90年8月 初めての中国 

    --上海、北京、大同、内モンゴル、杭州 --
○ 鑑真号で上海へ ○

初めての中国は往復とも船でした。当時横浜-上海に就航していた鑑真号です。私は中国語学科のクラスメートと2人で出発したのですが、同じ船にクラスメートがさらに4人(2人、1人、1人の旅)乗っていて気分は修学旅行でした。船はそれほど揺れることも無く、仲間もたくさんいたので退屈することもなく、3泊の旅は順調に過ぎていきました。大洋に浮かんだ船の上では、普段とは違うゆったりとした時間が流れていました。夜、デッキの端から真っ暗な海を眺めていると、距離の感覚も全くわからなくなります。フッと気づくと自分の体が海に吸い込まれるように前のめりになっているのです。あの時の時間や距離の不思議な感覚は今でも印象に残っています。
○ 内モンゴルの大草原 ○

  内蒙古自治区のフフホトから草原ツアーに参加しました。 ツアーはバスで数時間の草原へ行き、馬やラクダに乗ったり、モンゴル民族のお家を訪問したりしてのんびり過ごします。夕食は民族衣裳のモンゴル族と一緒に宴会となり、それからキャンプファイアーもあって、パオに泊まるという具合でした。
  私はこの草原ライフがすっかり気に入ってしまいました。草原にいるだけで、馬に乗っているだけで、とても気分がいいのです。 夜は空を見上げると天の川がはっきりと浮かび上がって見えました。その上運良くこの日は流れ星が多い特別な夜で(後で知ったのですが)、あちこちで星が流れ落ちるのを見ることができました。
  今回の旅でここが一番気に入ったのは言うまでもありません。馬に乗って大草原を駆け回りたい、という思いはその後も忘れられず、日本で乗馬スクールに通い、留学中の95年に再び内モンゴルの草原を訪れたほどです。その時は駆け回るまではいかず、小走りくらいでしたが、かなり満足しました。私にとって何度でも行きたい場所の一つです。
○ 上海上陸 ○

  今では目覚しい発展を遂げた上海。 私の頭の中にある90年夏の上海は"今は昔"となってしまったようです。
  ホテルではロビーを自転車が突っ切って行ったり、スカートの若い女性が大股開いて座っていたり、とにかく外国に来たのだということを実感させられました。上海が夏蒸し暑いのは変わりませんが、エアコンはもちろん冷たい飲み物にもありつけずにぐったり。 飲み水もクセがあって何を飲んでもまずい。浦江は異臭を放ち、南京路を歩けばダフ屋に囲まれる。バスは超満員で慣れない旅行者はいつまでたっても乗り込めないのでした。「快適」からは程遠く、いるだけで心身ともに消耗されていくようなところでした。
  同行した友人はかなり懲りたようですが、私はそれでも、こういう日本と違うところを見るのが楽しくて、大変だったけど面白いと感じていました。また、上海博物館は日本とは比較にならない歴史の長さ、スケールの大きさに圧倒され、中国はやっぱりすごいと思ったものでした。
○ 人とのふれあい ○

 この旅では、観光客ずれしていない現地の人とのちょっとした交流が何度かあり、いい印象として残っています。上海でただ案内を買って出てくれた若者、北京のホテルでお話がしたいと言って遊びにきた(いきさつは忘れました)看護婦をしている女の子、それに杭州でも何人かの女性が案内してくれました。 自分の語学の練習のためとかでもなく、みな純粋に親切心から世話を焼いてくれたようです。 上海にいたダフ屋達は最初からダフ屋だし、親切を装って自分の利益を図ろうとする人には出会いませんでした。 今はどうなっているのでしょうか…。あれだけ変化の早い国ですから、人々も変わっていくのでしょうね・・・。