八月二十六日
午後一時に、ヴィンセント、ジョシュ、グレイスに見送られて出発。
曇り空で少し雨の心配をしていたら、すぐに降ってきた。大降りにになってきて、近くにあったレストランで雨宿り。
幸先の悪いスタートだな〜・・。
今日の目的地は、西に300kmほど離れたクイーンズタウン。
ダニーデンから1号線を南に50kmほど南下して、ミルトンという所から8号線で、クイーンズタウンに行くことが出来る。
雨が小雨になったのを見計らって、街の端にある1号線に向かう。
しかし、困った事にこの道は、一部歩行者進入禁止のようだ。仕方ないので、少し離れた場所から一号線に入っていく車をヒッチすることにする。
ニックにヒッチを任せてみた。初めてのヒッチに何かぎこちない。
30分ほどで2台も止まってくれたけど、どちらも街に行くようで、お礼を言って見送る。止まってくれる人はいるのだ。
でも、アホな人間もいるもので、ヒッチしている僕等に中指を突き立ててきたやつもいる。何て奴等だ。日本でもこんな事はされなかったけどな〜。
どうも場所が悪いようなんで、移動。ここから数キロ行ったところで、歩行者の進入禁止がなくなるから、そこまで行く。
町からだいぶ離れたようで、周りは住宅地。あまり活気付づいた様子はない。
ヒッチを再開して20分ほどで1台止まってくれた。ミルトン前のアラントンまで乗せてくれる事に。祝NZ初ヒッチ!。
名前はミシェル。ダニ−デンの空港に知り合いを迎えに行くらしい。
先週末には自分の馬で、目の前に広がる丘を走ってきたらしい。まだ雪の残る丘はだいぶ寒かったと言う。

ピート
ニックは興奮収まらない様子で、落ち着きがない。
アラントンからヒッチ再開。難無くトラックが止まってくれた。
泥だらけの荷台に荷物を放り込み、狭い助手席に乗り込む。
この人はピート。農場を経営している。ダニ−デンで仕事を終えた帰りらしく、ミルトンに戻るらしい。これはちょうど良い。
「ク−ンズタウンならすぐに着けるよ」
と、西に広がる雪の丘の向こうを差して言った。
「・・寒そうだな」
牧場、牧場、牧場・・。それ以外にな〜んもない所をひたすらピートの車は走って行った。

クイーンズタウンに続く8号線で降ろしてもらう。
日も暮れてきて、ぐずぐずしていられない。しかも車の数もめっきり減った。風の音しか聞こえない。
4WDの車がこっちへ向かってくるのを発見。ヒッチするとすんなり止まってくれた。
仕事帰りの、男二人と犬一匹。ビールを飲んで運転してるから、思いっきり飲酒運転だ。
曲がりくねった山道を走っているから、ちょっと心配。
「Raes Junctionにモーテルがあるから、そこに泊まっていくといい」
と、言われるけど、テントもあるし別に野宿でも平気だ。
降りたところで写真を撮ったけど、名前を聞く前にその車は行ってしまった。

Mr・飲酒運転
雨風強し。急いで牧場の隅にテントを張って、逃げ込む。
少ししたら辺りは真っ暗。ライトを消せば何も見えない。強く吹く風が、丘を切り裂くように音を立てている。
夜中に寒さで目を覚ます。
雨がテントにパチパチと当たる音を聞いていると、なんだか昔のことを思い出してくる。
小学校の頃の塾帰り。雨が降った時はたいてい夜道を傘をさして一人で歩いて帰った。茶畑の広がっている暗い道を一人歩くのは、小学生の自分には少し怖いもので、何かとびくびくしていた。そんな時に母親が迎えに現れた時は、ほっとしたもんだ。今は親にだいぶ迷惑かけてるけど・・・。
この旅が終わったころに、将来につながる何かを見つけられるだろうか・・。
ポツポツと、雨はまだテントをたたいている。