航空会社を選ぶ

アメリカを旅行するのに、避けて通れないのが「航空会社の選択」。ここではアメリカの航空会社に焦点をあて、アメリカ西部を旅行する際の航空会社の選び方のコツをご紹介します。

対象とする航空会社(アルファベット順):
  
アメリカン航空 American Airlines / AA
  コンチネンタル航空 Continental Airlines / CO
  デルタ航空 Delta Airlines / DL
  ノースウェスト航空 Northwest Airlines / NW
  ユナイテッド航空 United Airlines / UA

●ハブ・アンド・スポーク
  「ハブ」とはいっても、蛇を思い浮かべてはいけません。思い浮かべてほしいのは「自転車の車輪」です。自転車の車輪といえば、中心に軸(ハブ)があり、そこからタイヤ(リム)に向かってたくさんの支柱(スポーク)がのびていますが、アメリカの航空路線も、まるで自転車のハブとスポークのように、いくつかの空港を拠点とし、近隣都市からの路線をその空港で束ねてしまうようになっているのです。これが「ハブ・アンド・スポークシステム」。広大なアメリカのこと、空港は至るところに作られています。そんな中で、あらゆる2都市間を直行便で結んでいたのでは切りがありません。そこで考え出されたのがこの方法です。こうすることで、より効率的で分かりやすい路線網が出来上がる、というわけです。アメリカの航空会社は、ほとんどがこの方法を採用しています。
  ここで1つ頭に入れておかなければならないことがあります。大都市間に関しては、ハブ空港を通らない直行便もありますが、中小都市ともなると、最も近いハブ空港への路線しかないという場合もよくあります。つまり、ハブ・アンド・スポークシステムでは、必然的にある程度の乗り換え回数が必要になってしまうのです。とはいっても、アメリカの大空港は同一航空会社間の乗換えを前提にしてつくられているため、1つの航空会社は1つのターミナルにまとめられていることが多く、案内も充実しているのでまず迷うことはないでしょう。

    各航空会社のハブ空港

会社名 西部 中部 東部
アメリカン航空   ダラス、シカゴ マイアミ
コンチネンタル航空   ヒューストン クリーブランド、ニューアーク
デルタ航空 ソルトレークシティ   シンシナティ、アトランタ
ノースウェスト航空   ミネアポリス、メンフィス デトロイト
ユナイテッド航空 サンフランシスコ デンバー、シカゴ ワシントン

ハブ空港の所在地図

●「シャトル」と「エクスプレス」
  アメリカの空港にいると、「ユナイテッド・シャトル」や「アメリカン・イーグル」などというアナウンスを耳にすることがよくあります。アメリカの航空会社は、よりきめ細かいサービスを提供するために、特定地域の路線や中小都市への路線に別ブランドをつけて運航しているのです。まず「シャトル」ですが、これは航空会社が地域を選んで、高頻度運航・サービスの簡素化(「低下」ではない)などを実現させたもので、一時はいくつかの航空会社が導入したものの、現在はデルタ航空の「デルタ・エクスプレス」(この名がついていますが、後述の「エクスプレス」ではありません)がアメリカ東部からのフロリダ路線を運航しているほか、ユナイテッド航空の「ユナイテッド・シャトル」がアメリカ西部域内路線を運航しています。
  「エクスプレス」は、プロペラ機など小型の航空機を主に使用して中小都市への末端輸送を主に行っているもので、地方の航空会社が大手から請け負い、大手のブランドをつけて運航している場合がほとんどです。1つの大手が複数の会社に委託するケースもありますが、ブランドは統一されています。名称はアメリカン航空が「アメリカン・イーグル」、コンチネンタル航空が「コンチネンタル・エクスプレス」、デルタ航空が「デルタ・コネクション」、ノースウェスト航空が「ノースウェスト・エアリンク」、ユナイテッド航空が「ユナイテッド・エクスプレス」です。
  「シャトル」と「エクスプレス」のどちらも、基本的には親会社の便として予約でき、マイレージも加算されるのですが、エクスプレスの一部にマイレージ対象外路線があるので注意が必要です。

大空港にもこんな小・中型機がいっぱい

コンチネンタル・エクスプレスの機体(ERJ-145)。アメリカの国内線を支えているのは、実はこのような小さなジェット・プロペラ機だったりします。中には20人乗りのような、太平洋路線では目にすることのないような機材も使われています。

●マイレージとアライアンス
  日本国内で飛行機をよく利用する人には、各社のマイレージプログラムに加入している人も多いと思います。乗った分だけマイルがたまり、たまった分に応じて無料航空券などがもらえるというこのサービスはもともとアメリカで始まり、現在では航空会社選びの重要なポイントの一つになっています。というのは、一つの会社に継続して乗りつづければ、それだけマイルがたまりやすい、ということになるからです。現在では提携航空会社のほかレンタカーやホテル、クレジットカードによる決済でもマイルが加算されるようになり、ますます便利になっています。加算対象は非常に多く、ここに全て列挙することはできませんので、各社のサイトで確認してください。このようなマイレージの提携が、やがて大規模な「アライアンス」へとつながっていきました。

  「アライアンス」……同盟、連合といったところでしょうか。1997年に結成された「スターアライアンス」を筆頭に、現在世界には大きく分けて4つのアライアンス(その全てにアメリカの5大航空会社のいずれかが参入している)が組まれ、熾烈な競争を繰り広げています。アライアンス内の航空会社どうしでは、マイレージの相互加算(1つの便のマイルを複数の会社のプログラムに加算することはできない)のほか、乗り継ぎ利便向上や手荷物の一括受付、ラウンジの共用や使用ターミナルの統一などが図られています。特に世界各国を旅する人にとっては、「航空会社の選択」よりも「アライアンスの選択」のほうが重要かもしれません。ちなみに日本の航空会社でアライアンスに参加しているのは、スターアライアンスメンバーの全日空のみ。しかし日本航空はワンワールド系の航空会社と、また日本エアシステムはウィングスアライアンス系の航空会社との連携を強めています。

スターアライアンス

1997年結成

北アメリカ ユナイテッド航空、エアカナダ、メヒカーナ航空
南アメリカ ヴァリグブラジル航空
ヨーロッパ ルフトハンザ・ドイツ航空、スカンジナビア航空、オーストリア航空、
ラウダ航空、チロリアン航空、ブリティッシュ・ミッドランド航空
アジア 全日空、タイ国際航空、シンガポール航空
オセアニア アンセット・オーストラリア航空、ニュージーランド航空
ワンワールド

1999年結成

北アメリカ アメリカン航空
南アメリカ ランチリ航空
ヨーロッパ ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンランド航空、イベリア・スペイン航空
エアリンガス
アジア キャセイパシフィック航空
オセアニア カンタス・オーストラリア航空
ウィングス
1999年結成
北アメリカ ノースウェスト航空コンチネンタル航空
ヨーロッパ KLMオランダ航空
スカイチーム
2000年結成
北アメリカ デルタ航空、アエロメヒコ
ヨーロッパ エールフランス、チェコ航空、アリタリア航空
アジア 大韓航空

●おすすめの航空会社、それはユナイテッド航空
  アメリカ西部への旅行を考えた際に、一番におすすめしたいのはユナイテッド航空です。強力な日本発着路線(元々は懐かしきパンナムの路線を引き継いだものです)と、広く行き届いたアメリカ西部路線は、他の航空会社にはない大きなアドバンテージです。西海岸にハブを持っているのもユナイテッド航空だけですから、カリフォルニアやオレゴンには、ユナイテッド航空しか就航していない、という都市も多くあります。また周遊はせず1都市のみの訪問という場合でも、日本からの直行便の就航都市が西部に多く、大都市ならば乗り換えなしで行くことができます。全米にまんべんなくネットワークが広がっていますので、全米各地を旅行する人にもおすすめです。ちなみにユナイテッド航空の便のうち、アメリカ西部の域内路線と中小都市への路線は、ほぼ全てが「ユナイテッド・シャトル」および「ユナイテッド・エクスプレス」によって運航されています。

デンバー国際空港第2ターミナル

世界最大級の規模を誇るデンバー国際空港の第2ターミナル。ターミナルは3つあり、そのうち第2はここにハブをおくユナイテッド航空が独占しています。面積は16,000haで成田空港のおよそ23倍、最終的には滑走路が12本設置されるとのこと。

●ノースウェスト航空
  ユナイテッド航空の次におすすめしたいのは、ノースウェスト航空です。特に成田空港では、昼過ぎから夕方にかけて、おびただしい数の機体がやってきてターミナルを「占拠?」することでも有名ですが、これはそれだけ同社の太平洋路線が充実していることを示しています。日本発着の国際線便数も日本航空に次いで多く、日本からアメリカへの直行便就航都市も最も多くなっていますので、とにかく乗り換えなしで目的地にたどり着きたい、そんな人にはおすすめです。ハブ空港は中部に集中していますので、西部路線はそれほど強くはないのですが、提携しているアラスカ航空アメリカウェスト航空が充実した西海岸路線を持っていますので、利用する価値は高いでしょう。また同じくアメリカ中部を基盤とするコンチネンタル航空との連携も強めています。ノースウェスト航空が最も強みを発揮するのはアメリカ中部の北部、および五大湖周辺。ちなみにアラスカ航空のハブはシアトルとアンカレジ、アメリカウェスト航空はアリゾナ州フェニックス、コンチネンタル航空はヒューストン、クリーブランド、ニューアークにハブがあります。

●アメリカン航空とデルタ航空
  この2社は、決して「使えない」わけではないのですが、上記2社に比べてどうしても劣ってしまう点が2つあります。それは「日本発着便の少なさ」と「西部路線の弱さ」。アメリカン航空もデルタ航空も、日本発着路線の多くはアメリカ中部および東部を目的地にしています。これはこの2社のハブが中部および東部に集中しているからなのですが、これでは西部旅行を考えた際に、実用的な便が限られてしまうか、わざわざ東部で乗り継いで折り返すか、などの選択を余儀なくされてしまうでしょう。デルタ航空に至っては、西部のハブであるソルトレークシティへの直行便さえなく、また直行便のあるポートランドからの国内線も、ハブ空港ほどに多くはありませんので、ますます「東海岸向け」の会社になってしまうかもしれません。西部域内路線についても、メジャーな路線ではデルタ航空がサンフランシスコ−ロサンゼルス線を運航しているくらいで、あとはソルトレークシティやダラス、下手をすればアトランタまで出て乗り継がなければならなくなってしまいます。アメリカン航空やデルタ航空を利用するのは、この2社が日本から直行便を飛ばしている都市のみを訪問するとき、だけと言ってもいいかもしれません。

●でも、ちょっと待って! いいところもあるヨ
  叩いてばかりではこの2社に申し訳ないので、旅行者にとってのいいところをいくつかピックアップしたいと思います。まずアメリカン航空ですが、同社のハブが中部・東部に集中しているということは、それだけ中部・東部路線が充実しているということです。アメリカのほぼ真ん中にあり、「全米から3時間以内」をおよそ達成しているダラスに本拠地を置くことによって、各地へバランスの取れたネットワークを広げています。全米各地を旅する人には便利でしょう。またアメリカ外では、旧イースタン航空から買収したラテンアメリカ路線がアメリカの航空会社で一番充実しています。日本から南米への路線はあるにはありますが、アメリカン航空で、ということも考えてみることができるでしょう。また、2001年には古豪トランスワールド航空を吸収し、ネットワークをより広げています。

  デルタ航空もアメリカン航空と同じく中部や東部に大きなハブを持っています。特にアトランタ空港が利用客数で世界一(2000年)になったことは、デルタ航空の功績によるところが大きいものです。特筆すべきは充実したフロリダ路線、そしてハブが東部に偏っていることを逆手にとって(?)西部からの夜行便が多いことでしょう。これは東行き便が太陽に逆らって進むためで、西部を深夜に出発すれば時差の関係で東部につく頃には早朝になっているのです。このような夜行便は各社で運航していますが、デルタ航空が最も多く、比較的飛行時間の短い中距離路線でも運航されている路線がありますので、宿泊費を浮かせたい人にはおすすめです。また、ヨーロッパへ行くのにアメリカを経由するひとはあまりいないと思いますが、デルタのヨーロッパ路線(これも元々パンナムのものです)の充実ぶりは全米一で、アメリカとヨーロッパを同時に旅する欲張りな(?)人には最適です。

夕方はいつもノースウェストの赤とユナイテッドのグレーに染まります

1997年のとある日の午後、成田空港第1ターミナル南ウィングの出発案内です。ノースウェストとユナイテッドの案内がたくさん表示されています。また、今はなきカナディアン航空の名前を見ることもできます。現在、南ウィングは改装中。

●新規参入! コンチネンタル航空
  1999年12月、コンチネンタル航空が日本の空に帰ってきました。「コンチネンタル」といえば、グアムやサイパンへの便を運航しているコンチネンタル・ミクロネシア航空(現在はコンチネンタル航空に吸収され、ミクロネシア部門として運営されている)が知られていますが、米国本土からの太平洋路線は長期間に渡って休止されていたのです。
  コンチネンタルのネットワークも、やはりアメリカ東部を中心に展開しています。それはハブ空港が東寄りに位置していることからもわかります。ただコンチネンタル航空にとって強みなのは、ノースウェスト航空としっかりした提携関係にあるということです。ノースウェスト航空の太平洋路線と組み合わせて利用すれば、日本からのアクセスも大きく広がり、またノースウェストと合わせてハブ空港が6つあるという考え方もできますから、決して無視することはできないでしょう。現在アメリカ本土へは2路線しか開設されていませんが、今後の発展に期待したいところです。


5大航空会社の州別就航都市数一覧

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