いつかは世界一周クルーズに行ってパナマ運河を通ってみたい、
そう思われる方もいらっしゃると思います。
ところが東京にもパナマ運河と同じくに閘門で水位を上げ下げする場所がありました。
それがこの亀戸からお台場まで走る江東水上バスです。
東京にはたくさんの水上バスがありますが、これはあまり知られていないのでは、と思います。
2002年4月13日初めて乗ってみて大満足しましたのでご報告いたします。
▼航路▲(私は「亀戸」から「お台場」まで、朝一番の便に乗りました)
「亀戸」から出て横十間川(江戸時代に掘られた人工の川です)を下り、「スポーツ会館前」の
小名木川との交差点を右に曲がります。川の十字路なんて珍しいですよね。曲がり角には船用のカーブミラーも
ついていました。
その先の乗り場「深川高橋」に行く途中に、ミニパナマ運河の"扇橋閘門"があります。
小名木川(東側)とその先の隅田川(西側)では、小名木川の方が水位が低いため、この閘門内に船がはいって
水位を調整するのです。船が入ったあと後ろの扉がしまり、じわじわと水位が上がってきます。水位差は日によって
異なりますが、大きいとき(大潮を狙いましょう)は2mになるとか。私が行ったときは1m60cmくらいでした。
水位が隅田川と同じになったところで前の扉が開いて船が前進します。閘門に入ってから出るまでの時間は7分程です。
| 〜扇閘門に入ってから通過するまで〜 | |
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・前方、橋の向こうに赤い扉が二つ見えてきます。 ・そのまま船は進み、奥の扉の前で停止しました。この後、後ろの扉が閉まります。 船は水路の真ん中に停まったまま、水の流れで少し揺れます。 |
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[後扉が閉まる] 船の後ろ側の扉が下におりて閉まっていきます。 |
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[水位上昇] 後扉が閉まると閘門内に水が入ってきます。 写真は水位が上昇する前と後。 扉の格子を見ると、水が上がったことがわかります。 |
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[前扉が開く] 水位がこの先の水路と同じになると前扉が上がり始めます。十分にあがったところで、「停止線」の左の信号が赤から青に変わります。 この後、船は前扉の下をくぐって前進します。 |
「深川高橋」の船着場では時間調整のため数分停泊します。乗客は桟橋に出て外の空気を吸うのもOK。このあたりは
両岸に桜の並木があるので、お花見の季節はすばらしい景色が楽しめるとか。有名な隅田川に比べると桜の数は少ないのですが、
隅田川のように岸が離れていないので間近に桜を楽しむことができます。お花見の穴場かもしれません。
隅田川に出たあとはスピードを増して下ります。ライン川のケルンの吊橋をモデルにしたという清洲橋、日本初の鋼製橋梁である永代橋
をくぐり、水路が分かれるところで左の晴海運河へと入っていきます。
4月13日は南極観測船しらせが南極から帰ってくる日であり、ちょうどタグボートがしらせを晴海の岸壁に押しているところを見ることができました。また船客ターミナル前にはアイルランドの軍艦も来ていて、一般公開をしていました。
そんな賑やかな晴海埠頭を眺めながらレインボーブリッジをくぐって「お台場」へ。
到着後10分ほどすると、同じ航路を戻る便になりますので、もう一度運河を今度は水位が下がる体験をしてみてもいいかもしれません。
▼運航日とダイヤ▲
運航日:毎週土曜日のみ。土曜日が祝日の場合は運休だそうです。
運航期間:3月〜11月
亀戸 => スポーツ会館前 => 深川高橋 => お台場 9:10 9:20 9:50 10:25 12:10 12:20 12:50 13:25 お台場 => 深川高橋 => スポーツ会館前 => 亀戸 10:35 11:10 11:40 11:50 13:35 14:10 14:40 14:50 乗船料(子供は半額): 亀戸〜お台場 1,200円 深川高橋〜お台場 750円 亀戸〜深川高橋、スポーツ会館前〜深川高橋 500円
★乗船券は船内で販売しています。
★亀戸の水上バス乗り場への道:JR錦糸町駅で下り、駅近くにある「錦糸公園」の前を通過して
「横十間川」にかかる橋を渡ってすぐ右側。歩いて10分ほどです。亀戸からも歩いて10分ほどだと
思います。
水上バス乗り場には建物はなく船着場だけがあります。
出発の1時間ほど前になると、船がやってきます。
▼船の設備とサービス▲
船「こうとうりば〜」は70人乗りの平べったい形で、真ん中の通路を挟んで両側に前向きのシートがあります。
一番後ろにトイレもありますので船着場にトイレがなくても大丈夫。
一番前の運転席にはドアがないので、後ろから覗き込むこともできます。
乗組員は、船長さんと車掌さん(?)の2名。出発してしばらくすると車掌さんが切符を売りに来ます。
すばらしいのが船長さん。船を操縦しながら、川や見える景色や歴史の話など、休む間なく説明を
してくれるのです。聞き流すだけでは勿体ないくらい豊富な情報です。
また、窓ガラス越しに写真をとっていたらその気配を察したのか、「後ろから外に出て写真を撮って
いいですよ」と言ってくれました。後ろ、すなわち、乗下船口は運航中もドアが開いています。
その階段に立つと、手をのばせば濡れるくらいのところに水面があり、ちょっと船が揺れると
勢いで外に投げ出されそうな気がするのですが、そこに出ていいというのです。
これには大喜びで、水門を通る間や面白いものが見える時は、ずっとこの乗下船口で風に吹かれて
おりました。2箇所しかないので人が沢山いたら交代しないとならないと思いますが、私が乗った
ときは我々のグループ4人のほかに2人しかお客さんがいませんでしたので、ほぼ独占状態でした。
船長さんはとても気さくないい方で、船を下りる前にブリッジの写真を撮らせてくれたり、
お喋りをしたりしてくれました。こんなにサービスがよくて1,200円は安すぎます。
そしてこんなに乗客が少ないのでは勿体ないので、是非多くの人にミニパナマ運河と
気持ちのいい船旅を楽しんで欲しいと思いました。
人気のある隅田川クルーズにくらべて落ち着いた船旅が楽しめますのでお勧めです。
▼日本のパナマ運河▲
東京の中央区、江東区にはたくさんの川や水路があり、水門も何箇所かにありますが、
水位を調整して船舶を通すために使っているのは、ここ扇閘門くらいだそうです。
他の水門は、台風が来たときに水位が上昇するのを防ぐために閉じるという使い方を
しているそうです。
時代も場所も違いますが、埼玉県さいたま市の東には「見沼通船堀(みぬまつうせんぼり)」
という水路があります。
ここは「芝川」と、それをはさんで流れる「見沼代用水」を結ぶ場所で、それぞれの川の水位差は
3mあります。その水位を関の中で調整して船を通すという仕組みはパナマ運河と同じものであり、
パナマ運河ができる2世紀前の1731年にできあがりました。
江戸時代から昭和の始めまで江戸との物資輸送に盛んに使われたそうで、今は史跡となっています。
このように日本にも古くからパナマ運河と同じものがあったということを誇りに思います。
以上、余談でした。
▼連絡先▲
海洋商船株式会社 江東水上バス予約センター:048−258−7070
★予約がなくても乗れると思います。
