ホテルとレストラン


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コルカタはカーリー女神ゆかりの土地だ。カーリー女神は恐怖と殺戮の神なんだが、
どうしてまたそんなものを信仰する気になったかは、なんか文献とか読んでくだちい。
シャクティとかサーンキャー哲学とかを調べれば謎は解ける筈。ともかく、この寺院
ではカーリーの怒りを鎮めるために、毎日数十頭のヤギの首を切り落としていまつ。





ホテルとレストラン


ホテルには「グレード」というものがあるらしい。星がたくさんあったら高級だそうな。しかし一方で、星などないホテルも

ある。星の数を大事にする旅行者にとっては、星のないホテルなど眼中に入らない。星の数を気にしない旅行者でも、

料金があまりに安い宿など目もくれない。旅行会社も紹介すらしない。


が、世の中には色んな人がいるので、値段が安ければ安い程よく、部屋の快適性などどうでもいい人だっている。

そんな人にとっては星のあるホテルなど最初からリストに入っていない。




このように、人には「自分のグレード」以外のホテルには無関心なものだ。しかし、人は変わっていくもの。年齢や

経済状態や旅行経験などによって、刻々と「自分のグレード」は変わっていく。


旅行経験がある程度重なってくると、「自分のグレード」がどこにあろうと容赦のない選択を迫られる事がある。

貧乏旅行至上主義者でも、病気でやむを得ず高価なエアポートホテルにとりあえず駆け込む事があるし、豪華旅行者

でも辺境の国のそのまた辺境地域に足止めされて、オンボロ宿に恐怖しながら宿泊する事がある。

何事にも中庸をよしとする旅行者は、最初はツアーなどで利用したそこそこ高級なホテルを選ぶけれども、次第に

慣れてくると高級ホテルと同等のサービスを、もっと安い値段で利用できるホテルがあると知って低料金指向になった

り、はたまた手配の仕方によっては、もっと高級なホテルでもお手頃価格で利用できる方法を知って、快適性を味わい

たいがために高級指向になっていったりする。


また、若い頃は金もなくモノに拘らないので貧乏旅行が平気だった人も、中年になると「これ以上は譲れない」という

「自分のグレード」が緊急発生したり、逆に年を重ねてモノの呪縛や見栄から解放された人格を持つことによって、

段々と安宿でも平気になっていく人もいる。




そうやって「自分のグレード」が変わっていっても、以前指向したホテルは、現在全く視覚の外になることがある。

「俺はこんなに高いホテルに泊まってるんだ。スゴかろう」という自慢は、「俺はこんなに安い宿に泊まってるんだ。

スゲエだろ」という自慢と同等で、第三者の評価を前提としたホテル選びになっている感がある。これらは高級指向

から低料金指向に変わった場合でも、評価する第三者が変わっただけで同じ価値観のホテル選びと言える。



また、長期間の旅行となると、多くの人がどうしても低料金指向にならざるを得ない。更に国によっては高級ホテル

が少なすぎて、ロケーションや移動の問題から中級ホテルや安宿も選択肢に入れざるを得ない場合もある。



インドがまさにその典型だ。



ツアーなどで、高級ホテルを泊まり歩く「マハラジャツアー」があるけど、そのコースを見てると大体同じようなもの。

「有名な観光地+高級ホテル、の両方がある場所」が滞在地の条件になってるからだ。いかにすごい遺跡があっても、

1日でそこに辿り着く距離ではなかったり、現地に高級ホテルがなかったりすると、マハラジャツアーのコースには

なり得ない。自由旅行のプランを作る場合でも同じだ。高級ホテルという前提があると、インドでは行けるところが

限定されてしまう。これが中級ホテル限定だと、ぐっと選択肢は増え、安宿だと殆どの所に行け、野宿でもキャンプ

でも、というならばその可能性は無限といっていい。



インドに自由旅行で行こうという人は、ガイドブックなどを見て今回行っておきたい地域を決め、それに従ってルート

を作る。または東西南北中央のどの地域かに集中して滞在し、そこを隅々まで、という人もいる。1都市限定という

人は例外となるが。で、その地域にどんなホテルがあるのか探してみるんだけども、地方へ行けば行くほど、選択肢

は安宿か、よくても中級ホテル程度しかない事に気が付いていく。というか、インドの街の汚さや不便さが平気で、

ホテルだけは高級じゃないとイヤ、という人はあまりいない。



従って、インドで自由気ままに隅々まで行こうという人は、「自分のグレード」を変更せざるを得ない結果となる。

元々安宿を泊まり歩く低予算旅行者は変更しなくていいのだが、衛生レベルが他国よりかなり劣っているインド

では、宿のグレードを上げてしまう低予算旅行者もいるのだ。例えばタイで長期旅行をし、安宿を泊まり歩いた

バックパッカーも、その調子でインドの安宿、それもかなり安い宿のドミトリーに泊まって、滝のような雨期の雨漏り

やネズミやゴキブリとの共存、蚊やブヨやガの襲来、24時間うるさい宿内、高度障害ジャンキーとの同室など

にすっかり参ってしまい、己の未熟さを感じつつ、倍・三倍の料金を払ってもっとましな宿の個室へ移る事がある。



かく言う漏れも、ホテルは高級指向だった。それが段々と妥協して中級ホテルで済ますようになった。そして、

「最低バスタブがあるホテル」という最後の牙城も、インドでは簡単に信長に焼き討ちされる。中級ホテルでも

バスタブは絶望的だ。インドでバスタブに拘るとマハラジャツアーになってしまうのだ。元々イギリス他、ヨーロッパ

の植民地だった影響から、また、年中暑いという前提のインドにおいて、「バス(インド英語ではバツ)付き」という

のは「シャワー付き」であり大抵は水シャワー。「ホットシャワー」と書いてあっても、蛇口を捻れば自動的にお湯が

でるのは中級ホテルまでであり、安宿では「言ってくれればバケツにお湯入れて持っていきます」というのがホット

シャワーだ。中級ホテルのホットシャワーでも安心はできない。バスルームに瞬間湯沸器があり、そのスイッチを

自分で操作してお湯を使うものや、1日の内、一定時間だけ湯が出る仕組みの(大抵は瞬間的)物や、昼間の

強烈な日差しを利用して湯を作り、それがなくなると水になってしまう早い者勝ちシステムなどだ。また、全く湯など

出ず、フロントに頼んでも湯のサービスなどないという場合もある。言ってみたテストシステム。



トイレは洋式、インド式様々。中級ホテルでもペーパーを置いてるところなど稀だ。ペーパーは自分で買ってくる

ものだし、置いてあっても少量タイプ(最初から日本のペーパーの半分以下の量が巻いてあるもの)だ。外国人が

集まる安宿街の小売店にインド人は使わない筈のトイレットペーパーが売ってるのはこのためだ。

もちろん、インド式に抵抗なく慣れ親しめる人は水で洗うし、以前は漏れもそうしてたんだが、もうそういう事に拘ら

ない事にしたので、普通に紙で処理していた。安宿で洋式の場合、便座が壊れて半分になってるとか、或いは

便座自体がなくて洋式の意味を失っているものがある。で、街に出ると浴槽や便器や流し台を売ってる店が

あるのだが、そこでは便座もRs200くらいで売っているので、どうしても宿や部屋を変えられない状況の時は

そこで自分で買うとよい。旅で出会ったスイス人は、折畳式便座をバックパックに入れて持ち歩いていた。それは、

蝶つがいで真ん中と尻が乗る部分が半分に折れるタイプの物で、四分の一サイズになるスグレモノ。漏れも欲し

かったんだがスイス製だった。因みにステンレス製で30ユーロだそうだ。



部屋の大きさとベッドなんだが、これがまた確実性がない。探したホテルで気に入った所は、他の大抵の旅行者も

気に入るらしく、シングルが空いてない事が多い。また、日本人だと金持ってると踏まれて、部屋が空いててもダブル

しかないと言われる。下手すると四人部屋しかないと言われる場合があり、安宿でスイート独り占め状態になる。

安宿でもちゃんとした所や、他よりちょっと高い所などは、シーツは真っ白で清潔。これが安い所になればなるほど、

シーツの色も段々とくすみ始める。特にシーツに点々と血のシミがある宿は南京虫がいた証拠だ。超低価格ドミトリー

などでは、白というよりネズミ色で黄色がかったシーツが多く、中にはそのシーツさえなくて自分のを持ち込まなけれ

ばならない宿もある。そんな宿はマクラなども当然ないので買ってくるか他の物で代用せねばならない。


ダブルしかない、といわれた一人旅の旅行者は、渋々シングルより高い料金を払って宿泊することになる。ところが

なんでも交渉のインドでは、インド人に負けないしぶとさと迫力があれば、強引にシングル料金でダブルに泊まれる

事がある。空いてる部屋を全部見て、どれも気に入らないと言う。しょうがないよ、という顔をしているフロントのオヤジ

の目の前でガイドブックを開き、聞こえるように他の名前のホテルを読み上げる。すると十中八九、同じ経営者が

近所でやってるホテルに連れていこうとするが、大抵そこは立地が悪くてメインストリートから遠いので断る。

何日間宿泊するのか聞いてくる。長ければ割引すると言ってくる。それにはあいまいに答え、シングルの値段で泊めろ

と主張。最初は断ってくるが、次のシングル客がチェックアウトしたらすぐに移るので、それまでダブルはシングル料金

にしろと主張する。これで断ってきたら帰るそぶりをすれば、大抵この辺で手打ちになる。来るか来ないかわからない

カップル客を待ってダブルの部屋を開けておくなら、いっそシングル料金ででも部屋を稼働させたい心理を突く。




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ゴアのビーチ沿いのメインストリートを一本海側に入ると、海まで抜ける小道
がある。人通りもなく静かで美しい。この道をレンタルバイクでずっと入って行く
と、爽やかな風と共にヤシの木が流れて行くが、行き着いた先は軍港でいき
なり軍人にホールドアップ&身体検査が待っていた。ビーチの間に軍港かよ!
普通ねえよそんなもん。「目的はなんだ?」って観光だよ。Rs100でいいッスか?





安宿の中でも部屋によってグレードがある場合がある。窓無しは安い。トイレ・バス共同の個室は安い。ドミトリーは

安い。海沿いのホテルなら、海側は高く、反対側は安い。エアコンありは高い。TVつきは高い。通りの喧噪から逃れ

られる上階は高く、通りに面したうるさい一階の部屋は安い。エレベーターがあるホテルは高めだが、そのエレベーター

が壊れていたらすかさず指摘して問い詰めれば安くなる。大抵は自分がチェックアウトするまで直らない。中級の

ホテルでも、元高級ホテルの型落ち中級ホテルの場合、最上階にスイートがある事がたまにある。といってもただ

広いだけで、ソファがある以外は他の部屋と変わらないんだが、ここを利用する人は少ないので、交渉次第では

ダブルの料金プラスアルファ程度で泊まれることがある。




エレベーターは、昔のイングランドスタイルそのまま。手でフロア用の格子戸を開け、その中のエレバーター側の

格子戸も開けて乗り込む。階数表示はイギリス式なので、一階はグランド、二階が1F、三階が2Fだ。このいちいち

手で開けては閉める方式は、全自動に慣れた日本人には面倒この上ない。そしてよく壊れる。メンテナンスフリーな

設計ではないのにメンテナンスを行わない結果。壊れてから修理する。修理業者はなかなか来ない。来ても段取り

が悪いので修理は進まない。ようやく直ったと思ったら翌日にはまた壊れてる。この繰り返し。エレベーター故障を

先読みして、あまり上の階の部屋には泊まらないようにした方がいい。



それなりの料金の宿にはテレビがある。ケーブルテレビなのでチャンネルはいっぱいある。外資系のTV会社が

やってるので、インドのメインチャンネル以外には他国と共通する番組がある。ザッピングしてると、インド映画や

MTVのような「歌って踊ってラブラブでセクシーでハッピー」な番組、青年の主張みたいな事を何時間でも延々と

やってる番組、とにかく宗教を一日中語っている番組など盛りだくさん。アニメチャンネルでは、カードキャプター

さくらやキャプテンハーロックなどをやっており、インドでさくらタンハァハァをする事になる。しかし、残念なことにポルノ

番組はない。キスシーンもご法度なインドだ。その代わり、インド男たちはネットでAVを落とすことに夢中だ。

インドにはエロ本もエロビデオも表の市場には出回ってないし、そもそも買う金を持ってる人は少ない。だから、

インド男にとって、初めて触れるポルノがネットであることが多い。だから激遅回線でチマチマしたダウンロード画像を、

画面に昆虫のようにへばりついて大勢のインド男が見ている。そしてそれをプリントアウトしたものを、大事そうに持って

帰るのだ。



高級ホテルになると各部屋にモジュラージャックがあって、音響カプラかと思うほどのナローバンドだが一応ネットは

できる。日本でMSNなどをプロバイダにしておけば、インドでもローミング可能だ。中級ホテルでも気のきいた所に

なると、ロビーにネットコーナーがあったりする。

電源だが、インドは概ねどこでも220Vだ。部屋のコンセントが必ずしも便利な場所にあるとは限らないので、マルチ

タップを購入しておけば便利。コンセントの形状は概ね3種類あり、日本の形に近いもの、円い形のアースなし、アース

あり、といった感じだ。インドでマルチタップを買う場合気をつけたいのは、マルチタップを差し込むコンセントの形状が

丸形でアースありのものを選ぶ事だ。丸形アースなしでは、コンセントの穴がユルユルの場合が多いのですぐに抜けて

しまう事がある。アースありの三本型だと安定する。また、せっかくマルチタップを買っても変圧器からのタコアシが

なかったりすると、同時に複数の電源が取れない。インドでは日本型のタコアシは売ってない。形が似てるものが

あっても使えない。変圧器も220V→100V(110V)を発見するのは至難の業だ。日本か、バンコクを経由するなら

マーブンクロンセンターの携帯電話売り場、東急のスーパーがある階の電気製品売り場で揃えておきたい。



インドでは、特に南インドでは停電が多い。高級ホテルは安定自家発電してるので問題ないが、中級ホテルでは

停電後、しばらくしてから自家発電装置が動いて復活する。または自家発電装置自体がない。安宿では自家発電

などないと思った方がいい。切れたら切れっぱなし。

で、例えば夜にシャワー浴びてるときに突然停電すると、かなり慌てる事になる。こんなときのために、懐中電灯は

常に手元に置いたほうがいい。できれば小さな蛍光灯がついたタイプがあれば、部屋全体をなんとか照らせる。

停電中に従業員らしき人が来て停電を告げたりする事があるが、ドアを開けてはいけない。従業員のフリをした

強盗が闇に紛れて入ってくる場合があるためだ。



高級ホテルは、窓が最初から開かない構造になってるか、または完全に開け閉めできるようになっている。

中級や安宿になると(窓自体がない場合は別だが)大きい窓が一つ、というのではなく、小さな窓の集合体だったり

する事があり、この窓一つ一つに棒ロックがついてる。しかしその中のいくつかは壊れていてロックできなかったり、

閉まらなかったり、開かなかったりする。進入防止の為にこのような構造になってると思われるのだが、外側に

鉄格子が付いてる場合でも、力を入れればひん曲がる事があるのがインド製。

また、場所によっては窓から猿が進入してきたり、どこからともなくアリの大群がやってきてクッキーやケーキの食べ

残しに群がる事がある。猿が近くにいるロケーションでは、ベランダがあっても洗濯物を干さない方が無難だ。

猿が盗んでいく事がある。



高級ホテルでは、貴重品はフロントのセーフティーに預けるのが最も安全だ。中級以下ではフロント自体が信用でき

ないので、預けるより持ち歩いたほうがいい。まあ持ち歩くと盗まれたり忘れたりする危険もあるが。

高級中級ホテルでは、ドアの鍵はオートロックだが、中級の一部のホテルでも、安宿と同じく南京錠の場合がある。

オートロックの部屋は、従業員の犯罪に打つ手はない。開けられるのを前提として部屋を出る事になる。南京錠の部屋

でも、宿が用意してる鍵は従業員が合鍵を持っているものと思った方がいい。自分で鍵を用意するのが無難だ。

日本で買ってもインドで買っても、普通の南京錠はすぐに合鍵を作られてしまう。実際、漏れがホテルの用意した鍵と

日本で買った頑丈な鍵を街の合鍵屋に持っていったところ、数分で作れた。また南京錠自体をわざとバッグなどに

つけて合鍵屋に持っていき、「これの鍵をなくしたので困っている」と言うと、鍵穴をライトで照らしたりマスターキー

らしき鍵を突っ込んだりして、飯を食ってる間に開けてくれた。だから、開けようと思えば開けられる、という事なのだ。

ところで、自転車やバイクをくくりつけておくチェーンロックやU字ロックなどで、鍵穴が一本線でなくて円形をした鍵が

ある。これは普通インドの合鍵屋では扱ってない。この丸鍵チェーンロックが日本で簡単に手に入り、安く、最も安全

な鍵なのだ。これをドアの鍵にすれば、まずは安心。因みに番号合わせタイプの鍵も、3〜4ケタ程度の物なら、慣れ

た人なら数分で開けてしまう。管理の杜撰なインドの安宿では、番号鍵はないも同然だ。



安宿の天井には、必ず巨大扇風機が回っている。暑期以外では寒いくらいの威力があり、蚊も吹き飛ぶ風力だ。

これで風邪を引く人は後を絶たない。止めると暑い。つけると寒い。風力を調節してもなんだか寒い。暑期では

最大風力にしてもサウナ気分。部屋にいられない。そして、この扇風機は、宿の値段に反比例して騒音が酷い。

安宿の最低クラスだと、いつ落ちてくるか不安になるほどガタガタ揺れている。エアコンの部屋でも、ニセエアコン

の冷風機の場合は、暑期には役に立たない。窓に取りつけるタイプのエアコンは例外なくうるさく、いっそ消した

ほうが寝やすいくらいだ。いい値段の中級ホテルや高級ホテルのエアコンなら暑期でも快適だ。但し外と中の気温差

があまりに大きいので、外に出る勇気が出てこなくなる。室内を20度、外は45度とすると、25度の温度差。



インドでは安宿でもルームサービスがある所が多い。頼むと近所のレストランから持ってくる。メニューが部屋になくても

フロントに電話して「○○が食べたい」といえば、適当な店に買い出しにいってくれる。

ホテルにレストランがある中級ホテルなら、ルームサービスの味も期待できる。注文すると、数十分後にボーイが

トレーに乗せて運んでくる。なぜかその場では会計せず、食べ終わってトレーを下げに来るときに伝票を持ってくる。

そしてその伝票を持ってくるのをよく忘れる。つまり、食べた後直ちにチェックアウトすれば食い逃げできるシステムだ。

チャイならカップでもポットでも注文できるが、カップが一杯Rs5としても、ポットなら5拝分でRs12とお得な事が多い。

部屋でインドTVを見ながらゆっくりチャイを飲むのもいいものだ。






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まるで現実感がないカニャークマリのガンディー寺院。一歩間違うとラブホと勘違いしそう
な建築だ。実はインドには古いヒンドゥー寺院は少ない。というかめったにない。イスラム
にぶっ壊されたのだ。有名ヒンドゥー寺院の多くが最近作られたもの。どれもおもちゃっぽさ
満点で、遊園地のお城のようだ。美しいといえば美しいが、なんか重厚さはないんだよな。









さて、レストランである。南インドでは、ホテルが通称「レストラン」だったり、レストランが通称「ホテル」だったりと

ややこしい。つまりホテル=レストランなんだが、ホテルの看板を見て入ると飯食ってたり、レストランだと思って

入ると宿泊受付にサインする事になったりと紛らわしい。また一階がレストランで上階がホテルの「レストラン」あったり

「ホテル」なレストランが別のホテルのビルの中にあったりと、一個中隊を投入して街を全滅させたくなる状況だ。



で、ここではホテルはホテル、レストランはレストランとして話を進める。



レストランは大別して2種類。菜食主義者用の「ベジタリアン」と、肉も食う「ノンベジ」だ。店によっては、ランチタイム

だけベジタリアンオンリーになる所や、店の中が銭湯のように二手に分かれていてベジとノンベジの席になっている

所もある。この習慣に厳格な人もいれば気にしてない人もいる。


ドアがあるレストランは高級。ドアがなくてオープンな所は中級。屋台が低級と思えばわかりやすい。味は高級だから

ウマイとかそういう事はなく、あくまで料理人の腕と自分の好みで選ぶ事になる。インド料理に精通すると、微妙な

マサラ加減とか香辛料の選択、質、などに拘るそうだが、まあ、カレーはカレーだ。殆どの日本人にとっては、ボン

カレーにするかククレカレーにするかといった程度の差だろう。インドのカレーは具材を一種類ないし二種類つかう。

ホウレンソウのカレーはホウレンソウだけ。ジャガイモのカレーはジャガイモだけ、というのが普通だ。具材によって

香辛料の配合を変える。ジャガイモにはジャガイモに適した配合があるのだ。つっても、どう合ってるのかわからんの

だが。カレー以外の料理でも、大抵香辛料で味付けして食べる。結局カレーなのだ。



インドで来る日も来る日も来る日もカレーを食ってると、カレー以外の物が食いたくてたまらなくなる日がやってくる。

インドでポピュラー な外国料理とういと、チベット料理と中華がある。といっても、チベット餃子のモモ、中華風ヤキソバ

のチョウメンくらいな物で、ちゃんとした中華がどこでも食べれるのはコルカタくらいなものだ。さすがの華僑もインド人

には勝てない。

インドには大抵の大都市にドイツパン屋がある。北インドではそれが目立つ。一般に北インドはパン食、南インドは

米食だ。だからパン食(小麦食)はインド人にとっては馴染みやすい。チャイとパンだけ噛っていればカレーの洗礼

から逃れられるが、漏れがインドで無性に食いたかったのは焼き魚やお茶漬け。それと日本のカレーだ。



高級レストランではインド人もスプーンやフォークを使う。習慣以前に、これはテーブルマナーになるらしい。同じ料理

でも、高級レストランでは上品に食べやすいように調理される。例えば普通、インドでチキンと頼めばトリ足の焼いた

のが一本出て、これにかぶりつくんだが、高級レストランでかぶりつくわけにはいかないのでカットされて出てくる。

一緒に高級レストランで食事したインド人によると、やはりスプーンなど使わずに手で混ぜてカレーを食いたいそうだ。

日本人がハシを使いたくなる衝動と似ているのだろう。


インドにも数は少ないが日本料理店はある。漏れが行ったのはチェンナイにある天竺牡丹(ダリヤ)。わかりにくい

所にあるが、何人かリキシャーを回れば知ってる運ちゃんが必ず見つかる有名な店だ。店に入る直前まではインド

なのだが、一歩中に入るとそこはまるで日本。TVではNHKニュースが流れ、日本の本や新聞雑誌がある。

何度かこの店に通ったが、客層は若くない日本人。中年予備軍以上が多い。そして意外なことに欧米人も多い。

欧米の日本食ファンは、チェンナイに着くと真っ直ぐここに来るという。店内にはテーブル席と掘り炬燵のような畳の

席があり、漏れがここに座って左手で茶碗を持ってご飯を食べていると、テーブル席の欧米人も真似して席を移る。

漏れがザルソバを音を立ててすすれば、欧米人の1人が「ワオ」とか言って驚くが、もう1人がすかさず「あれは伝統

的な食べ方で日本の習慣だから気にしないように」とワケ知り顔で説明している。そして同じように音を立ててザルソバ

をすすり始めるが、それはどこか遠慮がちだ。

天竺牡丹では刺身や寿司も食べれる。うどんやソバもおいしい。値段はインド物価としては高いが、日本で食べるより

多少安い。総じて料理はおいしい。



欧米食レストランも豊富だ。スパゲッティ・ピザ・ステーキ・魚のムニエルなどがポピュラーメニューだ。但しステーキ

は、チキン・ラムはうまい。ポークは店によってあったりなかったりだが、ビーフは肉が固い。水牛のスジ肉を出す店

もあって外れが多い。年代物の冷凍ヒレ肉を出す店もあった。インドではチキンが高級肉、ビーフは最低ランクの肉

だが、欧米食レストランではチキンと同じくらいの価格になっていたりしてインド人のチャッカリさがわかる。



大都市のショッピングコンプレックスには、ピザハットやマクドナルドがある。使っている肉はチキンとラムだ。この

ファーストフード店は、インドでは中級レストランにあたり、インド庶民が気軽に入れる店ではない。ワンセットでRs100

くらいだから日本円では250円だが、一食Rs20のターリー(カレー定食)でもやっとのインド人からすれば五倍の価格

だ。日本で750円の定食を食べている人が客単価4000円近いレストランに行くようなものと考えればわかりやすい

かも。しかもインドは階級社会なので、たまたま小金があっても庶民は入らない。マクドナルドにいる客は外国人か

小金持ちインド人だけだ。



屋台はどこの街角にもあって、とにかく安く早く食べられる。但し、衛生状態は良いとはいえない。使ってる油が古く、

食べると発疹がでることもままある。でもインド人は平気で食べているので、単に慣れの問題で深刻ではないとも

言える。タイでは平気で屋台メシを食べる漏れも、インドでは慎重になる。目の前で調理するところをしっかり確認し、

新品の油缶から油を汲んでいるのをチェックする。前に使った油を漉している場合でも、缶の錆を見れば酸化して

いるかどうか確認できる。インドで買い食いするのはインドで最も面白いことの一つなので、これを諦めると非常に

つまらない旅になる。しかし衛生には気を使いたい。



最後に、インドのレストランや食堂のキャッシャーを担当しているのは、ターバンを巻いたスィク教徒が多い。とある

レストランのオーナーにその理由を聞いたところ、まずオーナーがスィク教徒の事が多いという点、またスィク教徒は

生真面目なので金をごまかさない点、細かい金にうるさい点を挙げていた。









つづく