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犯罪FILE No. 04 復讐の銃弾
ゴルゴの食生活について
この数日で、ゴルゴの食生活について気がついたことがあった。
好き嫌いが激しく、それもその好き嫌いの対象が容易に判別できず、異様なことだった。もちろんシゲゾーにも好き嫌いはある。シゲゾーの嫌いなものは魚介類だ。しかしこれはわかりやすい。シーフードを避ければいいだけのことだ。しかしゴルゴの嫌いなものの謎はおいそれとはわからなかった。そこでシゲゾーは尋ねた。
「どんなものが嫌いなんですか?」
「柔らかいものなんです、えぇ」
はぁ? 柔らかいもの? 別になぞなぞや連想ゲームをしようというわけではない。まあ、食感に歯ごたえのないものが嫌いだと言っているのだろう。しかしこれは問題だ。どんな食材を使おうとも、料理の仕方によっては柔らかくなりうる。そのため、「何が」嫌いなのかは具体的に指摘できないのだ。
この問題は深刻である。ゴルゴはレストランに入るのを極度に嫌う。なぜ? それは、文字で書かれただけのメニューでは、どのように調理されているかわからないからだそうだ。外国でのレストラン嫌いの話を聞いたとき、メニューが読めなくて嫌がっているのかと思ったが、そうではなかった。もっと深いレベルで彼は悩んでいたのである。
そこで、彼との食事はファーストフードが多くなる。これならたいていのものがどういうものかわかっているし、知らないものでも、大きく写真付きで店頭に飾られている。要は、写真で見るまで食べるものが決められないらしい。
しかしこういう食生活で、平気で外国旅行に出かけるのだからたいしたものだ。ゴルゴに食の欲望がないことがわかった。どこそこで何々が食べたいということが全くない、という。食事のためにわざわざ出かけようとはしない。
店の人に聞けばいいではないか、という意見もあるかと思うが、実は彼はそれほど英語に堪能なわけではない。特に発音に致命的な部分がある。日本語化され、カタカナで表記されているものは著しく日本語に引っ張られてしまう。食べ物の名前には往々にしてそういうものがある。
ゴルゴの英語
ゴルゴはレモネードがお気に入りだ。スーパーで買って以来、彼はそのペットボトル入りのレモネードを愛飲していた。
アンカレッジの街を歩いているとき、突然ゴルゴは
「レモネードが飲みたいんですが、あの店に売ってませんかねぇ、えぇ、えぇ」
と言って、一軒の店に入った。店内は軽食屋になっており、出入り口付近ではソフトドリンクの販売もしているようだった。
一通りソフトドリンクの棚を眺めたが、見つからなかった。
「訊いてみましょう、はぃ」
とゴルゴは言うなり、カウンターの女の子に、
「イズ・ゼア・レモネード?」
と尋ねた。
「?」ヽ(。_゜)ノヘッ?
女の子には通じなかったようである。
「レモネード?」
「?」ヽ(。_゜)ノヘッ?
彼女は助けを求めるようにシゲゾーの方を見る。仕方なくシゲゾーが助け船を向けた。
「ヒィ・セッド・ラモネード」
「オゥ・ラモネード! ヒァ・イリィーズ」
こうしてゴルゴは缶入りのレモネードを手に入れた。しかし彼が望んでいたのはペットボトルのヤツだったので、道中、愚痴を言っていた。
「ペットボトルでないとですねぇ、途中で飲むのをやめてバッグの中に入れておけないんですよ、えぇ、えぇ」
「レモネードは、どちらかというと日本語のラムネに近い発音ですよ」
シゲゾーの助け船とアドバイスがゴルゴのプライドを傷つけてしまったようだった。それからはことあるごとにゴルゴはベレッタM950を抜く。
ショッピングモールでは、「バニラアイスクリームを頼んでみてください、えぇ、えぇ」と言われた。どうやらカナダに行ったとき、通じなかったもののひとつらしい。シゲゾーは注文するとき、反射的にうっかり指をさしてしまった。「指をさしては、ずるいです、はぃ」となじられた。また、別の時、グレープフルーツジュースを注文するように指示された。別に2人とも飲みたいわけでもないのに、である。これもまた以前通じなかったものなのだろう。これは「ない」と謝られた。しかし通じてしまったのでゴルゴは面白くなさそうであった。
| 使用された武器 |
被害者 |
被害状況 |
| ベレッタM950 |
シゲゾー |
小
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ゴルゴはおもちゃ好き?
二人はミッドタウンにあるBosco's Comicsというオタク系漫画ショップに寄った。シゲゾーはお土産にアメリカならではのマイナーなコンピューターゲームでも買って帰ろうと思ったのだが、店の女の子に尋ねると、コンピューターゲームは扱っていない、とのこと。親切にも、ダウンタウンで売っていそうな店を紹介してくれた。
そんなときである。ゴルゴが、「これ、マトリックスに出ていたヤツですよ、えぇ、えぇ」と目を輝かせていた。それはセンチネルのフィギュアーだった。「そんなの日本のオモチャ屋でも手に入るよ」と思ったが、「いやぁ、いいですねぇ、ぜひ買うべきですよ」とシゲゾーは奨めた。

センチネル(マトリックスより)
日本でも手に入り、アラスカとは全く関係ないこんなオモチャを買って、ゴルゴはいったいどうするのだろう? しかも箱に入っているとかなりの大きさだ。まあ、シゲゾーは人ごとのように思っていたが、後で「シゲゾーが奨めたせいですよ」となじられることに……。
ゴルゴははっきり言ってグズ?
アラスカを発つ前の日の晩のことである。
「寝る前に荷物をパッキングしたいのですがいいですか? えぇ」
と尋ねてきた。いや、寝る前と言ってもまだまだ時間があった。なぜそんなことを寝る前にしなくてはいけないのか? そこでシゲゾーは
「いいえ、だめです。わたしがお風呂に入っている間にやってください」
ときっぱりと拒否した。
シゲゾーの荷物はショルダーバッグひとつだった。いつでも帰る準備が整っていた。一方、ゴルゴは大きなスーツケースを持ってきていて、その中には結露防止用のエアパッキングとか、スリッパとか、カップラーメンとか、くだらないものがいっぱい入っていた。で、土産物なんかを入れようとすると、どうしても入らなくなる。
なんとかすべてを入れるために荷物の整理をするのはかまわない。しかしなぜ、思い立った今やらないで、まだまだ先の寝る前にやろうとするのか、理解できなかった。
シゲゾーが風呂から帰ってくると、ゴルゴはまだごそごそと荷物の整理をしていた。どうしても、買ってきたセンチネルが入らないらしい。「しかたありませんね、えぇ、えぇ」とセンチネルを箱から取り出し、箱を捨てることにしたようだ。しかしこういうオモチャって、子供が遊ぶのならいざ知らず、ケースを捨ててしまっては価値がなくなるんですが……。それにしてもスーツケースの中にムキダシのセンチネルが入っているのも、もしも検査で開けられたら面白いかも……。
シゲゾーについて
これまでゴルゴのことを一方的に報告していた(そう言う主旨のHPだから仕方ない?)が、バランスをとるためにシゲゾー本人の出来事や失敗も少々書いておく。
- オモチャ
シゲゾーもオモチャを買った。アンカレッジにあったハーレーショップに行って、自分が乗っているのと同じ型の模型を買った。
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| アラスカのハーレーショップ |
左上のは日本で買った模型。右下のがアラスカで買ったヤツ。 |
日本では売っていない大きなサイズのやつなのでシゲゾーは満足。
ちなみに、帰りのトランスファーのシアトル空港荷物検査(シゲゾーたちはシアトル空港でたばこを吸うためにわざわざ外へ出て、セキュリティーチェックの出入りをしていたのだ!)で、X線検査装置から出てくる荷物を待っていると、黒人の女性係員が、
"Motorcycle?" (◎-◎;)
とびっくりして尋ねてきたので、 "Yep, but, just not a motorcycle. It's a Harley-Davidson!. I'll ride it to go home."
と答えたら大受けしていた。
- 荷物について
シゲゾーはあまり荷物を持たない。だから機内預け入れの荷物などほとんど経験がない。しかし今回土産に買ったウルナイフが帰りの空港で止められてしまった。このときばかりは、ゴルゴのスーツケースに一緒に入れてもらっておけばよかったと思う。ゴルゴ最高!
ちなみに、このナイフはAIEの中川さんが後で送ってくれることになり、日本のアクセル経由で送られてきました。ありがとう、旅行社のみなさん。ご迷惑をおかけしました。m(__)m
- 携帯灰皿
アメリカは喫煙者であるシゲゾーには住みづらい国である。徹底的にタバコを吸えないような状況になっている。泊まっていたBB(Bed & Breakfast)でも、室内禁煙である。外に出て吸わなければならない。そして外に出たところで、灰皿があるわけではない。日本から持っていった携帯灰皿がこんなに役に立つとは思わなかった。しかしである。最終日にこれをどこかで落としてしまったらしい。どこかで買わなくては。シゲゾーは碁盤の目のように配置されたアンカレッジのダウンタウンをローラー作戦で2時間かけてすべての土産物屋をまわった。驚いたことに、携帯灰皿を置いていた店は一軒もなかった。
ちなみに、携帯灰皿は"a portable ashtray"であることを知った。最初の店で、言葉を知らないので、"I'm looking for an ashtray for carrying"と言ったら、"a portable ashtray?"と聞き返されたので、そうだと知った。そのままじゃん。

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