第二章 飛虎隊員



行け行け飛虎隊員

 駅から出るときは改札通らず、無賃乗車をする。これが乞食の移動手段の特徴である。

 此処に乞食Kがいた。彼はこう言う
 「俺達は飛虎隊。どこそこへ行くと言ったら絶対に行く、南に行きたきゃ南に行き、北にいきたきゃ北に行く。 電車を捕まえりゃ無料だ!! 何故バスに乗らないのかって? 一般人が俺達を見る時はまるでゴミや泥棒を見るように俺達を見る・・・電車に乗る(屋根の上)方が気楽だ」
  身を切るようなある夜中、この乞食Kが突然叫んだ!!
「南だ!!南に行こう!!」
  突然のことに周りで寝ていた他の乞食達は、突然たたき起こされたので怒り心頭に達し、やかましいだの、殺すぞだの、大騒ぎしだしたが、Kが南は太陽に近いから暖かいはずだ!!との理由で十人程が南に行くことにした。

  彼らは駅を越え、車両置き場へと向かった。 フェンスを乗り越え車両置き場に忍び込むと、あるある電車が沢山止まっている。 しかしどの電車が南に行くか、なんて事は電車が発車するまで解らない・・・ 仕方がないので、止まっていた車両の屋根に上って機会を待つことにした。 一〇分ほど待っていると、ある乞食が寝だしたのでKが
「寝るな!!こんなところで寝ると死ぬぞ」
  と注意すると、「ほっとけ、死のうが死ぬまいが俺達には関係のないことだ」 と、別の乞食が口を挟んだ。 そんなこんなで三〇分程待っていると、汽笛が鳴り響き発車しようとしている電車を発見した。 そこには 「広州行き」 の字が!!! 彼らは車両から飛び降り、その電車へと走った。 しかし電車の速度は増す一方、乞食達は必死になって走る!!!

  Kともう一人は慣れている物で走っている電車をつかむと簡単に上に上った、続いて二人。 後ろの方には五人程走っていたが、この五人は遅れているので乗れない。 しかし一人足りない・・・下を見てみる乞食 李 の服が電車に引っかかっており上手く上れていない、しかし上にいる乞食達は助ける気はサラサラなく、只軽蔑の眼差しを 李 に向けていた。 しばらくすると 李 は電車に振り落とされて、線路の上でのたうち回っていたが、みんなの 李 への別れの挨拶は  だった。なぜなら飛虎隊員とは漢であるべきであり、偽飛虎隊員は軽蔑されるのである。

  凍死しそうになりながらようやく上海に着いた。 四人とも弱り切っており歩くこともままならない、しかし心の中では喜び勇んでいた。 ようやく此処まで来た、此処で又電車を乗り換えて広州へ向かおう!!と、フラフラになりながら歩いていると目の前から 公安 がやってきた
「どこから来た?」
「・・・・・・・・」
「チケットは??」
「・・・・・・・・」
「こっちに来い!!!!!!」
  乞食は収容所に収容されました。