El Camino de  Santiago〜スペイン北部の巡礼のたび〜

★『むうこ』こと私が、スペイン留学中に体験した自転車での巡礼旅行記です★

巡礼路沿いの風景〜フロミスタ近郊〜

Dia 1 その日は3月の10日頃だった。場所はグラナダというスペイン南部の町。ちょっと前に自転車旅行を思いついたむうこは短い期間で安い自転車を買い、車に轢かれないようにと蛍光黄色のジャンパーを買った。学校の先生たちは始め、「本当に行くのか?」と言っていたけど、そのうち「ぜったいできるぞ」「がんばれ」「むこうで同じ巡礼者を見つけて一緒に走らせてもらえばいいよ。」と言って応援してくれるようになった。

唐突な思い付きだったから、準備がわたわたとしてしまい、学校の先生や周りの友達にはとっても迷惑をかけてしまった。 自分でも「本当に行くんだ〜、私。」などとまるで他人事のように思いつつ夜行バスのマドリッド行きに自転車ごと乗りこむ(といっても自転車は下の荷物を置く所に収納)。バスは夜中の一時半に出るので、それまでバスターミナルで一人時間をつぶす。が、ちょうどそこに日本人の女の子2人組がいて、お話をしていた。また、一人で旅をしている日本人の男の子とも出会い、彼は「すごいですね〜。」と私のチャリを見て、ちょっとひいたように言った。

さて、バスはマドリッドまで約5時間半。着いたのは朝の7時。バスでちょっと寝てきたので結構元気。自転車と共に、今度はまたパンプローナという北部の町行きのバスに乗り換え。そのバスで死んだように眠りつつ、約5時間でパンプローナに到着。この町は「サン・フェルミン」という牛追い祭りで有名な町だ。町はアンダルシアとはかなり違った雰囲気。なんだかフランスっぽい。それもそのはず、パンプローナはフランスに近い。なんだか洗練された感じ。ちょい居心地悪い。さっそく予約していた「自転車持ちこみOK」の宿に行き、チェックイン。でも、自転車を二階まで運ばねばならず、ちょい大変。宿のおっさんにどこで巡礼者の証明書がもらえるのか聞いて、さっそくそこに行ってみる。

そう、申し遅れたが、この巡礼の旅というのは、ヨ−ロッパではすごく有名なもの。毎年多くのカトリック信者、あるいはそうでない人も、ゴールのサンチアゴ・デ・コンポステーラという町を目指して徒歩でなり、自転車でなり、馬でなり巡礼のたびをする。車や公共の交通期間で巡礼ル-トに沿って旅する人もいるようだけど、車だと巡礼をしたことにはならないらしい。車で行くのは自由だけど、巡礼者用の宿には泊まれないし、ゴールした後の「巡礼をしましたという証明書」はもらえないらしい。ほとんどの人は徒歩。スタートは自由で本当はパリかららしいけど、それはすごく大変だから、パンプローナから、あるいはもっと楽ちんにゴールの手前からスタートする人もたくさんいる。「巡礼の証明書」というのをスタートする町でもらわなければならない。これがあると、巡礼路沿いの村村あるいは町にある巡礼者用の宿に基本的に無料(普通はすきなだけ寄付する)で泊まれる。

パンプローナの教会に行き、そこの修道女さんに証明書を発行してもらう。その人はすごく良い人。私の名前を見て、「すごく素敵な名前ね。」と言ってくれた。「あの、女一人で危険じゃないでしょうか?」今さらながら聞いてみる。「大丈夫。安全よ。女の子一人の子もいるわよ。でも、アジア人の女の子は珍しいわ〜」。 オバちゃんに勇気をもらって「ようし!」という気になれた。その日はちょっとパンプローナを見て、宿で早めに寝る。次の日、朝9時ごろ出発!町中でいきなり迷いつつ、なんとか町を脱出。いきなり坂ばかりの地形でまいった。「つかれた〜」「つかれた〜」とむなしく独り言を言いつつ、自転車をこぐ。景色はキレイ! でもそれを堪能する余裕はなし。とにかくこぐ。たまに休んだとき、「うわ!きれ〜い!」と感嘆。 その日は初日ということでたった45キロぐらい走ってエステージャという小さな町に泊まる。ここは今は小さいけど、中世は巡礼者で栄えた大きな町だったらしい。歴史的な建物が多くて、散歩してるとたくさん古い教会などがある。宿のおじさんも親切。宿には他にスイス人2人とスペイン人一人。シーズンではないので、すごく少ない。80人くらい収容できる部屋にたった4人。・・淋しい。が、これはましな方だった・・この後、さらに淋しい孤独なたびが待っていた・・(つづく)。 〈写真:巡礼路沿いの風景)