<音声学−2.音素

(1)音素と異音

・音声:実際の発話音(意味の区別とは関係ない) ・・・>「音声学」

・音素:意味の違いを区別することができる最小単位・・・>「音韻論」

  ・異音:音素はそれぞれいくつかの異音をもつ

   −自由異音:人によって自由に使えるもの(意味の違いを表さない)

   −条件異音<相補分布>:後ろの母音や場面によって使う音が決まっているもの

 

(2)特殊拍

  <自立拍>:子音+母音(基本的に日本語はcv構造(子音+母音)である)

  <特殊拍>:cのみ、vのみの語(撥音、促音、長音)も存在する

 A.発音「ン」/N/

  ・次に来る子音の調音点で鼻音を出す→条件異音(逆行同化)

 B.促音「ッ」/Q/

  ・基本的に直後には無声音がくる(※最近の外来語では有声音の場合もある)

  ・直後の子音の調音点で待つ形になる→条件異音(逆行同化)

 C.長音「ー」/R/

  ・直前の母音をのばして撥音する→条件異音(順行同化)

 ※中和現象:本来は対立があるのに、ある環境の中でその対立をなくす現象(日本語の促音の後の有/無声)

 

(3)拗音

  ・硬口蓋化子音:イ段音の後に母音が続いたものと考える

 

(4)日本語の音素数=22コ

  /a/,/i/,/w/,/e/,/o/ /k/,/g/,/s/,/z/,/t/,/d/,/n/,/h/,/p/,/b/,/m/,/j/,/r/,/w/ /N/,/Q/,/R/

 

(5)母音の無声化

  ☆日本語の母音は無声化しやすい!

・無声子音にはさまれると同化する、特に狭母音[i][w](地方差あり、関東:多、関西:少)

 −語頭で次に無声子音がくるもの:生きる、美しい

 −無声子音に挟まれたとき:かかし、きかい

 −無声子音の後の語末、文末:です

・無声化が促音化するものもある

()せんたくき→せんたっき、さんかくけい→さんかっけい、おんがくかい→おんがっかい

  ☆アクセント核(アクセントの落ちる部分)には起こらない

 

(6)鼻濁音化

 A.鼻濁音化する(ことが多い)ケース

   語中のが行音、助詞の「が」

   結びつきの強い複合語のが行音(どちらかが拘束形態素)「大学」「小学校」

   連濁によって生じるが行音「雨傘」「大会社」

B.鼻濁音化しない(ことが多い)ケース

   語頭のが行音「画廊」「外国」、外来語のが行音「イギリス」、数詞の「五」

   軽い接頭辞の次のが行音「お元気」、オノマトペのが行音「ぐーぐー、がらがら」

 ※いずれも地域差・個人差が大きい

 

(7)中舌化

  前舌を使う子音の後の後舌母音[w]は、後舌への移動が間に合わずに中舌化する(ス、ツ、ヌ、ル)