクサイ匂いと、色んな人種がアジア支配下の世界に迷い込んだ 
かのような雰囲気を愛している。人がごった返す男人街。そこに露店の海鮮料理屋がある。 
夏になる度にそこでエビカニを一人で五人前ほど喰うので、三回目からそこのオヤジに顔を 
覚えられ、四回目からは「今日はお前が来るような気がしてたんだ」と言われるようになった。 
ホテルはキレイな所しか泊まれないが、メシを喰うのは屋台が一番という辻褄の合ってない 
漏れの趣味は置いといて、その日も一人、通行人にジロジロ見られながら一番通りに近い席で 
エビカニを貪り喰っていた。オヤジは言う。「アンタに通りの近くで喰わせると、客がうま 
そうだと思うのかどんどん入って来るんだよ、ホラ、また来た」確かに漏れが食い始めると 
人が集まってくる。どおりで安くしてくれるハズだ。 
漏れがたらふくエビカニを喰っていると、隣の席に日本人の女ばかりの六人組が座った。 
普通、日本人の女が露店の海鮮料理屋などには来ないはずだが、漏れが誘き寄せたのか? 
「あの人、一人でスゴイ食べてるね」「日本人かな?」漏れはそんな女どもには目もくれず、 
一心にエビカニをビールで流し込んでいた。女も好きだが、それはエビとカニの次だ。 

甲殻類に恨みでもあるかのように徹底的にキチン質を破壊し、中のタンパク質を摂取。栄養 
独り占め。山のような皿、皿、皿。「反応しないよ、中国人かな?」「あのファッションセンス 
はアメリカの日系じゃない?」勝手なことを抜かす婦女子。漏れは半そで半ズボンのドジャース 
のトレーニングスーツにナイキのシューズ。帽子もドジャース。どう見てもドジャースファン 
だが、それはダイエーで安かったからという理由でしかなかった。漏れはブランドとかメーカー 
とかはどうでもいい人だったが、一応コーディネイトを考えて帽子とシューズを揃えてみた 
だけだ。「凄い食欲・・・」「おいしそうだよね」「やっぱり韓国人かな?」オヤジと話す 
時は英語、あとは無言でエビカニに集中。漏れは国籍不明の東洋人。 
やがて山のようなキチン質を積み上げた皿が、漏れの1年分のエビカニ欲が満たされた事を 
宣言して終戦。オヤジがオシボリを婦女子に渡している。漏れの席が遠いので、婦女子達に 
ついでにそっちに渡してくれ、と漏れの分も渡していた。「あ、どうも」しまった!日本語 
喋っちまった!「あ〜やっぱり日本人だったんだ!」「黙ってるから違うのかと思った〜」 
せっかくのゴルゴ計画が、漏れの不用意な一言でご破算になり、残念感が加速していった。 
「バレたか・・・でもなんか好きなこと言ってたよね?日系人とか」「その服、日本人には 
見えませんよ〜」まあ、気持ちはわからんでもない。許す。「いつまで香港にいるんですかあ」 
「ああ、明日ベトナムに行くんだけどね」「ベトナム!怖くない?」「なんでベトナムが 
怖いの?」「だって戦争してるんでしょ?」・・・おいおいまだ続いてるんかい、ベトナム 
戦争が30年続いてるとは知りませんでした。まったくこれだから日本人のおねいさんは。 
「ああ、戦争ね・・・」「なんか他にもいろいろ行ってるんでしょ?そんなカンジがする」 
どんなカンジだ?ドジャース世界興行か?         

「え〜まあアジア中心だけどね。」食後にオヤジがオレンジをサービスしてくれたので、口直しを 
しながら得意になってアジア話をしていた漏れ。その時はそこで別れたのだが、ベトナム戦争を 
40年(前回の30年は間違い)続行させた子と、翌年同じ場所で再会。漏れは偶然だと思って 
いたのだが、実は偶然ではなかった。 
その旅行の前に、とある有名掲示板の「旅行の仲間募集!」みたいな所に「香港でこういう女の子 
と出会った」とカキコをしていたのだが、その時に漏れの旅行日程も書いていた。彼女はそれを見て 
漏れだとわかり、わざわざ同じ日に休みを取って来たという。「あれから色々本を読んでアジアの 
事勉強したんですよ〜」「へ〜その本ってさあ、地球の歩き方って本じゃないの?」 
「・・・なんでわかるんですかあ!?」まあ、せいぜい勉強してくれ。 
「漏れは明日タイに向かうんだよ」「うん知ってる。掲示板に書いてあったから」「君はどうする 
の?」「いっしょに行く」・・・って強制かい!まあ断る理由も見当たらなかったので、すぐに 
旅行代理店に行って彼女の予約を入れた。そして漏れは彼女が何を期待しているのか考えた。 
しかし漏れは自分を過大評価しないタイプなので、おそらく漏れをガードマン兼、案内役として 
利用するつもりなのだろう。しかし漏れは途中で重要な事を思い出した。初日に現地で友人と待ち 
合わせを約束していたのだが、その場所はパッポン。そう、ゴーゴーバーだったのだ。そして 
それが、ベトナム戦争を40年延長させた彼女の人生を大きく変える事になろうとは・・・・・ 
いや、少し想像できたんだけどね。面白そうだからそのまま連れていきました。 

その時の彼女は、なんというか、初めて見る風俗最前線にすっかり興奮していました。大抵の 
ゴーゴーバーは女連れでも入れる。彼女の他にも一人だけ女が男連れで来ていたよ。んで、 
彼女は普通のOLさんなので、こーゆー所に来るのはもちろん初めて。処女ではないとの話だが、 
あまり男性経験はないらしい。「わ、すごーい!」「あれみてアレ!」と始終騒いでおりました。 
しかし我々はもうイヤというほどゴーゴーバーに来ているので、ショーくらいでは興奮しなく 
なっていた。しかし彼女は漏れの股間の様子をチラチラと盗み見ている。立っているのかどうか 
気になるのだろう。友人とひとしきり話し、翌日仕事だというので友人は早めに帰っていった。 
「さて、漏れらも出ようか」「え?もう?」「まだ見たいの?」「いいけど、まだ早いんじゃない?」 
「え?なにが早いの?」・・・漏れは鈍感にも、この時の彼女の心情を汲み取ることができなかった。 
彼女の希望でタイスキの店に入り、そういえばまだホテルの予約をしていない事に気がついた。 
「ホテルなんだけどさ、どうする?」「え〜いきなり?・・・・・まかせる」なんか主体性のない子 
だなあ、と、漏れはまだ気がつかないでいた。「じゃあ中級ホテルでいいよね?」 
「・・・私はそんなもんなわけ?」「ハア?何が?」「いいよ、もう、」漏れは女心がよくわかり 
ません。ていうか、この子に関しては「ベトナム40年」という先入観があったので、そういう 
目で見てなかったのだった。 
バンコクには有名なテルメーというスポットがあり、そこは小遣い稼ぎの女の子達が集まる、いわば 
援助交際センターみたいな所なのだが、同じビルの上階に漏れがよく利用するラウムチットホテル 
がある。当然、大集合している女の子をかきわけてエレベータに乗る事になるのだが、漏れが女連れ 
なので、集合している女の子たちが自分を売り込もうと漏れにベタベタ絡みついてくる。彼女は 
それを見てますます不機嫌になっていく。レセプションで手続きを済ませ、漏れは究めつけの一言を 
言ってしまった。「君の部屋は5Fね。」 

彼女は漏れを置いて、先にエレベーターで部屋へ行ってしまった。不覚にも、その時初めて漏れは 
彼女の気持ちに気がついたのだった。「し、しまったああああああああああああ〜〜〜〜!!!!」 
・・・その時の漏れの気持ち、わかって頂けるだろうか?もう、踏み台昇降を連続一万回したくなる 
ような、身体中をツメでひっかき回してネリカラシを擦り込みたくなるような、もうどんな罰でも 
受けますから許して下さい状態。必死にルームコールをしたのだが無視された。 
翌日、漏れは平謝りに謝り、段々と機嫌が直って行く彼女。そん替わり言うことを聞かざるを得ない。 
そしてその日からバンコクの風俗店をアチコチ案内させられる事になるのだが、いいかげん話が 
長くなっているのでそれは割愛させていただく。 
名古屋の小牧空港に戻り、携帯の番号など教え合って彼女と別れた。彼女は偶然名古屋人だったのだ。 
そして月日は流れ、その間彼女とはごくたまにメールをやり取りしていたのだが、ある日、このような 
メールが入った。「会社やめちゃった。どこかでバイトでもしようか思ってるんだけど、いいバイト 
ないかな?」まあこの不景気な世の中、そうそう収入のいいバイトなんて・・・いや、女ならあるな。 
「水商売とかなら金はいいんだけどね。でも抵抗あるでしょ?」しかし、彼女の次のメールは、 
図らずも漏れの予感を的中させる結果になった。 

「東新町のヘルスでバイトしてま〜す!遊びにきてね!(はあと」 

はい、わかってます。漏れがやり過ぎました。漏れが全部悪いんです。ええそうです。謝罪でも 
賠償でもします。でもベトナムにも責任があると思います。 



後日談ですが、彼女は今はヘルスを辞め、貯めた金でスポーツカーを買って 
鈴鹿でレースに出ているそうです。ベトナム戦争が悪いんです。 


















「閑話休題@韓国人観」

親韓派とは言い難い漏れだが、それは民族に対してではなく国に対して親しくなり難いだけだ。 
文化も関係ない。食事の仕方が日本と違うという事で文句をいう人もいるようだが些細な問題 
だ。韓国式は中国式に近いように思うので、極東では日本の方が異端っぽい。上海では今でも 
テーブルクロスは汚すわ骨は床に吐き出すわで、中華式と言われればそれに従うまでだ。 
ベトナムでは、日本のお風呂で使うようなプラスチックの低いイスに座って食事をする機会が 
多い。これがまた非常に微妙な感覚で、しゃがんだような体勢でフォーをすするのは落ち着か 
ない。一度風呂のイスに座ってラーメンを食べてみよう。で、インドまで行くと今度は素手で 
カレーを食べる。最近ではスプーンを使う機会も増えているようだが、庶民はまだまだ手で食 
べる。スープまでも指をスプーンのようにして掬って飲む。漏れは素手でカレーを混ぜて食べ 
る感覚が好きだ。泥遊びをしてるような、幼児に戻ったような、そんな懐かしくも基本に忠実 
な感覚を愛している。その感覚からすると、欧米のフォークやナイフを使うといった日本人に 
も馴染みのあるスタイルも韓国のハサミで肉を切るとか金属食器をよく使うなどの習慣とさほ 
ど変わらないように思えてくる。お椀を置いて食べるとか持って食べるとか、そんな些細な違 
いなどを一蹴してしまうインド式(ヒンドゥー式)から見れば、所詮全て邪道の食事方法なのだ。 

日本人は韓国人を、「激しやすく遠慮のない」と揶揄する人が多いが、これもやはり、インド 
人の圧倒的なパワーの前では借りてきたネコ車。漏れはインド崇拝をするわけではないが、 
ムンバイに到着した時のショックは忘れることができない。人間のパワーがジェネレーターごと 
違う。日本人がザクだとすると、インド人の殆どが連邦の白い奴だ。そのくらい違うのだ。 
韓国人が強烈と言っても、それは通常の3倍以内に過ぎない。 

海外で出会う韓国人の印象は「良いか悪いか」でいうと、残念なことに悪い方に軍配があがる。 
しかしこの「悪い」にも色々と意味がある。まず、声が大きい、順番を守らない、自己主張が 
激しい、譲らない、周りに協調しない・・・というデフォルトのレジストリは変わりないが、 
全員が全員、いつでもどこでもそれを繰り広げるわけではない。特に彼らは、近くに日本人が 
いる事を意識すると声が大きくなる。ハングルで話しながらも、随所に日本語の単語を挟んで 
日本人の注意を引こうとする傾向があるようだ。またこれとは反対に、声が急に小さくなって 
警戒するような、こちらを観察するような態度を取ることが多い。これを年齢と性別で見ると、 
ババア>若い男>オヤジ>若い女という序列で態度の露骨さが違うようだ。ババアが小うるさい 
のは世界共通だから仕方がない。あれこそ地球外生物だ。で、次の若い男は、挑発的な態度を 
取ることが多い。「お、チョッパリがいるぜ、かかってこいよ、ネリチャギでKOさせてやるぜ」 
といったデンパをゆんゆん感じる。しかし実際に挑んでくることは少ないようだ。まあ若い男に 
血の気が多いのも世界共通だな。んで、オヤジに関しては真っ二つに別れる。不機嫌になり、 
全く無視するタイプと、「日韓友好マンセー」なタイプだ。しかし哀しいことに、彼の言う 
「日韓友好マンセー」は日本人にとって、迷惑な事が多い。彼は日本のことを色々知っているが 
こちらは韓国のことをあまり知らないので話が噛み合わないのだ。最後にアガシ。漏れが男 
だからというのもあるのだろうが、アガシから不快な印象を受けたことは少ない。むしろ好意 
的である印象が強い。まあ漏れがおねいさん好き好き野郎なので贔屓目で見ているのもある。 



















「ファック50%オフ!@ナナプラザ(バンコク)」 

サッカーでも始まるのかと思ったが、それはキックオフだった。ここはナナ駅近くの路上。この辺に 
滞在してると、近くのスーパーに買い物に出かける事が多い。その途中、黒人が集まる地区を通過する 
のだが、トゥクトゥクに乗った白人が通りすがりに黒人を罵倒しているのだった。黒人たちは反撃する 
でもなく、ただ白人の乗ったトゥクトゥクを見送っていた。位置的に漏れは、トゥクトゥクが向かって 
くる所を歩いていて、正面の方でそれが起こっていた。その中間にも男が二人歩いていて、彼らの横を 
通りすぎる瞬間、白人たちは「テケテケテンテン・・・」と歌いながら、中国人が両手をソデの中に 
入れて前に出しているポーズを取り、「ニイハオニイハオ」とからかった。彼らが追ってくるのを白人 
達は見ていない。なぜなら、たまたまジンベエを着ていた漏れに注目し、「キモノジャップ!ファッキン 
ジャップ!」と叫ぶのに忙しかったからだ。漏れは無表情で、持って「たビールの小瓶を、その一人に 
命中させた。「ゴキッ」という音が聞こえた。歯に当たったようだ。トゥクトゥクが止まり、三人の 
白人が降りてきた。その時、追っていた二人が白人連中に遂に追いつき、背後から飛び蹴り。鬨の声は 
ハングルだった。漏れも連中の目の前に立ちはだかり、頭に巻いていたタオルを拳に巻きつけた。 
そして、黒人の団体さんが叫び声を上げながらこちらに突進してくる。彼ら白人は絶体絶命の危機に 
瀕していた・・・・ 
                      
ナナ路上の大乱闘。よくある微笑ましい光景。微笑みの国にぴったりのイベントだった。しかし、 
かなりひどい目に合わせたので、小心者の漏れはタイーホされたくないから詳しい状況説明は割愛。でも 
彼らのトラウマになったであろう事は請け負う。二度と有色人種に軽口を叩けなくなったであろう。 
さて、同志である有色人種連合は、任務を完了すると直ちにトンズラ。タイ警察は、夜は意外と素早い 
のだ。昼は暑いので仕事しないけどな。で、ハングル二人組みと同じ方向に逃げたので、現場から少し 
離れたコンビニの前で立ち止まり、コーラなど飲みつつ先ほどの乱闘について歓談した。 
「あいつら俺たちを中国人なんかと間違えやがって!」彼は白人の顔を何度も殴った際に、拳を歯に 
当ててしまい傷だらけになっている。漏れはそれがイヤだったからタオルを巻いたのだ。ケガするのは 
イヤ〜ン。「お前はキモノを着ていたから間違えられなくてよかったな」もう一人の韓国人が言った。 
いや、間違えられたとかそういう事じゃないんだけどな。まあいいや説明が面倒。「キックが見事 
だったけど、テコンドーやってたの?」「ああ、コイツは○○○の選手なんだぜ」「ほお、」 
(事情があってどこの選手かは書けません)「俺たちのどこが中国人に見えたんだろうな?」と彼は 
不服そうだったが、ほとんど漢民族だろ、あんたら。「たぶんこのシャツを香港で買ったからだな」 
もう一人が勝手に納得し、頷いている。そのTシャツには日本語で大きく。 
「ありがとう・国際電話はKDD・ずらりと並んで」 
と謎のプリントが施されていた。 
          






















「日韓30年の差@ソウル」

ソウル。この街には「半東京」という言葉がぴったりくる。東京と同じように無秩序な街の 
作り。「真似をした」というよりは「然るべくこうなった」という感じだ。韓国人は民族と 
しては限りなく漢民族に近いので、混血が進んだ日本人とはだいぶ違う。しかし戦後の文化 
は非常に日本に影響を受けており、都市文化の形成は同じように進んだと考えてよい。ただ、 
朝鮮戦争の足枷がソウルの発展の時間を遅らせてしまった。漏れが小学生の時に読んだ書物 
に、「1960年代のソウルは戦時下と同じだった」という言葉があったのを覚えている。 
戦争はもう終わっていたが、夜間は外出禁止だったなど、まだまだ緊張が続く情勢であった 
ようだ。朝鮮戦争は南北分断という、引き分けに終わった印象があるが、事実上は独立を 
勝ち取った北の勝利であった。当時の日本マスコミは「地上の楽園、北朝鮮」ともてはやし 
たものである。日本は高度経済成長の絶頂期。70年代のオイルショックによる不景気まで 
事実上の敗戦国である韓国との経済格差は開く一方だった。70年代の日本は、漏れの記憶 
では陰気な時代。丁度今の日本のように辛気くさい雰囲気があった。この頃の韓国経済は 
停滞中。そして80年代、日本は「急に明るくなった」。しかしそれと引き換えに日本の 
伝統や礼儀が急速に消えていった。この頃まだ韓国経済は停滞中。89年のバブル崩壊まで 
の約10年間、日本は調子に乗り経済を拡大していったが、それは張り子の虎。土地価格を 
根拠とした物価格差だけの金持ち日本は、その後若い人たちも知っている通り経済衰退の 
一途を辿った。しかし韓国は80年代後半から90年代にかけて、主に日本からの技術供与 
により工業化に成功。急速に経済が発展していった。 


そして21世紀。
日本の都市に残って いる70年代は場末の飲み屋と古い喫茶店だけになったが、ソウルにはまだ
日本の70年代が色濃く残っている。しかし、21世紀も存在する。平均すると1986年くらいか。 
少し前には大勢いた、長髪のソウルっ子も姿を消し、ソウルもようやくフォークソングの辛気 
臭さが消え、人々が垢抜けていく途上。まさに日本の80年代だ。東京に約20年遅れた 
ソウルっ子は、「あと10年で日本を追い抜く」と口を揃えるが、いつまで経っても追いつけ 
ないのは、20年遅れているからではないのか。倍のスピードでやっと並べるわけだから、 
3倍のスピードで成長しない限り日本を追い抜く事はできない。つまり3年で追いつく努力 
を10年続けてやっと追い抜けるわけである。しかしソウルで出会った青年は言う。 
「夕方定時で退社したら、日本人と同じようにコンパをするのが楽しみです。」 

そんな余裕をブッこいていては、とてもじゃないが追いつけないだろう。 
韓国人は、日本人の風俗を真似する前に仕事を真似するべきではないのか。 




















「バイバイシューン!@ニューカマー日本人」

一定量以上の日本人が、海外の有名観光地以外の、特に性風俗に特化した街に単独で 
出かけるようになってまだ日が浅い。13年前くらいでやっと韓国・タイ・フィリピン 
に団体ツアーが行くようになったばかり。大型バスで大箱の店に突入。現地ガイドが 
事前に一律の日本人料金を受け取り、客はただ女の子を選んで部屋へ入るだけ。セックス 
は言葉が通じなくてもできる。こんな状況だった。個人旅行を若者がするようになった 
のは、円高が大きい理由ではあるが、バブルの時期に「エスニックブーム」というのが 
あって、今まで海外といえば欧米・南洋だった日本人に「アジア」の存在を発見させた。 
それからアジアブームが続き、アジアへ出かける機会に買春を覚えた人が多くなった。 
ところが母国語が英語とかけ離れている日本人には英語もままならない。言葉が通じれば 
目的をどんどん追求していく事が可能だが、英語に弱い日本人はその追求を中途半端に 
終わらせる。欧米ツーリストとの情報交換に於いても、テリトリー意識も手伝って日本人 
にはハードルが高く、思うように情報が集まらない。日本人がようやく海外ロリ買い情報 
に明るくなったのはここ5年くらいだ。このように、日本人は買春に関してはまだニュー 
カマーなのだ。 
有限会社韓国氏も言っているとおり日本のAV本数の多さは有名であり、インターネット 
普及後は日本のロリ写真集が注目されるようになった。が、これは、アジアにおいてロリ 
買いなどは本を買う値段で本物が普通に買える所が多く、写真集を販売する需要が少な 
かったのが日本のロリ趣味を際だたせている原因になっている。バンコクではほんの数年 
前までヤワラーの冷気茶室にて昼飯代でロリが買えた事を考えると、日本人はつくづく 
セックスに恵まれないのだなあと哀しくなってくる。 



















「倒壊ホテル?@テジョン(韓国)」

ソウルからセマウルに乗って南下し、テジョンに到着。なんてことはない地方都市だが、 
漏れが行った頃は万博が終わってしばらく経っていた。どんな万博だったかは興味なかったの 
で知らないが、その痕跡が面白かった。テジョンでホテルを経営している両親を持つキムくん 
は、漏れと変わらない年齢で話も合った。ありがたいことに日本語を勉強してくれたおかげで、 
コミュニケもスムーズ。漏れはハングルを殆ど話せません。一時期覚えようとしたけれども、 
国内では使う機会がないので頓挫。タイ語もベトナム語も同じような物で、全く身につかない。 
漏れがポンチャックのテープを店で漁っていると、「日本人がそんなの聞くの?」と馬鹿にし 
たような声で話しかけてきた。漏れの愛する韓国歌謡、ポンチャックは韓国国内では運転手や 
アジュンマくらいしか聞かない低級な音楽とされていた。カシオトーンの自動伴奏をバックに、 
歌手がどこまでもどこまでも、いい気になって歌い続ける。聞いてみればわかるが、ホントに 
「おめでてーな!」と野次を飛ばしたくなるくらい鼻歌とも絶叫ともつかない調子で歌い続け 
るのである。ジャケットもまたアバンギャルド且つチープ。日本の60年代歌謡曲のジャケット 
を薬品で荒れさせて、その上から自殺寸前の中学生に左手で思うさま絵を描かせたような感覚だ。 
ともかく、モダンな韓国人には毛嫌いされる音楽を日本人が一生懸命物色しているのだから、 
それは滑稽に見えたであろう事は即座に理解できた。「ああ、日本にはこういうのないからね」 
そう言いつつ適当なテープを5〜6本まとめてカウンターへ持っていく漏れ。しかしキム君は 
「そんなのやめた方がいいよ、もっといいのがあるから!」と漏れの手からテープを取り上げる。 
「いや、漏れはこれが欲しいんだ!」「そんなのを日本に持って帰られると韓国の評判が悪く 
なるからダメだ!」「そんなのを漏れの勝手だ!」とレコード屋の店先で口論していると、店員 
が凶悪な目つきでやって来て、キム君に何か文句を言っている。 

恐らく商売の邪魔するな!」と言ってるのだろう。しばらくキム君と揉めた後、何故だか 
ポンチャックのテープと女の歌手のテープをセットで買わされるハメに。まあ一本¥100 
くらいだし、どう見てもコピー品だからどうでもいいのだが。後でわかった事だが、ポン 
チャックの正規品テープを探す方が難しく、出回っているのは殆どコピー品。しかもレコード 
会社同志で各々コピー合戦をしているものだから市場は荒れ、もう何がなんだかわからない 
状態でなんとかダマシダマシ商売をしているといった塩梅。これは韓国では日常なので、気に 
してはいけない。しかし国際的にこれをやられると困るんだけどね。まあ言ってもわからない 
だろうからいいや。レコード屋を出て、漏れが喫茶店に入ってウオークマンで早速ポンチャック 
を聞こうと考えていると、「そこに入ったらダメだ!」うるせえよキム君、ついてくるなよ。 
「少し休みたいんだ」構わずに喫茶店に入る漏れ。後から入ってくるキム君。漏れの向かいに 
断りなく「当然のように」座り、しばらくするとアガシが注文を取りに来たのかと思いきや、 
漏れの横に座った。おいおい仕事中だろ?ところがこれがアガシの仕事だったのだ。よく見ると 
ミニスカに薄い生地のブラウス。色は紫。漏れに密着してくる。キム君の隣にもアガシが来た。 
・・・この店の空間は物凄い事になっていた。擦り寄ってくるアガシを他所に、ウオークマンで 
ポンチャックに聞き入る漏れ。向かいの席でちちくり合う韓国人青年。ほとばしるコッピー。 
テレビから一瞬も目を離さないオヤジ。これが異空間でなくてなんであろう。 
「なあ、それがそんなにいいのか?」キム君が話したそうにしているので漏れはポンチャック 
を中断し、アガシを触りながら答えた。「漏れは日本人でも変わった趣味をしている人間だから、 
ポンチャックが新鮮に感じるよ」「ポンチャックのどこがいいんだか・・・」「ところで日本語 
うまいね」「あ、キムです。よろしく」急に改まるキム。憎めない奴。

「あ〜万博あったから儲かったんじゃないの?」「いや、それがね、」キム君が話し始めた 
のは、韓国ではありがちな、後先考えない韓国ケンチャナヨ話であった・・・・・・ 
「万博があるってことで、みんなホテルをバンバン建てたんだよ。ウチもそのクチで、それまで 
別の商売やってたんだけど、オヤジが急に店潰してホテルを建てたんだ。それが万博の三ヶ月前。」 
「よく間に合ったね、三ヶ月で」「間に合わせたんだよ、それが失敗の元で、万博が終わって 
客も全然来なくなったのはしょうがないんだけど、ホテルの床は抜けるし、天井は落ちてくるし、 
もう全然ダメ。オヤジは急にやる気がなくなって仕事しなくなったから、俺がしかたなく仕事を 
続けてるんだけど、もうやめたいよ」漏れがテジョンに来て最初に変だなと思ったのは、街に 
廃墟が多い事と、ブラブラしている若者が多いことだった。これが真相なのだな。 
「ポンチャックが好きならそういうのをもっと売ってる所に連れていくから、今日は俺のホテル 
に泊まってよ」天井が落ちるようなホテルには泊まりたくない漏れ。どうやってキム君を撒こうか 
と考えながら伝票を見た。どう譲歩してもインスタントコーヒーな味のコッピーの値段は、キム君 
の分とアガシ料金込みで15000ヲン。漏れは黙って5000ヲンだけ払って店を出た。 
どうせオヤジはテレビから目を離す気はないし、アガシは化粧に夢中になっているので構わない 
だろう。 
しかし好事魔多し。キム君が案内してくれた駅前の露店のテープ屋で、漏れは李博士と出会う事に 
なったのだった。もちろん本人ではなく、コピー品のテープだったが。キム君にこの街で泊まる 
予定がないことを告げ、再び電車にのって南下していく漏れ。電車の中でウオークマンを聞きな 
がら、李博士に心酔した思い出深い旅だった。キム君、ありがとう。ホテルが壊れないことを祈る。 
と言っても、もう何年も前の話だから、きっともう無いだろう。 
     

















「ジュースと漏れと青春韓国人@香港」

その時漏れはビーチバレーをしている若者を 眺めながらココナツジュースを飲んでいた。
漏れは南洋の果物が禿げしく好きで、香港での 楽しみの一つがこのフルーツジュースなのだ。
これを飲みに来ていると言っても過言ではない だろう。
チムソイ湾は香港島の南側にある砂浜。沖から見ると派手な仏閣の隣にマクドナルド 
やケンタッキーがあり、その見事にチグハグな眺めは、悪趣味と名高い漏れの心を満たして 
くれていた。浜辺にはマリファナでもやっているのか、漏れの足もとをヘラヘラ笑いながら 
ゴロゴロとひたすら転がってる奴、全身の入れ墨をこれ見よがしに晒しながら歩いてる香港人、 
水着ではしゃぐ家族連れもいるが、なぜかオヤジだけずっと電話でケンカしている。そんな 
異空間でもビーチリゾートを満喫している漏れも凄いが、おそろいのジャージを着て真夏の 
海でビーチバレーをしている、あの連中も凄い。滝のように流れる汗。暑いのなら脱げよ。 
しかし彼らはハングルで何か書いてあるジャージを一向に脱ぐでもなく、鬼気迫る表情で 
ビーチバレーをしている。ビーチバレーって真剣にやるスポーツだっただろうか。いや、 
大会とか出るならわかるのだが、なにゆえ韓国人が香港のビーチで喧嘩腰でビーチバレーを 
しているのか理解できなかった。とうとうなにか言い合いを始めた。掴みかからんばかりの 
勢いである。ショートカットの女が男の一人を指さしながら何か問い詰めている。その女は 
かなり怒っていて、ついにどこかへ行ってしまった。残されたメンバーもしばらく言い合い 
をしていたが、その内いなくなった。漏れは喉が渇いたので満願色寺院の隣のマクドナルド 
にラージコークでも買いに行こうと歩いていると、さっきのショートカットの女が一人の男 
に慰められていた。泣きながらも時々大声で何か怒鳴っている声が聞こえてくる。 


コーラを買い、近くの更衣室に向かう途中、あの二人以外のビーチバレーメンバーが、なぜだか大声 
で歌を歌っている。なんだか感動しながら歌っている。漏れにはなんとなくわかってきた。 
彼らは青春を謳歌しているのだろうと。もう、わざとらしいくらいコテコテだが、体育会系第三惑星、 
韓国からやってきた彼らは、既に夕陽ヶ丘の金大中の世界に染まっていた。日本では70年代で死滅 
した文化「青春」。香港まで来て青春。たしかに飛び出してるな。 
そんな韓国人の若者を後にし、バスで中環まで戻って、地下鉄でチムサチョイまで戻ってきた漏れは、 
果物屋の店先にあるフルーツジュースのミキサーに目が止まったので、またまたウマウマしていた。 
すると観光客らしきおねいさんが藪睨みで漏れを見ている。なぜだろう。うまかったのでおかわりを 
して更に飲み続けると、おねいさんは足まで止めて漏れを藪睨み。なんだか面白そうだったので三杯 
目をわざと注文し、おねいさんから目を離さずに、これみがよしの一気飲みをした。おねいさんは 
同行していた母親らしきオバサンに「ハングルで」何事か言い、オバサンも漏れを睨んできた。おね 
いさんの身振りで、なにかがこのジュースに入っていると言いた気なのはわかったが、何が入ってる 
というのだろう。おねいさんとおばさんは漏れをずっと見ていた。四杯目を注文しようとした矢先に、 
おねいさんがハングルで漏れに文句を言って・・・いや、ハングルは日本人には怒っているように 
聞こえるだけだ・・・話しかけて来た。しかしハングルはわからない。漏れが英語で答えるが、それ 
は先方には通じてない。しかしだんだんわかってきた。おねいさんは一生懸命身振りで「氷が入って 
いる」「飲むとお腹を壊す」と言っているのだ。一体どういうつもりで漏れにそれを解説してくれる 
のかわからなかったが、漏れの体調を気遣う理由はない以上、単に「不衛生だから飲むな」と言いた 
いだけちゃうんかと。そこでまたブチ切れですよ。忠告を無視し、四杯目を飲み干す漏れ。 

しかし漏れは、ホテルに帰ってから腹を下した。無論、ジュースの飲みすぎが原因だった事は言うま 
でもない。 
          
















「エキセントリックおばさんオモニ@バンコク」

東京出張の後にしか連休を取れなかったので、行きの飛行機は成田発となってしまった。成田は初めて 
だったので戸惑ったが、なんとか飛行機に潜り込めた。いつもは名古屋の小牧空港を使ってるので 
「日本にも大きい空港があったんだね」という田舎者丸出しの感想しか持てなかった漏れは、タイ航空 
の飛行機でタイに向かった。一人で旅行する奴にはわかると思うが、隣の席の奴はどんなだろうという 
不安がある。漏れは窓際の席なので早めに搭乗し、手早く荷物を片付けてからCDプレイヤーで李博士 
を聞いていた。程なく、漏れの横の席に一人のオバサンが来た。「すんません、失礼します」礼儀正しい 
オバサンだ。しかし、飛行機が飛び立ってから再び李博士の曲を聞いていると、ヘッドフォンの音が漏れ 
たのだろう、「アラ、あなた韓国人?」と聞いてきた。「いえ日本人ですけど」「日本人が韓国語の音楽 
を聞くわけないでしょう」「いや、最近はそうでもないですよ」たまたまそこには、韓国からの輸入版の 
CDケースが出ていた。タワレコで買った奴だった。「ほら、これは韓国製じゃないの」 
「それは輸入版で」「いいじゃない、なんで隠すの?」・・・仕方なく漏れはパスポートを出した。 
「・・・そういうワケで、漏れはこのミュージシャンが好きなので聞いてるだけです」なんで見ず知らず 
のオバサンに李博士の説明をしているのか、漏れは旅の初っ端から疲れ始めていた。そしてオバサンの 
パスポートは在日用だった。まあ、それはよかったのが、しばらくして飛行機が乱気流にストンと入った 
のでガクンと揺れた。オバサンは不安そうな表情で漏れに聞いた。「まあ、地震かしら」・・・機内から 
はアチコチから笑い声が聞こえてくる。漏れも少し笑ってしまった。 

「そんなに笑わないでもいいじゃな いの、ちょっと間違えただけでしょ」
しかし、さっきの話を聞き逃した人が笑いの原因を聞きつけ、遅れ た笑い声がまた機内に響いた。
「ちょっと!笑わないでよ!」
オバサンは切れやすい人のようだ。いや、単にパーソナリティだろう。民族性じゃない、民族性じゃない・・・
「なによまったく」
オバサンは機嫌を悪くしたようだ。漏れは黙って寝たフリを始めた。こういう時はヘタに関わらない方が
いい事を経験的に知っていたからだ。
機内食の時間になったので漏れは寝たフリをやめ、食事に取りかかろうとしたが、 
その時オバサンはまたもやキレていた。「肉料理って言ったでしょ!これは魚じゃないの!」よくある事 
だが、肉料理のオーダーが多い場合はそれが足りなくなる。順番の遅い席では希望と違う料理になってし 
まう事があるのだ。それが丁度、漏れの所で肉料理が切れてしまい、オバサンの分が魚になってしまった 
だけなのだ。スッチーは謝っているが、オバサンは許さない。民族性じゃない、パーソナリティ、パーソ 
ナリティ・・・「よかったら漏れの分と交換しますよ、漏れは魚も好きだから」「そんな問題じゃないで 
しょ!」・・・いや、そういう問題だろう。素直に受け入れればいいのに。ていうかそんな事で騒ぐなよ。 
「もういいわよ、いらないから!」まあ食べないのは勝手だけどな。漏れは気にせずに食べ始めた。 

バンコクに到着し、やっと解放された漏れは、空港を出たところでタバコを吸いながらバスを待っていた。 
そこに観光バスが到着し、さっきのオバサンが乗り込んでいる。てっきり一人だと思ってたのだが、ツアー 
客だったようだ。オバサンは一番最後に並んでいて、他の客と話すでもなくトボトボとバスに乗り込んだ。 
そのオバサンの身の上を色々想像しながら、サヤームスクエア行きの漏れのバスが来たので乗り込み、 
バスの窓からオバサンの様子を見ていた。オバサンは周りの客と口論をしていた。民族性じゃない。ああ、 
違うだろうとも。漏れのバスには禁煙なのにも関わらずタバコを吸い、運転手に怒られて逆ギレしている 
韓国人青年がいるが。これもパーソナリティで納得しなければいけない。コイツのせいで出発がだいぶ 
遅れているが、まあ漏れが怒らなくてもさっきから険しい目で韓国人青年を睨んでいる白人が、このまま 
黙っているわけではあるまい。嵐の予感は的中し、漏れはしばらく見物したあとタクシーに乗り換えた。 





















「ワケアリ逃避行とヒロスエ@上海 A面 」

ジャズバンドはフライミートゥザムーンを4ビートスイングで奏で、漏れは仕立ての良いイングランド 
スーツを着てハーパーを飲んでいた。いかにもカッコよさげだが、これには良い朝鮮人との出会いが 
絡むのであった。 

上海。中国指折りの大都市。魔都と呼ばれた歴史は、新しく開発されていく新都心には影さえ見えない。 
しかし旧市街の路地裏には、未だ租界時代の名残りが色濃い。漏れは路地があるとついつい入ってしまう 
物好きなので、その日も上海名物の小龍包を露店で食べながらチンタオを飲んでいた。すると漏れの席に 
勝手に座って来た爺さん一名。「日本人ですか?」こういう時は大抵、ビールを勝手に飲まれる。それに 
先駆けて漏れはビールを勧めた。彼は戦争中に日本語を覚え、日本人相手のガイド業をしながら商売をし 
ていた。今は仕事をリタイヤしてのんびりと暮らしている。らしい。漏れは初対面の現地人の言葉は額面 
通りに受け取らない。今までの経験から、目に見える事以外は全部ウソとして考えてしまう。 
「上海は面白いですか?」 
「あ、今日着いたばかりなので」 
「そうですか。明日はどこへ行くんですか?」 
ここで正直な事を言うと、必ず案内すると申し出られるのがパターン。抽象的に答えるのがせめてもの 
礼儀というものだ。相手に悪気がない場合に傷つけないために。 
「ああ、街をブラブラするつもりです」 
「ああ、そうですか・・・スージョウへは行かないのですか?よかったら私が案内しますよ」 
そらきた。こういう時はツアー客のフリをするに限る。 
「でも団体ツアーなのでスージョウでは勝手な行動はできないんですよね」 
「そうですか、残念でした」 
爺さんはビールを一瓶空けた後、席を立って帰っていった。しかしこの爺さんとは、後日再会する事に 
なるのだった。 

上海雑技団に出演していたおねいさんが漏れ好みの美人だったので、ちょっと嬉しくなりながらホテル 
へ向かう途中、夜なので閉店した店の看板に「安いスーツ一日仕上げ間に合います必ず」という日本語 
が目に止まった。笑えて覚えていたので翌日その店に入ってみたら、あの爺さんが店にいた。それと 
日本人の青年が一人。彼は昨日スーツを注文し、今日取りに来ていたのだった。仕上がりを見せてもら 
うと、決してやっつけ仕事ではない。生地も良い物を使っている。料金の支払いを見ていると、かなり 
安い。日本の紳士服店で作る1/3の値段だ。しかもYシャツのおまけつき。漏れは爺さんに寸法を 
取ってもらい、翌日取りに来る旨を伝えて店を出ようとしたが、爺さんは息子らしき従業員にハングル 
で仕事を指示して漏れの所に来た。「わたしホントは朝鮮人です」。 

爺さんは戦後中国に家族を連れて渡り、商売を始めたらしい。上海では中国人で通しているとのこと。 
漏れも一人旅であることを白状し、打ち解けた所で酒を飲みに行くことになった。爺さんは気のいい人で、 
酒が進むに連れて上海の歴史講釈と戦争の話になっていった。 

「日帝時代はよかったよ。朝鮮がどんどん近代化されて、経済状態も良くなっていった。私は日本人に 
仕事をもらい、朝鮮人を集めて仕事を紹介する仕事をしていました。日本の炭鉱の給金がよかったので 
たくさんの朝鮮人を日本に紹介しました。でも日本が負けて朝鮮人が帰ってきたら、私は日本人の手先 
という事になって国にいられなくなりました。だから中国に逃げたんです。日本はなんで負けましたか、 
日本が勝てば私は逃げなくてよかった。」 

翌日、爺さんの店にスーツを取りにいくと、予想以上に仕上がりのいい出来。爺さんがベルトと靴まで 
プレゼントしてくれたので、漏れは上海最終日にスーツを着る事にした。爺さんがそれを着ていくに 
相応しい所を案内するというのだ。そしてジャズクラブにでかける事になったのだった・・・・・ 

















「ワケアリ逃避行とヒロスエ@上海 B面 」


上海。中国指折りの大都市。魔都と呼ばれた歴史は、新しく開発されていく新都心には影さえ見えない。 
しかし旧市街の路地裏には、未だ租界時代の名残りが色濃い。漏れは路地があるとついつい入ってしまう 
物好きなので、その日も上海ガニを露店で食べながらチンタオを飲んでいた。9月後半頃の上海ガニは 
一味違う。もう一心不乱にザル一杯のカニを貪っていた。この美味なる節足動物。固いキチン質。 
「謝々、謝々」 
ああ確かに謝々。このうまさに感謝。 
「謝々、謝々」 
ああ、謝々謝々。ウマウマ帝王ご満悦中。 
「謝々、謝々」 
さっきから謝々謝々言ってるのは子汚い子供だった。上海では謝々とはあまり言わないのだが、観光客 
には上海語が通じないので乞食は「謝々」と言って手を差し出す。しかし普通、食事中の外人には寄って 
こないのが通例である筈だが。 
「ゴルァ!あっち逝け!頃すぞ!」 
案の定、店主に追っ払われる乞食の子供。可哀想だが同情は禁物だ。漏れが金をやったところで貧富の 
差は解決しない。この子供が一日生き延びても次の日の保証はないのだ。そして生き延びて子供を作っ 
ても、結局は乞食が増えるだけなのだ。それは中国政府の仕事だ。 
そうはいってもココロが揺れる漏れ。手をつけてないカニをビニールの袋に入れてもらい、露店を離れた。 
路地を出たところで、後から子供がついてきてるのを確認。漏れはついウッカリ路傍の階段に袋を置き 
忘れた。聞こえる足音。ビニール袋の音。 

さて漏れは上海の京劇を見にやって来た。中華中華した建物にはゲーセンもあったので、待ち時間まで 
そこでスト2をやって遊んでいた。「波動拳がループするタイプ」のスト2だった。漏れにとっては 
少し前の時代のゲームだったので楽々進む。深夜だというのに取り囲んで見ている少年少女。漏れは 
上海の高橋名人。ゲームは一日8時間。 

京劇はなんだかサパーリわからなかったが、まあ気にせず街歩き。途中の菓子屋でクッキーがうまそう 
だった。値段が書いてなかったので適当な金額を渡すと、デパートで渡されるような大きめの紙袋に 
一杯詰めて渡された。当時のレートだと¥100くらいだったかな。 
とても一人で食べきれないので、謝々謝々言ってくる人々が差し出す手にいくらかのクッキーを乗せ 
ながら歩く。歩くが量が尋常ではないので配布を終える頃には夜が明けそうだった。漏れは一体、上海 
まで来て何をしているのか。 

そんなこんなで翌日は起きたのが夕方。その日は上海雑技団を見に行く予定だった。ガイドブックを 
見ると、夜の最終公演まで時間がない。漏れはタクシーを飛ばして見に行く。帰る途中、変な日本語 
の看板があったので笑いながら歩いていると、暗がりから14〜15くらいの女の子が「謝々、謝々」 
と言いながら近寄ってくる。上海は夜中でも道路工事をやっていて、その明かりで女の子の顔が見えて 
きた。汚れてはいるものの、非常にキレイな顔立ちをしている。なんで乞食などしているのか不思議 
なくらいだ。例えて言うなら、ロングヘアのヒロスエ。これマジ。最強。しかし、いくらカワイイと 
言っても、この子を相手にしたらその辺にいる乞食が集まって(20人はいる)くるのは見えている 
ので無視して歩く漏れ。ついてくるヒロスエ。歩く漏れ。だいぶ歩いた所で海の見える新市街のあたり 
まで来ていた。あたりには人気がないので、漏れは土産に買った中華風の手鏡と櫛のセットをヒロスエ 
に渡した。最初は「そうじゃなくて金くれ、金、」という態度だったが、漏れが箱を開けて中を見せる 
と、汚れた顔がパッと明るくなった。それは観光客に金をたかる乞食の顔ではなく、年齢相応の娘の 
笑顔だった。固まりかけた髪の毛を櫛ですいて、手鏡を見て微笑んでいた。漏れはそのスキに足音を 
させないようにそこを離れようとしたが、「なんで逃げるの?」という表情でヒロスエが追いかけて 
きた。そして漏れの手をつかんで、橋の下の暗がりに連れ込んだ。安っぽい上に汚れたTシャツを上げ 
ようとするヒロスエ。漏れはギョっとしてその手を止め、しばらく色々考えたがどうしていいのかわか 
らなかったので、とりあえずその場から走り去った。 

次の日の夜。だいぶ酒を飲んではいたが、昨日のヒロスエとなんとなく顔を合わせたくなかった 
漏れは、昨日の海辺を意識して避けていた。ホテルに帰る途中、よく酒を飲んだ後ラーメンが喰い 
たくなるように、たまたま麺の屋台を見かけたので寄ってみた。深夜だというのにいろんな人が 
麺をすすっている。漏れも麺と薬味とスープを指差しで選んで、漏れ専用にカスタマイズされた 
通常の3倍麺を彗星のようにすすっていた。認めたくないものだな、自分自身の、スケベ故の、 
劣情というものを。おねいさんが漏れのテーブルに座った。 
「日本人アルカ?」(いや、そうはいってないんだけどね) 
「うん。君はスージーっていう上海人形なんだろ?」 
漏れはションホイジョークでウケを狙いながら一緒に麺をすすった。 
「これからどこ行くアルカ?」 
ジョークは通じてなかった。 
「ホテルに帰るところ」 
「一人じゃ寂しいアルネ」 
「おいおい二人になっただろ?」 
そーゆーワケで二人で歩いて適当な旅舎に向かっていると、どこかで見たような道路を歩いていた 
ことに気がついた。道路工事をしている。 
「ヤベ!」 
好事魔多し。いやな予感は的中するものだ。良い予感は当たらないのが相場なのに。 
ヒロスエがこっちを見ている。しかし漏れはヒロスエの顔を見ることができなかった。 
漏れは野原の花を踏み潰したような気がした・・・・・ 


















「これは罠よ!@香港」

漏れは会社近くにある商店街の年末福引きで香港旅行を当て、これで旅費が浮いたと喜んでいた。しかし、 
それは超アマで、過酷な運命が待ち受けていたのだった・・・ 

漏れの会社は名古屋市内にある韓国系資本。漏れの素性がバレると会社から謝罪と賠償を要求されるので 
詳しくは書けない。若いときに適当に入社したら韓国系だった。それを知ったのは入社二年後。知ってたら 
入社しなかったかもしれない。そんで、会社の帰りに商店街で年末の買い物をしていると、福引き券を二枚 
もらった。くじ運の悪い漏れは「どうせティッシュ、どうせティッシュ、」と思いながらも例の回す奴を 
くるくる回した。コンコロリンコロ。金色の玉がいきなり出た。年末の駅前にベルの音が響いた。 
・・・旅行の何週間か前、クーポンを受け取りに商店街の事務所に出向いた。そこには商店街会長という 
オッサンがいて、他に何人か当選者も来ていた。日程の説明が終わり、書類に勤め先を書き込んだ時に、 
「なんだ、君は○○さんの所の人だったのか」 
とオッサンが曰った。○○とは社長の日本人名。ていうか、それまでは在日だとは知らなかったのだが。 
「ええ、お知り合いですか」 
「親戚だよ、親戚。」 
その時は「へ〜」というくらいの感想だったが・・・ 

旅行当日。商店街の旅行なのでツアーであることはわかりきっていた。しかし漏れは途中の団体行動を 
現地でキャンセルしてそのままタイに高飛びし、集合日にちゃっかり戻って来るという巨大構想を持って 
いた。しかし、当日集まったメンバーは、商店街会長、その母、その妹、その叔母、その息子、そして 
当選者が5人・・・。完全なインサイダーじゃんか!香港の当たりは5本でペア。つまり10人なのだ。 
漏れはその時一緒に行けるパートナーがいなかったので一人で応募した。それなのに10人ってどうよ。 
まあ、それはいい。漏れはとりあえずロハで香港往復チケットが手に入ったのだし、ホテルもどうせ 
ツインだろうけど漏れは高飛びするつもりだったから関係ない。 


空港で自己紹介が始まり、漏れが紹介を終わると商店会長が、 
「この子が○○さんのところの・・・」 
と親戚連中に紹介。すると一番年上のオバサンが、 
「あらまー○○ちゃんは小さい頃から知ってるのよー、あの子はねー」 
と社長の子供時代の「どうでもいい話」が延々と搭乗時間まで続いた。まあおかげで社長の弱点を沢山 
仕入れることができたが。 

香港到着。漏れは商店会長にツアー不参加を告げようとしたが、その前に空港の売店で、オバサンが 
言葉が通じずに困っていたので通訳したのが災いした。 
「この人、英語ペラペラよ!」 
「まあ、それじゃ買い物する時交渉してもらわなきゃね」 
「体力ありそうだから荷物も持ってもらおうかしら」 
勝手な事を言ってやがる。漏れは決して英語ペラペ〜ラではない。しかしこの会社に入る前に、ある 
アメリカ人プログラマーと知り合って、パソコンゲームの開発のバイトをしていた事があったのだ。 
彼は日本語を覚えるつもりはないらしく、会話は全て英語。それで会話はある程度上達したものの、多く 
の日本人のように「書けるが、話せない」の逆、「(ある程度)話せるが、(全く)書けない」という 
情けない英語力しか持ち合わせていないのだった。 

オバサン(以下ババア)の怒濤の依頼心攻撃によって漏れの巨大構想は総崩れ。いつの間にか観光バスに 
乗っている漏れ。漏れはこの世の中で、ババアほど嫌いな物はない。もう、なんていうか、こう、とにかく 
嫌いなのだ。わかるでしょ? 
そんでホテルに荷物を置くや否やDFSに出発。このツアーは当選者にではなく、親戚ババアにフォーカス 
を合わせてあるので、当選者はただ従うのみ。物凄い福引きもあったものである。当選者は老夫婦、美人 
姉妹、そして漏れ。美人姉妹だけが漏れのココロの支えだった。DFS(免税店)といっても、香港自体が 
免税都市なので免税店もヘッタクレもないのだが、ババア達はそんなことはどうでもよいらしく買い物に 
漏れを連れ回した。やれ「もっと負けさせろ」やれ「おまけをつけさせろ」やれ「無料サービスの飲み物 
持ってこい」やれ「荷物持て」やれ「似合うかしら」。ババアはなに着てもババアだよ。ババア。 
トイレに行くフリをしてDFSを逃げ出し、外に出ると美人姉妹がいた。 


「タイヘンですね」 
「サーバント李朴と呼んでください」 
「あの、申しわけないんですけど、お願いがあるんです」 
「あ、なんですか?」 
「服を作りたいんで、私たちにもつきあってもらえませんか?」 

・・・漏れはオイシイ予感を胸に秘めつつ、夜に女人街で待ち合わせをした。 

女人街を少し行った所に、夜でもやってるテーラーがある。ここは前に漏れの彼女と来た時に利用 
した実績があるので、安心して紹介できる店だった。布地を選んで服を注文し、とりあえず食事でも、 
ということでヤウマテイの海鮮中華料理屋に案内した。もれはツアコンとしてもやっていけるような 
気がしていた。海鮮料理は値が張るが、ハズレも少ない。ネタが新鮮ならそれで十分なのだ。あと 
香港で海鮮屋を選ぶコツは団体客が来ない小さい店、大通りから少し奥まった所にあり、味で勝負 
するしかない所、そして表に水槽が出てない店。コレ。最強。まあそこでウマウマのマンマを平らげ、 
オイチーオイチーで幼児退行さながらのエビカニ三昧を終えて店を出た。美人姉妹の姉の方がマンガ 
家で(有名らしいが漏れは知らない)、徹夜で原稿を上げてその足で香港に来たため凄く眠いとのこと。 
ホテルまで姉を送り、妹の方ともう少し街を歩く事に。彼女は香港は初めてということなので、 
「お決まり@ビクトリアピーク」へと誘う漏れだった。百万jの夜景。時間が遅いので観光客はまばら。 
ムードは10億点満点。ボッタクリ記念写真屋が来たので追い払おうとしたが、 
「せっかくだから記念に、ね☆」 
星までつけられたら断るわけにはいかない。夜景をバックに記念写真。しかし彼女は腕を組んできた。 
・・・彼女はその後漏れと付き合う事になったのだが、それはまた別の機会に。 

翌日よりまたサーバントワークスに明け暮れ、漏れがやめた方がいいと主張したにも関わらず、ババア 
達の強い希望で「水上レストランジャンボー」に行くことに。まあ定番は定番だが、ハッキリ言って 
景観以外に取り柄はなく、高い金を払う価値はない所だ。そこでロクにフカヒレが入ってないフカヒレ 
スープを食べて「おいしいわあ〜やっぱり本場はちがうのねえ〜」と騒ぐババア。もうみてらんない。 

そしてやっと最終日。ババアの一人がどうしてもジャッキーチェン経営の店に行くと言って聞かないの 
で、行くハメに。慌てて空港まで向かうバスの中でも添乗員が例の写真入り絵皿を売り込む。そして 
それを買うババア。もうアホかと。バカかと。 
ところでババア達は、漏れらと話すとき以外はハングルで話す。だから招待された当選者達は非常に 
居心地が悪い。福引き旅行に便乗する身内旅行に辟易。こんなんだから評判落とすんだよ、アンタたち 
はよ。漏れなんか仕事の延長じゃんよ。会社関係ねーっつうの。金貰いたいくらいだよ。まったく。 

日本に到着してやっと解放かと思ったら、ラストミッションがちゃんと用意されていた。 
「お兄ちゃん、税金かかるからこれ、この荷物持って!」 
おいおい、それじゃ漏れが税金かかるっつーの!このババアたちは最後の最後まで・・・ 
もうブチ切れですよ。漏れはババアを無視して税関を出る。最後の集合も無視して一人でタクシーに 
飛び乗ったのだった。 

後日、商店会長が会社にやってきて謝ってくれた。アチラの家族では年長者絶対なので、商店会長と 
いえども母や叔母には逆らえないらしい。四日間のガイド料にしては少し多めの金額が入った封筒を 
漏れに渡して帰っていった。この件は社長の耳にも入ったらしく、漏れの連休は有給扱いとなっていた。 

得したのか損したのかわからない四回目の香港の旅はこうして終わったように見えるが、美人姉妹の 
妹の話に続いていくのであった・・・ 
                   
















「オキナワンとバンコキアン@バンコク」

漏れが今までに知り合った沖縄人が全部そうだったわけではない。しかし、その多くに共通点があった。 
若い頃に出会った友人は、見ただけで「沖縄人」とわかる風貌をしていた。出会った頃はまだ沖縄から 
名古屋に出てきたばかりだったので訛りが強い。正直、話を聞き取るのが苦痛なくらいだった。しかし 
バリアフリー性の高い漏れはすぐに仲良くなり、他に友達もいない彼は、漏れとよく酒を飲みに行った。 
非常に方言が強い彼だったが、新聞を朗読する時はなぜか標準語をほぼ正確な発音でペラペラしゃべる。 
それに対して質問を挟むと、途端に方言で答えるのだった。これが沖縄人に興味を持った最初だった。 

次に出会った沖縄人は女の子。沖縄の女の子は目が大きく二重瞼で、漏れのハートを鷲掴んだあと小一時間 
飛び回った末に巣に持ち帰ってヒナに与えたりする事が多いので困るのだが、要するに漏れの好みである。 
その女の子も漏れの好みで、更に「天然」。コレ。最強。とにかく凄いボケっぷりで、漏れはツッコミ 
役に回らざるを得ないほどで、数々の名言を残している。例を幾つか挙げると、「なめねこ汁」(なめこ汁) 
「ツーショットパンツ」(ショートパンツ)「子持ちサーモン」(子持ちシシャモ)「エネルギー体質」 
(アレルギー体質)などなど枚挙に暇がないが、とにかく好きになった。しかし彼女は本土の忙しい生活 
にどうしても馴染む事ができずに沖縄に帰ってしまった。 

その他にも色々出会ったのだが、最近では会社の同僚。先日辞めてしまい、やはり沖縄に帰っていった。 
彼は28歳で、名古屋の大学を卒業して職を転々とした後、一昨年漏れの会社に入ってきた。入社初日に 
遅刻し、途中で熱が出て早退という華々しいデビューを飾ったのが印象的だったが、シャレにならないの 
は彼の教育係が漏れだった事だ。人の話は聞いてない、言ったことはすぐ忘れる、面倒くさい事からは 
逃げる、すぐに疲れてボーっとする。と、仕事に関してはいい所無しなのだが、人間的に愛らしい一面が 
あるので皆に可愛がられていた。女子社員にも人気で、去年のバレンタインなどはチョコ獲得率ナンバー1。 
しかし教育係の漏れは、彼に仕事を教えることに疲れきっていた。 

さて、前置きがいつものように長くなって本題が遭難しているが、漏れはその夏、何度目か忘れるほどの 
訪タイ。彼の教育を部下に押し付けての逃避行だった。搭乗ゲートで搭乗時間を待っていると、どこかで 
見た顔があった。15年ほど前によく遊んだ友人である。再会を喜び、同じ目的地に行く偶然に驚き、 
嫁さんが韓国人だったのも驚いたが、一番驚いたのは彼がヤクザを職業としている事だった。彼とは15年前、 
とあるゲーセンで出会った。当時ビデオゲームが大人気で、スコアを競ったのはもう遠い昔の思い出に。 
彼は所謂ヲタクで、ゲームは一日8時間な人だった。学校が終わるとゲーセン、家に帰るとファミコン。 
寝る前に88のエロゲーで一発抜くというデジタルライフを満喫する系の人だったのだ。そんな彼が、 
なぜヤクザに???。飛行機の中で聞いた話では、職がなくプラプラしていたところに、法外な高給で 
プログラマーを募集するチラシが目に留まり、応募したらあっさり採用。しかしてその実態は、パチンコの 
アレをアレする機械を作るヤクザ企業。気がついた時には専務の娘を嫁さんに貰って足抜けできなくなり、 
その後ちょっとヤバ目の事件があって、このタイ行きは要するに国外逃亡だったのだ。 


バンコクでヲタクヤクザと別れ、漏れは事前に今日の午後に家に行くと電話しておいたタイ人の「ホン」 
(ニックネーム)の家を訪れた。予定通り彼は約束を忘れて留守にしていたので、となりの自転車屋にメモ 
を渡してサヤームスクエアへ。漏れは最初の一泊を大抵ノボテルというホテルに決めている。バンコク通 
に言わせれば、料金が高い割にメリットがない高級ホテル、ということになるのが相場。しかし漏れの 
目的はこのホテルに併設されているプールで働いている女の子。この子は先述の沖縄人の女の子と顔も性格も 
似ている。彼女とマーブンクロンセンターの日本料理屋で食事することになり、歩いて15分くらいだから 
当然歩いていくつもりだったのだが、彼女はすぐにタクシーを止めた。そういえば今まで会った沖縄人は 
みんな歩くのをイヤがった。ごはんを食べるのも遅い。この彼女と一緒だ。そして話す事のとりとめのなさ 
と、人の話を聞いてないのもなんか凄く似ている気がした。 

さて、ノボテルに戻った漏れは、飛行機で一緒だったヲタクヤクザの友人に再会。そこに約束を予定通り忘れ 
ていたタイ人の友人ホンもやって来た。コイツは日本のヤクザだよ、と紹介すると、「ヤマグチグミ!」と 
驚いていた。タイではヤクザ=ヤマグチグミなのだ。そのヤマグチグミの奥さんは在日韓国人。ヤマグチグミ 
を恐れていたホンは奥さんが韓国人だと聞いて「明らかに」奥さんを軽視していた。ホンはこの四人の中で 
一番警戒しなければならない相手を間違ってしまった。 

漏れはちょっと吊り目の奥さんが、少し怖かった。例えるなら「極道の妻」。ていうかホントに極道の妻なの 
だが、この四人の中で一番上のヒエラルキーに位置するオーラを放っていた。それにホンは気がついてない。 
調子に乗るホン。彼を諫めながらも事件の予感がして、諫める手を少しだけ緩めている漏れ。更に目が吊り 
上がっていく奥さん。尻に敷かれっぱなしなのが火を見るよりも明らかなヲタクヤクザ。漏れはいつ奥さんが 
キレて暴れてもいいようなスポットをアレコレ考えた。 


漏れはちょっと吊り目の奥さんが、少し怖かった。例えるなら「極道の妻」。ていうかホントに極道の妻なの 
だが、この四人の中で一番上のヒエラルキーに位置するオーラを放っていた。それにホンは気がついてない。 
調子に乗るホン。彼を諫めながらも事件の予感がして、諫める手を少しだけ緩めている漏れ。更に目が吊り 
上がっていく奥さん。尻に敷かれっぱなしなのが火を見るよりも明らかなヲタクヤクザ。漏れはいつ奥さんが 
キレて暴れてもいいようなスポットをアレコレ考えた。 
ヤワラーのメシ屋に四人は落ち着き、酒を飲みながら中華をつまんでいた。酒が進んでいく。調子に乗って 
女の話をするホンは、奥さんを気にも留めていないのでどんどんシモネタが加速していく。そしてとうとう 
「さあ、今からマッサージパーラーにでも行くか!」 
と言って立ち上がった。 

まあその時の事は、大体皆さんのご想像通りと思われるので、あえて書かない。しかしどうして韓国人という 
のは手よりも足が出るのか。やはりテコンドーが関係するのか。そんな事を考えながらしばらく見物し、 
キリのいいところでナナへ向かう漏れだった。 

帰国後、テンパった表情の部下は沖縄人の彼と口をきかない関係になっていた。残業をしていたその部下に、 
インド人の例え話をして慰めた。やっぱりインド効果は絶大である。憑き物が晴れたような表情になっていく 
部下。どんな民族も、インド人の前では問題にならない。日本人、韓国人、沖縄人、タイ人、みんなどんぐり 
の背くらべだ。そして夏が終わる頃、時差連休を取った部下はインドへ旅立った。そして予定日を過ぎても 
帰って来なかった。漏れはまた一人、アジアで人生を狂わせてしまう事に成功した。 
                  
                               














「ヒッピー独逸娘と李博士@ゴア(インド)」

ゴアのバンガローの掃除に三時間を要した。床にはマリファナの吸い殻とミネラルウオーターの空瓶が 
散乱し、ベッドの上には脱ぎ捨てていった衣服とシーツが、結んであるのと同じくらい絡み合っていた。 
当時はテクノパーティの全盛期で、ヨーロッパ人及び日本人のスキモノ達が集まっていた。漏れはなん 
とか空いてるバンガローの予約を取りつけ、やってきてみればバンガローはこの有り様。 
なんとか清潔になったバンガローに、ドイツ娘が入ってきた。漏れは世界中のおねいさんと仲良くした 
いのだが、今まで出会ったドイツ娘にはあまり魅力を感じなかった。このベイター(たぶん通称)にも 
女をあまり感じない。なんか男と話しているように話に甘さがなく、少し甘味があったとしてもそれは 
砂糖の甘さでなくアスパルテームの甘さ。ドイツ男がわざわざ外人を掠ってきて娼館を建てるのも、 
なんとなくわかる気がする。 
しかしそんな思惑とは関係なく、ベイターは当然のようにバンガローに上がり込む。 
「他が空いてなかったのよ」 
説明はそれだけで、彼女はその場に荷物を放り投げ、漏れの目の前で色気もそっけもなく服を脱ぐと、 
掃除したばっかりのシャワールームに入っていった。漏れはとりあえず、掃除しているときに発見した 
壁の隅っこの穴に自分の貴重品を隠し、最低必要額のルピー札だけポケットに入れて彼女が出てくるの 
を待った。テーブルに投げ出された彼女の持ち物を見てみると、古びているが高級そうなバッグ。シン 
プルな宝石のついた指輪。貧乏というわけではなさそうだ。色気はないが。 
掃除したばかりだったのでバスタオルを出してなかった。彼女はビタビタのまま、せっかく掃除した床 
を濡らして素っ裸で自分のバッグからタオルを出した。そのタオルは長らく日なたで干してなかった 
らしく、少し匂った。漏れはゲンナリしながらシャワールームに入った。 
出てきてみると、彼女は持ってきた小さめのCDラジカセ(サンヨー製)でテクノをかけていた。曲は 
YMOのテクノドン。彼女なりの日本人サービスだったのだろう。彼女は相当のテクノフリーク。 
ていうかこの時期にテクノフリーク以外がゴアに来る方がおかしいのだが。 

漏れは哀しきリーマンなので、三日だけしかゴアに滞在できなかったが、三日間ずっとベイターと暮ら 
した。彼女は食事を作るでもなく、掃除をするわけでもなく、ずっとマリファナを吸い、テクノを聞いて 
過ごした。漏れは時たま外に出て食料品を買ってくる。それを彼女は適当に食べて、気がつくとテーブル 
の上にいくらかの金が無造作に置いてあった。 
ベイターは、漏れが持っていた李博士のCDを勝手にかけた。「アリラリ〜スリスリ〜」と能天気な 
歌が流れ、ベイターは爆笑。「これは何?」と涙を流しながら聞いてくる彼女に漏れは、 
「これは韓国のテクノだよ。ポンチャックっていうんだ。ドクトル・イーが歌っている」 
と簡単に答えておいた。彼女は相当、李博士が気に入ったらしく、何度もかけていた。 
「韓国って面白いのね、東洋でテクノを理解できるのは日本人だけかと思ってたわ。でも、これは 
ちょっと間違ってるみたいだけどね。」 
確かにポンチャックはテクノではない。しかし韓国なりのダンスミックスではある。 

珍しく漏れは彼女になんの劣情も沸き上がってこなかった。彼女は漏れがホモだと思っているのか、 
平気で裸で寝ているし、漏れのベッドに潜り込んでくる。でも誘って来るわけではない。テクノ野郎は 
ホモとロリコンの占める割合が非常に多い(ドイツ人とスイス人と日本人が多い)ので、まあそれは理解 
できる。しかも彼女はトイレのドアを開けっぱなしで用を足す。盛れと目が合ってもニヤニヤ笑うだけ。 
漏れは三日の滞在期限が来たので荷物をまとめていると、もう次の入居者が入ってきた。ドイツ人の 
カップルだった。いかにベイターでもカップルと同居が許される筈がないので、盛れと一緒にバンガロー 
を出た。漏れは一旦ムンバイまで戻り、そっから日本に帰る事を彼女に告げてゴアを後にした。 

ムンバイで同僚へのお土産を買っていると、ハングル文字がプリントされているTシャツを来た青年 
が先客にいた。彼はガラス細工の置物を触っていたが、ちょっと力を入れすぎたらしく、ガラスが細く 
なっている部分を折ってしまった。彼は店主に見つからないようにそっと元に戻し、漏れの視線に気が 
ついてさっさと外へ逃げていった。 

空港の喫煙室でタバコを吸いながら飛行機を待っていると、そこへさっきの彼も入ってきた。 
しばらくの沈黙の後、彼は漏れが何人か値踏みしているようだったが、吸ってるタバコで日本人だと 
悟ったのだろう。英語で話しかけてきた。 

「なあ、あれは最初から折れてたんだ。」 

・・・・・いらん言い訳を聞きながら、「あ、そう」と答えるのがやっとだった漏れ。なぜやっとだった 
のかというと、笑いをこらえていたからである。李博士のツメのアカでも煎じて飲ませてやりたい。 
少なくとも、李博士はドイツ人に韓国の存在を主張できた。お前みたいにコソコソ逃げた上に、日本人 
にいいわけするような情けない韓国人とは格が違うよ。 

                         












「漏れのセンスと在日看護婦@東南アジア」

服だけは一丁前にメジャーリーグのトレーニングスーツだが、漏れはメジャーリーグに関しては映画の 
「メジャーリーグ2」しか知らないという体たらくだった。漏れは当時、好んでメジャーリーグ服を 
着ていたのだが、それには理由があった。洗濯してすぐ乾くし、汗をよく吸収するし、通気性が高い 
ので涼しいし、デザインも悪くないし、何よりも半そで半ズボンの上下揃いで¥2980というダイエー 
価格が漏れを満足させる。つまり夏場のアジア旅行には持ってこいの服なのである。歩き回るので靴は 
スニーカー。日差しが強いので帽子は野球帽。トータルすると「いい年した野球小僧」となってしまう。 
いますぐ空き地で三角ベースでも始めそうな勢いの漏れは、空き地ではなく海外に向かう所だ。 
今回は婦女子を連れての旅行なのだが、漏れはいつもの格好で空港に到着した。彼女は漏れを見つけて 
一瞬手を振ろうとするが、途中で手を止めて眉が「〜〜」型に変わる。漏れはその心情の変化を、手に 
取るように理解できた。漏れもしまったと思った。でも着てきたものはしょうがない。ここで着替える 
ほどではなかろう。さて、彼女は漏れの友達で在日の看護婦さん。あくまで友達だけど10年来の付き 
合いなので予約したホテルはツイン。でもお互い全くそんな気は起きないだろうと予想していた。そして 
言う事もまた遠慮がない。彼女と俺の第一声は「バカ?」「ウルセー」だった。 

香港到着。彼女は海外が初めてだったので、とりあえず漏れを同伴して案内させようという魂胆。ホテル 
で強制的に着替えさせられ、漏れはバミューダに自作のTシャツという姿になった。自作のTシャツは 
プリンターで印刷してアイロンで定着させる例のアレ。そして漏れがモチーフとしたのはマイケルジャク 
ソンと神田うののモーフィング写真。漏れは傑作だと思ったのだが、彼女は気に入らないらしい。 
とりあえず香港を一通り案内し、翌日はタイに飛ぶので早めにホテルに帰る。彼女は既にペニンシュラ 
でシャネルのバッグとかサイフとか買い込んでいる。この先持って回るのかよ・・・ 

昨日のTシャツが不評だったので、ゴアで買ったサイケなボブ・マレーのTシャツに着替えたがこれも 
不評。ゴアパンも不評。彼女とは一度ゆっくり話し合う必要があるようだ。 
タイでも一泊の滞在。この旅行は「東南アジアたらい回しツアー」となっている。漏れが飲み会でアジア 
旅行の話をし、「それならまとめて全部行きたい」という彼女の希望をたった一週間でこなすハードな 
スケジュールだ。さすがに全部行くわけにはいかないが。この日は当然バンコクとアユタヤを回っただけ 
で終了。翌日のフライトに備えて早く寝る。 
漏れは彼女が寝てからゴーゴーバーに出かけようとしたが、「どこいくの」と姉に怒られるように釘を 
さされたので弟のようにベッドに戻った。 

ベトナム到着。事前にハノイにするかサイゴンにするか迷ったが、面白さでサイゴンに決定。この日、 
漏れは麻の開襟シャツに麻のソフトパンツという、漏れ的にはオシャレな格好だったが、靴はスニーカー 
しか持ってきてなかったために似合わない。彼女は一言「ダサ」。 
市場と博物館を見せて例のレストランでプリンを食べる。オカマの従業員はいなかった。しかし彼女には 
好評だったので面目躍如。元ポン引きのルンを呼び出した。彼は買い戻したホンダに漏れを乗せようと 
やってきたが、連れがいることを言ってなかったので、漏れを乗せられずに残念そうだった。ここで彼女 
は体調を崩した。看護婦なので心配はしてなかったが、熱があるので今日は休むとのこと。漏れなりに 
気を使ってベトナム語の絵本を読んでやったが、「うるさいから外で遊んでおいで」と、弟のように 
放り出される。しょうがないのでルンに若い女の子を手配してもらって遊び、夜遅くホテルに帰ると 
「病人ほっといてどこ言ってたの」と小一時間問い詰められる。どないせえっちゅんじゃ。 

翌日、彼女の体調も戻ったので昨日予約した飛行機をキャンセルせずに済んだ。一旦タイに戻って乗り 
換え、ミャンマーのヤンゴンへ。なぜか航空券が安く、4500Bで往復券が買えた。漏れはハルシノ 
ゲンのプレミアTシャツを着ていたが、この価値をこのアマは理解してない。「誰それ」で一蹴。 
航空券が安い筈で飛行機はガラガラ。ほとんど漏れたちの為に飛んでいるような状態。いつもはもう 
少し混んでいるのだが・・・。いやな予感は的中し、土砂降りの大雨。まあ雨期の本番に来たのだから 
仕方がないが、それにしてもまあよく降るものだ。夜になってからインディアンタウンを少し歩き、 
漏れは謎のインド人から「パールバティージュース」という謎のジュースを勧められた。漏れは一気に 
飲み干した。すると見ていたインド人達がニヤニヤしながら喜んでいる。これが悲劇を産むきっかけに 
なるとは思わなかった。 

深夜になり、ホテルのツインベッドで漏れと彼女は喋りながら眠たくなってきた。ところがどうだろう、 
漏れの下半身はここ最近で最高の角度を記録していた。漏れは彼女を一度もそーゆー目で見たことは 
なかったし、今夜彼女が特別色っぽい格好をしているわけでもない。ベトナムで1回おねいさんと交渉 
を持っていたのでそんなに溜まってないはずだし・・・「!!」あのパールバティージュースだ。 
モヤモヤした脳と鋼鉄の下半身。しかし突然彼女に襲いかかるワケにもいかない。だからと言ってバス 
ルームで一人でするのはあまりに淋しい。漏れが悶々としていると、彼女にそれが伝わったのか、 
「眠れないの?」と聞いてきた。どう答えるか迷っていると、「さっきのジュースってさあ」と核心を 
突いてきた。ニュータイプかお前は。「1回くらいならいいけど」とボソボソ言う彼女。しかし10年 
も友達で来た彼女に今更手を出せるだろうか。漏れは聞こえなかったフリをして、「ちょっとハラ壊し 
たみたい」と言ってトイレに敗走した。 

お互い大人なので(漏れはちょっと怪しいが)、暗黙の了解で昨夜のことは無かった事に。市内を少し 
観光したあとまたタイに戻る。しかし漏れの下半身事情は改善されておらず、政府の早急な対応が望ま 
れていた。今日が最終日なので二人でお土産の買い物をし、自由行動となった。漏れはトゥクトゥクを 
止め、彼女につけられると末代までの恥を晒すことになるので、市内をぐるぐる回ってからヤワラーの 
MPに飛び込んだ。いつも遅目で苦労する漏れが、中学生以来の最短記録をマーク。一人金メダル。 

翌朝帰りの飛行機を待つ間、走り回った今回の旅の話をしていると、彼女は突然こう言い出した。 
「アレって5000Bくらいなの?」 
彼女はニュータイプだ。そうに違いない。しかもララァ並。気をつけよう、在日看護婦には秘密は通じない。 













「鍛冶屋詐欺師と韓国娘@メール」

韓国人の女の子からメールが来た。この女の子とはUO(ウルティマオンライン)で 
知り合ったのだが、在日の親戚から日本の雑誌などを送ってもらっているらしく、 
かなりのイルボンマンセー。最初は英語でメールのやり取りをしていたのだが、彼女が 
日本語を勉強し始めたので漏れはラクになった。しかし「これは日本語でなんと言いますか?」 
という質問がウザくなってきたので(1回のメールに50くらい設問があり、1日に1通送って 
来るのだ・・・)段々と疎遠にして自然消滅を謀った。広告メールがウザイのでメアドを変えた 
のが去年。そしてつい先日、新しいメアドに、どうやって調べたのか彼女からメールが届いた。 

「謝るので探しました。失礼してごめんなさい。迷惑でしょう。これから質問しないので 
 メール続けて下さい。」 

・・・ああ気がついたのか、いい子だな、とか思って続きを読んだ。 

「(中略)アムロナミエは元気ですか?日本の女歌手はとても美人です。私は好きです。 
 あなたは好きですか?好きな女歌手他にいますか?ボーア好きですか?私の写真送って 
 います。どちらが好きですか?日本のドラマ面白いですか?韓国の映画見ますか? 
 返事待っています。」 

・・・ああわかってないな、質問攻めだな、とか思ってメアドを変えた。 

因みにUOで漏れは鍛冶屋詐欺をやっていた。彼女はその被害者だった・・・・・・・