流星群あれこれ

しし座流星群大出現

2001年11月19日(月)早朝(といっても夜中am2:00からam4:00)にかけて獅子座流星群が全国的に観測されました。「100年に一度」という程の大規模な流星群でした。長野県野辺山では2時から3時の一時間に2000個、3時から4時の一時間に3000個もの「星降る世界」が見られたそうです。
しし座流星群とは
獅子座流星群とは、放射点(☆)と呼ばれる流星が流れ出す源に見える点がしし座にあることから命名されたそうです。太陽の周りを33年で一周するテンペル・タットルすい星が流星のもととなるちり状の流星物質をまき散らしています。比較的小規模ですが若い流星群のため、すい星の前後に流星物質が密集しており、そこに地球が遭遇すれば、雨のように降り注ぐ流星(流星雨)が出現することになります(可能性があります)。
1833年11月、北アメリカに大出現したことが、流星を天文学の研究対象として認識させるきっかけになりました。流星研究の原点ともいえる存在です。
(☆)放射点:流星のもとになるちりはこの方向から平行に地球に飛び込んできます。幅が一定な道路も遠くの一点から広がってくるように見えるのと同じ原理で、流星も放射点を中心に四方八方に飛びます。


母すい星はテンペル・タットルすい星
流星群を生み出したすい星を母すい星といいます。しし座流星群の母すい星はテンペル・タットルすい星で太陽の周りを33.3年かけて一周しています。核といわれる固体部分は半径1.8Km前後と推定されています。1865年12月にテンペルが、翌66年1月にタットルがそれぞれ独自に発見し、起動が確定された後に、しし座流星群の起源であることが分かりました。すい星は、水や二酸化炭素、一酸化炭素などでできた氷のかたまりに無数のちりが混じった状態のもので、土や砂を含んで汚れた雪だるまにたとえられます。太陽に接近した際に表面が溶けだして噴出したちりが、流星のもとである流星物質になります。


テンペル・タットルすい星の軌道
しし座流星群の母すい星であるテンペル・タットルすい星は、太陽の周りを33.3年かけて一周しています。楕円形をしたその軌道は、地球が太陽を回る軌道とは162.5度の角度だそうです。楕円の最も長いさしわたしは太陽と地球のほぼ20倍に、反対に最も接近する時は地球の軌道よりわずかに内側(=太陽側)にはいるそうです。テンペル・タットルすい星は地球とは逆回りに太陽を回っています。


流星の正体は?
地球を包む大気に秒速数十キロメートルもの高速で飛び込んできたちりの粒(=流星物質)が大気との摩擦によって発行する現象です。光って見えるのはちりそのものではなく、摩擦による熱でちりの周りでできたガスの雲とのこと。ちりは直径0.1ミリから数ミリの軽石状の物と考えられています。光の波長から調べた流星の主成分はケイ素で路上にある石の成分と特に変わりはありません。
流星群とは、ほぼ同じ運動の方向や速度をもつちりの群で、あまりに微細なために、宇宙空間での分布状況を観測することは不可能に近いといわれています。このために流星群の出現予測も大変、困難です。
しかし、天文学は進歩しています。イギリス天文学者デビッド・アッシャー氏はマクノート・アッシャー理論を打ち立て1999年から2000年の2年間、ピーク時刻をかなりの精度で的中させています。アッシャー氏によると今回の獅子座流星群のピーク時刻は日本時間午前3時19分で出現規模は1時間あたり1万5千個だとか。(マクノート氏は10月末に2時31分に2000個、3時19分に8000個と下方修正しました)



流星の高度は?
流星は地上120キロメートル付近で発光し、地上80キロメートルあたりで消えるといわれています。地上100から500キロメートルに出現するオーロラや、軌道高度が330から480キロメートルの国際宇宙ステーションよりも低空で起こる現象といえます。


マクノート・アッシャー理論
流星群は従来、母すい星の軌道沿いにだけちりが密集し、中心に一本のちりの管を形成している単純な構造と考えられていました。そしてすい星の出現回数や規模はどの程度、地球が母すい星やその軌道に接近するかで予想されていました。しかし、マークノートとアッシャーの両氏は「過去に大出現のあった年にはちりの密集部があったはず」と考え、ちりの管の中にさらに小さいちりのチューブ(ダストトレイル)が何本も存在するモデルを組み立てました。ダストトレイルは母すい星が太陽に接近するごとに噴出したちりが、軌道を回るうちに周囲の惑星の引力などの影響を受けて形成されると考えました。個々のダストトレイルと地球との接近度合いから算出される出現予測は5分単位で示され、一日単位だった従来の予想にくらべ、格段に高い精度を示しました。


ちりの管・ダストチューブ
テンペルタットルすい星から吹き出したちりはすい星の軌道に沿って数百万キロメートル幅のチューブ状になり、すい星とともに動いています。地球は毎秒30キロメートル(時速10万キロメートル)の速さで、このチューブを一日足らずで横切ってしまいます。テンペルタットルすい星を取り巻くちりは、地球の進路とは逆に流れているので地球に飛び込む相対速度は秒速70キロメートル(時速25万2000キロメートル)にも達します。地球の大気への突入速度が速ければ速いほど、流星となって放つ光が増すため、他の流星群と比べてちりの流れが速い獅子座流星群は明るい流星が多いといわれています。


毎年見られる流星群
名前 出現時期 特徴など
双子座流星群 2001年12月14日午後10時 大気への侵入速度が遅く、黒い流星が多い。今世紀中には見えなくなります。放射点の位置は東北東の上空。
しぶんぎ(イオタ)流星群 2002年1月4日午前4時 今は存在しない「側面四分儀座」という星座の名が由来。イオタ流星群ともいわれます。北東の中空が放射点。
ペルセウス流星群 2002年8月13日午前4時 速度が速く、明るい流星が多いのが特徴。数も多く流星群の王者格。放射点は北北東の上空です。


その他の流星群
名前 出現時期 特徴など
こと座流星群 2002年4月22日深夜 放射点の位置は東北東の中空。出現規模としては中規模
みずがめ座流星群(イータ) 2002年5月6日明け方 位置は東南東の中空ですが、月光があり観測条件としては悪い。出現規模は中規模
みずがめ座流星群(デルタ) 2002年7月29日深夜 放射点は南東の中空ですが、イータ流星群と同様、月光があり観測条件としては悪いです。出現規模は中規模
ジャコビニ流星群(周期群) 2002年10月8日夕方から深夜 北西の上空から中空にかけて。出現規模は不明。
オリオン座流星群 2002年10月21日明け方 南東の上空。出現規模は中規模です。


参考資料・文献など
「ステラナビゲータ5」(アスキー出版)
「しし座流星群がやってくる」渡辺潤一著・誠文堂
中日新聞社発行「中日サンデー版」
他にはインターネットなどを参考にさせていただきました。

今後も随時(できるだけ)、情報を更新していくように心掛けます。
最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。

            2001年11月23日Up

メール トップ

ライン