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活動開始は

 午前3時。トイレで顔を洗ってヒゲが伸びていることに気づく。車に戻って、持ってきた電気剃刀でヒゲを剃る。ええと、出発前(27日夜)に風呂に入ったから、1日半入ってないだけか。たいした事はない。たいした事はないが、気になる。しょうがないのでトイレに戻り、頭をすすいでみた。結構さっぱりするもんだ(笑)
 完全に目が覚めた3時半頃、恒例になっている運行前点検。フロントガラスのヒビは全然拡がっていないし、エンジンの調子もいい。灯火類も正常。タイヤの状態…は、まだ暗いので分らない。おおむねOKということで、鹿児島港へ向けて移動開始。

あっというまに

 鹿児島港に到着。しまった早すぎた(笑)姶良(あいら…いい名前だ)インターで降りて一般道で来ればちょうどよかったのだろうか。薄暗い港の駐車場の周りをなんとなく2周し、3周目で駐車場に入る。1時間200円、12時間以降は100円。24時間以降は50円だそうだ。携帯電話を取り出し、時刻を確認すると8月29日(水)午前4時半頃。相変わらず気分が悪いが、車を降りて「オエェェー」とかやってみても何も出ない。仕方なくどこかのパーキングで買っておいた雑誌を読みながら閑を潰すが、それも読み終わるとすることが無くなった。駐車場のおじさんに事務所が何時に開くのか聞いてみたところ6時だと言う。
 車を離れ、そこここに立っている案内板を熟読しているうちにk−nissieと同じような人種が増えてきた。ベンチや玄関の前で居眠りなんかしながら港が開くのを待っている。やがて6時を少し回り、内側から自動ドアのロックが外された。同時に幾人か流れ込み、目当ての船会社の申し込み用紙に必要事項を記入し、書き上げた者から窓口に並ぶ。彼らはいわゆる「キャンセル待ち」である。むろんk−nissieもそれに習い、九州商船の、シャッターが下りたままになっている窓口に並んだ。
 ぼけーっと待っている間、閑なのでさっき記入した申し込み用紙、「車両航送名簿」をこれまた熟読する。と、記入ミス発見。あぶないあぶない、キャンセル待ちの人間にとって「後回し」とか「再提出」という事態は絶対に避けなければならない。幸い、k−nissieの後ろには待っている人はいない。前には単車で来たと思しきいかつい顔の兄ちゃんが一人。書き直して並び直す。そうしてまた、ぼけーっと待つこと数十分。ふと「車両航送名簿」に目を落とすと、とんでもない文句が目に飛び込んできた。

車検証を必ずご提示ください

 うそっ…前に一人、後ろに勘定不能なほどの行列(なのか、ただそこにいるだけなのか判らない連中)の、なかなか好いポジションを放棄して、駐車場まで戻り、車検証を取ってこなければならないのか…いや、もしかしたら車検証無しでも平気なんじゃないか?なんて、甘い考えが一瞬浮かんできたが、受付が始まってからダメ出しされて「後回し」を食らったら、キャンセル待ちのオレに勝ち目は無い。これは一刻も早く車検証を取ってくるほうが得策だ。そう考え、ダッシュで取りに行ったのだが、再び並び直したk−nissieの前に人は2人。単車の兄ちゃんと、ジャージのおっさん。おっさんの手には抜かりなく車検証が。やるなあ、おっさん。にしても、周りの有象無象共は並んでるわけじゃないのか?余裕か?と思ったら、ほとんどが人のみの乗船だった。車両を運ぶのは数えるほどしかいないようだ。
 日が昇って気温がどんどん上がってきていた。7時半頃、暑さと立ち疲れでおかしくなってきたのか、さすが鹿児島などと変に感心していると、窓口のシャッターが開けられた。
「予約してないんですけど、乗れますか?」
「この札をワイパーに挟んでお待ちください」
乗れるかどうか、という質問には答えてもらえなかった。じゃあ、別の質問。
「帰りの船の予約状況とか分りま…」
「こっちでは全然分らないんで!」
 どうやら質問は受け付けてもらえないらしい。しかしこれはちと困った。島に渡ったはいいが、帰れなくなったじゃ笑うに笑えん。仮に2泊したとしても仕事に間に合うようには帰れるだろうけど、オレは2泊もする気は無い。いっそのこと乗船を取りやめるか?しかしここまで来て先に進まなかったらきっと後悔する!向こうに着いたらすぐに帰りの予約をすれば何とかなるだろう。じっくり時間をかけて悩んだ末、指定された待機場へと車を走らせたのでした。

運良く

 カマロが乗るだけのスペースが有ったようで、配車係り?のおじさんに、受付へ行ってチケットを買ってくるように言われた。チケットを買って戻ったk−nissieは、切符を渡すときに窓口でしたのと同じ質問をしてみた。すると、若干あったはずという返事が返ってきた。思わぬ収穫である。そして「ここに電話してみて」と言って窓口で受け取った書類の中の一枚に印刷してある、ちいさな文字列を指差した。そこには西之表(にしのおもて)代理店の電話番号が書かれていた。さっそく電話してみるが、誰も出ない。何故出ない?ふと考えて思い当たった。「あ、そーか。8時前に電話して出るわきゃねーか」

いよいよ積み込みが

 始まった。わりと早くに順番が来た。ノーズを擦らないようにゆっくりと乗り込む。勝手の知らない船の中で誘導を頼りに奥の隅のなんか馬鹿でっかい箱の前に停めて車を降りる。うへえ、狭い。前も後ろも横も、かろうじて人一人通れるくらいのスペースしかない。出港したら車両甲板は立ち入り禁止になるのだ。財布やデジカメなんかをリュックに詰めて持ち出すことにする。
 客室は特等、1等、2等の3種類。k-nissieはもちろん2等(一番安い)だが、車両航送のサービスで1等の判が押してある。とりあえず2等船室に入ってみる。うるさくて人が多い。安っぽい四角い枕が片隅に積み上げてある。毛布は50円で貸し出しているようだ。ここでいいかと思い座ってみたが、居心地が悪くて1等に移った。2等とは違い、がらんとして小奇麗で壁際にはソファベンチがある。静かだ。枕と毛布が自由に使える。枕はその辺の旅館で使っているような普通のものだ。2等との差はこれくらいで、やっぱり雑魚寝。1等よりは過ごし易いが、閑でつまらないので甲板に出てみた。ちょうど2等船室の真上に当たるここは数脚のベンチが固定されている以外は何も無い。もちろん屋根も無い。直射日光と海風が気持ちいいのでここにいることにする。ちなみに特等船室は別フロアにあり、ゲートが閉まっていて入れなかった。差額を支払えば入れるのだが、金が惜しい。一目見てみたかったが諦めた。


出港直後に鹿児島港に向けてシャッターを切った。写っている船は別の船会社のフェリー。車を運ぶのはk-nissieが乗った九州商船株式会社だけなのだ。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)


桜島。ちょっと雲が掛かっていたのが残念だ。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)


k-nissieが乗った船。これは帰る時の写真ですが、行きも同じです。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)

 一通り見たところで時刻は9時をまわり、もう大丈夫だろうと思い西之表代理店に電話してみる。客室での電話は周りの方の迷惑になるだろうと考え、外に出る。程なくして、相手が出た。いや、出たらしい。なんせ機関がうるさ過ぎてほとんど聞こえないのだ(笑)
はい、九州商船株式会社、西之表代理店でございます」(たぶん、こう言ったのだと思う)
ちょっとお尋ねしますけど、明日の鹿児島行きの船に車両の空きはありますか?
しばらくお待ちください……………はい、ございます」(たぶん、こう言ったのだと思う)
それじゃあ、車1台予約したいんですけど
はい、○×△□?」(たぶん、こう言ったのだと思う)
はいー?
○×△名前□☆?」(たぶん、こう言ったのだと思う)
あ、k-nissieですー
k-nissie様ですね。○×△□?」(たぶん、こう言ったのだと思う)
ええー?
○×△長さは□☆?」(たぶん、こう言ったのだと思う)
長さ???ああ、車の長さか。
4メートル91センチですー
4メートル91センチですね、かしこまりました」(たぶん、こう言ったのだと思う)
それじゃあ、お願いしまーす
 疲れた。予約は静かなところでするべきである。ちゃんと予約できたか、ちょっと不安だ。まあ、こっちの声はちゃんと聞こえてたようだから大丈夫だと思うことにする。
 さて、やることやってヒマになったので客室に戻って寝る。いい感じの揺れでふわふわと気持ちよくなって意識を失い、(k-nissieの主観的時間感覚では)次の瞬間激しい揺れで壁に頭をぶつけて目が覚めた。実際には2〜3時間眠ったようだ。最初、何事か分らなかったが、どうやら湾の外に出たらしい。鹿児島港は鹿児島湾の奥にあるため波が穏やかでほとんど揺れない。しかも大きな湾であるため、その航海のほとんどが湾の中になるのだが、湾を出て、西之表港に着くまでの短い時間は、海の状況によるのだが、かなり揺れる。後で聞いた話によると、前日の28日は海が荒れ、盛大に揺れた結果船酔いする人が続出したそうだ(笑)。時計を見て、まだ到着まで間があることを確認し寝なおすことにする。ちょっと激しいゆりかごに揺られてしばしうとうとする。やがて空腹で目が覚め、売店でお菓子を買ってデッキで黙々と食べ、客室に戻って呆ける。することが無いというのは辛いものだ。

 長い(といっても4時間足らずだが)航海を終え、種子島に上陸。小用を済ませると、おおざっぱな島の地図を頼りに南を目指す。向かう先はもちろんNASDA(の種子島宇宙センター)。

NASDAを目指して

 ひたすら南下する。打ち上げ時刻は13時から18時の間。今の時刻は13時。予定通りならもう上がってもおかしくない。トイレなんか行ってる場合じゃなかったのかもしれないと、ちょっとだけ後悔した。しかしまあ、予定通りに打ち上がることなんてまず無いから大丈夫だろうなどと自分を慰めひたすら急ぐ。持っている地図は九州地方ガイドブックの主要幹線道路しか載ってないものなので細かい道は分らないが、方角があってるから良しとする。そして、この山を越えれば目前、というところまで来て、道端に立っている案内板を見つけた。

ロケット打ち上げのため、この先立ち入り禁止

 まじっすか。とりあえず無視して(笑)進むと視線の先にはバリケード。NASDA職員と思しき方々とおまわりさんが見慣れないナンバーの見慣れない車の出現に驚いていた。「だめっすか」「だめです」しょうがないのでUターン。大回りして南側から近づいてみるが、同様の案内板を見つけ断念。どうやら打ち上げ時は半径3km以内は立ち入り禁止のようです。事故が起こった場合のことを考えれば当然なのだが、予備知識が全く無いk-nissieはそんなこと知らない。ふと、交番を見つけたので車を停めて駆け込んだが誰もいない。表に停まっている車から声がしたのでそっちへ向かうと、イヤホンをつけたごついおっちゃんが2人、窓を開けてこっちを見ていた。どうやら覆面に乗った警戒待機中の刑事さんらしい。もしくはただのネズミ捕りか。とにかく訊いてみた。
「ロケット上がりましたか?」
「いや、まだだ。」
「どこへ行けば、打ち上げ見られますか?」
おっちゃんはとても親切に教えてくれた。礼を言って車に戻り、言われた場所に行ってみた。確かにこの丘(山?)を登れば見晴らしは良さそうだが、階段らしきものは荒れまくっててとても登れない。これは無理だと判断し、車に戻ることにする。途中で、同類らしい老夫婦を発見、声を掛けてみる。その夫婦の話によると、打ち上げは16時にずれこんだらしい。現在14時。間に合う!彼らと別れ少し走ったところで地元の方を発見、急停車&バックで横付けし、地図を持ち出して同じ事を訊いてみた。すると、「宇宙が丘」という発射台までばっちり見える所があるらしい。詳しく場所を聞き、礼を言って大急ぎで向かった。

そこはすごい人だかりで

 ずいぶん離れたところに車を停めざるを得なかった。カメラや財布を持ち出し、まず、展望台に登ってみたが、すでにいっぱい。これでは撮れない。展望台を離れ、芝生になっている所に何とか自分のスペースを見つけた。ここからなら前面の藪が刈り取られていて発射台がよく見える。さて、打ち上げまでにちょっと試し撮りしておこうとカメラの電源を入れて2枚撮ったところでバッテリーが残り僅かであることに気付いた。即座に電源を切って打ち上げ直前まで使わないことに決定。ロケット撮れなきゃ意味が無いもんね。


試し撮りの2枚。まだ打ち上げまで1時間半近くある。沖の方には船も見える。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)

せっかく確保した

 場所が無くなると困るのでうかつにうろつけない。ここは遮る物の無い山の上。しかも快晴である。この上なく暑い。っていうか熱い。しかし我慢する。NASDAの中継車が打ち上げ作業の進捗状況を逐一放送してくれるのがせめてもの救いか。しっかし、自動販売機1つ無のはなんでだ?辺りを窺うと、なるほど飲料水持参なのね、みんな。とにかく待つ。携帯で友人にメール打ってヒマを潰しながら1時間半待ちつづけ、ついにその時がやってきた。

中継車のスピーカーからカウントダウンが聞こえる。カウント120でカメラを取り出し電源を入れる。バッテリーは何とか持ちそう。撮影モードを風景撮影用の∞にして光学ズームの最大値である8倍までズームする。デジタルズームは画像が荒くなるだけなので使わない。カウント60で1枚撮影、カウント0からカメラの能力の範囲で見えなくなるまで連写した。そして1分足らずでロケットは見えなくなり、中継車から「打ち上げ成功」のアナウンスが入ると歓声が上がった。


4時ちょうどに白煙(といっても水蒸気だが)が上がった。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)


あっという間に空の彼方へ。この段の左から2番目の写真、ロケットの先端が膨れてるように見えるんだけど、音速超えた瞬間でしょうか?詳しい人がいたら教えてください。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)

2002/1/24 ka-y女史(仮名)より下記の情報をいただきました。多謝。

 ロケットの急上昇で空気が「断熱膨張」を起こしたためだそうです。ロケット先端に押されて圧縮された空気が機体の横に抜けた瞬間、圧力が下がり急膨張、空気中の水蒸気が冷やされ水滴となり、リング状の雲になったものだそうです。気体が熱の出入を伴わずに体積が増大する事で温度が低下することを断熱膨張と言うのだとか…。高湿度という条件がある時にできるらしいです。


1分後の地上。ロケットが飛んだという確かな形跡。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)


打ち上げ見学場所「宇宙が丘」の風景です。(画像をクリックすると大きい写真が見られます)

今回の旅の

 目的をほぼ100%果たしたので、後はゆっくり観光して帰るだけ。すぐに動いても混雑するだけだから、人が減るまで自分が撮った写真の確認なんかしながら待つ。うーん自己満足。そうしているうちに人ごみも掃けてきた。そろそろ移動しようと駐車場に向かう。掃けてきたどころかオレ以外誰もいないじゃないか(笑)車を出して、さっきまで自分がいた、宇宙が丘の前をゆっくり通り過ぎる。視線の先には空になった発射台と、もうすぐ完全に消えてしまうであろう、ロケット雲。数えるほどしか人が残っていない丘で1人、なんか見覚えのある人がいる。単車にも見覚えがある。そうだ行きの船の中で、カマロの前の方に停めてあった、スーパートラップマフラーのHONDA GB 250だ。そしてその持ち主は紛れも無い、キャンセル待ちで目の前に立ってたいかつい兄ちゃん。行きの船では甲板に出てターミネーターのようなサングラスをかけ、ガムを噛みながら水平線を眺め、妙に目立ってたあの兄ちゃんだ。ちょっと迷ったが、声を掛けてみることにする。「こんにちはー。たしか船の中でお見かけしたと思うんですけど…」
 話してみると普通の人だった。"I'll be back."とか言わなかったし。名古屋から単車で来る辺りがもしかしたら普通じゃないのかもしれんが(笑)しばし談笑して、帰りの船で会いましょうと言って別れる。実はこの時脱水症状を起こしかけていたk-nissieはめまいと戦いながらしゃべっていた。話し掛けるヒマがあったらさっさと街に戻ってジュースとか飲むべきだったと少し後悔しながら(笑)。丘の上に自動販売機の1つも無いなんておかしいと思うぞ。あそこに自販機置けば打ち上げのときはそれなりに儲かると思うぞ。露店を出すという手もある。もっと観光客に金を落とさせないと。せっかくいい人集めのネタがあるのだからもったいないよ。

すごい勢いで

 丘を下り、視界の隅に自販機を捕らえた瞬間フルブレーキ。少しバックして横付けし、スポーツドリンクを買ってその場で飲む。生き返ったー。心に余裕が出来たのか、行きしなにNei女史に「風呂入んなさいよ」と言われたことを思い出した。さっそくガイドブックを開くとすぐに見つかった。種子島温泉…そのまんまやん。島の東海岸沿いに位置するそこは海を見ながら入ることが出来た。露天ではないが、開放的で良い。窓ガラスはマジックミラーのようになっていて外から中は見えないと分っていても、目の前が道路なんで車が通るとちょい恥ずかしい(笑)


風呂の中にカメラは持ち込めないんで、温泉の近所で撮影した風景を。いいところです。

風呂の次は

 飯。とにかく腹減った。よく考えたら昨日の夜壇ノ浦で海鮮丼食ってから、まともに飯食ってない。目覚ましドリンク数本とフェリーの中でえびせん一箱、紙パックのお茶、それにさっき飲んだスポーツドリンクに風呂上りの紅茶だけだ。考え出すと余計に腹が減るもんで、とにかく食事できる所ならファミレスでも牛丼屋でも何でもいい。東海岸を北上してみるがファミレスどころかコンビニも見つからない。市街地まで行かないと何も無いのか。現在地から一番近い街は…中種子(なかたね)か。その辺まで行けば何かあるだろう。スナック…パス。居酒屋…パス。鮨屋…パス。ちゃんこ屋…パス。弁当屋…キープ。本屋…そうだ、地図を見よう。地元の本屋なら島の詳細図くらいあるだろう。上手い具合にコインランドリーがあったのでその駐車場に勝手に停めさせてもらい、道路を渡って本屋へ急ぐ。本屋の入り口には張り紙がしてあり、その下には中学生のものか、学生鞄が3つほど置かれていた。さらに近づいて張り紙を読む。

鞄をここに置いて、店に入ってください。

 …なんだこれは…無用心だ。この辺じゃあたりまえなのか?だとしたら、なんてのどかな所なんだ。しっかし理由は書いてないが、なぜなんだろう。万引き防止か?でも、万引きが横行するような所だったら置き引されないはずがない。商品は守るが学生鞄は盗まれてもかまわないのだろうか。まさかねぇ。きっと店が狭いから邪魔なものは表においてあるだけだよな。のどかな所だもんな。それにしても、まるで

注文の多い料理店(宮沢賢治 著)

だな、この本屋。入ったら「ここで靴を脱いでください」「ここで服を脱いでください」「ここで体にバターを塗ってください」とか書いてあったりして。で、最後は自分が食われるんだよな(笑)。あれ?何とか逃げ出したんだったかな?
 残念ながらこれといった地図(もしくはガイドブック)は見つからなかった。やはり足で探すか。自転車か原チャリがあれば楽だろうなあ。なんて考えるk-nissieの目の前を原チャリに乗った制服姿の女の子が2人、2サイクルエンジンの排気音を残して通り過ぎていった。ここの高校生はバイク通学許可されてんのか。自分の高校時代、隠れてこそこそとしか単車に乗れなくて(オレじゃないぞ)、それが当たり前だったのに、なんと羨ましい…
 と、感傷にひたっている場合じゃない、飯だ、メシ。車に戻ってもう少し進むと、見つけた、いわゆる大衆食堂♪ここに決定!道路を挟んだ駐車場に車を停めて店の入り口の扉を開ける。これぞ(?)大衆食堂だ。壁に貼ってあるメニューから、しょうが焼き定食(650円)を注文して畳の座敷に腰を下ろす。だだっ広い座敷に折畳式の長テーブルが8つ。本棚には漫画や雑誌が適当に放り込まれていて、この家の子供が犯人なのであろう、落書きがしてあったりする。すばらしく落ち着く(笑)。1冊取り出し眺めているうちに食事が運ばれてきた。でかい。お茶碗と、丼の中間くらいの大きさの碗にご飯が山盛り。生姜焼きも、それが載る大皿に負けない位の大きさだ。良くこれで採算が取れるもんだ。感心しながら食っていると電話が鳴った。誰かと思えばTake氏からだった。「まだ仕事中?」「いや」「アパート?」「いや」「どこ?」「種子島」「…今、たねがしまって聞こえたけど、オレの聞き間違いかなぁ?」「ちょっと、ロケット見に…」「…さよか。えぇのぉ、よぉけ休めて」こんなやり取りの後、用件を話して電話は切れた。食べ終わったk-nissieは支払いを済ませ、車に戻って考え る。

今夜どこで寝よか…

 いっそ、食堂の人にわけを話してこの駐車場で寝ようかなあ。

つづく。


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