第八章乞食神話 1



乞食界で語られる神話

 人生活するところに話は生まれる。 世界最初の職業とは売春である、と僕は何かの本で読んだことがある。 僕はそこにもう一つの言葉を足しても良いと思う、それは世界最初の身分差別は“乞食か否か”であったと思う。 乞食はきっと人類が始まった頃から居たのかもしれない、中国には唐の時代の文献にも乞食について語っている物がある(この間見つけた、今度アップします)、悠久な歴史(多分)を持っている乞食社会、そしてその社会の中で語り継がれていく神話や伝説、さぁ僕と共に堪能しましょう。


 王家はとても貧乏でした。 周りの人間は良い土地を国から貰い受けたのに比べ、王家はろくな土地を貰えませんでした、王家が貰えたのは山でした。 
 周りの人間は果樹園を任され果物をせっせと生産していたのに、王家は何も任されなかったので生産できる物がなかったので市場で売り買いすることが出来ません、しかもコネもない。 彼等がやっていたのは山に無理矢理麦を植え、死ぬほど働く事のみでした。

  ある日父親が日頃の過労がたたり死んでしまいました。 残されたのは娘一人と盲目で病がちの母親一人。 母親の病気を治すために娘は一心不乱に山を開拓しようとするが、女一人の手で出来る訳が無く山は逆にどんどん荒野と化していきました。 娘は母親の為に売れる物は全て売り払いました、服、鍋、鶏・・・しかしそんな物はすぐに底をつき娘は仕方なく家を出、街に出て乞食になりました。
 ある日いつもの様に街で乞食をしていると、老婆が近づいてきて

「こんな所でお恵みを待っているより、山に入って蛇を捕ってきたら?蛇は高く売れるわよ」

  と、教えて貰ったので自分の持っている山に行き蛇を捕まえた。 喜び勇んで蛇を籠に入れ街に行こうと踏み出すと、
「私を速く放しなさい!!!私はこの山の神よ!!!」
なんと籠の中から声がするではないか!! 娘はビックリして籠を開けて蛇を自由にしてやると、籠の中にいた蛇が白蛇になっていました。 白蛇はゆっくりと籠を出て一度娘の方を見てから悠々と藪の中に消えました。

 少女は仕方なく手ぶらで家に帰り、玄関に着くと母親が家から出てきて
「あんたの頼んでくれたお医者さんが来たよ」
と言い出した。 そんなの知らない、と答えると
「でも確かに来たんだよ、真っ白い服を着ていて目薬を垂らしてくれたら“目”が治って、苦い水を飲んだら“病気”が治ったんだよ」
 そう言われ母親を見てみると確かに顔色は見たことがない程良く、目からは光が出ている。きっとあの神様だ!!少女は家に入りタンスを開けてみると中からお金が出てきました。そのお金は尽きる事無く王家はお金持ちになりました。


 七夕の咄は中国から来ていますが、白蛇伝説も中国から来ているのかな? と考えさせられます。