日本古典文学へのアプローチ〜古文の読み方〜

古文を読むときに大事なのは、@文法 A単語 B敬語 の三つです。もちろん「やる気」とか、「学習の動機」とかも必要でしょうが、それは置いとくとして。
文法は、一度分かってしまうとこんなに便利なものはありません。
そこで、ちょっとレクチャーしましょう。

1 古文では主語が省かれる
ので、主語を補うこと意識して読まなければ駄目です。主語は、「人物、」の形に注目します。また接続助詞の「て」が出てきたら、その前後の主語は同一人物です。「日曜日、私は朝御飯を食べて、映画を見に行きました。」という文では、朝御飯食べたのも映画見たのも「私」ですね。

2 係り結びの法則
は知ってますか?係助詞の「ぞ・なむ・や・か・こそ」が文中に含まれる時、文末が終止形で終らない、というもの。「ぞ・なむ・や・か」は連体形に、「こそ」は已然形になる。
覚えるべきなのはそれだけじゃない。「や・か」は疑問・反語を表すので、訳すときに注意が必要です。疑問か反語かは文脈判断です。
また、変な係り結びがあります。上に「も」がついた形(「もこそ」「もぞ」)は「〜すると大変だ」と訳します。
「雨もぞ降る」は
「雨が降ったら大変だ」という意味になるのです。
3 助動詞をマスターする
最初に「接続」を暗記。九九を覚えるみたいなものです。
「接続」というのは、助動詞によって、上の動詞の活用形が決まっているという法則のこと。
「書く」の後ろに、打消しの「ず」がつく場合、
「書くず」とは言わない。「書かず」が正解。
「書か」は未然形です。よって「ず」は「未然形接続の助動詞」と言う。

未然形接続・・・る、らる、す、さす、しむ、む、むず、ず、まし、まほし、じ
連用形接続・・・つ、ぬ、たり、き、けり、けむ、たし
終止形接続・・・覚えなくてよい
連体形接続・・・なり、たり、ごとし
已然形接続・・・り(四段+已然 サ変+未然)

覚えましたか?
「る、らる、す、さす、しむ・・・」と口ずさめるように努力しましょう。
なんだったら、書き出してみるといいです。つまずいたところが、ウィークポイント、反復練習あるのみです。

4 助動詞は推量系をまとめて覚える。
推量とは「〜だろう」という意味のこと。「明日は雨が降るだろう。」とかね。これを古文では「雨降らむ」とか「雨降るべし」と表現するのです。
「む」=「べし」です。
「べし」には六つの意味があります。
@推量 A意思 B可能 C当然 D命令 E適当
「スイカトメテ」と覚えます。
一方「む」も同じ意味を持っていますが、「推量・意思」がほとんど。そして「べし」にはない「仮定婉曲」の用法があります。

推量には過去推量「けむ」と現在推量「らむ」がありますが、セットで覚えてしまうこと。活用は「む」とそっくりです。
「む」=「○・○・む・む・め・○」
「けむ」=「○・○・けむ・けむ・けめ・○」
「らむ」=「○・○・らむ・らむ・らめ・○」

ついでに「打消し推量」も覚えましょう。「明日は雨が降らないだろう」ってやつですね。これを古文では「雨降らじ」「雨降るまじ」と表現します。
ただ「じ」=「まじ」とは言えません。
「じ」には「打消し推量」の他に「打消し意思」があります。
一方「まじ」には「打消し推量、打消し意思、不可能、打消し当然、禁止、打消し適当」とたくさんあります。「じ」<「まじ」なのです。

それと、「む」⇔「じ」、「べし」⇔「まじ」という対応関係にも注目です。
「まじ」は「べし」の六つの意味を打消します。「打消し可能」は「不可能」ということだし、「打消し命令」は「禁止」です。
5 動詞、形容詞、形容動詞の活用を覚える。
 高校一年レベルですが、侮れません。これはどんな参考書にも書いてある必須事項です。覚え方にコツがあります。変格活用を先に覚えるのです。「活用」と聞いて「???」な人は、ここから勉強しなければなりません。
6 敬語
いよいよ敬語ですが、尊敬語と謙譲語の違いって分かりますか?
尊敬語は主体がエライ人、謙譲語は客体がエライ人です。
○校長先生が生徒に おっしゃる。
○生徒が校長先生に 申し上げる。
同じ「言う」でも、動作主がエライ人なら「おっしゃる」と尊敬語になり、客体(動作の及ぶ相手)の方がエライ人なら「申し上げる」と謙譲語になるわけ。
古文では主語が省略されることが多いのですが、敬語があると、主語と客体を知る手がかりになるのです。
ここまでマスターすると、高三一学期修了のレベルです。

これから、様々な文章を取り上げていく予定です。(つづく)