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2月4日(月)
歴史が私に微笑んだ。

(「またかよ、先週も歓喜の歌に酔いしれていたと思ったら、週末には落ち込んでいたくせに」、とか突っ込まないでね)

いや、本当。今度は本当。どうしてかというと、問題の難しさがきちんと表現できたから。

   先週は目的とする集合が線形空間であることまでを突き止めたのだったが、今日は具体的にそれがどんなものか

   求めてみようと計算した。そうすると、非線形の不定方程式に帰着されたと言うわけ。

   そんなものは解けるかもしれないけど、私には出来ない。代数幾何の先生に相談したいよ。

数学を知らない方のために言い換えてみると、直線とか平面を求めるための方程式がフェルマーの定理に出てきたような

方程式になっちゃった、ということ。フェル定(定食みたい)は現代数学の最高峰でしょ。難しいんですよ、私には。

それでも、自画自賛する。。なんでか。。問題を明確に提示できたから。

非常に強い仮定のもとで議論を展開しているんだけど、いろいろ面白い事実が浮かび上がってきた。

今後の展開が楽しみになってきた。(他人事みたい)
 
 

今日も散歩に出かけた。初めは出かける予定は無かったのだが、食後オフィスで考えていたら、いらいらして、

気が付いたら、激しく床を蹴っていた。これでは他の研究者に迷惑がかかる、そう考えて、散歩に出かけた。

そして、2時間。いったん散歩に出かけると言うと、あっちこっち歩き回るので、こんなに時間がかかる。

最近のバルセロナはあったかい。東京で言えば、3月下旬の気候だ。コートを羽織っている人など殆んど居ない。

散歩コースのお気に入りは、Rambla de Catalunya だ。La Rambla の延長にある。この二つの通りは道の中央が

広い歩道になっている。並木道だ。散歩に最適なのである。La Rambla の方は観光客が多く、あるきづらい。

今日はカテドラルの方まで足を伸ばしてみた。ゴシック地区と言う犯罪多発地帯の中央なので、日頃あまり

近づかないようにしているけど、結構人通りは多い。たぶん、早朝深夜は本当に危険なのだろう。

でも、4年前にバルセロナを訪問したときは、この辺りに宿を取った。当時はそんなに危険だとは言われて

なかったような気がする。
 
 

18時、散歩から帰り、論文執筆の続きに手をつけた。21時退勤。夕食はファストフードでハンバーガー。



2月5日(火)
今日で3ヶ月目に突入だ。

と書いているのは実は翌日。この言葉だけは書こうと前から決めていたのでとりあえず書いた。というわけで

次をご覧あれ。



2月6日(水)
昨日と今日、定理を一つずつ発見した。まるで数学者みたいだ。

    次々と新しい事実が浮かび上がってくるが、これは線形空間と言う扱いやすい対象が得られたためだ。

この所為で、大変興奮している。部屋の中を歩き回っちゃう。一時的にせよ一人部屋でよかった。

それから、床を2、3回蹴った時点で散歩に出かけるようにしているので

他の部屋の人にもあまり迷惑はかかっていないと思う。

と言うわけで、昨日も今日も暴れまくりで、次に何をすべきだったか忘れてしまった。

久しぶりに戦争に喩えると、(なんで戦争かね)

先週の歓喜の歌で戦略が整い、今日までの作戦で制空権を制覇した状態だ。あとは局地的な地上戦が残るのみ。

明日は地上部隊をどこに投入するかを再検討してから、いっきになだれ込む。

ただ、この局地戦、かなりの苦戦がすでに予想されている。
 
 

ところで、夕べだったか、帰りがけSJの前でナガノさんに会って、今週はサッカーの試合が無いことを知らされた。

留学生たちは来週には帰っちゃうので、一緒に観戦しに行くチャンスはなくなってしまった。まぁいいけど。



2月7日(木)
なんですかね、エキサイティングですね、研究は。

      けふもまた ていりがひとつ みつかった めでたくもあり めでたくもなし

いやいや、目出度いんですよ。

今日の定理は来るべき地上戦に備えた大型兵器みたいなもんですな。

地上部隊の投入地点もほぼ目星がついてきた。

だが、地上戦に入る前に、これまでの戦況報告書を作成せねばなるまい。

現在、報告書の原案は3ページほどだ。明日はこれを仕上げよう。
 
 

ところで、夜、SJで食事をしているとアキヒロさんとオネェさんが話し掛けてきた。

急に明日、SJを出ることになったという。

だいたい、彼らは来週には帰国することになっているそうだが、大学側の手違いで、引っ越しを

強要されるはめになったらしい。全員じゃないらしいが、引っ越しとは面倒だ。気の毒である。

さらばじゃ。



2月8日(金)
夕べ書いたとおり、報告書を作っていたのだが、一瞬ひやっとしたことがあって、「また、穴か」と思ったが、

大丈夫、大した事は無かった。ちょっとだけ、曖昧な論理のところがあったのである。

こうやって報告書を作らないとSimo先生に話が出来ない。混乱しちゃうからね。英語も出来ないし。

ところで、Simo先生、最近も相変わらず忙しい。どうなってるの、あの人。

結局、話す時間は無し。

仕方ないので、暇な時に読んでチョーって、メモを渡した。

私が、今いちばん心配しているのは、私の得た結果が、とっくの昔に得られた既知のものである、という疑い。

出来上がったメモに目を通してみると、ほんと、簡単なんだよね。

なんで、こんなものに1ヶ月もかけたのかって情けなくなるくらいだね。

昨日まで、馬鹿みたいに喜んでたけど、興奮から醒めて改めて結果を見直してみると、大したこと無いよ。

Simo先生読んでくれるかな、こんなんあたりまえじゃん今更なにが言いたいのって聞かれそうな気がしてきた。
 

うーむ。続きを頑張るか。



2月9日(土)
本を読んで暮らす。散歩にも出る。

さっさと論文を書けば良さそうだが、今週出した結果を個々の例に適用して効能を試したりしている。

以前示した細々とした結果が、いとも容易く示されていくのは感動だ。

たとえば、「直線4体問題のうちで自由度が2になるものは対称型だけ」という私以外の誰にも

意味も価値も理解できないような、特殊でつまらい命題も、以前は証明できなくて悩んだが、

今や、いくつかの微分と行列の計算だけで証明できるようになった。

そういう、証明を簡略化するための定理たちを発見したのであった。

こんな事をしながら、次の定理を狙っている。

さらに証明を簡略化する定理や、邪悪なもの達を排除するための定理だ。
 

ところで、この表現「邪悪なもの達」から、連想したことがある。「悪の枢軸」発言である。

政治家がこんな表現を使うとナチスを連想してしまうのは私だけだろうか。
 

夜、留学生の子達に混ぜてもらってパーティだ。SJの向かいにあるお店で軽く飲んでちょっと抓んでおしゃべりをする。

オネェさんの誕生日だそうだ。お店の人も一緒になって冗談を言ったりしている。

以前は、留学生の子達とそんなに話さなかったが、Cava工場に連れて行ってもらってから、随分と話すようになった。

来週にはみんな帰国しちゃうと思うと、とても名残惜しい。



2月10日(日)
朝は、日課の洗濯。

昼間は本を読んで暮らす。

散歩。SJの近所に小さな公園がある。今日、初めて行った。小さいがきれいな公園だ。散歩名所として記憶しておこう。

夕方からフラメンコを観に出かけることになった。

留学生の子、オネェさんとミホコが連れてってくれることになったのである。

でも実はオネェさんの知り合いのタマキさんが案内してくれるそうで、ミホコと私が便乗組だったらしい。

目的の店に行ってみると、なんと今日に限ってやっていない、ということだった。

仕方がないので、ワインバーに行くことにした。

Santa Maria del Mar という教会の正面にある店で、結構いい雰囲気だ。というか、夜の教会の前の広場が

いい雰囲気なのだ。場所がいいのである。

取り留めの無い話をして、SJに帰る。


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