犯罪FILE No. 05 地雷を踏んだゴルゴ

6月29日(金)
いよいよ最終日。楽しかった日々ともさようなら。

早朝の便で発つわれわれを空港まで運んでくれてたAIE中川さんのバンの中から見た風景。雲を突き抜けて頭を出している山々。とても幻想的な景色だ。

飛行機は相変わらず退屈だった。映画も2本しかやってくれない。シゲゾーはその2本を食い入るように観ていたためにゴルゴの犯罪を見逃してしまった! 最後になって気がゆるんでしまったのか、最大の失敗である。
シゲゾーの左隣にゴルゴが座り、その左隣にカナダに留学している女子学生が座ったのである! ゴルゴが彼女へなんと言って話しかけたのかわからない。延々4時間ぐらい話していたようである。
仕方なく、シゲゾーは後でゴルゴに直接尋ねた。
「隣の女の子と長いこと話していましたね」
「えぇ、えぇ、彼女はカナダに一年間留学していて、一時帰国するのだそうです、はぃ」
「で、何を話していたんですか?」
「ダニです、はぃ」
「ダニ?」(O_O)
「えぇ、えぇ、彼女は一年間もカナダにいて、公園の芝生にはダニがいることも知らないんですよ、はぃ」
「は、はぁ……」
「それでわたしがバッチリと教えておいてあげました、はぃ」
「ダニは"tick"と言うんですよ、えぇ、えぇ。知っていますか?」
「え? いいえ」
「シゲゾーはいろんなことを知っているようで、実はあまり知らないんですねぇ、えぇ、えぇ」
「は、はぁ……」
ゴルゴは満面の笑みを浮かべ、満足そうに一人うなずいていた。
いや、確かにダニのことは知らなかったが、それがどうしたというのだろう? まさか4時間もダニの話をしていたわけではあるまい。しかし彼から聞き出せたのはこれだけだった。おそるべきゴルゴ! 口が堅いのか、要約がうますぎるのか、話す内容が貧困を極めているのか、4時間も話した内容がこれだけだとは!!!
「一年間もカナダにいてダニを知らない」この得意そうな物言いはどういうことなのだろう? まさか女子学生にも得意になって話していたのであろうか? シゲゾーが『グリーンデスティニー』を観て、ミシェル・ヨーかっこいいー、なんてうっとりしている間に、恐るべき犯罪が進行していたのだった。

使用された武器 被害者 被害状況
ワルサーPPK/S 女子学生 大(予想)

成田空港にて
そしてわれわれは日本に帰ってきたのだった。
成田空港に着いても、ゴルゴは荷物を待たねばならない。シゲゾーはたばこが吸いたかったので、先に外に出て待つことにした。
しかしゴルゴはなかなか出てこなかった。仕方なく、入国者を待つ旅行会社の人に交じってロビーで首を長くしていると、やっとゴルゴが出てきた。手提げ鞄だけを持って……。ん?
「荷物がなくなってしまいまた、えぇ、えぇ」
なんと、あの大きなスーツケースがそっくりなくなってしまったのだそうだ。それで何やら手続きをしていて遅くなったらしい。あのお土産のいっぱい入ったスーツケースはどこに? あのムキダシのセンチネルが入ったスーツケースは?
最後の最後まで身体を張って笑いをとるゴルゴをシゲゾーはまぶしげに見つめた。ああ、ゴルゴよ、永遠に……(完)

うへっ、28度以上もあるよ……。
落ち込むゴルゴ

使用された武器 被害者 被害状況
地雷 ゴルゴ

※翌日ゴルゴから電話があった。
「荷物が見つかりました。それで届いたんです。どうもシアトルで間違って一本遅いユナイテッド航空にのせられてしまったようです。まったくアメリカっていい加減な国ですねぇ、えぇ、えぇ」
チッ……(シゲゾー)