出典: NHK教育セミナー 歴史でみる世界 2001年度
放送の日程と内容
『アーナンダの生涯 〜 18世紀の南アジア 〜』
NHK 教育テレビ 2001年10月22日(月)23:30-24:00 (再)10月23日(火)2:30-3:00
ね ら い
南アジアの18世紀は、ムガル期とイギリス植民地支配期のはざまにあり、ムガル支配に対抗する各地の地方勢力の動きと英仏両勢力の動きが重なり合う激動の時代であった。ここでは、商人であり、総督デュプレクスの顧問でもあったアーナンダ(1709〜1761年)というインド人の生涯に焦点をあてながら、この時代の南アジア社会の実態と変動の過程を探る。
内 容
- ムガル帝国の衰退
18世紀のインド世界は、激動の時代であった。200年の英華を誇ったムガル支配は、皇帝アウラングゼブの末期に音を立てて崩れはじめ、マラーターやシク、ニザームなどの強力な地方勢力が各地に台頭した。
- ヨーロッパ諸国の進出
18世紀はまた、インドの外部世界からの侵入者が、インドの運命を左右することになった世紀であった。15世紀末のポルトガルの進出以来、ヨーロッパ商業勢力はインドが誇る世界商品である綿布を中心に、インドの特産品の獲得をめざしてインド洋沿岸の各地に商館を築き、活発な商業活動を展開していた。とりわけ17世紀後半から18世紀にかけて、インド製綿布取り引きが急速に膨張し、その対価として大量の金銀地金が持ち込まれることになった。こうした貿易活動の展開は、単にインド社会に経済的な変化をもたらしただけでなく、政治面でも最終的には植民地化に至る変化をもたらすことになる。
ヨーロッパ諸勢力間の競争に勝ち抜いた英仏両勢力は、18世紀に入ると、インド内部の政治混乱に否応なく巻き込まれるようになり、生き残りをかけて諸勢力と深い関係を結ぶに至った。そしてその過程で、商業勢力から、政治局面を左右する有力な政治勢力へと変身した。
- イギリスのインド支配
イギリスがインドの政治的征服を完成する道のりの中で、フランスとの抗争に勝利し、唯一のヨーロッパ勢力としての位置を決定的にしたのは、カーナティック戦争に勝利したことによってである。
- アーナンダの生涯
アーナンダという人物は、このポンディチェりの町で、フランス東インド会社のポンディチェり総督デュプレクスの顧問を務めたインド人商人である。18世紀半ばの25年間にわたり日々の出来事を日記に綴ったアーナンダは、町に暮らすインド人住民の有力な指導者であるかたわら、インド社会とインド社会でその存在をいや増すヨーロッパ勢力とのはざまにたって、人生の絶頂と絶望を味わった人物であった。
この激動の18世紀に生きたアーナンダの生涯に焦点をあてながら、植民地化に至るインド社会の変動の要因を考える。
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