<概論−3.文字

(1)漢字:六書:造字法

象形

物の形を線描きで表した文字:木、目、日、田

象形で表せない抽象的な様子を点や線で表した文字:上、下

会意

意味を合わせる:美=大+羊、忘=心+亡

形声

(形=意味)(声=音)※六書のうち80%、常用漢字の約2/

聞、机、頭、花、貸、園、問

転注

既存の漢字の本来の意味を拡大解釈して他の意味に使う

仮借

既存の漢字の中から意味とは関係なく音が似ている字を使う:不

(2)韓国・朝鮮「ハングル」について

   1446:「訓民正音」→「諺文(おんもん)」と呼ばれ卑下される、あまり使われなかった

 19C以降:「ハングル(大いなる文字)」と呼ばれ使われ始める

   1945:国字として市民権を得る、「ハングル専用に関する法律」公布

   1967:漢字廃止五カ年計画の指示

   1970:漢字全廃(二次的な位置付けとして残っている)

   ※元々韓国語は「閉音節言語」だったから表音文字ができたのは遅い。

    日本は「開音節言語」だから早く表音文字(万葉仮名)を作った。

(3)筆順

  元々美しく書くための順番なので、指導したほうがよい

※筆順が複数許されている字:耳、馬、必、上、はつがしら、感、無、興

(4)字体 康煕体:旧字体→俗字:新字体

(5)漢字音

和語

身体語彙に多く現存

呉音

中国南方系、揚子江下流地域から百済を通って7Cごろまで(飛鳥朝から奈良朝以前)に日本に入ってきた漢字音。仏教を中心に広まったので、仏教関係に現存する

(建立、燈明、世間、正体、末期、蝋燭、天井、屏風、食堂など)

漢音

中国北方系(当時の長安(隋・唐時代の都、今の西安)の発音)78C遣唐使や留学僧などが持ち帰った漢字音。朝廷は漢音を推奨し、江戸時代になると儒教の影響でさらに広まった

()

中国の宋・元・明・清で話されていた発音、鎌倉・室町以降、主に禅僧や商人などの往来・貿易などによって伝えられた漢字音

慣用音

本来の中国の発音ではなく、日本人のなまりや読み間違いが定着した漢字音

 

 

呉音

経文

(きょうもん)

修行

(しゅぎょう)

頭脳

(ずのう)

シャク

キョウ

漢音

経験

(けいけん)

孝行

(こうこう)

頭角

(とうかく)

セキ

ケイ

()

看経

(かんきん)

行灯

(あんどん)

饅頭

(まんじゅう)

 

キン

慣用音

 

 

 

コク

 

(6)カタカナ表記

  第一表:元から使われていた身近によく使われる字

  第二表:外来語の流入による影響、より正しい発音に近くなるので使ってもよい(使わなくてもよい)

  ※慣用的に表記が決まっているものがある

(7)ローマ字

 

ヘボン式(M18)ローマ字会

日本式(M18)田中館愛橘

訓令式(1928 S3)政府

shi

si

si

ち、つ

chi,tsu

ti,tu

ti,tu

fu

hu

hu

ji

zi

zi

ji

di

zi

zu

du

zu

しゃしゅしょ

sha,shu,sho

sya,syu,syo

sya,syu,syo

ちゃちゅちょ

cha,chu,cho

tya,tyu,tyo

tya,tyu,tyo

じゃじゅじょ

ja,ju,jo

zya,zyu,zyo

zya,zyu,zyo

ぢゃぢゅぢょ

ja,ju,jo

dya,dyu,dyo

zya,zyu,zyo

くゎ

kwa

ぐゎ

gwa

o

wo

o

(ヘボン式:J.C.Hepburn(1885)「和英語林集成」、現在の訓令式:1954(S29))