「えっ?おかあさんから?」
おとうさんはびっくりしていました。たくやには、おとうさんがびっくりするわけがわかりません。
そこでたくやは、おとうさんにおかあさんからの手紙をみせてあげました。
「これは…」
おとうさんは、じっと手紙をみつめています。
「ねぇ、天国ってどこにあるの?」
たくやは、おとうさんに尋ねました。
でも、おとうさんはゆっくりとたくやにいいました。
「たくや。このお手紙はね、偽者だよ。天国っていうのは、死んだ人がいくところなんだ。死んだ人がお手紙なんか書けるわけないだろう?」
「えっ……」
たくやはびっくりしました。
「それじゃ、おかあさんは死んじゃったの?」
たくやは、おとうさんにすがりついて言いました。
「たくや。ちがうよ。このお手紙はいたずらなんだから。本当におかあさんが書いたんじゃないんだよ」
おとうさんは言いました。でも、たくやには、本当のおかあさんが書いた字に思えてならないのです。
「じゃあ、おかあさんはどこにいるの?」
たくやはまた、おとうさんに尋ねました。
「そうだなあ……でも、きっと、天国みたいな所にいるのかもしれないなあ。天国っていうのはな、とってもいいところだって言われているんだぞ。おとうさんはもちろん、行ったことはないけどね」
「ねぇねぇおとうさん、天国ってどうやったらいけるの?」
「天国かぁ、むずかしいぞ。ずっと、いいことをいっぱいし続けなくちゃいけないんだ。ずっと、ずっと、いいことをし続けていれば、そのうち天使さんがむかえにきてくれるんだ」
おとうさんはいいました。それを聞いて、たくやもいいました。
「ぼくもいけるよね。おかあさんに会いにいけるよね」
「たくや。おかあさんはね。本当は天国なんかにいっちゃいないんだよさっきもいったけど、いたずらなんだよ」
おとうさんはこういいますが、たくやは、どうしても、あのお手紙がおかあさんからのだと思うのでした。
つづき