A君の話

 

実は、この子は日本人の男の子。私達が、オランダにいたときに、一ヶ月だけ住んだ所に彼もいたのだ。で、隣同士の部屋だったので、時々話をした。

この子、歳の割に大人びていて、いわゆる物静かなインテリタイプだった。勉強が好きで、意志も考えもしっかりしている子で、先生からも親からも信頼が厚かったみたいだ。
ただ、何もかもを達観したかの様に見える振る舞いが、同年代の子達にとっては、受け入れられる子とそうでない子に別れる様だった。で、再び、私は彼よりかなり年上だったので、そのあたりは問題なく、彼も胸襟を開いて接してくれたし、私も良い意味でジェネレーション・ギャップを感じることなく話ができていたので、私達はなかなか仲が良かったと思う。

私の彼、でぃーじゅ君も、歳の割には落ち着いているタイプだと思う。このA君よりは、でぃーじゅ君の方がちょっと年上なのだけど、どーも、この二人そりが合わない。やたらと反発しあうのだ。普段、あまり誰かと反発しないタイプの二人が、どういうわけかお互いに突っかかる。

私とA君が、歓談しているところにでぃーじゅ君が入ると、とたんに二人とも揚げ足の取り合い、屁理屈の言い合いを始める。それも、ため息をつきたくなるような幼稚な次元で。

で「(オランダ語の)この発音できる??」

A「(できない)・・・・・・じゃ、子供の子って今すぐ書ける??」

で「(書けない)・・・・・別に、書けなくったって、発音できるもん!」

A「僕だって、発音できないけど、オランダ語の単語、全部書けるもんね〜」

はぁ〜。どうして、こうなるの?

でぃーじゅ君は私がA君を褒めたりすると、ぶすぅーっと膨れる。A君は、A君で、

「pukiさん、よくやってますよねぇ〜。感心しますよ〜。いや、僕は、二人が続いているのはpukiさんの努力だと思いますよ。」

一度、A君の部屋で私が話し込んでいたら、その間ビデオを見ていたはずのでぃーじゅ君は、私が部屋に戻るとベッドに潜り込んで電気も消していた。

私「ねぇ、どうしたの?気分でも悪いの?」

で「僕の事、忘れたくせに〜!二人の笑い声がうるさくて、ビデオが見られなかったの!!」

はぁ〜。そんなに笑ってなかったじゃない・・・。

彼が日本に来てからも、二人の変なわだかまりは健在で、A君は、自分の住んでいる方面へ、私が遊びに来ることが会ったら必ず声をかけて下さい、と言ってくれる。

「美味しいもんでも食べに行きましょうよ!でも・・・彼の方はどっちでもいいです・・・」

で、でぃーじゅ君に、「○○へ遊びに行くついでに、A君に会いたい?」

と聞くと、

「○○には遊びに行きたいけど、Aに会いたい理由がない。」

この二人・・・よっぽど相性が悪いらしい・・・。