第六章広州駅



乞食、盲流大量生息地帯 広州駅

 皆様、広州と言う場所をご存じでしょうか? 中国第一経済解放区として一番最初に海外に向け門戸が開かれた街です。 たった数年で恐るべき経済成長を遂げ、当時広州人は中国で一番の金持ちになりました。 しかし突如の経済成長は中国国内での経済格差を一気に広め、そして我も我もと農村部の人間が広州に流入し、治安の悪化を促進しました。 今現在中国国内各地に経済解放区が生まれ、中国国内で盲流・乞食問題が深刻化していますが、やはり一番深刻なのが “広州” だそうです。
 この章では広州の盲流・乞食の主な収入源、“切符売り”に焦点を当てていきたいと思います。


 中国に滞在、もしくは旅行で来られた方の中で中国の駅に行かれた方は多いと思います。 やはり感想は 「乱れてるな・・・」 だと思いますが、昔に比べたら遙かに良くなりました。 昔は本当に治安が悪く、“駅=犯罪者のたまり場”みたいな先入観がありました。 しかし“切符売り”の数は全く変わっていないどころか、逆に増えているように思われます。 昔から僕は切符売りに対して妙な好奇心を持っていました。 そして先日購入した資料の中でようやく答えを見つけだしました!!!


切符売り-----日本のダフ屋に近い物がありまして「切符売るよ、切符買うよ」と声を掛けてくる人間、最近では偽切符を売ることが多くなり旅慣れた中国人は絶対に手を出さない。 切符売りの主なターゲットは農村から出てきたばかりの若者


  広州駅には約三千人の盲流・乞食(これからは盲乞と呼びたい)が住み着いている。 この三千人の盲乞は大きく分けて二種類に分けられる。
 一つは流動盲乞、彼等は一ヶ所に固まらず色々な場所を漂流し続ける盲乞である。
 第二が長期滞在型盲乞、駅に“住んでいる”と言うことは駅で活動する者達である。 そして長期型の主な収入源が“切符売り”である。他にも“スリ”“強盗”“偽身分証売り”等々数え上げたら切りがないがやはり一番多いのが“切符売り”である。まず先に切符売りの種類を説明いたします。


  1,偽切符売り
   盲乞達に言わせると広州で一日に取り引きされる“偽切符”は一百枚を越えるそうである(主に香港、台湾から流れてくる)
    2,代購屋
   他にも普通の切符も売るそうだが、必ず“サービス費”は上乗せするそうです硬座10〜20元、寝台車30〜50元が相場だそうです。 勿論交渉を始めるときは大体百元からスタート。被害者は切符を買う前に先に盲乞に切符代を渡すので、後から“サービス費”を払えと言われたらむろん怒りますが、切符代を先に渡しているために強く出られないそうです。 主なターゲットは荷物の多い老人。 しかし稀に老人が虐められているのを見た中国人旅行者(第三者)が激昂して襲いかかってきたり、警察を呼んだりするのであんまり割に合わないそうです。
  3,キャンセル屋
   切符関連で面白いのがもう一つ、それは“キャンセル切符売り”。 中国では電車の切符がキャンセルできます、キャンセル料は大体三十%ぐらい。 此処に目を付けたのが盲乞、キャンセル客が払い戻しをする前に大体四十%位のキャンセル料で盲乞が買い取り (注--キャンセルの場合は結構並ぶのでついつい売ってしまう)原価の一、五倍ぐらいで売り出す。 電車の発車時間が迫ったらキャンセル係(組織化されている)に窓口まで走らせるのでどっちみち損はしないという仕組みです。
  4,汚切符
  お次が”汚切符”です。何故汚切符と言うのかというと“盗んできた切符”だからです。 スリチームが財布を盗んだ時に、運良く財布の中に切符が入っていると、これを切符屋に大体市価の五十%で売り払う、そして切符売りが上乗せして売りに出す


  切符売りが動き出す時間は朝の4〜5時が一番多いそうです、何故なら公安が少なく安全ですから (注--中国の鉄道は二十四時間営業)、しかも朝は旅行客が一番多いときでもありますし、又彼等は急いでいる場合が多いので格好の鴨です。切符売りは最低一日数百元、多い時で数千元も稼ぐそうです。旧正月になると盲乞の収入は数万元にまで跳ね上がるそうです(何か乞食とは違いますね・・・、しかしこれは上層部の人間のみで、一番下っ端はかなりしんどいそうです)


  次が偽身分証明書売り。 これは主に外地に出稼ぎに行く人間、もしくは指名手配中の人間、乞食の売血用に使われます。 偽〜〜〜に準備できない物はなく、証明書の他にも“公安局の印鑑”“人民解放軍のナンバープレート”“党員証”“請求書”“領収書 (注--僕も見せてもらった事がある、日航ホテルの物で良くできていた)”等々。 彼等を捜すのは大変で口コミであたらなければば見つからないそうです。 ニュースで偽屋の名刺を見たことがあります 「東南亜細亜証券有限会社」 と言う名前で上に「お捨てにならないようにお願いいたします。火急の際には是非当方まで!!」と大きく書かれていて、ポケベル番号まで書いてあったのがとても面白かったです。 偽屋に関しては公安も必死に取りかかっておりよくニュースで捕まっています。


 他によくいるのがスリ団。これは書く程のことはないので割愛。


 そして強盗団。 強盗団の特徴は駅構内に潜伏しており長距離列車が到着すると下車客に混じって駅構内を歩き、獲物を物色し(疲れ果てて、荷物の多い人間が一番の鴨らしい)獲物を決めるといきなり走り寄って荷物を奪い取る。 周りの人間も疲労しているので反応が遅れ、助ける事が出来ないそうです。 又仮に間に合ったとしても強盗団の仲間が道をふさぎ仲間の逃げる時間を稼ぐそうです (注--主に十人近くで行動するらしい)強盗団の外見的特徴は
 1,周りの客に比べて疲れていない。
 2,服を肩に掛けている(高倉健のように)。 これは逃げるときに服を捕まれても服だけ脱げて本体は無事に逃げられるから。まるでトカゲだね。
 3,空の鞄を持っている。 これは戦利品を奪った後に自分の鞄に入れるか、仲間に渡すかして公安の目をくらますため

  強盗団がよくやる手口は 「財布落としましたよ」 みたいなことを言って相手の気がそれたすきに物品を奪うので気をつけてください。


  そして最後に鬼畜。 これが一番非道い、鬼畜系には2種類ございまして
 第一はまず電車から降りてきたばかりの少女、もしくは女性に 「仕事を紹介してやる」 と言い広州郊外の農村に連れて行き、一人800〜900元で散髪屋(売春宿)もしくは農夫に売り払う。
  第二が電車から降りてきたばかりの少女、もしくは女性に 「仕事を紹介してやる」 と言い自分の借りている部屋に連れて行き、売春を強要する。 断れば鉄拳制裁有るのみで女性ではどうしようもない。


  駅環境は年々改善されている物のやはり女性一人で夜中に行くような処ではありません。 よく日本人留学生の女性が一人旅をしますが、無茶苦茶危険です。 外務省発表によりますと、中国で行方不明になった日本人は1000人近くいるそうです。 危機意識を持ち、自分の身は自分で守りましょう。