<教授法−5.アクションリサーチ>

 ・教師トレーニング:熟練教師が新米教師に教える、トップダウン

 ・アクションリサーチ:自己研修型教師、自分自身を見直す

 

<教授法−6.外国語教授法の歴史的変遷>

*直説法:媒介後を使わず目標言語だけで教える教授法の総称。20C初多、母語が不統一の場合有効。

(1)代表的な教授法

<文法訳読法>

A.時期、場所

1718Cヨーロッパにおけるラテン語教育

B. 提唱者(基盤)

C.重要視される技能

読み書き

D.内容

現在の教授法以前の教授法。文法規則や語形変化を暗記、目標言語を母語に訳す

E.長所

教材を使って独習が可能、大クラスでも可能

F.短所

口頭能力が育たない、学習者のニーズに対応していない

<↑批判>グアン(サイコロジカルメソッド(心理学中心))

スウィートとイェスペルセン(フェネティックメソッド(音声学中心))

→「ダイレクト系メソッド」→それぞれの良いところを合わせた「ダイレクトメソッド」

 

<オーラルメソッド(オーラル・アプローチ)>

A.時期、場所

 

B. 提唱者(基盤)

パーマー(ソシュールの考え方を支持)

C.重要視される技能

話す

D.内容

ダイレクトメソッドをより良いものへと発展、四技能に分けた

口頭コミュニケーション重視

E.長所

 

F.短所

場面運用力がつかない

(日本での英語教育改善に活用、あまりうまくいかなかった)

(パーマーに協力した長沼直兄:「A−L法」と場面運用練習の折衷案「問答法」=「伝統的教授法」)

 

<A−L(オーディオリンガル)法>

A.時期、場所

1960年代アメリカ

B. 提唱者(基盤)

ワトソンとスキナー(行動主義心理学)ブルームフィールド(アメリカ構造主義言語学)

(フリーズの「ミシガンメソッド」とASTPの「アーミーメソッド」から発展)

C.重要視される技能

聞く→話す

D.内容

構造シラバス、build-up、ドリル、ミム・メム練習、徹底的な反復練習

E.長所

身体反射的に覚えるので忘れにくい、各人の発音確認も可能、人数やレベルの違いにも対応可能

F.短所

時間がかかる、単調で退屈、自力の運用能力が育たない

<↑批判>チョムスキーがブルームフィールドの「アメリカ構造主義言語学」を批判

→「言語生得説」を提唱(人は生まれながらに言語処理・習得のための潜在的な知識(普遍文法)を持っている。言語は習慣であり、習得するものではない)。→コンプリヘンションアプローチ(聴解中心)

 

<GDM(グレート・ダイレクト・メソッド)>

A.時期、場所

B. 提唱者(基盤)

リチャードの「意味の三角形」(言葉には言語と指示物の両方が必要である)、認知

C.重要視される技能

四技能同時

D.内容

構造シラバス、文と場面(絵など)を関連して提示、文や語を制限して導入

E.長所

文や語彙が制限されているので覚えやすい、目(文字)と耳(発音)の両方同時に学べる

F.短所

制限する項目を選択するのが困難、制限するため不自然になりやすい

 

<TPR(トータル・フィジカル・レスポンス)>

A.時期、場所

B. 提唱者(基盤)

アッシャー(チョムスキーの「言語生得説」)

C.重要視される技能

聴解

D.内容

母語獲得の過程を実現。幼児教育、小学校、サバイバルジャパニーズに適用

教師が学習者に命令を与え動作させることで聴解から発話へと移行させる

E.長所

体で覚えるので忘れにくい、聞く力がつく、現実生活に結びつく、参加型授業にしやすい、他の教授法と組み合わせやすい

F.短所

正しく発音できるか(聞き取っているか)どうか確認しにくい、文字理解が遅れる

幼稚な感じになる(成人には不向き)、使用可能文型が限られる、応用力が育ちにくい

 

<サイレントウェイ>

A.時期、場所

?年エジプト

B. 提唱者(基盤)

ガッテーニョ(心理学者)(学習者自身の気付き)

C.重要視される技能

話す

D.内容

構造シラバスに沿うがテキストは使用しない。カラーチャート・指示棒・ロッドを用いて学習者の「気付き」を促す。教師は基本的に話さない。

E.長所

積極的な参加と自主性を促すことができる、運用力が育つ

F.短所

正しい発音の習得と、間違いを修正するのが困難。聴解力が育たない

単調、フラストレーションがたまりやすい、少人数向き

 

<CLL(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)>

A.時期、場所

B. 提唱者(基盤)

カラン(コミュニティ、カウンセリング)

C.重要視される技能

話す

D.内容

会話体験→振り返り(教師はカウンセラー、サポーターに徹し、学習者が話すことを中心に進める)。学習者の質問には母語や媒介後で答える

E.長所

自分の興味のあることを自分のペースででき、動機を高く保てる、現実的である

F.短所

少人数限定、教師に高い能力(外国語、カウンセリング)が必要、学習者の不安を誘う

 

<サジェストペディア>

A.時期、場所

B. 提唱者(基盤)

ロザノフ(精神科医)(暗示、潜在的能力を引き出す)

C.重要視される技能

聞く(+話す)

D.内容

基本的に構造シラバス。イントロダクション→コンサート(暗示セッション)

音楽・安楽椅子・変身などでリラックスした状態を作り不安を取り除く

ビジュアルを使って語彙・文型を導入する→ロールプレイ

E.長所

幼児化・変身を通じ自己からの開放を促すと、学習者は素直になることにより学習が促進される。短時間で多くの内容を学習できる

F.短所

教師にかなりのカリスマ性、非常に多くの様々な小道具、くつろげる空間の確保が必要、少人数限定

 

<ナチュラルアプローチ>

A.時期、場所

1980年代初め、カリフォルニア

B. 提唱者(基盤)

テレル(スペイン語教師)、クラッシェン(言語学者)

チョムスキー理論からのコンプリヘンション・アプローチに属する

クラッシェンのモニターモデル(第二言語習得理論)

C.重要視される技能

聞く

D.内容

複合シラバス(話題→場面→タスク)を用い、教師は早口にしゃべり続ける

初めはYes/No疑問文を出しクイックレスポンスを求め、徐々に発話を増やしていく

E.長所

最初から発話を強いないので不安や緊張を軽減させられる、クラス内のレベル差に対応可能、コミュニカティブな活動が実用的である

F.短所

話題・タスクシラバスに取り入れる文型選択に工夫が必要、教師に豊富な経験が必要