メヘンディ(ヘナ
 インドでは古来、ミソハギ科植物ヘナの葉を髪の毛を染めたり、肌に模様を描いたりすることに利用してきた。単に外見が美しい、という理由だけでなく、ヘナを付けるとパワーが湧くと信じられてる。特に女性にシャクティを与える物として、祭りや結婚式には欠かせない。インド月の5月(シヴァ神の月)には、敬虔な女性たちはこぞってメヘンディを描く。この月、メヘンディを描くと、夫が健康で長生きするのだという。
 メヘンディの模様は、ただ手のひらに大きな円を描く物から、細かいクジャクやマンゴーなどのモチーフを肘の近くまでレースの手袋の様に描く芸術的なものまでさまざま。
 大きなバザールならたいていメヘンディ屋が店を出している。デリーで描いてもらうならCP近くのハヌマーンマンディル前が有名。みごとな職人技にため息が出る。(両手に描いてもらうときは、バッグなどに注意。1時間は手が使えないので、誰かに同行してもらうこと。)
 料金は片方の手のひらだけで25ルピーほど。一度描けば2週間は落ちない。
 
ニーム
 確か、「ニームの種を植えておいて、マンゴーが実らないと嘆いてはいけない」という説法があったと思う。マンゴーは良いもの・甘い物の例えで、ニームは苦い物の例え。しかし、ニームは悪い物ではなく、インド人の生活には欠かせないものだ。
 田舎のバザールに行くと、長さ20p程に切りそろえられたニームの小枝が売られている光景を見かける。小枝の端を噛んでブラシ状にし、それで歯を磨くという、インド伝統の歯ブラシだ。インドに出かけたら是非、人々の歯を観察して欲しい。その白さにしばしば驚かされる。(現代風に『ニーム成分入り歯磨きペースト』なるものも登場している。)
 ニームは歯を磨くだけでなく、その成分は血液をキレイにすると言われている。有名なのが、『SAFI』という商品名のアーユルベーダ薬で、アーユルベーダ専門薬店などで購入できる。肌のトラブルを解決すると友人に勧められてある時期飲んでいたが、甘苦くて美味しいものではない。レモンジュースなどで割ると比較的飲みやすい。
 
ラッドゥ
 インド人は大人も子どもも甘〜いお菓子が大好き。中でもサフランで黄色に色づけされた球状のラッドゥは人気だ。(球状の物を『ラッドゥ』と言う。おにぎりは『チャーワル・カ・ラッドゥ』)
 ギーと砂糖でこってりした強烈な甘さにもかかわらず、このピンポン玉よりやや大きいラッドゥを大人の男性でも3個も4個もぺろりと食べてしまう。(インドでは飲酒が社会的に認められていないので、みんな甘党なのかも。)
 ある時、車を待たせて子どもたちを病院に連れて行った。車に戻ってみると運転手がどこにもいない。しばらく探していたら、近くのお菓子屋から彼が出てきて、そのふっくらとした口元には黄色いラッドゥのかけらが付いていた。その時の彼の幸せそうな顔が忘れられない。